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2014年04月28日
映画『劇場版名探偵コナン 異次元の狙撃手』
ゴールデンウィークの恒例行事といえば劇場版名探偵コナン。
まぁ今年は冬にも『ルパン vs. コナン』がありましたが。
おそらく私くらいの世代(20代後半)がもっとも「コナン世代」ではないでしょうか。
新宿バルト9にも、親子づれに混じって大学生カップル、おひとりさま女子が多く見受けられました。
コナン映画の見どころは、実写ではありえないほどの爆発シーンだと思っているのですが、今回は爆発は少なめです。
簡単にあらすじを書くと、東京スカイツリーのような「東京ベルツリータワー(例によって鈴木財閥が総力を上げて建造)」のオープニングセレモニーで狙撃事件が発生。
バイクで逃走する犯人を追うコナンと世良真純だったが、結局、倉庫の建ち並ぶ波止場で犯人は逃走。
FBIとCIAの調査により狙撃犯は、元米国軍人の誰かで容疑者は3名に絞られる。
その容疑者と、つぎに狙われる被害者を追う過程で明らかになる世良と沖矢昴さんの関係。
米国軍人が国内で起こした事件ということで、当たり前のようにジョディ先生、キャメル捜査官も登場しますが、服部平次&和葉の関西組のは今回出番なし。唯一、京都府警の 綾小路文警部(リスの人)が登場します。
今回はいつも以上にコナン(新一)の無鉄砲な行動で都内交通が大混乱したり、世良が大ケガをしたりします。
賛否両論だと思うのですが、個人的には新一の他人の迷惑を顧みない自己中心さがかいま見えて大好き。推理では冷戦沈着なのにね^^
新一は殺人事件が起きたとき、悲しみや怒り、恐怖よりもまずワクワクしてしまうタイプだと思うんですよ。それはすごく高校生らしくて私は好ましい(笑)
また、犯人がどうにもイイ奴で憎めない、むしろ同情してしまうのもこの作品のよいところ。
ゲスト声優の福士蒼汰さんが声をあてている役なので、あまり反社会的な殺人犯にとして描けなかったのかもしれません。
ちなみに今回の動機は「戦地で何度も命を救ってくれた先輩の敵討」。
アニメ本編も含めて、「そんな理由で人殺すなよ!」と思ってしまうことが多いので、今回ゲスト声優云々がなくても、久々に(アイツ、いい奴だな…)と思える犯人。
当然「米国軍人」という設定上、容疑者&被害者は英語を話します。
ジョディ先生の英語よりもはるかに簡易で発音が聞き取りやすい(笑)のもよかったです。多少声優が下手でも、「日本在住米国人」ってことなら違和感ないですし。
ただ、捜査本部でのミーティングのシーンが若干冗長で子どもは飽きるんじゃないかな。
友人(30歳代)も「寝た」とか言っていましたし。
でも子どもって、自分のレベルよりちょっと難しい作品を見てどんどん成長していったりするから、これはこれでいいのかもしれません。
長年、コナンをチェックしてきたオタク目線では、連続狙撃は無差別なのでは?!と都内がパニックに陥るシーンで、2ちゃんねるやニコニコ動画を介して人々にデマが拡がる様子が上手く描かれていたのがよかったし、何気ないビルボード広告に「GO!GO!神海島」なんて小ネタも楽しい。
(「神海島」は劇場版第11弾 『名探偵コナン 紺碧の棺』の舞台となる島の名前。)
さらに、「元米国軍人が異国で殺人を冒すことを許してはならない!」というセリフにいたっては、(“元“じゃなきゃいいのカナ?)なんて思わせられ、時流にのったコナン節の社会派メッセージは本作も健在。
以上、ざっくばらんに感想を書いてみました。
第20弾の制作も決定したようですが、これからも、子どもも大人も楽しめる恒例行事として続くことを願っています。
最後に、この先の原作・アニメ本編にも関係のありそうなネタバレが2つ。
- ・沖矢昴=赤井秀一でほぼ確定
- ・世良真純が沖矢昴の妹でほぼ確定
連載中のサンデーで、ちょうど彼らに関係のある来葉峠編が始まるこのタイミングで劇場版公開とは…、やっぱり名探偵コナン20周年は侮れません。
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2014年04月17日
舞台『海峡の光』
