稼ぐキジ子の悠々自適生活

酷い事件だった。

お決まりのように、心理学者や精神科医でもないテレビのコメンテーターが、

あれこれ、推測してしゃべっている。

生い立ちや非雇用形態の職業環境、刃物の規制、弱者を痛めつける日本の政治に、

なにか理由づけができないか、探している。

でも、どんなに生い立ちがかわいそうで、だめ親に育てられたとしても、

派遣で、ベルトコンベアーの前にたって、ロボットでも出来るような仕事をして、次はこっちの職場だと、

１０万円にも満たないような給料で働かされたとしても、

彼女がいなくても、

弱者を、痛めつけるのに何のちゅうちょも無い無慈悲な国に生まれたとしても、

人を刺す以外使い道の無いような刃物を、売っている店があったとしても、

なんとか、折り合いをつけて、みんな生きているのじゃないのか。


辛くても、殺したいほど憎くても、

人を殺したりしない。

殺していい理由にはならない。

殺人という大きな罪をおかした者を、擁護するのは、

被害にあって亡くなった人や、ご遺族、

深い傷を心身に負った人たちに、

更なる酷い仕打ちをすることだと思う。

罪は罪として、自分でけじめをつけるべきだと思う。



ただ、私も子供を持つ親の立場で考えると、

「おかえり、あんたの好きものいっぱい作って待ってたよ」

そんな家が彼にあったら、きっとどこかで思いとどまる事も

できたのではないかなと思う。


子供を育てるのは、たしかに大変だ。

いい成績にいい学校。

しかし

自分の命が大切なように、人の命も大切にする。

この事だけは、子供が小さい時から、

しっかりと教えるのが、

親の大切な仕事だと思う。

そして、どんなに挫折しても全部を受け止めてあげること。

いいよって。

だってそれが、他人じゃない親だもの。





犠牲になられた方々のご冥福をお祈り致します。