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マフィン
活字中毒。 ホラー、ミステリー、サスペンスの傑作小説や映画、テレビドラマをご紹介します。好きな作家はスティーヴン・キング、クライヴ・バーカー、トマス・ハリスなど。ご紹介するのは同性愛を扱ったものが多いです。腐女子。
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posted by fanblog

2020年03月14日

『冷血』、カポーティが一家皆殺しを取材したノンフィクション・ノベルの感想

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1959年にアメリカで実際に起こった一家皆殺し事件を、

トルーマン・カポーティが取材し仕上げた作品。

カポーティ本人曰く、「ノンフィクション・ノベル」

犯人へのインタビューも含め6年間に及ぶ緻密な調査を経て、

1965年に完成しました。

この事件、発生当時「前代未聞」とか「想像を絶する程残虐な事件」と騒がれ

かなりセンセーショナルに報道されたそう。

トラブルや私怨があったわけでもない初対面の家族を

特に理由もなく皆殺しにした犯人の精神性というものが

当時一般市民にとって非常にショッキングだったので注目されたんですね。


カポーティと犯人の共通項、ゲイであること


カポーティも、この事件の特異性に興味をひかれ調査を始めることになります。

特に犯人の内の一人が幼少期不遇だったこと、ゲイであることなど

カポーティとの共通点を持っていたために

この事件にのめり込むきっかけになったようです。


1959年〜1965年当時プロファイリングの技法もまだない状況で

これ程犯人の精神世界について解析できたのは凄いことだと思います。

カポーティの深い洞察力と鋭い観察眼に脱帽です。

でも、カポーティのような繊細な人間が犯人との共通項を意識しながら

こういう残虐な事件を見つめていくのは

相当辛い作業だっただろうなと思います。

読んでいると、カポーティと犯人の奇妙な友情?のようなものも伺われます。

「深淵を覗き込めば、向こうもこちらを見ている」

という言葉を思い出します。



2005年ベネット・ミラー監督映画「カポーティ」


『冷血』は何度か映画化されています。

その中で特に記憶に残っているのは、

2005年ベネット・ミラー監督の「カポーティ」です。

主演のフィリップ・シーモア・ホフマン

非常に繊細で洞察力が鋭く、そのため傷付きやすく、

また気難しくもあるカポーティを演じていて非常に印象的でした。

素晴らしい演技でしたね。

彼はこの作品で2006年アカデミー賞主演男優賞を受賞しています。

映画を観て以来、私の脳内イメージでのカポーティは彼になりました(笑)。



ま と め


カポーティの中には夢見る少女の部分とシニカルな皮肉屋の部分

厳しい現実に傷付いた無垢な部分が同居しているような気がします。

カポーティは、毒舌なおっさんの皮を被った乙女です。

乙女じゃないと、『遠い声、遠い部屋』とか

『ティファニーで朝食を』とか書けないですからね(笑)。


そのカポーティが自分と犯人との共通性を意識しながら

痛ましい殺人事件を取材した、悲痛な作品です。



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感想(17件)







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