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2018年02月05日

東野圭吾『しのぶセンセにサヨナラ』

〜『しのぶセンセにサヨナラ』7つのポイント〜

『しのぶセンセにサヨナラ』は、東野圭吾25作目の作品。
人気を博した「しのぶセンセ」シリーズの続編です。
「浪花少年探偵団・独立篇」という副題がつけられています。
小学校教諭だったしのぶセンセは現在、兵庫の大学で内地留学をしています。
しのぶセンセの周りで起こる数々の事件。
大路小学校時代の教え子・田中鉄平や原田郁夫、大阪府警捜査一課の新藤や漆崎、かつてしのぶが見合いをした本間も登場します。

竹内しのぶ、25歳、独身。
大阪大路小学校の教諭だが兵庫の大学へ内地留学中。
あれから三年、浪花のヘプバーンこと、しのぶセンセがさらにパワーアップして帰ってきた。
もう誰にも止められない!?
抱腹絶倒、でもチョッピリ切ない物語。
いま人気急上昇中の俊英が贈る超人気連作ミステリー、待望の文庫化。

さあ、『しのぶセンセにサヨナラ』について語りましょう。

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感想(15件)




1 登場人物

竹内しのぶ
小学校教諭。兵庫県の大学に内地留学中。
田中鉄平
中学2年生。大路小学校時代のしのぶの教え子。
原田郁夫
中学2年生。大路小学校時代のしのぶの教え子。
新藤
大阪府警捜査一課刑事。しのぶに好意を持っている。
漆崎
大阪府警捜査一課刑事。新藤の上司。
本間義彦
会社員。かつてしのぶと見合いをした。新藤とは恋敵。
竹内妙子
しのぶの母。

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2 しのぶセンセは勉強中

鉄平に頼まれソフトボールの試合の助っ人として試合に出場したしのぶセンセ。
それがきっかけで相手チームの西丸商店の会長から秘書として働いてくれないかとスカウトされる。
ある日、西丸商店の裏にある会長宅を訪れたしのぶセンセ。
秘書のスカウトを断り辞去しようとしたときに、西丸商店で社員が転落事故が発生。
会長をはじめとする西丸商店の人たちは自殺を主張するが、自殺にしては不自然な点が多すぎる。
しのぶセンセが新藤、漆原と共に事件の真相解明に挑む。

(登場人物)
西丸仙兵衛 西丸商店会長。
西丸昭一  仙兵衛の息子。西丸商店の現社長。
米岡伸治  西丸商店販売部長。転落死する。
富井    西丸商店従業員。仙兵衛の腹心の部下。
大友福子  西丸家家政婦。





3 しのぶセンセは暴走族

自動車教習所に通い始めたしのぶセンセ。
そこには原田郁夫の母・日出子も通っていた。
その日出子の誘いで、しのぶセンセは教官の若本と一緒に秘密の早朝特別訓練に参加する。
とある事情でしのぶセンセが早朝特訓を欠席したその日、日出子が事故を起こし、若本が死亡する。
日出子の運転ミスによる事故であると、日出子の過失が大きくなる中、この事故が実は仕組まれたものではないかという疑惑が浮上する。
この事故の真相にしのぶセンセが迫る。

(登場人物)
原田日出子 原田郁夫の母。運転技術は壊滅的。
若本   
教習所教官。日出子との早朝秘密特訓中に事故死する。
小林    教習所配車係。
松原宗一  
資産家。ある日の未明に強盗に入られる。





4 しのぶセンセの上京

友人の結婚式のために上京したしのぶセンセ。
かつての教え子で東京に引っ越した中西雄太からの誘いを受け、鉄平と郁夫を連れて中西家を訪問する。
しのぶセンセは友人宅に、鉄平と郁夫は中西家に泊まる予定だったが、雄太の母から突然ホテルに泊まるよう依頼される。
不自然さを感じたしのぶセンセは、中西家で誘拐事件が起きていることを知る。
犯人は身代金に5,000万円、受け渡し場所に東京ディズニーランドのホーンテッドマンションを指定する。

(登場人物)
中西雄太 
中学2年生。 かつてのしのぶの教え子。現在は東京在住。
中西景子  雄太の姉。高校生。
中西夫人  雄太の母親。
中西氏   雄太の父親。
中西利広  雄太の弟。幼稚園児くらいの年齢。