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辻仁成原作・演出の舞台『海峡の光』を観てきました@よみうり大手町ホール。
芥川賞受賞作品でもある『海峡の光』の原作は、外に出たくても出る自由のない刑務所と、乗り続けたいのに廃線になってしまう青函連絡船。およそ世の中の誰にもあてはまる「望んだ場所にいられない辛さ」が作品全体を重苦しく覆うなかで、唯一、自分の居たい場所にいる自由を謳歌している囚人花井が羨ましい作品。
心の一部で花井のことを羨んでいるにもかかわらず、そうと思いたくないあまり、最後、とんちんかんに自分を納得させてしまう(ように思える)齋藤看守の哀れさもけっこう好きです。
それが舞台化され、一体どうなるんだというと、あらすじは、原作の最後の数頁をカットしたような感じです。←ざっくり。
また、原作ではあまり描かれない刑務所の囚人たちと齋藤と花井の中学生時代の同級生がたくさん登場します。
刑務所にいるにも関わらず、楽しそうな花井(中村獅童さん)以下の囚人兼同級生の男の子たちと、逆に規則に縛られ、自由の無い「看守」。
まぁそこは原作と変わらないのですが、原作よりもさらに齋藤看守(ラーメンズ片桐仁さん)が気の毒。
あんなに理不尽にみじめな設定にする必要あったのか…と疑問に思うくらい。
具体的には、妻に浮気され離婚され、静は花井の元カノ(?)だった、というオチです。
基本的にドキドキワクワクが一切ない沈鬱なスト−リーなので、いろいろ考え込むことが好きな人には合っているかもしれませんが、起承転結のハッキリした活劇を求める人には少々退屈かもしれません。
私は正直、辻仁成氏のこと、何が言いたいのかよくわからない人だと思っているので、終始、結局何が言いたいんだろう…?と物思いが尽きず、充実した1時間50分でした。
あくまで、前評判ほど悪くはない、という意味で。
辻氏のパンフレットの巻頭言も嘘っぽくて、相変わらず何言ってんだこの人は、と思ったことは否定しません。
なのでもちろん好きな場面もあります。
なかでもいちばん好きなのは、実習船の夜、花井と齋藤が客席で対峙する場面で、勝手に船室を抜け出すのは禁止だと怒る刑務官に対し、花井の放つ「でも齋藤先生が許可をくれました!」という一言は、中学で齋藤を、刑務所で蜂屋を、そして今度は看守になった齋藤さえも孤立させてやるぞ、と暗に脅しているようで、すこし舞台版『海峡の光』のメッセージがつかめたような気がします。
一方で、原作から大幅に改変が加えられているダリアと青函連絡船はもっとスッキリまとめてほしかったです。
ダリアというのは、刑務所で花井が囚人達に語り聞かせる妖艶な踊り子のこと。
原作における「静」が実はダリアで花井に振られたため自殺未遂をはかったという設定でした。
ダリアは青森出身の踊り子でポーランドだかロシアの血が混じっていて砂漠には行ったことがないはずなのに、途中から砂漠の太陽の象徴のように扱われだすし、ダリア役の水野愛子さんのスタイルが良すぎて、豊満なたゆんたゆん感があまりない…。しかも音楽が妙にスパニッシュなので、イメージが定まらなかったです。
音楽といえば最初と幕間のロックな感じのインストは「SUGIZOの曲」という先入観もあり、どうしても、え、GIG!?GIGですか?黒い服着てくるやつ…?って、なります(往年のバンギャだけ?)。バイオリンは素敵だったのに。
青函連絡船も、原作では齋藤が船の元客室乗務員ですが、舞台版では花井が昔、客室乗務員として働いていたことになっています。花井、ただの海が好きな子じゃん!笑
羊蹄丸の描かれ方も私はちょっと腑に落ちない。
というのも、青函連絡船が廃線になるのは青函トンネルなり空路なりの代替手段が発達したからで、別に廃線になったところで函館と青森の行き来が困難になるわけでもないのに、廃線で往来が断絶されてしまうような雰囲気が解せませんでした。
私、津軽海峡見たことないのですが、そんな絶望的に大地をわかつ風景なのかな…。
和子(村川絵梨さん)の「こんな狭い場所(=函館)に〜」っていうセリフも、青森と北海道なら北海道のほうが広いんじゃないの?って思いながら観てました。
そういえば辻仁成氏がTwitterで呟いていた「砂」の演出はどうなったんだろう。もしかしてタップダンスの時に上からバサバサ砂が落ちてくる映像を本物の砂でやる予定だったとか?
