2018年05月07日
『風の谷のナウシカの世界に入り込む』
宮崎駿監督の其之五
「枕草子」や「源氏物語」は一千年受け継がれている。この「風の谷のナウシカ」もいくつもの時代を越えて受け継がれ残されていくだろう
1984年に公開された宮崎駿監督による長編アニメーション【風の谷のナウシカ】。公開から30年以上経っているこの作品は全く色あせない。色あせるどころか今観ると改めてその作りの深さに胸を打たれる
ナウシカはもちろん、その世界、暮らす人々、蟲たち、あらゆるものが確かにスクリーンの中に広くそして深く存在し、時間の流れさえもわかる。
驚くのはありとあらゆるものの速さや重さや大きさといったものが「衝撃的」に伝わってくるところだ
現在CGなどを駆使したアニメなどを見慣れている人や「大人になってからナウシカ観てないな」という人に今改めて観て欲しい
その世界観の圧倒的な広さ深さと【風の谷のナウシカ】という作品を通して伝わってくるメッセージ
そのスケールの大きさは少なからず今の自分に何か気づきを与えてくれるのではないだろうか
この作品の魅力は描く世界や人物だけではない。流れる音楽、効果音、色、声、様々なものが全てこれ以上ないというくらい一体となっている所にある。メーヴェが雲から出てくるところなど鳥肌もの
圧倒的でありながら描かれた世界が自然に入ってくるこの作品は、世界のアニメーターと呼ばれる人達にしたらきっと教科書のようなものなのではないだろうか
今子ども達に「自然とは何故大切なのか、何故怖いのか、その奥にある本当の意味」など、どう教えようか悩んでいる大人たちがいたら、今一度この映画を観て、改めて自分たちが暮らしている世界に目を向けてみるのもいいのではないかなと思います。数年前に観た時と今では感じ方が全く変わっていて、モノの見方も広く深くなっていたりしますので
宮崎駿監督の作品は何度観ても面白いのは何故なんだろう?そう考えた時、宮崎駿監督がある番組で言っていた事がふと頭をよぎりました
『アニメーションは意思が筋肉なんです。運命があっても意思を表現するんです』
なるほど『意思』というものは普遍的なもの。あの絵の中に物語の中に、監督の『意思』がしっかり込められているからこそ、観ている人はその『意思』を余す事なく感じとり、あの不思議で楽しい世界の中に何度でも入り込む事ができるのだなと
その受け取った意思をどう生かすかは自分次第。自分なりの形で次へ繋げていけたらいいなと改めて思います
『風の谷のナウシカ』劇場アニメ化の話しが持ち上がった時、はじめ宮崎駿監督は反対だったらしいです。でも、その当時アニメーション制作から離れていた為、アニメーション作りがしたいという思いから承諾したとか
ちなみに、
ナウシカの幼き日の回想シーンで繰り返し流れてくる「ラン、ランララランランラン」という歌を歌っているのは宮崎作品全ての長編映画の音楽を手がけている作曲家「久石譲」氏の娘さんである「麻衣」さん(当時4歳)
"巨神兵"を担当したのは、その後「新世紀エヴァンゲリオン」の監督で社会現象を引き起こした『庵野 秀明』氏です
スタジオジブリ公式サイト
三鷹の森ジブリ美術館
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