2008年10月30日 | Posted by 公 at 22:32 | 外交 | この記事のURL |
日下公人語録18
一神教を掲げる世界同士の軋轢は、その宗教の教義からして宿命的であり、一方を神とし、他方を悪魔と呼び続けるかぎり、終わりはないということになる。そうした対立のどちらか一方に日本があえて加担する必要はないし、日本には独自の道を歩むという選択肢がある。
アメリカに頼らなくても大丈夫な日本へ―「わが国」の未来を歴史から考える
日下公人語録18
一神教を掲げる世界同士の軋轢は、その宗教の教義からして宿命的であり、一方を神とし、他方を悪魔と呼び続けるかぎり、終わりはないということになる。そうした対立のどちらか一方に日本があえて加担する必要はないし、日本には独自の道を歩むという選択肢がある。 アメリカに頼らなくても大丈夫な日本へ―「わが国」の未来を歴史から考える
日下公人語録17
<9・11テロ>のあと、イタリアのベルルスコー二首相(当時)が、「イスラム文明より西欧文明が優れている。人権や宗教の尊重を保証しているわれわれの文明の優位性を自覚すべきだ」とドイツ訪問中の同年9月26日に語ったという報道があった(なぜか日本の活字メディアはほとんど報じなかったが)。 この発言はイスラム諸国の怒りを買っただけでなく、さすがにEU(欧州連合)諸国も懸念を表明したが、この発言の深層にある「西欧」の世界観、文明観を見過ごすべきではない。 キリスト教文明の優位という彼らの無意識下の意識をはからずもベルルスコーニ氏は吐露してしまったのであり、EU諸国の懸念は、域内にイスラム圏出身者を多く抱えているという事情である。神の意志に基づいて「明白なる天意」を掲げ、世界に普遍性を押し広げようとするアメリカにも、ベルルスコーニ氏の発言と同じような無意識下の意識がある。アメリカに対する世界の反発にはこうした宗教や歴史に根ざす奥深い背景(略)があることを日本人は知っておく必要がある。 アメリカに頼らなくても大丈夫な日本へ―「わが国」の未来を歴史から考える
日下公人語録16
イギリスは自国の利益のためにやっていることでも、巧みに"世界のため"という虚構の秩序に他国を組み込んできた。「パックス・ブリタニカ」という言い方も、それを表したものである。明治期の日本はそれを見抜いたうえで、イギリスとの同盟が日本の利益につながるのならば、と相応の負担をした。それができたので、イギリスは日本に対して「知的で勇気のある国民だ。話し相手になる。侮れない存在である」と認識したのである。力のある国はこうした常識のもとに、付き合う国と、その態度を決めるのである。
アメリカに頼らなくても大丈夫な日本へ―「わが国」の未来を歴史から考える
日下公人語録15
日露戦争から百年経った今も「日本はアングロサクソンと組んでいればよい」という結論しかないのだとすれば、日英同盟下の成功体験に縛られたまま、その後の変化に対して自ら自由な発想を封じているようなものである。イギリスの後をついていったら置き去りにされた例は、歴史上、いくらでもある。 アメリカに頼らなくても大丈夫な日本へ―「わが国」の未来を歴史から考える
日下公人語録14
「アメリカ革命」はその後の世界の流れに大きな影響を与えた。フランス革命が起こり、中南米ではスペインとポルトガルの支配を打ち破ろうと各地で独立運動が沸き起った。しかし残念ながら、この実験は「生まれながらにして平等」であることを、すべての人間に認めたものではなかったし、「生命、自由、および幸福の追求」の権利も、すべての人間に認めたわけではなかった。 アメリカに頼らなくても大丈夫な日本へ―「わが国」の未来を歴史から考える
日下公人語録13
アメリカには、自らの信念を普遍的正義と信じ、それを他者に押しつけて憚らない性向がある。これはアメリカという国の建国に起因するもので、アメリカが自らを「偉大な実験国家」と任ずるかぎり、今後も変わることはない。 アメリカに頼らなくても大丈夫な日本へ―「わが国」の未来を歴史から考える
日下公人語録12
日本は、日本のことを今こそ主導権を持って言うべきなのに、なぜアメリカはどうだ、中国はどうだと他人のことばかり議論するのか。これこそが一番悪い"日本病"である。 日本病から脱却し、自国のことは自国で決することができる国になるためにはどうすべきか。日本にはすでに力がある。その力を自覚し、「日本のために使う」ことに徹すれば、眦を決して自らを奮い立たせるような力み方は必要ないことがわかる。叫んで、ことさら自ら奮い立たせようとするのは、力がまだ備わっていない者のすることである。日本が近代から今日に至るまでに達成したレベルの高さを、きちんと自覚すればいい。 アメリカに頼らなくても大丈夫な日本へ―「わが国」の未来を歴史から考える |
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