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2016年04月04日

ご挨拶

皆様初めまして木林博喜です。
今別ブログのサブカルチャーズマンションにてゴリラこと冨田武市先生が
私達の高校時代をリアルに再現したショートストーリーの連載物を書いて下さっています。
そして今回はホラー物や怪談ものも書きたいと思い出してこちらへオカルトネタ全般を
スピンオフさせました。
またサブカルチャーズマンション共々宜しくお願い致します。
posted by kaidann at 18:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 挨拶

地元怪談シリーズ1『地下へ・・・』冨田武市

これは、ゴリラが職場の先輩S氏より聞いたS氏の友人の体験談である。
仮にA氏とする。
A氏は大阪府岸和田市のマンションで独り暮らしをしていた。
その日は友人と食事をし、夜中まで遊んで車で自宅のマンションに帰ってきた。
駐車場に車を停め、鼻歌交じりでエレベーターに向かう。
彼の自宅は三階であった。
エレベーターはA氏の待つ一階で停まった。
チンと音を立ててエレベーターの扉が開く。
仲には中年の賛成と女性、小学低学年くらいの女の子が乗っている。
どう見ても家族連れである。
しかし、こんな夜中に小学校の子を連れてるんやなぁとA氏は思った。
家族連れは何故か皆うつむいていて、暗い雰囲気である。
何か気の毒な状況なんかな?
とA氏は感じたという。
A氏はエレベーターに乗り込もうと思うが、何故か立ち入りにくい雰囲気である。
A氏が躊躇していると、父親らしき男性が、うつむいたまま人差し指で下を指さす。
ああ、下に降りるんやな。
何か立ち入りにくいし、先に行ってもらおうと
「あ、僕三階なんで、気にせんと先に行って下さい」
と言って先に行くように促した。
すると父親は、ああ、そうですかと言うようにペコッと頭を下げる。
母親らしき女性も続いて頭を下げる。
女の子はうつむいたままだった。
エレベーターの扉が閉まり、下に降りていく。
その様子を見ながら、A氏は違和感を感じた。

ここ・・・一階やよな・・・

A氏の背筋が一瞬で凍りついた。
このマンションンに地下はないのだ。

A氏は全力で外まで駆け出すと、携帯電話でS氏にその事をまくしたてたらしい。
ありえない事である。
しかし、エレベーターはあまりに自然に地下へ降りて行ったそうだ。
A氏はそれからエレベーターを使う事ができなくなり、階段でしか階を移動する事ができなくなった。
何か曰くがあるのか調べてみたらしいが、有力な情報は得られなかったらしい。
ちなみに、A氏はアルコール類は一滴も口にしていなかったという。
ゴリラ思うに、この家族が生きている者でない事は明らか。
ゴリラの私観であるが、うつむいている霊はこの世に対する未練が大きい。
しかも、その未練は何らかの公開であると思われる。
更に、この家族はこのマンションで何かの不幸に遭ったわけでもないと感じる。
あくまでも私観だが、マンションに原因があるわけでなく、当時のA氏とこの家族の波長が合致し、そのような形でA氏の前に起こった現象に過ぎない。
事実、A氏と同じ体験をした人もいないというし、このマンションで一家心中があったという話も無いのだ。
A氏はほんの短い時間だけ、非日常の世界に身を置いてしまった。
この家族はA氏に何を伝えたかったのか?
また、家族を乗せたエレベーターはどこに向かったのか?
それを知る術はないが、ただ一つ、A氏はその後数年そのマンションに暮らしたが
怪異に出くわすことも無く、引っ越した先でもそのような経験をする事もなく元気に生活している。
終わり





posted by kaidann at 19:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 地元怪談

