アフィリエイト広告を利用しています

広告

この広告は30日以上更新がないブログに表示されております。
新規記事の投稿を行うことで、非表示にすることが可能です。
posted by fanblog

2014年11月29日

サントリー美術館 「高野山開創1200年記念 高野山の名宝」

サントリー美術館で開催中の「高野山開創1200年記念 高野山の名宝」展 に行って来ました。
たか1.jpg
高野山は、弘法大師空海により、弘仁7年(816)に真言密教の根本道場の地として開かれました。以来1200年にわたって、日本仏教の聖地の一つとして地位を保ち続け、山上にわが国屈指の仏教芸術の宝庫を形成しました。本展は、高野山開創1200年の記念として、開創にまつわる御品から、真言密教の教理に基づく仏教絵画、鎌倉時代の慶派による仏像などを中心に、「山の正倉院」とも例えられるその名宝を展観するものです。

まず何と言っても運慶作「国宝 八大童子像」鎌倉時代 12世紀(一部、南北朝時代 14世紀)をガラスケース無しで間近に観られることの奇蹟。 特に、仏師運慶作の国宝《八大童子像》が八軀そろって展示されるのは、関東では約10年ぶりとなる貴重な機会です。高野山霊宝館に行けば常に八大童子像が見られるという訳ではなく、文化財保護の観点から、現状では数年に一度、二躯程が主に夏の大宝蔵展で展示される程度であり、八躯全てを一度に見られる機会は少ないのです。

仏像や曼荼羅など巨大な展示物が多かったため出品数としてはそう多ありませんが、ほとんどが国宝や重要文化財で見ごたえがあります。

お気に入りの作品。
・国宝 諸尊仏龕 一基
手のひらほどのサイズに何体もの仏様や獅子、猿などが彫られています。弘法大師 空海が中国から請来されたと伝えるもので、その精巧な彫には驚かされます。中尊は釈迦如来、左脇侍は宝冠に化仏が付いていますので観音菩薩と解りますが、右脇侍は弥勒菩薩だそうです。仏像はインド風で周囲の人物は中国風ですので中国で作られたとみられてます。taka3.jpg

・重要文化財 四天王立像 快慶作
四天王立像は鎌倉時代再興の東大寺大仏殿の四天王立像の縮小モデルとして作成された説もあるそうです。 東大寺大仏殿の四天王完成後に快慶は自分担当の雛型を持っていたようで、その像の規格で他3像を快慶の工房で補填してそれを重源の高野山別所に移したものと推測され、雛型だった内一尊は他に比べ出色と云われてます。
どの像も力強く、写実的で迫力があります。
風になびくような衣の表現も見事でした。taka5.jpg

・重要文化財 孔雀明王坐像 快慶作
4階から降りてくると下に見えます。
雀の羽根のひとつひとつから台座まで光輝いています。
憤怒の顔が多い明王の中にあって、優しい顔をしている孔雀明王。孔雀明王は絵画が多いのですが、これは高さ 78.8cm の巨大な像なのです。図録では厳しい表情ですが、実際は下から孔雀明王を見上げるので、目つきがもっともっと優しくなります。孔雀の羽も、まるでサモトラケのニケの翼のようで、体から優雅に垂れている布の模様も溜息が出るくらい見事でした。
taka4.jpg

国宝 八大童子像 運慶作 六躯
八体のうち六体は運慶の作ですが,二体は後で作られたものとか。ラストの阿耨達童子 は、後世の作品で麒麟に乗っています。
それぞれが、どこかに実在する人物の様に思えてなりません。肖像彫刻のようで、仏像鑑賞とは異質の感じです。 おそらく運慶も 身近の誰かをモデルに考えたのではないでしょうか?
taka2.jpg
kou8.jpgkou7.jpgこう6.jpg
運慶は初期の頃から玉眼技法を熟知し、効果的に用いていたようで、仏像のランクによって眼の表現技法を使い分けていたとか。どれも眼力あります
・「如来」、「菩薩」…彫眼(木に直接彫った眼)
・「明王」、「天」、「人」(肖像)…玉眼(水晶を用いた眼)
彫眼を使うことで、仏の持つ気高さを表現し、逆に人や天部には生々しさを表現するために玉眼を用いその違いを明確にした。これは他の仏師にはない運慶特有の配慮だそうです。

画像で親しんだ名作が ガラス越しでなしに間近に見られて感激! このチャンスに色々と角度を変えての矯めつ眇めつでした。改めて運慶の偉大さを認識するとともに、このミケランジェロを超える仏師の素晴らしさをもっと世界の多くの人に知ってもらいたいと思いました。


