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2020年12月11日
肥満症とは?
肥満症
少し太っているだけでも病気を発症しやすい
『肥満症』は、脂肪が体内に蓄積しすぎている状態です。 肥満には「皮下脂肪型肥満」と「内臓脂肪型肥満」がありますが、 特に「内臓脂肪型肥満」は さまざまな生活習慣病の原因になる危険性が指摘されています。 肥満は、 動脈硬化、 癌、 高血圧、 糖尿病、 高脂血症、 動脈硬化、 狭心症・心筋梗塞、 脳梗塞、 胆石症、 脂肪肝、 高尿酸血症(痛風)、 歯周病、 腎臓病、 睡眠時無呼吸症候群、 非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、月経異常・不妊、膝・股関節・背骨・手指などの関節の疾患など実に多くの生活習慣病に関与しています。 このうち、関節の疾患、睡眠時無呼吸症候群、月経異常・不妊などには皮下脂肪が関係していることがあります。 肥満は、生活習慣病の元凶といっても過言ではありません。
日本における肥満の割合は、成人男性で31.3%、成人女性で20.6%です。 欧米に比べると日本人の肥満の程度は軽いとされています。しかし、安心してはいけません。 なぜなら、日本を含む東アジアの人々は、軽度に肥満でも病気を発症しやすいからです。 その理由は、内臓脂肪にあると考えられています。 東アジアの人々は食べ物から摂取したエネルギーを皮下脂肪ではなく内臓脂肪として溜めやすいため、内臓脂肪の蓄積によって起こる病気のリスクが高くなるのです。 世界的には体格を示すBMI(下参照)が30以上の場合に肥満とされていますが、 日本人の場合、BMIが25以上30未満の軽度肥満でも、健康への影響が大きい危険な状態だと判断されます。
詳細は⇒『肥満症』
2020年09月18日
メタボリックシンドロームの定義
■メタボリックシンドロームの定義
近年、過食による栄養過多や生活習慣の変化に伴う運動不足によって、脳血管障害や冠動脈疾患が増加しており、 動脈硬化性疾患の中でも、これらの生活習慣要因が強く影響している 「糖尿病」 「脂質異常症」 「高血圧」などの危険因子が集積した病態が特に問題となっています。 そのような状況を背景にして、2005年に『メタボリックシンドローム』の診断基準が策定されました。 「メタボリックシンドローム」は、日本語で「内臓脂肪症候群」と訳され、
「内臓脂肪の蓄積とそれを基盤にしたインスリン抵抗性および糖代謝異常、脂質異常、高血圧を複数合併した動脈硬化症の危険病態」
と定義されています。(3つのうち1つだけが当てはまる場合は「予備軍」です。)
「内臓脂肪型肥満」は動脈硬化の三大危険因子 「高血糖症(糖尿病)・高脂血症(脂質異常症)・高血圧症」などの生活習慣病と密接に関連しています。 高血糖症(糖尿病)・高脂血症(脂質異常症)・高血圧症は、単独でも狭心症・心筋梗塞・脳卒中の発症頻度を健康な人の2〜3倍増加させますが、 これらのリスクが集積することによって、それぞれが軽度であっても、動脈硬化性疾患の発症頻度が数倍増加してしまいます。 メタボリックシンドロームは、生命に関わる病気につながる、非常に危険な状態なのです。 あるデータによると、メタボリックシンドロームの危険因子を持っていない人の 「狭心症・心筋梗塞」発症率を1とした場合、 危険因子を2個持っている人は5.8倍、4個持っている人は35.8倍、発症率が高いそうです。 そのため、肥満 をベースにした生活習慣病の合併を早期に診断することが心血管系疾患の予防にとって重要になります。 従来、このように危険因子が重積した症例に対し、それぞれのリスクに対して複数の薬剤を使った治療がなされている場合がありました。 メタボリックシンドロームという疾病概念が確立されたことによって、 内臓脂肪蓄積が存在する場合には、まず内臓脂肪蓄積を減少させる生活様式の改善を積極的に行う意義が明確になったと考えられます。
詳細は⇒『メタボリックシンドローム』