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「平安」=「チャンナン」?

首里手の話題がずっと続きましたが、とりあえず今日で一区切りとします。

右の写真は、現役諸君もよくご存じの通り、昇級審査で使っている「平安(へいあん)」の形です。

今さら申し上げるまでもありませんが、右側が平安初段、左側が平安二段です。



この形を創作されたのは、以前ご紹介した首里手の大家・糸洲安恒(いとすあんこう)先生です。

右下は、昭和初期、首里城で平安の形を集団演武している有名な写真です。

このように、糸洲先生は、唐手を体育的に普及させようと努力されました。





ところで、周知の通り、平安は初段〜五段までありますが、実はこれらの形の原型「チャンナン」と呼ばれたそうです。

「チャンナン」と「平安」???

日本語読みと中国語読みの違いでしょうか?

いいえ、そうではありません。

ではなぜこんなにも呼び方が違うのでしょうか?

幕末の頃、沖縄の泊地方に漂流した一人の清国人がいました。

その人の名前を「チャンナン」といいます。

実は、洞窟で暮らすこの謎の漂流民「チャンナン」がものすごい拳法の達人であるという噂が広まり、多くの人たちが弟子入りしました。

その弟子の一人に、糸洲安恒先生がおられたわけです。

糸洲先生は、このときチャンナンから教わった形を、後に形名「チャンナン」として門下生に指導しておられましたが、その後「クーサンクー」その他の形の技法を採り入れ、改正し、「平安」初段〜五段までを完成されたそうです。


ところで、なぜこの形名を「平安」と名付けたのでしょう?

それは糸洲先生の唐手(空手道)に対する思想が如実に反映されていると言われます。

決して好戦的に利用してはならず、暴を禁じ、やむをえざる時に悪を制して平和の実現を樹立することの教示が込められているそうです。

それはまさに「空手に先手なし」・「君子の拳」の教育思想に合致するものでした。

先の記事にも書きましたが、「君子の拳」という言葉を最初に用いたのは糸洲安恒先生です。

ちなみに形名の読み方も日本語音ではなく、中国音で「ピンアン」と呼ばせることで、源流国・中国への敬意を示そうという意図があったようです。


現役部員の皆さんへ。

これで1本の線がつながったでしょうか?

「空手に先手なし」・「君子の拳」・「平安」、これら全てが首里手の大家・「糸洲安恒」先生というキーワードで括られます。

その教えが、弟子の摩文仁賢和先生、さらには第2代宗家・摩文仁賢榮先生や辻川元老へと受け継がれました。

そしてその延長上に神戸大学空手道部があります。

小生が何を言いたいかわかりますか?

この糸洲先生の根本思想が、本学空手道部の伝統である「五誓」の5番目の文言に通じるということです。

一、至誠に悖る事なし

一、言行に恥ずる事なし

一、気力に欠くる事なし

一、努力を惜しむ事なし

一、血気の勇に逸(はや)る事なし


「五誓」は糸東流空手道の根本精神を受け継いでいます。

ぜひ復活させて下さい!


最後に糸東流の平安初段を動画でご覧いただきたいと思います。

演武されているのは、全国糸東会理事長の岩田源三先生です。

周囲の方々は、親しみを込めて「源三さん」とか「源三先生」と呼んでおられます。

現役部員の皆さんは、最初の方の挙動で、後方に向きながら中段横受けと蹴りを同時に行っている点に注目して下さい。

本学の昇級審査ではほとんどの人ができていませんが、我々審査員はこういう点を見ていますよ。
しっかり稽古して下さいね!笑顔



明日は、那覇手の話に移る前に、ちょっとしたカレントトピックスをお伝えします。
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