5 しのぶセンセは入院中

畑中からお好み焼きをおごってもらった鉄平と郁夫は、畑中の様子に違和感を覚え、しのぶセンセに相談に行く。
しかししのぶセンセは盲腸で入院中だった。
しのぶセンセは藤野というおばあさんと同室だったが、その藤野の夫が強盗に襲われる事件が発生する。
金目のものも無い家に何故強盗が押し入ったのか、その理由が分からないままのところに、今度はしのぶセンセと藤野のいる病室に何者かが侵入する。

(登場人物)
藤野   しのぶの病室と同室の老婆。
藤野与平 藤野の夫。タバコ屋を経営している。
畑中   しのぶのかつての教え子。





6 しのぶセンセの引っ越し

2階建ての住居に侵入した男が住人の老婦人に撲殺された。
老婦人・松岡稲子とその男は面識が無いため、稲子の正当防衛が濃厚なこの事件。
侵入した男・永山和雄はしのぶセンセの隣人だった。
新藤はしのぶセンセを訪問するが、しのぶセンセは内地留学を終え教師に復職するために引っ越し準備の真っ最中だった。
新藤から事件の概要を聞いたしのぶセンセは隣人の永山の内縁の妻の娘・千鶴に接触する。

(登場人物)
松岡稲子 
事件の加害者。 状況から正当防衛と思われる。
永山和雄 松岡家に侵入し稲子に撲殺される。
安西芳子 永山の内縁の妻。しのぶの隣人。
安西千鶴 芳子の娘。





7 しのぶセンセの復活

内地留学が終わり再び小学校の教壇に立ったしのぶセンセ。
しのぶセンセが担任を務める4年2組は素行には問題が無いが、前担任の山下の影響力が強すぎて、何かと比較されてしまう。
それほど人気があった山下が突然転勤したのは、生徒の渋谷が跳び箱の特訓中にけがをしたことが原因であることを知ったしのぶセンセ。
この事故に不自然さを感じつつ、生徒や保護者、山下から話を聞くしのぶセンセ。
跳び箱事件の真相を知ったしのぶセンセは、教師として生徒たちに1つの姿勢を見せる。

(登場人物)
渋谷淳一  
4年2組生徒。運動音痴で鈍臭い。
芹沢勤   
4年2組生徒。運動神経抜群で容姿も良い。山下を強く慕う。
上原美奈子 
4年2組生徒。
山下博夫  
4年2組が3年生だった時の担任。事故の責任を負い転勤する。
芹沢郁子  
芹沢勤の母。生保会社の外交員。
渋谷の母  
PTA役員で口やかましく発言力がある。

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まとめ
『しのぶセンセにサヨナラ』7つのポイント
1 相変わらず爽快なしのぶセンセ
2 相変わらずな鉄平と郁夫
3 相変わらずな新藤と本間
4 各事件の謎と真相
5 各エピソードの温かい逸話
6 軽快でテンポよいストーリー
7 しのぶセンセの教師としての姿




東野圭吾『分身』

〜『分身』7つのポイント〜

『分身』は、東野圭吾24作目の作品。
函館生まれ札幌の大学に通う18歳の氏家鞠子。
子供のころから母親に愛されていないのではないかと疑問を抱いていました。
東京に住む20歳の大学生小林双葉。
所属するロックバンドがオーディションに受かりテレビ出演することになりますが、母親からは頑なにテレビ出演を反対されます。
まったく別の人生を歩んできたこの2人の視点で書かれた長編作品です。

函館市生まれの氏家鞠子は18歳。
札幌の大学に通っている。
最近、自分にそっくりな女性がテレビ出演していたと聞いた―。
小林双葉は東京の女子大生で20歳。
アマチュアバンドの歌手だが、なぜか母親からテレビ出演を禁止される。
鞠子と双葉、この二人を結ぶものは何か?
現代医学の危険な領域を描くサスペンス長篇。

