2017年12月11日
学級日誌 レビュー感想 悲壮感のオンパレード、隠れた良作
サークルKITYが2011年の夏コミで100本販売した同人ゲーム。製作1作目。
100本しかないCD-R版のジャケット
これまでネット上では体験版のみがアップされていたのかな?12月9日から配信されているのは完全版ということで、プレイ
まず最初に思ったのはテキストが普通のADVとは違うな、ということ。
ゲームのスタンダードである会話文ではなく、地の文が中心になって書かれている。
それによりビジュアルノベルというより小説に近い構成
テキストや画質で90年代のセガサターンやPCゲームの雰囲気があり、菅野ひろゆきやタクティクスの影響を受けたのかな
とある問題を抱えた子どもたちが、そんな子どもたちや、それを管理する人間のみで構成された島に隔離され、歪んだ友情劇が繰り広げられる、といったやや変わった青春モノ(だと解釈した)
主人公やヒロインの問題が徐々に解き明かされていくことがシナリオのコアになっている
終盤、クラスメイトたちの本性が露呈するシーンではちょっと怖さがあった。タイトルにもなっている「学級日誌」の謎も解け、緊張感のある展開が続き、ギャグは殆どない
定番のバトルロワイヤルもどきもある
かなりエグイ描写が多く、ラストもハッピーエンドとは到底いいがたい、非常に印象に残るストーリーだ
ほとんどの設定には理由付けがあり、丁寧なシナリオ
惜しいのは画像関係で、素材なのでテキストとグラフィックのギャップが酷い。
まず隔離された島という折角の設定が全くそうは見えない。
設定からいえばもっと閉鎖的な世界観の筈だが、妙に開けている
離島なのに、海なども出てこない
プレイしていてやっと海が出てきたと思えば、明らかに湖
めっちゃ小さいし砂浜も波も何も無いけど……
言うほど海か?
(この立ち絵はいつも鼻に違和感がある。モアイみたいで)
他にもヒロインたちが貧乳扱いなのに明らかにでかかったり(Blue Forestは巨乳多い)、シーンにそぐわない絵が非常に多い
こういうのは単純に萎えるんで、絵関係はもう少し頑張って貰いたい
技術に未熟な部分があり、処理もとても重たい
ボリュームも、終盤長すぎてグダグダになったので、カン蹴りの後がラストになる構成でもよかったかと。あと30分はカット出来る
マイナスファクターも多いが、シナリオはなかなかキレがあり、活動していないためかなり無名のサークルとゲームだけど、捨て置くにはもったいない、隠れた良作でした
特に、このクオリティで、2011年の公開から現在まで、DL数がたったの6回ってのは有り得ない
評価B
70点
このシビアさ、刺激…おすすめです。
公式サイトのメンバー紹介…
<メンバー>
シナリオ担当 :REI
音楽担当 :psycolo
スクリプト担当:夕貴
秘書 :ひととせ
※4人が揃う頻度=ワールドカップレベル
もうすぐワールドカップなためか3作目を開発中の模様。期待したい
ゲーム業界に就職したかつての友人の現在
昔の友達が、ゲームファンなら誰もが知ってるゲームメーカーに、就職したんです
大学を中退してまで業界入りしたのはすげーよ。 いま勤めてるメーカーが、2,3社目らしい。まだ若いのに随分転々としている
友達といっても、もう前の話だし、 むこうはこっちのことなんて覚えてないでしょうけどね。
かくいう私も、彼のハナシをとあるソースで知るまでは、 きれいさっぱり忘れてました
で、久しぶりに連絡を取り合ってみたんです。色々話を聞きました
この業界はオタクばっかで、変わった人が多いと思うんですが、そのゲームメーカーはオタ向けの濃いゲームばかり出しているのに、意外にも普通の人ばかりで話が合わないとのこと(ただこいつが濃すぎるだけじゃなかとも思う)
昔の彼は、あまりにも豊か過ぎる感性を持っていて、 ゲーム業界に入ったことはすんなり納得した
当時からプログラミングからデザインまで出来たスゴイやつだった。
特にグラフィックではとあるコンテストで全国1位を受賞しています。しかも短期間での開発で、即興同然だった
と、実力は間違いなくある筈なんだが…
実は彼から年賀状や同人誌を貰ったことがあるが、捨ててしまった。
もしかしたら、クリエイタークラスに上り詰めて、 すげープレミアになったりして?
だったら惜しいコトをしたなあ。
なんて思ってたんだけど、どうやら相当苦戦しているらしい。
同じ業界人の女性と結婚したはいいが奥さんは体が弱く退職。結構生活が厳しい、というレベルらしい。
名前で検索するとスタッフリストやインタビューが載ってるページにヒットするし、技術もかなり高い筈だが、もうゲーム業界そのもので食っていくのが難しい
しかも能力は高いのに大学中退(高卒)ということで余り評価もされない。ボーナスも求人票には6.0と書かれてるのに、一銭も出ない(でも退職するときに貰えたらしい、これも不思議な業界)
ゲームやらアニメやらのメディアを扱う専門学校への入学だけは、絶対にやめておこうといわれた
ゲームメーカーもまた「会社」であるように、専門卒などでは出世はできないからだって(それどころかいつまでたっても下っ端)
最悪の場合卒業しても就職できないし、中退でもしようものならそれが最終学歴になってしまうからと
まあ、「最終学歴 代々木アニメーション学院中退」(パワーワードすぎる。まあ代アニはもうないらしいが)では、 後々自分の人生を振り返ったとき、あまりにも恥ずかしいからなあ
宮本でさえ今の自分の学歴じゃ任天堂に入る事すらできないと言ってたけど、ゲームユーザーにとっては「優秀な開発者=面白いゲームを作れる人材」だけど、会社としてはそうじゃないんだなあ
それでも我こそはという人たちには、是非ゲーム業界に入って頑張って欲しい
でもね…この友達にはとてもいえないけど、ゲーム業界はあくまで遊びを作る企業なので、絶対に飽きによる大きな不況、下火が来ることは考えなくても分かることだったよね…
結果異業種に就職したかつての仲間(彼よりも偏差値も低くゲーム制作のセンスもない)が彼よりも遥かに安定した人生を歩むことになったと思うと、なんとも…
だって別にゲーム制作が出来ても、ゲーム業界自体が沈んだら無意味だからなあ…(他に技術を生かせる業界も限られてるし)
でも自動車や食品は必ずどの時代でも一定の需要がある
俺はゲーム制作のセンスがあります!なんて言っても、まず間違いなくツブシがきかないからなあ…
ここがフリーゲーム・同人ゲームレビューブログだから言うわけじゃないけど、やっぱりゲーム制作は趣味で留めたほうがよさそう(コナミ感)