私的怪談シリーズ1 祠

ゴリラの母親の姉、つまりゴリラの叔母の話である。
ゴリラの母親の実家の地元には岩石山(がんじゃくざん)という山があり
戦国時代にはそこに山城があったという。
しかし、戦国時代である。
その山城、岩石山城はどこぞの軍勢に攻め滅ぼされた。
山城である為、大軍に包囲され兵糧攻めにあった挙句、地元の住民が敵方に
場内への抜け道を密告した為、その抜け道から敵方が場内になだれ込み落城したのだという。
そこから生まれたのが埋蔵金伝説・・・つまり、城にあった財宝が岩石山のどこかに隠されて
いるという都市伝説である。
叔母が小学生の時に、お使いに行くことになったが、岩石山の中を通った方が早いので山道を歩いた。
慣れた道なので迷う事はない。
無事目的地に辿り着き、お使いを済ませた後、行きと同じ道で帰る。
しかし、気が付くと見慣れない景色の中に居た。
あれ?
と思い、周りを見渡すと白い霧が立ち込めた幻想的な風景。
わけもわからず見慣れない山道を歩いていると傍らの茂みからガサガサと音が舌かと思うと
何かが飛びついてきて、叔母にぶつかると山の斜面をゴロゴロと転がり、それは見えなくなった。
今思えば、それはツチノコに似ていたという。
そこからまたしばらく歩くと、祠のようなものを発見した。
恐る恐るその中を覗くと、見たこともない財宝が納められている。
叔母はこれが噂の岩石山の財宝だと確信し、みんなにこの事を伝えぬばならないと思い、
何がなんでも帰らぬばと思い、とにかくその辺の草やらを倒したり等目印をつけながら歩いた。
無我夢中でそうやっていると見慣れた風景の中にいた。
急いで帰り、大人を連れて山に入ったが、どんなに探しても自分の付けた目印が見つからない。
皆でくまなく探したが、結局見つからずじまいで、夢を見ていたのだろうと、皆に笑われ
悔しい思いをしたと叔母は笑っていた。
しかし、あれは絶対に夢ではなかったと付け加える事は忘れなかった。
岩石山の財宝・・・
それは、今でも現実の世界のその向こうで静かな眠りについているのかも知れない・・・
終わり



posted by kaidann at 20:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月05日

私的怪談シリーズ2 長いドライブ 冨田武市

ゴリラが二十代前半の頃の話。
ゴリラがサブカルチャーズマンションにて連載しているショートストーリーにも登場するN谷、浜吉
そして木林の四人で夜遊びをしていた時の話だ。
その日は夜中までさんざん遊んだのだが、まだ若い男達である、夜はまだまだこれからよと
いう事で大阪から和歌山に抜ける道をドライブする事になった。
車はN谷自慢の愛車のCR−Vである。
車内では、まだ若いアホな男達によるアホな話に花が咲く。
夜中は車も空いていて、運転手のN谷も気分良さそうにゲラゲラ笑いながら車を飛ばす。
深夜零時頃から走り出していた。
大阪から和歌山に抜けるそのルートは小一時間もすれば抜けてしまい、また大阪に向けて戻る事になるのだが
ふと気になって時計を見ると、二時である。
あれ?おかしいな?
とゴリラは思った。
それにさっきから気になっている事があった。
結構急なカーブが一か所あり、そこに
「スピード落とせ」
の看板がある。
その看板をもう三度は見た気がするのだ。
風景も同じ気がする。
しかも、ゴリラが正しければ今、四度目を通り過ぎた。
たまたま同じような景色が続いているだけかも知れないが、走っている時間、何度も目にする看板・・・
ゴリラは不安になった。
同じところをグルグル回っている?
そして、口にはせずにいられなかった。
「あのよ〜なんか同じ所グルグル回ってない?」
するとN谷が
「そ、そんな事あるか〜よ!一本道やぞ!」
確か二一本道を道なりに走っているので、同じ所をグルグル回るわけがない。
しかし、N谷の声は少し上ずっている。
それに、さっきから皆口数が少なくなっている。
単純に眠たいからというわけでも無さそうだ。
皆、不安に思っているのだ。
今度、またあの看板が見えたら車を停めてもらおう、ゴリラは心に決めた。
しばらく走るが、外の景色はもはや見慣れてきていた。
そして、五度目の看板との再会。
「ちょっと!車停めて!」
ゴリラは後部座席からN谷に声をかけた。
すると素直に車を停めるN谷。
不安が車内を支配する。
時計は三時を指そうとしていた。
やっぱりおかしい。
皆がそう思っていた。
ゴリラはこういう時、どうすれば良いのか知っていた。
父親から聞いた話である。


