国交省、「高速道路の無料化社会実験」開始後1週間の交通量

前週と比較して、77%増の1万6800台/日、渋滞は最大11区間に
国土交通省は7月5日、7月4日分の高速道路無料化社会実験50区間の交通量と渋滞区間を発表した。国交省は高速道路無料化社会実験が始まった6月 28日から毎日交通量と渋滞区間を発表してきたが、7月4日分で1週間となり、あわせて1週間の平均交通量も発表している。

 発表によると、6月28日〜7月4日間の1週間の平均は、前週(6月20日〜26日)と比べて77%増となり、1日あたり9500台が1 万6800台になった。最も増加率の高かった区間は、東北中央自動車道 山形上山IC(インターチェンジ)〜山形中央IC間の292%増で、2600台/日が1万200台/日へと増えており、7月1日には前週と比べて355%増を記録している。

 渋滞区間に関しては、7月4日の日曜日に最大11区間の渋滞が発生し、前週は1度も渋滞のなかった西九州自動車道 武雄JCT(ジャンクション)〜佐世保中央ICで毎日渋滞が発生することとなった。 (Car Watch)

【高速道路新料金】菅首相から最初の指示…微妙に後退?

菅内閣の下で、前原国交相に示された一番目の仕事は「高速道路の無料化」だった。菅首相は国土交通省に7つの大きな仕事を指示し、その最初に高速道路無料化を上げた。このことは鳩山前内閣と同じだった。前原氏は8日深夜の就任会見で、その文書を読み上げた。

「一つ目が、高速道路を段階的に原則無料化し、地域の活性化、流通コストの引き下げを推進すること」

高速道路だけでなく、他の交通手段に配慮する新たな視点も加わった。

「地域住民の移動手段を確保し、環境問題に対応するため公共交通を含め総合交通体系の確立に取り組む」

新民主党政権は高速道路の無料化を柱にして、交通体系全体の改革に着手したということだ。

それにしても「高速道路の無料化」や「段階的な無料化」ではなく「段階的に原則無料化」という言い回しは、何を意味するのか。

「『原則』が入ったのは、私が繰り返し国会で原則と言っていたことを踏まえて(菅首相が)おっしゃっていただいたのだと思う」という前原流のジョークに笑いは起きなかった。

少し真顔になった前原氏が続けたのは「私が作り上げた言葉ではない。これは去年のマニフェストに原則無料化と書いてあるので使ったまでで、鳩山政権の申渡書には『原則』が抜けていたのが入ったに過ぎないと思っている」と、加えた。

高速道路の中でも「首都高速と阪神高速は、原則料金はいただきます。有料で続けさせていただきますということは申し上げてきたわけです」とは、前原氏が繰り返して話してきた。それが『原則無料化』の意味するところだ。

6月下旬には首都高速と阪神高速を除く全国高速道路の18%が無料開放される。こうした無料化社会実験を経て、徐々に解放していくことを『段階的に』と表現したのか。

前原氏は「少ない金額、少ない路線かもしれないが、社会実験を積み重ねながら、これ(無料化路線)を決めていきたい」と、話す。

これまで利用者が負担していた通行料を引き下げたり、無料にするということは、その分の減収が発生するということだ。財源を手当てしなければ、道路建設の債務返済が滞ることになる。

来年3月までの無料化社会実験の財源は1000億円。当初、国交省は概算段階では6000億円を要求したが、税収の落ち込みを考えると、予算は大幅に削減せざるを得なかった。

「段階的な原則無料化」という言葉は、原則無料化という着地点を微妙に後退させたかのように思える。(レスポンス)

公共事業減額せず 11年度予算 国交相表明 「新規凍結」解除へ

前原誠司国土交通相は9日、京都新聞社など報道各社のインタビューに応じ、「4年で減らす金額をすでに達成した」として、2011年度予算編成では公共事業費をこれ以上削減せず本年度並の水準で概算要求する考えを明らかにした。

 前原氏は昨夏の衆院選マニフェスト(政権公約)で盛り込んだ公共事業費1・3兆円減は、10年度の農林水産省と国交省の予算で達成したと説明。その上で「道路のミッシングリンク(非連結)の解消など必要な公共事業は行う」として、新規公共事業の凍結方針解除の考えを示した。