さあ、『分身』について語りましょう。

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1 登場人物

氏家鞠子
札幌の女子大生。18歳。自らの出生に疑問を持つ。
小林双葉
東京の女子大生。20歳。バンド活動に励む。
氏家清
氏家鞠子の父。函館理科大教授。
氏家静恵
氏家鞠子の母。
シスター・細野
中学時代の鞠子の寄宿舎の寮長。
春子さん
中学時代の鞠子の寄宿舎で同室。
鈴江さん
中学時代の鞠子の寄宿舎で同室。
下条さん
程度大学医学部女学生。鞠子の調査をサポートする。
梅津正芳
帝都大学医学部教授。氏家清の大学時代の友人。
笠原教授
帝都大学経済学部教授。ハイキングサークルに所属していた。
清水宏久・夫人
宏久は故人。帝都大学時代に氏家清と同じハイキング同好会に所属。
畑村啓一
大学時代に氏家清と同じハイキング同好会に所属。
小林志保
小林双葉の母。看護師。
脇坂講介
出版社の雑誌記者。双葉の調査をサポート。
望月ユタカ
双葉のバンド仲間。
カンタ
双葉のバンド仲間。
トモヒロ
双葉のバンド仲間。
久能俊晴
故人。北斗医科大学元教授。
藤村教授
北斗医科大教授。発生工学を研究。
尾崎
藤村教授の助手。
伊原駿策
元首相。
大道庸平
伊原駿策の第一秘書。
高城康之
故人。帝都大学出身。
阿部晶子
写っている写真がことごとく無くなっている女性。





2 あらすじ(前編)

氏家鞠子は母親から愛されていないのではないかと感じていました。
その原因は鞠子が父親にも母親にも似ていないからではないかと思い、自分の出生に疑問を持つようになります。
そして中学生になったら家を離れ寄宿舎のある学校に入学することになりました。
年末に帰省した鞠子は、家族団らんのあと突然の睡魔に襲われます。
そして気が付くと家が火に包まれていました。
鞠子と父・清は無事でしたが、母・静恵は命を落とします。
この火事は静恵が自ら火を点け無理心中を図ったものとしか思えませんでした・・・。

東京の20歳の女子大生・小林双葉は看護師の母・志保と2人暮らし。
バンド活動に励み、テレビのオーディション番組への出演が決まります。
しかし母親は頑なにテレビ出演を禁じるのです。
夢を捨てきれない双葉は母の言うことを聞かずにテレビ出演を決行します。
その一週間後、見知らぬ男が家を訪れ母と話しているのを目撃する双葉。
母がかつて大学で助手をしていた時に、やはり助手をしていた人物で今は大学教授だといいます。
またテレビ局の人間と偽り双葉が通う大学にも現れた人物がいるようです。
そんな時、双葉の元に警察から連絡が入ります。
それは、母・志保が交通事故に遭ったという知らせでした。
病院にたどり着いた双葉が見たのは、顔に白い布をかけられた志保の姿でした・・・。





3 あらすじ(中編その1)

母が心中を図った原因が自分の出生に秘密があると感じた鞠子はそのことを父に問い詰めますが、父は一向に取り合ってくれません。
東京の大学へ進学することを頑なに許可しなかった父が、最近は海外留学を盛んに進めるようになっていることも不自然です。
ある日父の大学時代の写真を見つけた鞠子。
そこにある写真に写っている1人の女性の顔が黒く塗りつぶされていました。
全ての謎は父の大学時代、そしてこの女性にあると確信した鞠子は上京し、父の母校である帝都大学へ足を運びます。
帝都大学医学部の下条の協力も得ながら調査を進める鞠子。
その時に、自分と瓜二つの小林双葉という女性の存在を知るのです・・・。

一方、母の葬儀を健気に終えた小林双葉。
母の遺品の中から、大物政治家・伊原駿策に関するスクラップを発見します。
そして、事故の前日に母と話していた男性・藤村から連絡を受け、母の死の真相を知るべく北海道に向かう双葉。
藤村との面会の後、チンピラに絡まれた双葉を救ったのは、双葉に接触してきた雑誌記者・脇坂講介でした。
脇坂は双葉に対し、藤村から逃げるように忠告します。
脇坂に助けられながら真相を解明しようとする双葉。
そして、自分と瓜二つの氏家鞠子という女性の存在を知るのです・・・。





4 あらすじ(後編)

ここから一気に物語は加速します。
2人の出生の秘密が少しずつ明らかになり、その裏に隠された氏家清と小林志保、そして顔を黒塗りにされた女性の関係が明らかになります。
鞠子と双葉、年齢も生まれも育ちも違うこの2人が何故瓜二つなのでしょうか。
その裏には信じられない真相が隠されていました。
一連の黒幕と会った双葉と脇坂。
双葉はもう1人の自分である鞠子に会うことを決心します。
一方鞠子は危険な状況に陥っていました。
果たして鞠子はこの危機的状況から脱出することはできるのでしょうか。
そして双葉は鞠子と会うことはできるのでしょうか。
最後までハラハラドキドキ息が詰まるような展開が繰り広げられます。