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2016年04月06日

私的怪談シリーズ3 存在しないはずの契約書 木林博喜

これは私がまだ教育産業で教材の販売や家庭教師の派遣をする企業に勤務していた頃のお話しです。
当時私は直接お客様の自宅に訪問し販売するという営業の第一線から退き、内勤で営業の販売管理を
していました。
そして私が直接営業を教えていた部下も数名居て、その中の1人の女性が、仮にSさんとします。
そのSさんが奈良県某所でアポイントが取れ、私に現地へ行くと報告に来てアポイントを取ると
電話で話した内容やお子様の成績や現在の勉強方法などを記入したアポ用紙を見せ、
「父子家庭なんですよ〜凄く勉強熱心なお父様でして・・・私が行っても良いですか?」
と指示を仰ぎに来ました。
Sさんは凄く真面目で頑張る子だったのですが、この時は2か月程調子が悪く中々契約が取れていない時期が続いていただけに、私が行きSさんに売り上げをつけてあげて調子を戻すきっかけになればとも考えましたが、アポ用紙を見ながら検討し、
『父のみか・・・生徒は?と思い』
「Sさん、本人いないの?」
と聞くと
「はい、その時間塾みたいでして・・・・お父様が良いと思ったら塾辞めてウチでお願いしたいとおっしゃって頂けているのですよ〜」
との事。
『父親即決か・・・これは決まるな〜私が行くよりSさんの方が直接話しているし父親なら女の子の方が良いかな?調子は崩しているけど・・・これはSさんで取れる』
と思い
「OKじゃぁ19時やね・・・・Sさんお願いするわ〜安全運転で気をつけて行ってきてね」
と伝え
「ありがとうございます!頑張ってきます!」
と半分自分が行けないと思っていたのかSさんの表情もパッと明るくなり
そしてその日の19時にSさんは奈良県の現地へ訪問に行きました。
会社の電話が徐々に鳴り、夜の現場に入っている営業の人たちからの報告が次々と届きます。
そして21時18分にSさんから電話がありました。
「お疲れさまですSです!木林さんお願いします!」
「Sさんお疲れさま〜木林です。」
「あっ木林さん!お疲れ様です!9教科家庭教師付きコースで契約です。凄く良いお父様でした!」
良かった〜本当に良かったと思い、スランプ中だったSさんの声もかなり明るく
「うお〜!!!おめでとう!!やったな〜!!さすがや〜!」
私は契約を取れた人からの連絡にはいつも本当に大げさに賛辞を贈っていましたがこの日はまた格別でした。
「ありがとうございます!ありがとうございます!」
とSさんも嬉しそうに応え
「気をつけて帰ってな〜もう直帰してくれて良いから〜契約書はまた明日頂戴〜無くさんようにね」
と言いながら電話を切り、そして翌日にSさんから契約書を受け取りました。
昨日契約が取れ直帰した面々の契約書はまとめて翌日審判会社へFAXします。
3年物の教材なので3年間の分割払いになる為です。
そして審判会社の担当者から連絡が来てSさんが契約してくれたお客様が審査が出来なかったと連絡を受けました。
『出来なかった?通らなかったなら話は解るが出来なかったとはいかに?』
と思い審判会社の大阪支社は私の勤務先から徒歩でも7〜8分くらいの所にあったので審判会社の担当の方も
「ちょっと私もこのようなケース初めてなので・・・伺います」
と言って来てくれる事になり、私の事務所に審判会社の担当の方が来られました。
仮に契約してくださったお客様をO様とします。
私の事務所の部屋に向かい合い私と担当者の方が座り、いつものように私の好きなコーラを持ってきてくれていますがいつも明るい担当者の方の表情も若干曇り気味で言葉を発します。
「木林さん…午前中に頂いたO様の件お電話でお伝えした通りローン審査事態ができなくてですね・・」
「はい・・・それは伺いましたが・・・そのブラック(多重債務によりローン不可の意)とかじゃなくてですよね?」
事務の人が入れてくれて私と担当の方の前に並ぶコーヒーカップに口をつけながら私が不思議そうに聞く。
「はいそうなのですよ・・・え〜とこの契約取って来たSさん・・・どんな方ですか?」
と何かを言いたそうで言いにくそうな感じで少し言葉に詰まりながら
「えっ?Sになんか問題ありますか?気立ての良いべっぴんさんですよ」
と私が笑いながら応え
「・・・・そうですか・・・あの〜このO様というお客様事態が存在しない方なのですよ・・」
と真剣なしかし少しトーンを落としたような小声で両手を合わせ指を組み合わせ視線はテーブルを見ながら
