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2016年08月29日

人工関節手術への恐怖心を取り除き、私を前向きにさせてくれた言葉

変形性膝関節症のため遠くない将来に人工関節の置換手術が必要だと医師に告げられ、決意した二つのことを昨日は書きました。

その二つ目、

「自分の足で歩けるうちに、どんどん世界を歩いて見ておこう」

と決めたことは、発症から引きこもりがちだった私のメンタルに大いに影響を及ぼしました。

それはもちろん、良い影響です。


そして一つの良い決断がまた一つの良いことへと繋がっていく、プラスの連鎖を経験することになりました。

今回はこの春に一人でシンガポールを旅した時のエピソードを紹介します。

この旅のおかげで私は、膝のことや将来の手術に関してポジティブな気持ちを抱いて帰国することができたのです。


さてシンガポールでまず感激したのは、全くと言っていいほど膝関節が痛まなかったこと。

私が旅したのは三月末ですから、春らしくなる頃とはいえ日本はまだ寒く、実際フライト直前には雹が降ったほどです。

でも、やはり温かさ・暑さは痛みを緩和するのですね。

シンガポールの暑さ(ずっと30度前後でした)の中では、元気に歩き回ることができました。


ところで、旅先で私はある小さなホテルにステイしていました。

屋上にはプールがあり、毎日リハビリも行えます。

スタッフの方々も親切でとても快適だったので、最後の夜、私は名残惜しい気持ちでホテル一階のレストランで食事をしていました。

すると一人のアメリカ人男性がやって来て、私の隣りのテーブルにつきました。

50代くらいの紳士です。

目が合ってお互いにっこりすると、すぐに打ち解けられる空気を感じました。

その紳士が「君はこの国にどのくらい住んでいるの?」と聞くので、「住んでないよ、一週間の一人旅。」と答えると、次に旅の理由を問われました。

そこで脚の状態を説明し冒頭の決意について述べると、彼はこう言ったのです。


「いいかい、変形性膝関節症は、絶対に良くなるということがない。

毎日少しずつ悪化していくことは、受け入れなければならない真実なんだ。

だからいつか歩けなくなってしまう日まで、手術を待っていてはいけないよ。

今の医学では人工関節置換手術はとても簡単だし、何より残りの人生を救ってくれるんだからね。」



手術までの時間を延ばそうとしていた私にとって、紳士の言葉は目から鱗でした。

なぜ彼の口からそのような言葉が出たかというと、お母様がやはり重度の変形性膝関節症で、長年歩くこともままならなかったそうです。

特に寒い季節はずっとソファに座ったきり、毛布を掛けた膝をいつもさすってばかりいたと言います。

ところが人工関節の手術を受けると、それまでの姿が嘘のように元気に歩き回れるようになったのだとか!


彼はお母様が「痛い」「痛い」と言わなくなったこと、笑顔が増えたことが何より嬉しかったそうです。


この具体的な体験談は、私を漠然とした不安から救い出してくれました。

そしてまだまだ悲観するには早すぎる、もっともっとやりたいことをやれるんだと思い直させてくれました。


思い切って行動した後には、必ず得るものがある。

この旅は本当に沢山のエネルギーを充電させてくれました。


来週は国内を一人で一週間ほど旅して来るつもりです。

どんな心境の変化があるか、今からとても楽しみです!



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こほら
20代まではどんな痛みや不調も気力でカバーするタイプでした。今は一つ一つの症状とじっくり向き合い、改善したり上手く付き合うための道を探したりしています。身体だけではなく心も健やかに生きる!そんなヒントになる文章を綴っていけたらと思います。
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