5 氏家鞠子

函館生まれで札幌の大学に通う18歳の女子大生。
母親から愛されていないのは自分が父親にも母親にも似ていないからだと感じ、自分の出生に疑問を持つようになります。
そして、全寮制の中学に入学したこと、東京の大学への進学を父親から猛反対されたこと、突然父親から海外留学を進められたことも、自分の出生に秘密があると確信すします。
愛読書は『赤毛のアン』。
物語の随所に『赤毛のアン』を例えた表現が施されており、彼女の感受性の高さが見受けられるます。
一見清楚でおしとやか、か弱い女性のイメージですが、その芯は強いものであり、下条の協力を仰ぎながら、自分の出生の真相に近づいていきます。
読者が応援したくなるヒロインです。





6 小林双葉

もう1人のヒロインである小林双葉は東京の大学に通う20歳の大学生。
バンド活動に励み、活動的な面などは鞠子とは対照的。
勝気な性格でありながら、女性らしい部分も随所に垣間見られ、鞠子とはまた違った魅力的なヒロインです。
所属するバンドがテレビ出演した後、謎の男が母親を訪ね、その翌日母親が交通事故死します。
母の遺品整理をしているときに大物政治家・伊原駿策のスクラップを発見し、母の秘密に迫ろうとする双葉。
双葉に接触してきた雑誌記者・脇坂の協力を仰ぎながら、少しずつ謎の真相に近づきますが、その姿はまさに勝ち気で行動的。
やはり読者が感情移入しやすく応援したくなる人物です。

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7 総評

自分の出生の秘密を知ろうと本拠地北海道から東京に出てくる鞠子。
母の秘密を知ろうと本拠地東京から北海道に向かう双葉。
2人のヒロインがそれぞれ調査を進め、お互いの存在を知ってから、それでもなかなか巡り合えないもどかしさ。
そしてそれぞれに襲い掛かる身の危険。
物語が進むにつれだんだんと明らかになっていく真相。
長篇ではあるが物語の展開にどんどんと引き込まれていきます。
黒幕が双葉に告げる残酷な事実。
罪を背負った人間の末路。
生まれも育ちも性格も違う2人のヒロイン、しかし奥底の芯の強さは共通しています。
ラストはとても優しい気持ちになれる名シーンではないでしょうか。

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まとめ
『分身』7つのポイント
1 瓜二つの氏家鞠子と小林双葉の謎
2 氏家鞠子の出生の秘密
3 小林双葉の母親の謎
4 鞠子と双葉、それぞれの調査と謎の解明
5 なかなか巡り合わないヒロイン2人
6 ヒロインに襲い掛かる危険
7 黒幕の正体ときれいなラストシーン




東野圭吾『同級生』

〜『同級生』7つのポイント〜

『同級生』は、東野圭吾23作目の作品。
久々の学園モノで、高校を舞台にしています。
何となく薄暗い雰囲気だなあ、と思って読み進めた作品です。

修文館高校三年の宮前由希子が交通事故死した。
彼女は同級生・西原壮一の子を身ごもっていた。
それを知った壮一は自分が父親だと周囲に告白し、疑問が残る事故の真相を探る。
事故当時、現場にいた女教師が浮上するが、彼女は教室で絞殺されてしまう。
著者のターニングポイントとなった傑作青春ミステリー。

さあ、『同級生』について語りましょう。

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感想(59件)




1 あらすじ

修文館高校野球部マネージャーの宮前由希子が交通事故死します。
由紀子は妊娠していたのですが、その相手は野球部キャプテンの西原壮一。
ある日、あることで自棄になっていた壮一は、前から壮一に好意を持っていた由希子と一夜を共にすることになったのでした。
しかし当の壮一は、この事故があるまで由希子の妊娠を知りませんでした。
由紀子の妊娠が今回の事故に関係していると責任を感じた壮一は、事故の直接の原因を探ることにします。
そこで、修文館高校の女教師・御崎が事故当時の現場にいたことが判明します。
だが学校側は頑としてそのことを認めません。
壮一は何とか御崎を問い詰め、追い詰め、責任を追及しようとしますが、やがて御崎の死体が教室から発見されます。
周囲から御崎殺害の犯人と疑いの目を持たれた壮一は独自に捜査を進めます。
そして、また新たに別の事件が発生するのです。