「はい?・・・・存在しないというのは?・・・」
と私も驚くよりはっきりと意味が掴めずに
すると担当者の方が少し思い切ったようにはっきりと
「言いたくはないのですが、そのO様というお客様・・・存在しない人間なのです。
ですのでSさんが捏造したとしか・・・・印鑑も全て・・・筆跡はごまかせないのでどなたかに代筆されたのかも知れませんが・・・過去にも別業界になりますが・・契約欲しさにそんな事する人居ましたので・・」
私は無言で何も言えませんでした。
審判会社の担当の方が審査して存在しないというのは正直そうなのでしょう・・・
しかしSさんがいくら調子を落としているからと言ってそんなすぐにバレる様な事をするほど浅はかな女性ではない事は私よく解っていました。
どういう事だろう?
この事はSさんには伝えずに少し私単独で調べてみる事にしました。
まずお客様のO様の自宅に電話してみます。
すると・・・昨日Sさんがアポイントを取り訪問したはずの自宅の電話番号がただいま使われておりませんとのアナウンスが流れるのです。
私も
「はぁ?」
と混乱してきて契約書に書かれている、昨日のアポ用紙にも書かれている住所に単独で車で向かいました。
すると何度確認してもその住所は一軒家が建っていますが表札も無くそれどころか杭を四方に打たれ紐で囲われていて売り家の看板が掲げられているのです。
「はぁ?」
また混乱しましたがちょっと近所を通りかかった50代くらいの女性に私は聞いてみようと思い
「あの・・・すみません・・・」
と名刺を渡しその女性に社名を名乗り昨日弊社の人間がお子様の勉強の事でお伺いしたOさんという方の家を探している旨を伝えました。
そして住所は確かにここになっている旨も伝えるとその女性が一瞬顔をひきつらせ
「Oさん・・・Oさんねぇ・・・知っていますよ・・・でもお宅の会社の人・・・本当にOさんのご主人と・・話したの?・・・」
私は
「はい・・・そのように伺っておりまして・・お子様のお勉強を見させて頂く契約まで頂きそれでご挨拶にこちらの住所と伺っていたので私が本日ご訪問させて頂きまして・・・」
女性は少しの間黙っていましたがゆっくり口を開き
「・・・本当みたいやねぇ・・・あのね・・・どうしてそんな事が起こったかわからんけど・・あぁっ寒気してきた!・・・あのねぇ・・・Oさん所の息子さん昨年親戚の人に引き取られ、滋賀に引っ越したらしいよ・・・父親がねOさんのご主人が事故で亡くなられたから・・・去年息子さん6年生あったから今頃中1やわもう・・・」
そう言って女性は頭を下げ立ち去って行きました。
少しの間放心状態だった私が女性にありがとうございます!と頭を下げた時には女性はもう既にかなり私から離れた場所に居て、振り返り会釈をして下さいました。
大阪の事務所に戻る道中、私は色々な事を考えながら運転していました。
まずはSさんの審判会社にかけられた濡れ衣が晴れた事。
しかしSさん自身は今でもOさんのご主人と会話し、昨日はご自宅に上げて頂きコーヒーまで頂いたと言っていたがあの1年以上使われていない自宅の中に入りコーヒーまで頂いたのか・・・
一体昨日あの家で何が起こっていたのか・・・
考えても解るはずもなく、しかし確かにO様の契約書は存在するし今ここに車内の私のバッグにしっかりとお様の名前、お子様の名前まで記入されたものがあるのです。
しかしご本人は1年前に亡くなられている。
想像している最中に背筋が何度もゾクッとしました。
そしてある結論にいきついた時、私の目から自然に涙が出て来ました。
お父さん・・(O様)・・お子さんが心配で・・出て来られたんやぁ・・亡くなられても・・
去年6年て事は今中1で丁度ウチの会社がアプローチかけてる生徒さんの年代やもんなぁ・・
そしてO様は確かに存在していた。
生徒さんも今滋賀の中学校で1年生として親戚の方に引き取られ元気でいるはず。
しかし私はこの事をどうあってSさんに伝えれば良いのか・・・・
ありのまま伝えるしかない・・・
と思いSさんにありのまま伝えました。
彼女は涙を流し私の話を聞いていましたが、最後に私を信じて調べてくれてありがとうございますと言ってくれました。
しかし契約を取れたことには変わりなかったので歩合給の歩合は私の給与から差し引く形で付けさせて頂きました。
こんな亡くなってもお子様を心配で出て来て誰かにすがろうとする、そのすがられるスパイラルに入ったSさんはきっと本当に心の清らかな女性であったからこそ、O様に惹き付けられた私は勝手にそう思いました。
その後契約書はシュレッダーしこの事は社内では誰にも話さないままにしております。
終話