 高速道路の原則無料化には「場所によっては値下げで混雑する。大都市や基幹路線ではロードプライシング(料金による交通量調整)の考えに立った方がよい」と首都高速や阪神高速では有料にすると言及。東名、名神高速が無料化の対象外となるかは「まだ決めてない」と、社会実験の結果で最終的な形を決めるとした。(京都新聞)

 また今夏の参院選で、京都など改選数2以上の選挙区で複数候補を擁立する民主党の方針については「安住淳選対委員長が菅直人首相や枝野幸男幹事長と決める方針に従う。京都は2人目が降りようとも降りなくても、現職の再選を期す」と述べた。

中小企業向け法人ETCカード

企業で、ETCカードを利用する場合、一般のクレジットカードのように、買い物やキャッシングが出来ては困ります。そこでETC専用のカードになるのですが、法人での申し込みには、面倒な審査があります。特に新設会社や法人化まもない企業の場合は、NGになる可能性が非常に高くなります。そこで、国の認可を受けた協同組合に加入しETCカードを申し込む方法があります。審査がない訳ではないのですが、よほどの理由がない限りNGになることはないと思います。  代表的な協同組合はこちら!

高速新料金制発表 近距離は値上げ、エコカーは軽扱い

前原誠司国土交通相は9日、6月中に導入する高速道路の新料金体系を発表した。普通車は2千円など車種に応じて1千〜1万円の上限料金を設け、一定の距離を超えると料金が上がらないようにする。ただ、近距離を走る場合は値上げになる。また、「休日上限1千円」などの現行の割引は原則廃止する。利用の仕方によって、値下げと値上げが分かれる料金制度となる。

 首都高速、阪神高速、本州四国連絡高速を除き、新料金は全国一律。曜日やETC搭載の有無による料金の差もなくす。上限料金は軽自動車1千円、普通車2千円、中・大型車5千円、特大車1万円。燃費が1リットル当たり20キロ以上のエコカーは、事前登録制で軽と同じ料金にする。

 首都高速・阪神高速は現在の定額制から、ETC搭載車に限り普通500〜900円、大型1千〜1800円の距離別料金に移行する。料金を入り口で支払う方式なのでETCがないと距離別料金の実施が難しいことから、ETCがない車は入り口で上限料金を支払うことにした。料金改定には地元自治体の同意が必要なため、新料金への移行は年末年始ごろになる見通しだ。

 本四高速の3道路については、競合するフェリー会社の経営に配慮し、軽2千円、普通3千円とする。

 「休日上限1千円」や「平日昼間3割引き」などの現行の割引は原則廃止する。例えば東名静岡―浜松間の料金は現在の1350円(平日昼間、ETC搭載普通車)から1900円に上がるなど、特に地方の近距離料金が実質値上げになる。ただ、夜間割引、通勤時間帯割引、大口利用者向け割引など一部は今年度に限り継続。障害者や本四高速沿線の島民向け割引などは継続する。

 料金割引とETC専用インター建設の財源として事実上、国から高速道路会社に投入されていた税金3兆円のうち、1.4兆円は高速道整備に回す。その財源で東京外環道・練馬―世田谷間と名古屋環状2号線・名古屋西―飛島間を建設するほか、館山道、上信越道、東海北陸道、高松道の4車線化拡幅工事を行う。検討していた阪和道、長崎道の拡幅は見送る。

 前原国交相は9日午前の記者会見で「来年3月末まで(料金改定の)影響を検証し、最終形を決める」と述べ、来年度以降、料金体系を再度見直す可能性に言及した。(朝日新聞)

国土交通省、新高速料金に関する質疑応答

4月9日に、高速道路の新たな料金割引についての記者会見が国土交通省で開かれた。前原大臣の会見については既出したとおりだが、会見後に報道陣と馬淵副大臣による質疑応答が行われたので、その内容を紹介する。

――割引制度ではなく上限制を導入した意味は何か。

 1つは分かりやすい料金制度にしようということ。1000円刻みというのも分かりやすいものだと思う。ただし、上限1000円の料金制度では大渋滞を招き、さらには割引を充当する費用も莫大になる。従って普通車2000円をこの新料金制度の中心に据え、さまざまなシミュレーションを行った。地方への配慮、あるいは環境への配慮を考え、軽自動車に対する優遇制度も導入した。口で言うと単純だが、いずれにしても複雑な計算を行いながら到達した金額が、普通車2000円だということを理解していただきたい。

――マイレージ割引が廃止されるが、利用者に6カ月前に通知しなければならないのでは? またいつから廃止される?