2 登場人物

西原壮一   
主人公。修文館高校3年生。野球部主将。
由紀子の事故死と御崎の死の真相を独自に追う。
宮前由希子
修文館高校3年生。野球部マネージャー。
産婦人科近くで交通事故死する。
楢崎薫
修文館高校3年生。野球部マネージャー。
河合一正
修文館高校3年生。野球部のエースピッチャー。
水村緋絽子
修文館高校3年生。天文部部長。東西電機専務の娘。
篠田進
修文館高校3年生。素行不良が問題化した。
灰藤
修文館高校教師。生徒指導部。天文部顧問。
御崎藤江
修文館高校教師。生徒指導部。陸上部顧問。
西原春美
壮一の妹。生まれつき心臓疾患がある。
溝口
修文館高校で起きた事件の担当刑事。





3 第一の事件

宮前由希子が交通事故死しましたが、その背景には不自然な点がありました。
事故現場が産婦人科近くであったこと、由紀子は自らは知っているトラックの前に飛び出していったこと、そして事故現場にはもう1人別の女性がいたこと。
壮一は独自に捜査を行い、現場近くにいたのが修文館高校教師・御崎であることを突き止めます。
そして、由希子は御崎に追われ、それから逃げるためにトラックの前に飛び出したのではないかと推理します。
学校側は頑なにその事実を認めようとしませんが、壮一たちは御崎を問い詰めます。
それに対し、御崎は壮一たちに嫌がらせを行い圧力をかけていきます。





4 第二の事件

壮一と御崎の対立が激化していく中、御崎の死体が教室で発見されます。
薫を中心とした生徒たちは御崎の授業をボイコットするなど犯行を示していましたが、御崎はそれに取り合う様子はありません。
むしろ灰藤を中心として野球部の地区予選出場辞退を目論んでいる様子でした。
そのような状況の中起こった御崎殺害事件。
周囲は壮一に犯人の疑惑の目を向けます。
御崎が殺された凶器は体操用のリボンであると思われましたが、どうやらそうではないようです。
壮一が手首に巻いていたテーピング・テープが絞殺痕とぴたり一致したのでした。
それは恐らく壮一を犯人に仕立て上げるため。
一体御崎を殺害したのは誰なのか、謎が謎を呼びます。





5 第三の事件

御崎の通夜が執り行われた数日後、野球部の仲間とカラオケに行った壮一。
家に帰ってくると溝口が待っていました。
つい先ほど学校の教室でガス漏れがあり、水村緋絽子が気を失っていることが発見されたとのことです。
緋絽子は壮一に、由希子の妊娠の情報を教えたり、何かと接触してくる人物です。
緋絽子の事件は果して自殺なのか、他殺なのか。
自殺だとしたらその動機は、他殺だとしたら一体誰が?
緋絽子の事件が発生したことで警察の捜査も混乱していきます。
そして壮一の靴箱から見つかった一通の手紙。
そこには「御崎殺しの犯人を教える」と書かれてありました・・・。



6 西原壮一

この主人公については、読者それぞれ感じ方、捉え方が違うと思います。
高校生の青春まっしぐらの熱い少年ととらえる人もいれば、まったく感情移入や共感ができないと感じる人もいるのではないでしょうか。
由紀子が妊娠していたことが噂されたとき、みんなの前で自分がその相手であると宣言した姿。
由紀子の死の原因は自分にあると責任を感じ、真相に迫ろうとする姿。
由紀子に対する思い。
妹・春美を大切にする思い。
そして終盤まで隠されている壮一の本当の気持ち。
何となくきれいに物語が収束した感がありますが、果たしてこれでよいのだろうか、そう感じた読者もいるのではないでしょうか。





7 事件の真相・物語の結末

物語の中盤あたりで由希子の交通事故死の真相は明らかになります。
謎だったのは御崎の死と緋絽子のガス事件騒動。
そこにあったのは、ある人物のある人物に対する強烈な思い。
様々な伏線が張り巡らされ、物語終盤にはそれが見事に回収されていきます。
そこはさすがに東野圭吾といったところ。
そして最後の1行のセリフ。
これで物語はきれいに収束しています(それに対しては賛否両論あると思いますが)。
作者・東野圭吾はこの作品を書くのに大変苦労し、『あとがき』というものを初めて書いたとのことです。

同級生 (講談社文庫)

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まとめ
『同級生』7つのポイント
1 デビュー作『放課後』以来の学園ミステリー
2 宮前由希子の交通事故死の謎
3 御崎の死の謎
4 緋絽子のガス事件の謎
5 全ての事件の真相と回収される伏線
6 壮一に感情移入できるかどうか
7 『あとがき』に表れる東野圭吾の苦労