posted by kaidann at 17:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

私的怪談シリーズ4 見下す者達 冨田武市

その日、ゴリラはイライラしていた。
朝、職場に行くまではよかった。
しかし、職場についてから、どうにもイライラするのである。
原因はあった。
見えはしないのだが、ゴリラの背後に男性なのか女性なのか判然としない三体の黒い影がピタリと張り付き、ゴリラを馬鹿にしてヒソヒソ話している感じがするのだ。
ゴリラが歩いてはヒソヒソ。
ゴリラがしゃがんで作業をしていればヒソヒソ。
こいつらは一体なんなのだ!と更にイライライライラしてくる。
視界の端に揺らめく影が見え隠れするのだが、ハッキリ見えはしない。
ゴリラはイライラを沈める為に自販機で缶コーヒーを購入し、一服いれていた。
すると、あの「地下へ…」の話を教えてくれたSさんが、ゴリラに歩み寄ってくる。
Sさんは年下だが、職場の先輩である。
このSさん、相当に霊感が鋭い。
そのSさんがゴリラにこう尋ねてきた。
「冨田君、今日何かイライラしてへん?」
ゴリラは自分が感じている事は語らず、ただ、
「うん。何かイライラするのよね〜」
と答えた。
するとSさん、
「そうやろなあ…何か今日、冨田君の右後ろに黒い影三人ついて回ってるからなあ…」
という。
ゴリラは驚いて、
「何でわかるん?いや、ホンマ、オレもそれ感じてたんですわ!男か女かわからんけど、何かオレの事馬鹿にしてるんですわ、こいつ等!」
と後ろを指差しながらSさんの言葉に応えた。
「そうやな…男か女かわからんなあ…でも、そいつら冨田君に何もできんから無視しといたらええよ。」
とSさん。
「ありがとう。何か話したらちょっと気分楽になったっすわ!」
ゴリラはそう答えて仕事に戻った。
無視していたら、昼過ぎにはそいつ等を感じなくなった。
あいつ等が何だったのか、それを知る術はないが何も言っていないのに、Sさんがゴリラの感じているものに言及した時は本当にビックリした。
Sさんとは他にもこういう話があるので、また紹介したいと思う。
終わり





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posted by kaidann at 23:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月07日

私的怪談シリーズ5 水着の女性 木林博喜

これは私がまだ小学5年生だった頃の話です。
私の地元は漁師町でして、そのせいか海釣りが好きな方が多く
当時はまだ、関西国際空港もなく今よりもっと釣りが盛んでした。
私の父も根っからの地元民で釣りが好きで私も良く幼い頃から釣りに連れて行って
もらっていました。
その日も父に同じく釣り好きの叔父、そして私と3人で大阪でももう和歌山に近い淡輪
の海に釣りに行きました。
叔父の車で父と私と3人で出かけその日は縞鯛の小型の三番叟が大量に釣れ皆、上機嫌でした。
そして夕方暗くなるまで釣りをして、帰りは淡輪から泉佐野に抜けていく1本道の防波堤沿いを
叔父の車を叔父が運転し、父が助手席、小学生の私が叔父が運転する運転席の真後ろに座り
来週は、船で一文字に出ようかとまた釣りの話をしながら帰路についていました。
所々に街灯はあるものの当時の海沿いは夜は遠くからの灯台の灯りが少しあるくらいで
本当に暗く、車のヘッドライトが照らす道も1本道なので同じ景色が続きます。
そしてワイワイと父や叔父が釣り談義をし私がそれを聞いているという車内でしたが、
急に2人供無口になったのです。
車内には何か異様な空気が流れていて、普通なら私もお父さん、叔父さんなんで急に黙るんよ
とか言って理由を聞いたと思いますが、その時は何故か喋れる空気ではなく、その理由は後部座席
の私の隣に明らかに何者かが『居る』気配というか空気感というか感覚的なものですが、そこには
確かに存在感を感じました。
私は直視する事はせずに視野の言限界を駆使し見ました。今でこそ速読や能力開発の訓練を
受けたので周辺視野を使えますが当時小学生の私にはそんな眼力は無く精一杯、そこになにが
『在る』のかに神経を集中しました。
暗闇を走る車内ではありますが街灯から差し込む光に照らされそこに、それは『居た』のです。
最初に私の視野に入ったのは黒い長い髪、そして白か肌色かわかりにくい肌、下半身も肌だけの
ように感じ後から色が視野に入り、黒っぽい水着を着た女性だと認識しました。
『えっ?なにこれ?』
当時霊体験やオカルトに全く興味の無いただの小学5年生の私には何が起こっているか理解できず
ただ体に感じる硬直感というか緊張感と正面を向く私の視野の外側に映り込む水着の女性だけが
今起こっている事の全てで、父や叔父にも『それ』が見えていたかどうかは解りませんが、急に口数が
減った事自体、『それ』の存在に何らかの感覚で気づいてはいたのでしょう。
そして少しの間、叔父も無言で車を走らせていると、『それ』はいつ消えたか解らないうちに
存在を感じなくなっていました。
私は無意識に息を止めていたみたいで、その存在を感じなくなった後大きく息を吸い込んでいました。
『なにあったんやあれ?』
と思い確かにここに居たよなと・・・・
車の後部座席のシートに手を置くと手がビショリと濡れ、そのシートの下の足を置く部分にも水びたしに
なっていました。
『やっぱりおったんや・・・あの女の人・・』
と思いその時に生まれて初めて、生きている者以外の存在を信じました。
父も叔父もされっきり自宅に着くまで無言で、私も何となく言えずにいて結局あの日の事は父にも
叔父にも話せずに居ます。
叔父はその車をそれから間もなく売ってしまい、次に釣りに連れて行ってもらった時は別の車に
変わっていました。
叔父さん・・・やっぱり気づいていたんやなぁとその時思いましたが、車を変えた理由は私も父も聞かず終いでした。





