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2019年09月23日

織リシ心ノ果テニ レビュー感想 ふざけろ!正義なんて言葉、ちゃらちゃら口にすんな!

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主人公柊は、人の心が、「絡んだ糸」という形で視える


言葉で人の心を操るという、人ならざる能力も併せ持つ




虐めを苦に、自殺しようとしていた小鳥遊芽依を救うが、感謝されるどころか、私を助けた意味、分かってる?と冷たく一瞥される




虐めは益々エスカレートし、事態は柊の考えの及ばないところまで発展…











芽依を救った柊は、良かれと思っての行動だったわけだが、それで相手が救われたかは別だし、そもそも、自殺を止めただけじゃ、根本的な原因解決にならないわけだ




しかも一方的な善意の押し付けのように、その場凌ぎだけ。


芽依からは、あの時助けたなら、何故私を見捨てたのとまで詰め寄られる
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柊はクールな人物なので、別にヒロイズムに酔った上での行動ではないんだが、人を操るなんていう自然に反した能力を使った所為で、その反動、悪影響が出てるわけ。浅はかにもね。
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同じ能力を持つ妹のミヤは、能力で人を壊すことを、躊躇わない。


能力を私利私欲のためには使わない柊とは、対立。


ところが自分なりの正義で能力を使うも、周りを不幸にしてしまう…








これ、意外と見ないパターンじゃないかな



漫画やラノベでよくある都合のいい能力だが、大きな力にはそれだけ代償が伴うなんていう物語で、能力者自体はファンタジーでありながら、人間模様とストーリーは、非常にリアリティがある








特に、結末がね…



なかなか考えさせられるな。


これほど人間模様が、それこそ絡んだ糸のように複雑なフリーゲームは、稀有ではないか







二転三転するストーリー。次々と明るみになる真実。何が正義で、何が悪か


どこで糸が解けないくらいに、絡んでしまったのか



これまで正義だと信じていたものが、ある事実を知ってしまってからは、信じられなくなってしまう




各々の正義で動く登場人物。裏切りと絶望



そして物語は、最悪の形で幕を降ろす…










特に、やはり…



ヒロインの芽依。彼女はなんとも表現するのが、難しいタイプのヒロインだ。




稀代の悪女キャラ?悪人ではないので、少し違う。



依存症?ヤンデレ?メンヘラ?ポピュラーにいえばそうだが、やはり当てはまらない




終わってみれば柊だけではなく、ミヤまでもが芽依という糸に浸食されていた…



文字通り、裏で糸を引いていたわけだ





このような、周りを毒で殺すような、まるで無敵の女性キャラクターには、独特の怖さがあるね。


感情移入すればするほど、若手イケメン教師である恭二との関係性には、ショックを受けるだろう








絵はダークテイストということで、暗い雰囲気だが(同サークルの「夕凪のスノードロップ」は、作風に合わせて繊細なタッチだから)、女性キャラクターは妖しい雰囲気で、とにかく可愛い




特に妹のミヤにはやられたね。こんな可愛いヤンデレ妹ヒロインは久々だ




立ち絵もころころ変わるんだけど、小悪魔的なかわいさ、憎たらしさとは、こういうキャラをいうんだろうな
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でもやっぱり、芽依のほうが好きだな。プレイヤーとしても、絡めとられたよ





それとも単に、巨乳だからかな










評価B+
75点


終盤の回想シーンがオーバーラップしたラストシーン自体は晴れやかなので、鬱ゲーでもない。


犠牲を乗り越えた先に主人公が何かを得る。プレイヤーも妙な感傷を得る、不思議な一作





このゲーム、絵が綺麗でアピールになるし、ダーク系ラノベのような設定もキャッチーなのに、知名度はかなり低いようです。検索ヒットは、たったの8件でした


DLランキング圏外で、レビューも感想も、1件も投稿されていない…



ですが今からプレイしても、遅くない良作です



久しぶりの、隠れた良作サルベージでした
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