東野圭吾『美しき凶器』

〜『美しき凶器』7つのポイント〜

『美しき凶器』は、東野圭吾22作目の作品。
東野圭吾得意のスポーツを題材としたお話です。
探偵役が推理して犯人を暴く話ではなく、かつての名スポーツ選手たちに恐怖が襲い掛かるハラハラドキドキのサスペンスものです。

安生拓馬、丹羽潤也、日浦有介、佐倉翔子。
かつて世界的に活躍したスポーツ選手だった彼らには、葬り去らなければならない過去があった。
四人は唯一彼らの過去を知る仙堂之則を殺害し、いっさいのデータを消去。
すべてはうまく運んだかに思われたが・・・。
毒グモ(タランチュラ)のように忍び寄る影が次々と彼らを襲った!
迫りくる恐怖、衝撃の真相!
俊英が贈る傑作サスペンス!

さあ、『美しき凶器』について語りましょう。

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1 あらすじ

安生拓馬、丹羽純也、日浦有介、佐倉翔子は、かつてのスポーツの名選手。
オリンピックにも出場し、引退した現在もそれぞれが幸せで順風満帆な生活を送っていました。
しかし、彼らの平穏な日々を驚かす出来事が起きてしまいます。
自分たちの将来を守るため、4人は仙堂之則が持つ4人の過去のデータを抹消すべく、仙堂の屋敷に忍び込みます。
屋敷で仙堂と対峙する4人。
仙堂を殺害してしまった4人は、屋敷に火を放つことで強盗殺人に見せかけると同時に、発見できなかった4人の過去のデータの消去を試み、屋敷を脱出します。
しかし、その一部始終を、仙堂が作り上げた「タランチュラ」が見ていました。
タランチュラは、仙堂の復讐を誓い、4人を追い求めます。
タランチュラはまず、安生の居場所を探し当てます・・・。





2 登場人物

日浦有介
元・陸上ハードル選手。現在はスポーツライター。
佐倉翔子
元・体操選手。現在はスポーツキャスター。
安生拓馬
元・重量挙げ選手。現在はアスレチッククラブ取締役。
丹羽潤也
元・陸上短距離選手。現在は陸上部コーチ。
タランチュラ
カナダ人女性。仙堂から肉体改造を施される。
仙堂之則
医師。スポーツ選手の肉体改造に携わる。
柴藤
山梨県警刑事。
山科
山梨県警刑事。





3 四人の視点

物語の視点の1つが、安生拓馬、丹羽潤也、日浦有介、佐倉翔子の視点です。
仙堂を殺害し、屋敷を燃やしたことで、過去の秘密を隠せると思った4人ですが、屋敷近くで警察官の死体が見つかることで、タランチュラの存在を知った4人。
間違いなくタランチュラが自分たちに復讐に来ることを覚悟します。
タランチュラが警察に捕まると自分たちの秘密もばれてしまう恐れがあるため、彼らはタランチュラが警察に捕まらないことを祈らなければなりません。
それぞれの視点で描かれることにより、忍び寄るタランチュラの恐怖がより強調されます。
まず、タランチュラは安生拓馬の居場所を突き止めます。
安生拓馬とタランチュラの対決が始まります!





4 タランチュラの視点

仙堂之則により肉体改造を施されたカナダ人女性です。
身長は190センチあり、驚異的な身体能力の持ち主。
彼女は、仙堂の敵を討つため4人に復讐をすることを誓います。
言葉も土地勘もない彼女が、名前と住所だけを頼りに4人に近づいていきます。
主人の復讐のため、目的に向かいまっすぐに突き進む彼女の様子は、純粋そのもの。
復讐のためなら何をするのも躊躇しません。
途中で複数の人間を殺傷します。
タランチュラが少しずつ4人の居場所に近づいていく様子は緊迫感があり、目的の人物と対峙する瞬間はドキドキします。
彼女は次々と復讐を成し遂げていきますが、その裏には実は驚くべき秘密があったのです。





5 警察の視点

仙堂を殺され復讐を誓ったタランチュラは、まず現場に現れた警察官を殺害し拳銃を奪います。
その警察官を現場に赴かせた柴藤は罪の意識に苛まれ、必ず犯人を逮捕することを誓います。
しかし、犯人の動きはとても常識外。
また、犯人の目的もターゲットも分からないままです。
読者は4人の視点、タランチュラの視点を読んでいるので、警察の捜査がなかなか核心に迫らないことにやきもきしてしまいます。
それでも少しずつ真相に近づいていく柴藤たち。
果たして、どのように事件を解決していくのでしょうか。