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posted by kaidann at 21:48| Comment(1) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月09日

私的怪談シリーズ6 金縛り 冨田武市 私的怪談シリーズ6 金縛り 冨田武市

ゴリラが生まれて初めて体験した金縛りの話である。
ゴリラが二十代半ばの頃で、季節は夏…
ゴリラはその日、熱帯雨林のような職場での仕事で疲れていて、その日は布団に入るとすぐに気を失ったようだった。
夜中、パチッと目が覚めたのだが、自室に自分以外の気配がする。
布団の周りを何かが歩いているような気がする。
嫌な予感がしたので、寝たフリをしていると、左手の指先に感電したような刺激が走った。
すると、それはみるみる全身に広がり、ゴリラは全身が硬直してしまった。
全身にビリビリと弱い電気を流されているような感覚の中、ゴリラは、これは外的要因による金縛りであると確信した。
よく、金縛りは脳だけが覚醒している状態であると言われるが、明らかにそうではない。
硬直してはいるが、若干筋肉が痙攣しているし、動こうと思えば動けそうである。
しかし、布団の周りを徘徊する何者かの存在がゴリラにそれをさせなかった。
すると、その何者かが
「ケタケタケタ」
と、どうやら笑っているようである。
ゴリラには子供の声に聞こえた。
その笑い声は耳障りな、人をイライラさせる嫌な響きだった。
今の状況、明らかにコイツの仕業である。
ついにゴリラはキレた。
『おうコラ!何者か知らんけど、鬱陶しい事しやがって!正体見せろ!勝負したるぞボケ!』
と心の中で怒鳴った。
すると…
一瞬の沈黙の後、ゴリラは胸にズシリと重い感覚をおぼえた。
続いて、『霊圧』と言うのだろうか、漫画ブリーチで表現されていれあの感じに陥った。
全く身動きがとれない。
しかも、呼吸もできない。
しかし、それでも腹が立つ事には変わりない。
ゴリラはこのような理不尽に負けてなるものかとの怒りのパワーにより、
『フン!』
と気合いを入れると身をよじる!
動いた!
金縛りは確固たる意思を持って気合いをいれると解除できる事をこれで学んだ。
それと同時に何者かの気配も消え失せていた。
奴が何者なのかはわからないが、こいつはまた別の現れ方もした。
その話はまた改めて語りたいと思う。
初体験だと言うのに、かなりへビーな金縛りであった。
終わり








posted by kaidann at 10:42| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

私的怪談シリーズ6 父の夢 木林博喜

これは一昨年2014年の12月29日の話です。
木林家では私、博喜が幼少の頃から、もっと言えば父が幼少の頃から
木林家の母屋で毎年12月30日に餅つきをするという習慣があります。
それは私が結婚して子供ができた今でも変わらず、私の妻や妻の母までも今では参加
してくれて年末の定例行事となっております。
そして一昨年の12月の末が近づいてくると今や餅つきの中心人物となった私の母が
もち米や塩などの材料などを買いそろえ用意を少しづつして行きます。
そしてそんな餅つきに欠かせない私の母が一昨年の12月29日、餅つきの前夜に私の下の娘の
面倒を見てくれていた時に急に異常な腹痛を訴え、まだ当時トイレも上手く1人で出来ない私の娘を
トイレから出してくれた時にそのまま倒れてしまいました。
私の母は年齢の割に異常な健康体で今まで大きな病気にかかったことなどなく風邪すら60歳を過ぎるまで
弾いているのを私は見たことがありません。
自分でも入院したことはあんたら(私と弟)を産んだ時だけやと豪語するほどの健康体でした。
そんな母が腹痛を訴えそのまま倒れてしまうなど想像もしていなかったので非常に驚きました。
私は案外、どんな時でも冷静でおれるタイプなので落ち着きまず救急車を呼びましたが、当時脳梗塞で
入院していて退院したばかりの父は弱気になっていたのか非常に狼狽していたのを覚えています。
若い頃の怖い父からは想像もつかないくらいでした。
そして母はそのまま入院で病院でも餅つきに行かれへんと残念がっていましたが、弟にそれどころやないやろ!と言われていました。
病院でも先生がとりあえず色々検査してみないと解らないのでとその日は母は入院、私達3人は帰る事にして
明日の餅つきは私と父、弟、私の妻妻の母で木林家の母屋に行くこととなりました。
皆一様に心配そうにしていましたが、私は朝、父が何気に私に呟いていたことがここで非常に気になっていました。
私の父は根っからの唯物主義で、信仰心もゼロのタイプの人間です。まず目に映るもの以外は理解しないし信じない、そして超常現象や不思議な事などは全く信じないタイプの超頑固者でした。
そんな父だからかは解らないですが、昔1度口にしていたのが自分は夢なんか殆ど見た事がないと言っていました。その時私もそれは親父が覚えてへんだけちゃうん?と言葉を交わしたのですが、そんな父が母が倒れた12月29日の朝に
「博喜〜お父さんな〜昨日変な夢見たんや〜」
と私に言って来て私が
「親父夢見れへん言うてたのにな〜変な夢でも夢は夢、やっと人並みやな〜」
と笑いながら応えると
「アホッ!普段見れへんから余計気になるんや〜」
私が
「どんな夢あったんよ?」
と聞くと
「お母さんがな、リュックしょって山に登って行ってるんやけどな」
と父が話始め

