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はじめまして!

    宣誓!

お父さん・お母さん・わたし結婚します!

私を捨てたあいつへの未練なんて
木っ端微塵に蹴っ飛ばし

ひと足先に結婚したハルコの
ヌカ味噌にどっぷり漬かった
あの匂いなんかに惑わされず

鯵の刺身の妻になり
今やシシャモのごとく
3人の子持ちになったアオコに勝る

私は5人の子持ちの母になる

今ここで・私は・厳かに
宣誓します

雨上がりの今朝見た虹かかる空
庭先で私を見上げるヒキガエル
寝坊してブレックファースト抜きの
オナカの悲鳴

どんなシーンに遭遇しようが
観衆の目に晒されようが
ひもじさにもメゲズ

私は妻になりたい!

だから・宣誓します

わたし・結婚します!


(ああー・・言っちゃった!
 でもでも・でも・・・彼イナイ・・・美貌でナイ・・・アタマ良くナイ・・
 ああー・・・ナイナイナイ・・・このワタシ・・・どうしたらイイの?)














オフィス街に近い公園の一角
すっかり寒くなった11月なかば
ケイタイから聞こえるNHKカーネーション

茶のしずく・ならぬ
栗山千秋の"水晶の涙”に貰い泣き

ベンチの端に
ひとりポツン・・・

涙拭きながら・・・
おにぎりパクリ
熱燗?・・・ええ・・熱い缶ですが
緑茶です

早く”カレ”見つけなくちゃ・・
いえ いえ・・・その前に"美顔?”

2年前に買ったハーフコートを
今日も着て来ました

そこへ通りかかった
初老のおばサマ

「蘭子さん?・・でしょ?・・」

見上げた・蘭子・・・

「ああー・・・おばちゃん!」

名の知れた”公園の母”
むっチャンおばちゃん

「来年まで待ちなさい!って言ったでしょ」

「そうだった!・・・忘れていた・・・」

毎年一回は行く占いのおばサン

「暖かくして・・・もっと”ピリッと
磨きを かけないと・・ね
折角の運も 逃げていくわよ」

「ええ?・・・ミガキですか?」

公園の母・行っちゃった!

「そうだ!先ずあったかい
シャレたコート買わなくちゃ・・」









まる忙しくなったよー

考えてみたら・わたし

結婚のために

スタンバイ・ゼロ!

だったんだー

振られてもしょうがないか・・・


お買い物 行こっと

でも・・淋しいのは財布も一緒だった

まっいっか 

少しはエロイの探していたら

変なサイト(ゴメン!)ステキなサイト

見つけたぞー
愛情たっぷりラヴrabuらぶ

そうだっ!

昨日お母さんから

「らんこ・お正月は

旦那さんと来るのね?」

えええー・・・うそ!

更に・・お父さんと替わって

「ああ・連れて来い!
 ダンナ・・・な」

あんれー・・どおすべかー

ワタシ 家に電話したけど・・

結婚する! って言った筈だよ

結婚した! なんて言ってないー

だのに・・・

「旦那さん連れて来い・・?」

だって・・ムムムー
 
「そうだ!お歳暮でごまかしてやろっと!」


(明日の電話)

「かあさーん・・
カレ・・忙しくて行けないって
ヨロシク・・だって
凄いお歳暮・贈るそうだから
それで我慢してね!」

で・・・
カレの名前で・お歳暮
送らなくちゃ・・

カレの名前?・・彼の名前?

どうしよ?






今朝アキが
安国寺の紅葉 見ごろだって
もう一回くらい行きたいなあ

大きな声で言っていた

去年の社員旅行は
アキが企画担当だった
安国寺の紅葉をメインにして
自信なさそうに説明していた

アキはイラストレイター
旅行の後
作品の中に随分モミジが
現われるようになった

みんなの一致した見解だった

舞川あいくと
お笑いタレントの千原ジュニアの熱愛

朝からこんな話題を知足り顔で話していたのは
会計係りのミツ

そんなことわたしだって知ってるよ
2人が六本木の焼き鳥屋で
"いっぱい”やってたんでしょ

10時間も引きづって
そんなことをブツブツ言いながら
蘭子はバスを降りてまた歩く

アパートの近くにある良く行く公園に寄り
ベンチの前に立つ

小雨は止んでいたが晩秋の公園

今時珍しい
丸い笠を被った裸電球ひとつ
明かりが無ければ
闇夜の公園だったが
ひとつの小さな灯火でも
随分遠くまで届けてくれる

そればかりか・・・
私の心にも届いている
小さくても勇気をくれる
灯火だった

自分の世界を見る様な
小さな公園

蘭子にはかけがえの無い
存在だった

だから
ときどきだったが
そっと見上げては

「ありがと・・・」

はにかんで見上げることがある

今夜は何故か
ひとりぼっちの寂しさが身に沁みて
離れられない気分だった

誰もいない公園に佇むのも
怖いけれど・・・
暗い道に踏み込むのも
躊躇する心境だった

寂しくなんかないよ!