仏師系図
定朝→覚助→頼助→康助→康朝→
→成朝(この後、直系が途絶える)
→康慶→運慶→湛慶・康運・康弁・康勝・運賀・運助
   →定覚
   →快慶
   →定慶

【会場】
サントリー美術館(ガレリア3F)

【開催日時】
2014年10月11日(土)〜12月7日(日)
posted by はまやん at 08:41| アート

2014年11月23日

「東山御物の美」展 最終週

三井記念美術館(日本橋・東京)で開催中の「東山御物の美」展(11月24日まで)に行ってきました。
最終週に入り、現在、徽宗筆「桃鳩図」が展示中です。北宋時代の皇帝・徽宗は、政治には才がありませんでしたが書画に秀で、彼が描いた絵は中国絵画の最高峰として、日本で愛されてきました。「桃鳩図」は、足利義満が所有していたことを示す「天山」印が捺されています。現在は個人蔵であるため、めったに見ることのできない作品です。
東1yjimage.jpg
これを見られるだけでも貴重な機会なのですが、急遽、伝徽宗筆の「猫図」も、11月22〜24日にかけて特別出品されています。
こちらも個人蔵の作品。両方が揃って見られる機会は、これを逃したら二度とないかもしれません。
東2yjimage.jpg

ちなみに竹内栖鳳の 「班猫」のエピソード。3東猫5334358.jpg
栖鳳が街(沼津)を歩いていた際、八百屋の軒先に猫を発見し、そのとき無意識に呟いた言葉が、「徽宗皇帝の猫がいるぞ」。 のモデルは別の絵です。2東猫yjimage.jpg


「桃鳩図」と並んで重要なのは「四季山水図」。
雄大な自然の中にいる高士を描いたこの作品は、もともと春夏秋冬の4幅があったとされるもので、現在は夏と秋、冬の3幅が残っています。
『東山御物の美』展では普段は別々に保管されている夏と秋、冬を合わせて展示されています。私は冬が一番好き。
冬には猿、秋には鶴が描かれていますが、夏には動物はいません。春には梅が描かれていたのでは?というお話でした。
東5yjimageSZ8GW8KF.jpg4東yjimagePCB992R0.jpg
日本の「水墨画の父」ともいうべき牧谿の他にも、宮廷画家でありながら禅宗的な主題を好んだ梁楷(りょうかい)などの作品も展示されています。

絵の中に入り込むことではじめて見えてくる、繊細な表現をぜひ発見してください。「いったい何がすごいの?」と思ったら、展示室内に置いてある図録をご覧になると、丁寧な作品解説が載っています。こちらもオススメですよ!

22日は会場はこれまでになく混んでいましたが、入場制限まではなかったです。板倉聖哲先生も講演会のあと会場にお越しになり、来場者の質問にも丁寧に答えくださっていました。お話をそばできいていて、先生のこの展覧会への熱意を感じるとともに絵画の見方が深まりました。
他の美術館で見た作品も多かったのですが、やはり名品は何度見てもいいですね。
明日までです!これほどの展覧会はもう10年後かと思うと、なんとなくさびしい気がします。
開催にご尽力いただいた皆さま、本当にどうもありがとうございした。

「鶉図」(伝)李安忠
東3yjimagePHJ21O4Z.jpg


「特別展 東山御物―足利将軍家の至宝―」
会期:開催中〜11月24日(月・振替休)
会場:三井記念美術館(東京・日本橋)
posted by はまやん at 00:00| アート

2014年11月22日

「御法に守られし 醍醐寺」展

渋谷区立松濤美術館で開催中の リニューアル記念特別展 「御法(みのり)に守られし 醍醐寺」に行って来ました。
この展覧会の見どころは、何といっても世界最古の長さ15メートル36センチの絵巻「過去現在絵因果経」の全場面が期間限定ではありますが、いっきに公開されることです。
8世紀に制作された国宝中の国宝に位置づけられているもので、絵画と書が同時に鑑賞できる貴重な作品です。
お釈迦様が出家し、悟りを開く物語が、上段に絵、下段に文字という形で記されています。