「変か?それ?いや・・おかんにリュックに登山は変やな、どちらかというと田んぼに長靴の方が似合ってるし」
と笑いながら言うと
「黙って聞け!」
と三十路も超えてるのに父に怒られながら
「それがな、後姿しか見えのやが、なんぼ呼んでも聞こえてないみたいでな、振り向きもせんとどんどん離れていくんや〜」

「へ〜・・・それで」
父が
「それで最後は見えへんようになって目覚めたんやしゃ〜」
私はその話を聞きまさかの熟年離婚の予知夢かとも思いましたが私の両親に限りそんな事ないしな〜と大して気にもしていませんでしたが、あの健康な母が急にこうなり入院してしまうと今まで夢すら見た事のない(実際は人は夢は見ているが記憶していないだけ、父にそのことを説明しても理解に困るので説明はしていない)父が夢を見てそれを鮮明に覚えていた。そしてそれは母が離れていくことを暗示するような夢だった事が気になり、母がこのまま亡くなってしまうのではないかと一抹の不安に駆られました。
翌日、私だけが父の夢の内容を内心気にしたまま、餅つきを無事終了しましたが、皆母屋の叔母さんや叔父さんたちも毎年彩智前のようにテキパキと仕切っていた母が居ない事に違和感を感じながら母の入院した話で場の空気も重く、餅つきが終わり私と妻で母の病院に行くと個室だったのですが入ると既に私服に着替え帰る用意をしていました。
父の夢の事で心配していた私も少し安心して
「あれ?おかん、もう退院できるん?」
と聞くと
「こんなところで年越すのも嫌やしな〜お腹ももう痛ないし退院するわ〜」
との事。
「どっこも悪くなかったん?先生なんて言うてんよ?」
「わかれへんよ。でももう治ったからあんたら来てくれたら帰ろうと思ってたんよ」
「アホッ!!!!」
渾身の力を込め100万ドルのアホを叫んでしまいました。
「退院は先生の許可がいるやろ!」
「えっ?そうなんか?お母さん入院した事ないからわかれへんよ〜」
「アホッ!!」
天然過ぎて腹が立つ母に怒りなくりの私を妻がなだめて
私が先生に聞いて来ると妻が先生の所に聞きに行ってくれて結局今日1日様子を見て何もなければ明日
退院という事で話がつき翌日無事に退院でき今でも母は元気にしていますが、父の見た夢はこの完全な
健康体の母のまさかの突発的な入院を暗示していたのではないかと私は今でもそう思っております。







posted by kaidann at 20:51| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談