どちらかと言うと天邪鬼な気質の
蘭子とは言え
今夜はそんなこと言える気分ではなかった

寂しくて 寂しくて 寂しくて・・・

「さびしいよーー・・」

大声で叫びたいくらいだった
我慢しないで
そう叫んでしまえるくらい
素直だったら好いのに・・・

珍しく素直に自分を見つめている

負けるもんか

「一人ぼっちじゃないぞー」

何処かに
わたしの王子様はいるもん・・ね・・・

そんな独り言をつぶやきながら
うなだれた蘭子の視線が
ベンチの下を見ていた

樹下のベンチは
小雨くらいでは濡れる事も無く
少しは暖かいだろうと思った

何かがうずくまり
動いている

「・・・?」
ビニール傘を脇に置いて
しゃがみ込んで目を近づける

「・・・?」

恐る恐る手を触れる

動いた!

もう一回今度は強めに押した

「キャアーーん・・」

かぼそいが可愛らしい泣き声

「いぬ?・・・」

蘭子は急いで両手を伸ばし
持ち上げる

茶色らしい毛並みの
柴犬みたいだ

「かあいそう!・・・
 こんなところにいたら
 風邪ひくよ!
 バカだねー
 早くかえろ!」

再び小雨が降り始めた中
子犬を抱きしめて
蘭子は小走りして急ぐ!

傘も忘れて・・・




雨が強くなって

ブルン ブルン 震えながら

蘭子は子犬を抱きしめて

知り合いの マサの家に走った

「マサ!・・」

築45年 独り住まいのヒロ爺が
4,5人の男だけに間貸ししている
アパート兼用みたいな家だ

玄関の戸に鍵がかかっていた事はない
蘭子は知っていて
ガタン ゴットン 
ガラスをびりびり震わせて開ける

「マサ!
 マサーいるんでしょ?」

 マサが顔を出す  

「なんだよー・・うるしぇーなあー」

「これ・・犬みたい・・・預かって!」

「えー?・・なんだよーこれ!
 ・・冗談じゃないよ
 オレ 動物好きじゃないしー
 自分の家に持ってけよー」

「叱られるもん・・タノム!」

「いやだよー 捨ててこいよー」

「ねっ?・・・」

「だめだ!」

 押し出されて
 ビシャン! 玄関バライ・・・

 しばし 恨めしそうに締め切られた
 玄関を見つめる 蘭子

 雨は止んだ

「良かったな・・・雨やんだよ
 どうする? 捨てられるの・・いやでしょ?」

 ≪ イヤダー! ≫

「エッ?・・・だれだ!

 いやだー って言ったあ・・?・・ぬぬぬ・・」

子犬の顔 覗き込んだって そんなこと
言うわけないでしょ?・・・そうよね

蘭子 ブツブツ言いながら 歩く

「家になんか お持ち帰りできないし・・・

 コマッタ! こまった・・・困ったなーー」

 ダンボール箱が風に押されて・・・
 こんばんわー・・なんて言ってないけど
 そんな顔して 足元に飛んできた

≪ これでいいよ ≫

 ?・・?・・

≪ いいから・・・≫ 

ヤッパ?・・・お前?・・

しゃべるの?

突然 自転車に乗った高校生がふたり
疾走してきて

「バっカ! そんな訳 ねーだろ?」

蘭子の脇をすり抜けて走り去る

「あっぶねーなー

 そうだよねー・・そんな訳 ねーもんねー」

ビートたけしが「THE MANZAI 2011」の
最高顧問に就任決定

バッグのケイタイからニュースが流れていた

子犬をダンボールに移し抱き上げる

「たけし!・・・」

ダンボールにつぶやいている

ニュースのせいかどうかは分からないけど

子犬の名を”たけし”に決めたようだ




   
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