また、「人の頭が波のように見える」という演出に関しても、私は「一体どのへんが…?」と不思議に思っていたのですが、4月16日(水)のアフタートークでその謎が判明。
花井と齋藤が客席中央まで降りる場面、前方の観客は、どうしても後ろを振り返ることになります。
大勢の観客が一点に向かって首を回す動きが、さながら津軽海峡の波のように見えるのだとか。
私は残念ながら(?)前方席だったので、波の動きは味わえなかったのですが、自分も波の一部になれていたのかと思うと少しいい気分。
あ、しかもよく見るとライフジャケットに「越前」って書いてある(笑)←ごく個人的なノスタルジー
と、雑多に思いついたことを羅列してみましたが、基本的に全編シリアスな舞台のなかで、囚人佐藤&生徒B役の玉城裕規さんが唯一の救い(許された笑い要素?)で、やっぱりすごかったです。なかでも「そうでしょう?どうでしょう?」ってセリフがお気に入り。
でも、囚人○○と生徒○って、分ける必要あったのかな。それが分かれている理由まではよくわかりませんでした。
*4/25追記
4/24観劇でようやく意味がわかりました。そして私の理解力がひもじいことも!「生徒」って中学時代の生徒のことですね。船舶科の「生徒」じゃなくてね・・・。
また、今日は、曽世さん演じる看守の「イトコがハト行為を〜」ってセリフが、(イトコなのに、ハトコ・・・)って感じでツボにはまって大変でした。
続きに、巷で話題の玉城さんのセリフ一覧をまとめてみましたので、気になる方はご覧ください(笑)
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2014年04月11日
舞台『あのっ、先輩…ちょっとお話が… …ダメ!だってこんなのって…迷惑ですよね?』
あのっ、先輩…ちょっとお話が… …ダメ!だってこんなのって…迷惑ですよね?
タイトルです(笑)
シベリア少女鉄道がアツい、という話をずっと聞いていて、次こそ絶対観に行く!と決めていたのですが、初シベ少がこれでよかったのか不安です…。
でも本当にアツい!笑いすぎて体温が上がって体感的に実際暑い。
ネタバレはしないよう努めますが、とにかくそんなお芝居あり得ていいの?!の連続で、脚本どおりなのかアドリブなのか、それを超えた何かなのか最後までわかりません。
でも観終えてひとこと言えるのは、すべて「計画通り」だということです。「ラブコメ(?)」という含みをもたせた告知も、ふみふみこ氏によるイラストも、謎に長いタイトルも。
してやられた爽快感がいっそ清々しく、シベリア少女鉄道のこと、もっと早く知っておきたかったと思わずにはいられません。
惜しむらくは、後半のネタ元作品の人気が若干斜陽な気がしてしまったことでしょうか。そんなことない?
時事ネタってやっぱりタイミング難しいなと感じます。
意外だったのはお客さんの大半が男性だったこと。
普段、観客がほぼ女性ばかりの舞台やミュージカルを観ているので、ちょっと驚きでした。
座・高円寺にて2014年4月20日(日)まで上演されています。
上演前半の観劇特典としてクリアファイルと今回の公演の大事な箇所の縮刷台本をいただきました。
その台本を読んでようやく、「あ、そうだったんだ…」という気分にさせられるあたりもニクらしい演出。
でもきっと台本の一部だけでは何が何だかわからないです。
アッハッハ!ではなく、イヒヒヒヒヒ…!と細かく笑ったので脇腹が痛いのと酸欠で脳がボーっとしつつ高円寺を後にしました。
ちなみにイラストを担当されているふみふみこさんは、『ぼくらのへんたい』、『女の穴』など、ほんわか香ばしいタイトルの可愛い作品が多いのですが、このお芝居がどうかというと…。
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タグ:シベリア少女鉄道