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マフィン
活字中毒。 ホラー、ミステリー、サスペンスの傑作小説や映画、テレビドラマをご紹介します。好きな作家はスティーヴン・キング、クライヴ・バーカー、トマス・ハリスなど。ご紹介するのは同性愛を扱ったものが多いです。腐女子。
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2020年07月06日

『ハイスクール・パニック』スティーヴン・キングのホラー小説の感想レビュー




スティーヴン・キングの『ハイスクール・パニック』をご紹介します。

この作品は、キングがリチャード・バックマン名義で書いたサスペンス小説で

高校生が校内で先生たちを銃撃する物語です。


昔、アメリカの高校の校内で銃乱射事件が起こったときに

犯人のロッカーからこの作品が見つかったことを受け

スティーヴン・キングがアメリカ国内でこの本を回収させた、

ということがありました。

でも、日本では全然普通に読めます。



■ 目 次 ■




あらすじ

高校3年生のチャールズ・デッカーは、ロッカーの中に火をつけた後、

校内で先生二人を射殺。

生徒を人質に教室に立てこもります。

警察隊が学校を包囲し、交渉と突撃の機会を伺うなか

チャールズは、クラスメイトと一緒に

奇妙なホームルームを開始します‥‥。





抑圧された高校生の爆発

スティーヴン・キング『ハイスクール・パニック』あらすじ、感想レビュー

キングが高校生の怒りの爆発をテーマにしている作品は、

他にも『キャリー』があります。

キャリーはいじめられっこの女の子だったけど、今回の主人公は男の子。

事件を起こす前から、粗暴で暴力的です。

先生を射殺するのも平然とやってのけます。

そして、落ち着いた様子で人質のクラスメイトを相手にホームルームを始めます。

クラスメイトとの話し合いで出てくるのは、

それぞれの家庭内のいざこざ、両親との不和、思春期にありがちなセックスの問題。

普段友達にも相談できない赤裸々な生の感情が飛び出してきます。

チャールズとクラスメイトは、拳銃を介してはいるものの

不思議な連帯感で結ばれていて

いわば、グループセラピーみたいです。


この作品を読んでいて

キングはよく高校生の気持ちが書けるなあと思ったら

この作品は、キングが高校生の時に半分程度書いていたそうです。

で、23歳の頃に後半部分を書き足して完成させたのだとか。

通りで、高校生の心理描写がめっちゃリアルです。




大人世界の代弁者テッドの孤立

クラスメイトの中で唯一、終始理性的な生徒がいます。

いつも真面目で交通違反のキップも貰ったことがないデッド・ジョーンズは

チャールズが先生たちを殺したことを責め

父親への怒りを語るチャールズに

「先生たちを射殺したことを親のせいにするな」

と叱ります。

当初彼はクラス内の「勇気ある良心」のように見えますが

やがて、話が進んでいくにしたがって

クラスメイトとの不協和音が明確になり

デッドの立場は変わっていきます。

大人な考えを持っている彼は、

閉鎖されたクラス内という特殊な状況では孤立無縁な存在です。

『蠅の王』の主人公ラルフに似ています。



理知的なラルフも無人島で他のメンバーとうまくいかなくなり

四面楚歌になっていきました。

結局、大人の理論は子供には通用しないですね。




ネタバレ(↓↓↓)