6 驚愕の真相とラスト

タランチュラに襲われる4人。
復讐のためなら躊躇なく人を殺傷するタランチュラの恐怖が見事に描写されています。
1人また1人とタランチュラの毒牙にかかります。
しかしその裏には実は驚くべき真実がありました。
多くの「悪」が出てくるこの作品ですが、この真相を知ったとき、一番の「悪」はこの人物ではないか、と思わざるを得ません。
そして、タランチュラが最後の最後で見せるあの姿。
このまま物語が終わるのではどうもすっきりしない、そう思っていたときのラストシーン。
心情描写の無かったタランチュラの唯一の心情描写に、心打たれる読者も多いことと思います。





7 総評

4人の元アスリートたち、タランチュラ、そして警察。
基本的にこの3つの視点で物語が進んでいくため、主人公は誰なのか、どのキャラクターに感情移入すればよいのか、正直分かりません。
しかし、物語はテンポよく進み、タランチュラがどんどん迫り、ターゲットを追い込んでいくところなどはハラハラドキドキします。
仙堂の狂気じみた研究に恐ろしさと憤りと気持ち悪さを覚え、4人と一緒に迫りくるタランチュラに恐怖し、なかなか捜査の進まない警察にもどかしさを感じ・・・。
先が気になり、テンポよくサクサク読み進めてしまいます。
これまでの東野圭吾の作品とはまた違った魅力のある面白い作品です。

美しき凶器 (光文社文庫)

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まとめ
『美しき凶器』7つのポイント
1 東野圭吾得意のスポーツを題材にした作品
2 過去に栄光があり今も順風満帆な元アスリートたち
3 仙堂が施す恐るべき肉体改造
4 迫りくるタランチュラの恐怖
5 なかなか進まない警察の捜査
6 事件の裏側にあった驚きの真相
7 最後にタランチュラが見せる姿




東野圭吾『ある閉ざされた雪の山荘で』

〜『ある閉ざされた雪の山荘で』7つのポイント〜

『ある閉ざされた雪の山荘で』は、東野圭吾21作目の作品。
とは言っても、実際に閉ざされた雪の山荘にいるわけではありません。
舞台は仮想の雪の山荘。
この仮想の雪の山荘でのクローズとサークルという異色の設定が使われています。
この事件は果たして芝居なのか、それとも現実に起こっていることなのか。
騙されること必至です。

早春の乗鞍高原のペンションに集まったのは、オーディションに合格した男女七名。
これから舞台稽古が始まる。
豪雪に襲われ孤立した山荘での殺人劇だ
だが、一人また一人と現実に仲間が消えていくにつれ、彼らの間に疑惑が生まれた。
はたしてこれは本当に芝居なのか?
驚愕の終幕が読者を待っている!

さあ、『ある閉ざされた雪の山荘で』について語りましょう。

ある閉ざされた雪の山荘で (講談社文庫) [ 東野圭吾 ]

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感想(94件)




1 あらすじ

早春の乗鞍高原のペンション『四季』に、有名演出家・東郷陣平のオーディションに合格した7名の男女が集められます。
豪雪に襲われ孤立した山荘で起こる殺人劇、という設定の舞台を自分たちで作り上げることが彼らに与えられたミッションです。
人里離れたペンションで、外部との接触も一切できない、このような状況の中起こる出来事に対し、自分たちだけで対処し、それを作品として作り上げるように指示されます。
実際は雪も降っていないし、簡単に外に出ることもできます。
しかし、外に出ること、外部と連絡を取ることは禁止されており、それを守れなかった場合はオーディションの合格も取り消されてしまいます。
変わった演出家である東郷の指示だけに、7名は戸惑いながらもその指示に従いますが、やがて1名が殺されてしまいます。
しかし、実際に死体があるわけではなく、そこにあるのは死体発見時の状況が書かれた「指示書」のみ。
登場人物たちはこれが実際の起きた事件なのか、はたまた芝居なのか戸惑います。
続いて起きる第2の事件で、これは芝居ではなく実際に起きている殺人事件であると感じる登場人物たち。
しかし、これも東郷の立てた計画なのではないかと思うと、その場から逃げ出すことも、外部に連絡することもできません。
果たして、この事件の真相とは?