2016年04月10日

地元怪談シリーズ2 旧トンネル 冨田武市

ゴリラの地元には犬鳴山という霊山がある。
古くは修験道の修行場となっていて、ここにまつわる怪談は多い。
この犬鳴山近くに、もう大昔に使われなくなったトンネルがある。
地元では旧トンネル、略して『旧トン』と呼ばれている?
その旧トンにまつわるゴリラが友人から聞いた話である。
今からざっと40年以上は昔である。
当時から旧トンは心霊スポットとして有名で、肝試しに行く若者が多くいたそうだ。
そんな若者の中の一組の話である。
彼等は男女数人で肝試しに旧トンに来た。
もちろん深夜にである。
トンネル内は狭く、車では通れない為、外に車を止めて用意していた懐中電灯を手にトンネル内に入る。
もう使用されていないトンネルに外灯があるわけもなく、頼りは懐中電灯のみである。
若者達はどんなに内に足を踏み入れ、おそるおそる進んでいく。
水滴の音や、トンネルの壁から生え出している木の根などを不気味に感じ、些細な事で女の子が声をあげ、皆で笑ったりしなから進んでいく。
しかし、何も起こらずトンネルを抜けてしまった。
「何もないやないか!」
皆でそう笑い、若者達は満足した。
そこでしばらくお喋りして時間を潰した後、さて、そろそろ車に戻ろうと再度トンネルに入る。
しかし、
『行きはよいよい帰りは恐い』
が怪談の定石である。
事件は帰りのトンネル内の半ばで起こった。
男性の一人が突然
「うっ」
と声を上げて立ち止まる。
みな、立ち止まった男性の方を振り返る。
「何しとんねん?早く行くぞ?」
男性のひとりが立ち止まった男性に声をかける。
立ち止まった男性は
「う、動かれへん」
とだけ答えた。
女の子が
「もう!恐いからふざけんとってや!」
と笑いながら速くくるよう促す。
しかし
「アカン…ムリや…」
立ち止まった男性はいっこうにその場から動こうとしない。
男性がイラつきながら大きな声を出す。
「女の子等恐がるやろうが!ふざけてんと、早くこい!」
しかし、立ち止まった男性は意を決したように、
「ホンマやて!ほな、オレの足元見てみい!でも、絶対逃げるなよ!」
と答える。
その声には真剣な説得力があった。
みな無言の中、男性の一人がゆっくりと立ち止まった男性の足元を懐中電灯で照らす。
皆がそこに注目する。
ありえない光景が照らし出された。
砂利の地面から真っ白い人間の手が生えて…いや、地中から伸びているその白い手が、立ち止まった男性の足首をしっかりと握りしめている。
「うわああああ!」
「きゃああああ!」
男女入り乱れた悲鳴がどんな内にこだまする。
パニックを起こし、車へと走る男女達。
「待ってくれ!置いていかんといて!:
後ろから立ち止まった男性の声が聞こえたが、助けに戻れる人間などいようか?
逃げる男女は車に乗り込む。
運転手がエンジンをかけようとするが、なかなかかからない。
「何しとんねん!早よせえや!」
「お願い!早よして!」
車内はパニックである。
そこに

ドン!

と窓を叩く音がした。
みな、そこを見やるとハッキリと手形がついている。
「うわああああ!」
と誰かが声をあげると、それをキッカケにしたように、車のそこら中を外から叩かれる。

ドンドンドン!
バンバンバン!

車内はパニックを通り越し、阿鼻叫喚である。
その中で必死にエンジンをかけようとする運転手。
すると、ようやくエンジンがかかった!
荒々しく車を発進させ、制限速度を遥かに肥えたスピードで市街地を目指す。
しばらく走った後、市街地に入った車は、明るい場所に停車する。
車内では誰も一言も発せず、放心状態でただ気持ちが落ち着くのを待つ。
空が白んだ頃には、皆が落ち着きを取り戻した。
外の空気を吸おうと車外に出る。
そこで、皆が先程の体言が事実だったと思い知らされた。
車のボディに残る無数の手形。
所々凹んでいる所もある。
誰も声を出せない中、しばらくそうしていたが、女性の一人が
「あの子…置いてきてしもた…」
と呟く。
みな、忘れているわけではなかった。
ずっと気になっていたが、口に出すのが恐かった。
口に出せば、戻らなければならない、あの場所に…
しかし、段々明るくなってきて恐怖心も薄れてきた。
「戻ろう…」
誰かという事もなく、皆がそう口々に呟く。
車は再び旧トンに向けて発進した。
車内は無言であった。
山深い旧トンは明るくても尚不気味であった。
朝の冷たい空気の中、彼等は車外に出ると再びトンネル内に入り、置き去りにした男性の名を呼ぶ。
置き去りにされた男性は、トンネル半ばのあの場所に倒れていた。
その男性の名を呼びながら、助け起こす。
しかし、彼の精神は失われていた。
目は光をうしない、口からはヨダレを足らし、何か意味のわからない事を蚊の鳴くような小さな声で繰り返していた。
彼等はその男性を車に乗せ、病院へと走った。
彼は、再び社会復帰できなかったそうである。
真偽のほどは定かでないが、こういう話を、ゴリラは聞いた。
しかし、この話が真実であると思わせる説得力が旧トンにはあるという事は事実である。
終わり




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