しかし、とてもマンガっぽ〜い絵で、楽しめます♪へたうまマンガな感じ。
太子の出家を聞いて婦人が気絶、骨と皮になった悉達太子を見て元家来が悶絶(倒れ方が笑えます)、魔王が太子を矢で射ようとするも、矢は空中で蓮華に変わってしまう、などの迷シーンが続出!笑える国宝bPは確実です。
鳥獣人物戯画のような躍動感溢れる絵とは全然違いますが、平安時代の「源氏物語絵巻」などと比べても、とても現代的だと思います。
これが奈良時代に描かれたものだとは驚きです。千年以上の歳月を超えて目の前にあるとは信じられないくらい保存状態も良好。
いくつか異本があり、東京芸大コレクション展で今年の春展示されていました。

醍醐寺本は、釈迦国の王子、悉達太子(釈尊)が出家し、苦行を経て、菩提樹の下で瞑想に入り悟りをひらき、その後、襲ってくる魔王の軍衆をその慈悲力で退けるといった一連の場面で構成されています。常絵巻物は右から左へ時間(場面)が展開していきますが、魔王の攻撃の場面は釈迦を中心に四方八方から攻めてくる悪魔たちを画面全体を使いダイナミックに表現しています。この悪魔が百鬼夜行のようで、風神雷神もいたのですが、これも奈良時代は悪魔だったのかしら?
松1yjimage.jpg
第4章 醍醐にひらく文雅 〜桃山・江戸時代の絵画と工芸品〜も見ごたえがありました。
「舞楽図屏風」俵屋宗達筆は、初めて見ましたが、意外と大きいのですね。左から崑崙八仙(ころはせ)、還城楽(げんじょうらく)、そして羅陵王(らりょうおう)。右隻には有名な納曾利(なそり)が描かれています。踊りなのですが、とても静かな感じのする不思議な作品です。
松2yjimage16YFYB12.jpg
荒廃した醍醐寺の伽藍復興に甚大な後援をした豊臣秀吉は、醍醐の地に桜を移植し「醍醐の花見」を催しました。
松4yjimage.jpg展示では、花見ではなく、「幔幕図屏風」(生駒等寿筆)や「楓図屏風」(山口雪渓筆)で、今の季節の紅葉狩りを演出しています。楓図屏風は光信の四季花木図襖を彷彿させるような名品。松3yjimage.jpg
秀吉は花見の後に、秋には醍醐の地での紅葉狩りを楽しみにしていたものの、その年の夏に没し実現しなかったという逸話が残っています。秀吉が望んでできなかった幻の「醍醐の紅葉狩り」を展示室のソファーで楽しみました。
posted by はまやん at 15:08| アート

2014年11月15日

「輝ける金と銀ー琳派から加山又造まで」 山種美術館

山種美術館で開催中の「輝ける金と銀ー琳派から加山又造まで」を見て来ました。日本絵画の金銀の表現を追う展覧会です。

古くは平安期の料紙装飾から江戸の琳派、又兵衛に浮世絵、そして時代を超えて近現代の日本画家までを辿る。全70点(展示替えを含む。)が展示されています。

本展で重要なのは技法について細かく見ていることです。
いくつか作品を紹介しますと、まず、酒井抱一「秋草鶉図」。
薄、女郎花、露草、楓の中にウズラが群れています。薄の葉は細くリズミカルに描かれ、繊細なデザイン感覚に満ちています。銀で描かれた月も低く置かれ、落着いた風情と品の良い華やかさがあります。
月の黒いのは銀が酸化したのではなく、銀の上に黒を塗ってあるそうです。
ウズラは土佐派のよく描いた画題で、この作品も土佐派に倣った画風です。
金箔地に描かれているので、照明の具合によってかなり作品の雰囲気が変わるのでしょうね。
やま5yjimage.jpg
速水御舟「名樹散椿」。背景は一面の金地ですが、これは金砂子で画面を埋めるという蒔きつぶしの技法が用いられています。やま3yjimage.jpg
金箔、あるいは金泥であったらどう見えるのか。会場では「技法サンプル」なるものを展示し、それぞれ箔、泥、蒔きつぶしにおける金色の質感についての比較を試みていますが、蒔きつぶしが金地の中で特にマットな質感であることが分かります。この「技法サンプル」こそがこれまでにない面白い試みでした。

金や銀の使い方は時代によって大きく変化します。一例が「神護寺経」と川端龍子の「草の実」です。
前者は12世紀の紺紙金泥経ですが、昔は「神護寺経」のように神聖なる対象物を描くものとして金を用いました。
しかし龍子は端的に絵具として金を使っています。しかも描いているのは決して神聖視されない草、雑草です。ようは神聖、荘厳なものを描くための金を、身近なモチーフに置き換えて利用してしまう。ここに龍子の面白さがあります。
やま4yjimageW7COML33.jpg
俵屋宗達(絵)・本阿弥光悦(書)の「四季草花下絵和歌短冊帖」。飛び立つ鳥の模様が今では黒くなって見えています。
それが銀だったらどう見えていたか。上に描かれている文字が良く見え、そして鳥の模様が視点の角度によって見えたり見えなかったりする面白さ。和歌の台紙としてグッと面白くなってます。