2 登場人物

久我和幸
劇団『堕天塾』の劇団員。劇団『水滸』のオーディションに合格する。
笠原厚子
劇団『水滸』の団員。女性陣のリーダー格。
田所義雄
劇団『水滸』の団員。感情が激しい。由梨江に好意を持っている。
雨宮恭介
劇団『水滸」の団員。男性陣のリーダー格。
元村由梨江
劇団『水滸』の団員。美貌の持ち主。
本多雄一
劇団『水滸』の団員。一見粗野だが芝居の実力がある。
中西貴子
劇団『水滸』の団員。色気と才能がある。
小田伸一
ペンション『四季』のオーナー。
東郷陣平
劇団の演出家。奇をてらった演出や稽古を行う。
麻倉雅美
元・劇団『水滸」団員。実力がありながらオーディションに落選する。





第一の事件
ペンション『四季」の滞在期間は3泊4日。
その間に何が起こるか分からない7人。
早速初日の夜に事件が起こります。
7名のうちの1名がが殺されるのです。
しかし、殺されると言っても、そこにあるのは死体ではなく、死体の状況を説明した「指示書」のみ。
被害者の姿はどこにも見当たりませんが、残されたメンバーは、これは推理劇の一部だとしか思っておらず、とりあえず設定に自分たちの役割を寄せようと振る舞います。





4 第二の事件

実際に目の前で殺人事件が起こったらどのように振る舞うのか、それぞれが意見を出し合い、ペンション内の捜索をしたり、食事について考えたりします。
そうして迎えた2日目の夜。
今度は別の人物が何者かに襲われます。
3日目の朝、その人物の姿が見えず、「指示書」を発見したときまでは、劇が展開したとだけ考えていたメンバーたち。
しかし、あるモノを見つけたときに、これは本当に起こっている殺人事件ではないかと疑惑が生まれます。
しかしオーディションの都合上、逃げ出すことも外部に連絡を取ることもできません。
お互いがお互いを牽制し合いながら、推理が繰り広げられていきます。





5 久我和幸の視点

地の文の他に、「久我和幸の独白」というパートが挿入されています。
この7人のメンバーの中では久我だけが外部から来た人間です。
どのような意図があってこのような設定の稽古をしなければならないのか。
実際に殺人は起きているのか、それともやはり芝居なのか。
犯人は誰なのか、そしてその動機は何なのか。
久我は色々と考えを巡らせます。
しかし、久我のキャラクターがいまいちつかめないところがあるように感じます。
地の文ではクールな久我ですが、独白では完全に本心を暴露しており、由梨江に対する思いなども語っています。
最初は地味でさえない男と思い読んでいたら、実はイケメンだったり、ちょっとキャラクター像が頭の中でまとまるのに時間がかかりました。
ラストシーンの久我も、これまでそんな一面があったのかな、とちょっと違和感を覚えましたが、物語をきれいにまとめるという意味ではよいのかもしれません。



6 事件の犯人

閉ざされた雪の山荘で起きた殺人劇という設定なので、当然犯人はいます。
2人目が殺された?後、もう1名犯人の毒牙にかかる人物がいます。
すると残りは4名。
独白をしている久我以外の3名の中に犯人はいるはずです。
果たして犯人は誰なのでしょうか。
そして動機は何なのでしょうか。
それ以前に、果たして殺人は怒っているのでしょうか。
それともこの山荘で起きた出来事すべてが巧妙に仕組まれた舞台稽古なのでしょうか。





7 驚くべき真相とトリック

この物語の真相はアッと驚くものです。
多くの読者がこの叙述トリックに騙されると思います。
このトリックについては賛否両論分かれるかもしれません。
「騙された」と素直に負けを認める人と、「これはずるい」と負けを認めない人。
スカッとする人と、拍子抜けする人。
これに関しては、完全に好みや読書の慣れによって変わるものであり、一概には言えませんが、この手のトリックはあまりお見掛けしないので、読んでみる価値は十分にあると思います。

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まとめ
『ある閉ざされた雪の山荘で』7つのポイント
1 仮想の世界のクローズドサークル
2 外出も外部との連絡もできない状況設定
3 舞台稽古としてとらえている登場人物たち
4 実際に事件が起きても稽古だと思っている
5 実際の事件ではないかと疑心暗鬼になっていく様子
6 地の文と久我の独白で物語は展開
7 驚くべき叙述トリックと物語の結末




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愛と優
自分に自信が無く引っ込み思案。 口下手で話題も豊富じゃない。 素敵な男性と素敵な恋愛がしたい。 どこか物足りず刺激が欲しい。 そんな独身アラサー女性のために7つのカテゴリーの様々な情報を提供します。
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