 現時点で日程は決定していない。本日は決定したことだけをお伝えしたい。

――エコカー割引はどうすれば受けられるか?

 適合車種は追って公開したい。適合を受けるには事前登録が必要で、ETC車載器のデータに記録されている情報を元にチェックを行っていく。6月実施といっても登録してから割引を受けるまで、若干の時間を要すると考えている。ちなみにETC車載器を搭載していなくても、登録証を確認できれば割引を受けることが可能だ。

――具体的にどの割引制度がなくなり、何が残るのか?

 今後も継続する予定なのは障害者割引、本四の島民関係割引、環境ロードプライシング、環状道路等割引などで、原則撤廃する割引は休日のみを対象とした割引、適用率が低い割引、新料金で補完される割引、無料化実験と重複する割引など。そのほか2010年に限定して激変緩和として措置する割引もある。これらはすべて決定したわけではなく、6月まで高速道路各社と詰めて行きたい。

――物流コストは具体的にどの程度を見込んでいるのか? また大口・多頻度割引は激変緩和措置で残っているが、今後撤廃されるとかえって物流コストは引き上がるのではないか?

 社会実験の成果を踏まえながら進めていきたいが、原則高速道路無料化が進めば当然物流コストは大きく引き下がる。ここはぜひ理解して頂きたいが、現在実施されているさまざまな割引プランは2011年3月末で終了する。我々は現行の財源の中で恒久的な措置を図ることで料金制度を抜本的に見直した。首都高速・阪神高速では既存のベースとほぼ変わらない価格に設定しているし、激変緩和措置として来年3月末までは大口・多頻度割引も遵守している。物流コストにどの程度寄与するかは、適用後の企業の運行・運用を見極めていきたい。

――本四架橋で上限3000円(普通車)としているが、NEXCO管轄の料金よりも軽自動車・普通自動車ともに1000円上乗せした理由は何か。

 自公政権による料金制度になったことで多くの方が本四架橋を利用して頂いているのは理解している。公共交通機関への配慮については、地元島民の方々から大きな声を頂いたこともあり、我々はそれを踏まえてフェリーとほぼ同等の料金とさせて頂いた。

――利用者にとって今回の料金上限制は負担が増えるものになるのか。

 どの車種に乗り、どの経路を使うのかによって異なるため、利用者にとって負担の増える方もいれば減る方もいる。我々は今回、これまでの多岐に渡る料金割引制度の整備をし、誰もが公平に使える割引制度に変更した。曜日、あるいは時間帯に片寄らない新たな料金制度は、享受してもらえるものだと思っている。

――2011年4月以降の制度はどうなるのか。

 6月から始まる制度への意見や情報をしっかりと把握し、今後に役立てていきたい。
(Car Watch)

エコカー 高速道割引も検討

政府は28日、導入を目指している高速道路の上限料金制度で、エコカー減税対象の乗用車を軽自動車並みに優遇する方向で検討していることを明らかにした。環境対応車の普及を促す狙いがある。

 優遇対象は、2012年春まで自動車重量税が減税される電気自動車やハイブリッド車などで、トラックは対象外となる。上限料金制は、現在週末に行っている「上限1000円」割引を見直し、高速道路一部無料化に合わせて実施する方向で、軽自動車1000円、乗用車2000円、トラック5000円とする案が有力だ。この案が採用されれば、エコカー減税対象の乗用車も1000円となる。

 ただ、優遇対象とするには、自動料金収受システム(ETC)の設定変更などが必要となるため、エコカー優遇が上限料金制導入に間に合わない可能性もある。
(読売新聞)