そして鈴木其一「芒野図屏風」。今ではススキは黒い濃淡で描かれているように見えます。
ところが薄いところは銀で、濃い黒は墨で描かれていると言うのです。後の黒く酸化しているのを見越してこうしたのかもしれません。銀と黒のコントラストで月の光を反射して輝いている様を表現しているのかもしれません。

宗達の扇面貼交屏風にインスピレーションを得たという加山又造の「華扇屏風」も興味深い。一面の銀が目に飛び込んできますが、扇の部分、よく見るとワイン色であったり濃い緑色をしています。これは酸化によって変色する銀の性質を利用したものだとか。「満月光」もススキの風にしなる様子、月の光が幻想的で美しい作品でした。やま220120106231013592.jpg


ラストの2点、田渕俊夫の金銀2点、「輪中の村」と「好日」も美しい。「好日」は裏から前面金を貼り付けているとか。収穫の輝くような光景が印象的でした。やま1yjimage.jpg

金箔、金泥、金砂子、プラチナ泥に雲母。言葉では何となく分かっているようでも、ここまで作品を参照しながら見られる展覧会はありません。日本絵画の金と銀の技法から、その背後の表現の意味までを探ろうとした好企画だったと思います。





posted by はまやん at 14:36| アート

2014年11月09日

印象派のふるさと ノルマンディー展

東郷青児記念 損保ジャパン日本興亜美術館で開催中の「印象派のふるさと ノルマンディー展〜近代風景画のはじまり」を見て来ました。出品作品のほとんどがノルマンディの風景を描いたものです。

さてはじまりは当然ながらフランスの画家と思いきや、イギリスの画家。かのターナーでした。

作者不詳「ジュミエージュ修道院の眺め」、フランスでもっとも美しい廃墟」だそうです。
のる8yjimage.jpg
コンスタン・トロワイヨン牛と羊の群れの帰り道のる4yjimage.jpg

海景といえばブーダンです。そもそも生まれはセーヌ河口のオンフルール。そして育ちはル・アーブルです。言わば生粋のノルマンディーっ子でもあります。10点以上出品されているブーダン作品の中では、ポスターやちらしに採用されている「ル・アーヴル、ウール停泊地」に一番惹かれました。のる1yjimage.jpg

ブーダンと親交があったのがクールベです。得意の「波」のほか、画家にしてはやや物静かな印象を与える「海景、凪」などが展示。

ヴィレルヴィルの広大な湿地帯シャルル・ラポストレも良かった。乗る7yjimage.jpg

「ルーアン派」と呼ばれる3人の作品も素晴らしかったです。
70 シャルル・ラポストレ ルーアン、モン=リブーデの船着場
72 レオン・ジュール・ルメートル セーヌ河沿いの村クロワセ
73 ジョゼフ・ドラットル ルーアンの港、霧の効果

私にとっての本日の一枚は、イザベイの「トゥルーヴィルのレ・ゼコーレ」かな。大作で、これはぜひ実物を見て欲しいです。
のる0yjimage.jpg

ノルマンディーに集まった人々の海水浴や日光浴を扱った作品では女性が美しい。
アルフレッド・ステヴァンスサン=タドレスの海岸にてのる3yjimage.jpg
ヴィットリオ・マッテオ・コルコス別れのる6yjimage.jpg
ラストはさながらミニ・デュフィ展です。ルアーヴル生まれのデュフィ作品も10点超の作品がまとめて展示されています。独特の鮮やかな色彩の作品を堪能出来ました。
赤い彫刻のあるアトリエラウル・デュフィのる5yjimage.jpg

11月9日に終了するこの東京展の後は、ひろしま美術館、熊本県立美術館、山梨県立美術館に巡回する予定です。

posted by はまやん at 08:55| アート
検索
<< 2014年11月 >>
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
最新記事
カテゴリーアーカイブ
アート(119)
旅行(31)
(1)
プロフィール
はまやんさんの画像
はまやん
ブログ移行しました。 今後の記事はこちらでどうぞ     ↓ http://blog.livedoor.jp/kaisyuucom/
プロフィール
×

この広告は30日以上新しい記事の更新がないブログに表示されております。