以下ネタバレですので、ネタバレ大丈夫な方のみ

文字の色を反転させてお読みくださいね。

クラスメイトの赤裸々な意見を聞き、

ホームルームを終えたとき、チャールズはクラスメイト全員を解放します。

警察の銃撃を何発も受けながら生き延びたチャールズは病院に入院。

有罪判決を受けるものの、責任能力なしとみなされ

そのままずっと病院で過ごすことなりました。


高校生の抑圧された怒りって、大なり小なりだれでも持っているものだと思います。

大人になってからも、性別による抑圧や、職場や家庭内での抑圧、社会による抑圧など

ストレスはたくさんありますよね。

それらのストレスを緩和し、心穏やかに暮らせるようになるメソッドが

高校生にも大人にも必要ですね。





ま と め


スティーヴン・キングの『ハイスクール・パニック』は

高校生のやり場のない怒りとストレスをテーマにしたサスペンス小説です。


若い読者は大いに共感できる内容かと思います。





※最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。



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2020年07月04日

『ドロレス・クレイボーン』スティーヴン・キングの傑作ホラー小説の感想レビュー



スティーヴン・キングの『ドロレス・クレイボーン』をご紹介します。

高齢の女性が30年前の夫殺しを告白するホラー小説です。

苦難の多い人生を懸命に生きている女性へのキングからの応援歌です。




■ 目 次 ■




あらすじ

雇い主のヴェラ・ドノヴァンが事故で亡くなったとき

ドロレス・クレイボーンは、警察にヴェラを殺した疑いをかけられます。

警察に出向いた彼女は、ヴェラとの長い間の複雑な関係を語ると同時に

30年前の夫殺しを告白します。

30年前の1963年夏…

夫の暴力・アルコール中毒、貧困。そして、

夫が娘への性的暴行を繰り返していることを娘から聞くに及び

とうとうドロレスは心が折れそうになっていました。

彼女の悩みを聞いたヴェラは

「事故というのは時には不幸な女の味方になることがあるのよ」

とつぶやきます。ヴェラの夫も事故死していました。

ドロレスは夫を殺す決心をし

皆既日食の午後、ドロレスは夫を野原におびき出し…。




話術がすごい!!! ドロレス・クレイボーンの一人語り

ラスト4ページ以外は、最初から最後まで、主人公ドロレス・クレイボーンが

警察で供述しているという一人語りのスタイルになっています。


一人語りのスタイルで長編を書くって下手をすると途中で中だるみになったり

退屈になったりすると思うんですけど

さすが、スティーヴン・キング!!!

約350ページの最後まで、息つく暇がありません。

文字通り、最高のストーリーテラーです!




なお、この『ドロレス・クレイボーン』は

スティーヴン・キングの『ジェラルドのゲーム』とリンクしているので、

もし『ジェラルドのゲーム』が未読の方は

ぜひ『ジェラルドのゲーム』も読んでみてください。




テイラー・ハックフォード監督で映画化。タイトルは「黙秘」

1995年テイラー・ハックフォード監督で映画化されました。

映画タイトルは「黙秘」です。

小説が、ドロレス・クレイボーンと彼女の雇い主ヴェラ・ドノヴァンに

焦点を置いているのに対して

映画は、ドロレスとドロレスの娘セリーナに焦点を置いています。

つまり、映画は母子の物語になっている点で

小説とは全くの別物になっています。


映画のメインキャストは

ドロレス・クレイボーン:キャシー・ベイツ

セリーナ・セント・ジョージ(ドロレスの娘):ジェイファー・ジェイソン・リー

ヴェラ・ドノヴァン:ジュディ・パーフィット

ジョー・セント・ジョージ(ドロレスの夫):デヴィッド・ストラザーン

ジョン・マッケイ警部:クリストファー・プラマー

となっています。

映画「ミザリー」同様、キャシー・ベイツの演技が光っています。




ネタバレ(↓↓↓)

以下ネタバレですので、ネタバレ大丈夫な方のみ

文字の色を反転させてお読みくださいね。

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皆既日食の日、ドロレスに野原のおびき出され

古井戸に落ちたジョーはドロレスに殺されます。

ヴェラとドロレスは奇妙な共犯者となります。

その後、ヴェラは子供たちを事故で失い、

ドロレスも三人の子供のうち一人を亡くし

残りの二人とは疎遠になります。

やがて歳を取ったヴェラとドロレスは身を寄せ合って生きていきました。

そして、体が不自由になり認知症を患ったヴェラは

自分で自分の人生に幕を引きます。

ドロレスは最後までヴェラを支えて、ヴェラを見送ります。



ラストの

「最後まで持ちこたえるのは、この世の性悪女たちだよ」

というドロレスの言葉が心に響きます。

キングからの、頑張っている全ての女性たちへのエールに胸が熱くなります。

困難にくじけず、生きる力が湧いてくる本です。





ま と め

苦労の多い人生を送った二人の女性の絆を描いた物語です。

スティーヴン・キングのリアルで緻密で圧倒的な表現力で

一気に最後まで読ませます。

女性みんなに勇気をくれる力強い小説です!!!。



※最後まで読んでいただいて、ありがとうございました。



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