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2016年04月17日

私的怪談シリーズ13 子供 冨田武市

また同じ会社のSさんとの話である。
お昼前、ゴリラが職場の工場内を歩いているとベテランのHさんが
「またSが気持ち悪い事言うとるぞ。話聞いたれや。」
という。
ゴリラはすぐさまSさんのもとへ急いだ。
Sさんの持ち場にいくと、Sさんが青い顔をしている。
「Sさんどうしたん?何かあったん?」
とゴリラが尋ねると、Sさんは機械の側に置いてある一斗缶を指差して答える。
「今も見えるんやけどよ、その一斗缶の上に四、五歳くらいの男の頭浮かんでるねん…もうキモくて仕事にならんわ!」
と指差しながらも、そちらを見ようとしない。
しかし、ゴリラには見えない。
これは困ったな。
この機械は早く稼動させないと納期に間に合わないかも知れぬ。
ゴリラはその一斗缶に近づいた。
その時、ゾッという悪寒がゴリラの全身を貫き、鳥肌が立つ。
ゴリラは
「Sさん?もしかして、オレ今重なってる?」
と感じたまま尋ねた。
すると、無言で頷くSさん。
見えはしないが、明らかに感じる。
そこに立つとやはり悪寒と鳥肌だ。
何とかせねば…
何とか…
ゴリラはふっと閃いた。
「Sさん、ちょっと待っといてな!」
ゴリラは自販機まで行き、子供の好みそうなリンゴジュースを購入し、Sさんの持ち場に戻った。
「お待たせSさん!とりあえずコレ、供えて手合わせてみよ!」
ゴリラはそう言ってジュースを一斗缶の上に供えて、二人で手を合わせた。
『君がそこにおったらSさん仕事できんから、取りあえず違う場所に行ってもらえる?悪いけど頼むわ。』
と心に念じた。
「とりあえず、どっか行ってくれるよう祈って、昼まで様子見よ。Sさん、他の機械やっとこ!」
とゴリラはその場を後にした。
昼休み後、いなくなってくれている事を祈ってSさんの持ち場に行くと、Sさんが件の機械を触っている。
「Sさん、どっかにいってくれた?」
と尋ねてみた。
するとSさん、
「昼休みに見にきたらおらんようになってたわ。ははは、アレ効いたんかな?」
と笑った。
さっき悪寒を感じた場所に経ってみたが何も感じない。
「何であいつら人がおらんようになったり、見てない時に消えるんやろなあ?」
と二人で笑った。
ゴリラはHさんに事件解決を報告にいった。
するとHさん、
「お前等なあ、あんま気持ち悪い事言うたりすんなよ。怖いやんけよ。」
と笑った。
会社では、時々こんな事が起こる。
終わり





posted by kaidann at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | 私的怪談
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