高速道路:上限料金制の実施見送りを要望 「年500億円減収」−−JR7社

JR東日本の清野智社長らJR7社の代表は5日、高速道路の上限料金制などの社会実験を見送るよう、前原誠司国土交通相に文書で要望した。

 政府は社会実験で、高速道路料金を一部無料化するほか、「軽自動車1000円、普通車2000円、トラック5000円」などの上限制度を導入する方針。JR7社は、上限導入により、年間計500億円程度の減収になるとの試算を示し、「経営に深刻な影響を与える」と訴えた。これに対し、前原氏は「要望は受け止めるが、何らかの形で社会実験をやりたい」と述べた。

 フェリー業者らで作る「日本旅客船協会」も5日、上限導入に反対する考えを表明。導入する場合でも上限額を大幅に引き上げるよう求めた。(毎日jp)

高速の新割引料金は「値上げ」=前原国交相

前原誠司国土交通相は5日の記者会見で、高速道路料金の「土日上限1000円」など前政権下で導入された割引制度の見直しについて、「それ(現行制度)より値上げになると思う」と述べ、新たに導入する割引料金は現行額よりも高くなるとの見通しを示した。
 前原氏は、現行の割引制度は複雑すぎるとして、軽自動車、普通車、トラックなど車種別に上限料金を設ける割引制度を検討している。同氏はまた、「さらに財源を使っての割引は考えていない」と述べ、前政権が計画した2008年度から10年間で料金割引などに投入する資金3兆円を増額する考えがないことを明らかにした。(時事ドットコム)

無料化は疑問だらけ、高速道路政策の混迷

効果もはっきりしない社会実験に1000億円の税金を投入する余裕が、今の日本にあるのだろうか。

 民主党の看板政策の一つである高速道路の段階的無料化が、今年6月にもスタートする。区間は全国の高速道路37路線、1626キロメートル。システム改修など所要の準備を経てから実施される。

 今回の無料化に伴う財源は、2010年度予算案で計上されている1000億円。路線の選定に当たっては「渋滞や他の交通機関への影響などを勘案して」(国土交通省の馬淵澄夫副大臣)選んだという。

 結果的に、東北地方で7路線327キロ、九州地方で6路線249キロが選ばれた一方、北陸3県は1路線。無料にすると、激しい渋滞が予想される都市部は有料のままだ。

 「経済効果を年度末までに把握し、原則無料化に向けた次のステップにつなげていきたい」(馬淵副大臣)とするが、交通量の少ない地域でどれほどの効果が見込めるのか、疑問も湧く。

事態は一層複雑に

 「原則無料化には反対。実施を見送るよう引き続き求めていく」(JR東日本)など、競合交通機関から反発の声も相次いでいる。

 高速道路だけ税金で優遇するという交通手段間の不公平もさることながら、今回の税金による無料化には、受益と負担の原則を歪めるという根本的問題がある。

 税金で道路建設に伴う借金返済を肩替わりすると、料金収入以上の道路建設が可能になる。ただでさえ財政規律の働きにくい道路建設が、一層野放図になる危険性がある。

民主党のマニフェストには、原則無料化実施に1・3兆円程度が必要と書かれているが、財政難の政府には重荷だ。6月メドの実施となったのは、7月に予定する参議院選挙への対策と勘ぐられても仕方がないだろう。

 事態を一層複雑にするのが、昨年末に民主党が出した「高速道路の整備」の要望だ。税金で不採算の高速道路を建設する「新直轄事業」を廃止し、これに見合う額を国が高速道路会社に支援する案だが、旧日本道路公団の民営化前に戻るという指摘もある。ほかには、全国統一の料金設定などが盛り込まれている。

 「民主党からその後説明もなく、大臣から詳しい指示もない」(国交省)ため、たとえば全国統一料金の具体的な内容は不明。ETC搭載車の土日祝日上限1000円割引を取りやめ、代わりに車種区分ごとの新料金を導入するようだが、「全国どこへ行ってもトラックは一律5000円となれば、フェリーはやっていけない」(フェリー業界)と懸念する声も上がる。

 無料化が経済の混迷を深めないことを祈るばかりだ。(東洋経済)
    >>次へ