東野圭吾『仮面山荘殺人事件』: 愛と優のハピラキ７

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2018年01月15日

東野圭吾『仮面山荘殺人事件』

～『仮面山荘殺人事件』7つのポイント～

『仮面山荘殺人事件』は、東野圭吾17作目の作品。
婚約者を事故で亡くした男性が、婚約者の親族たちが集まる山荘に招待されますが、そこに逃亡中の銀行強盗が現れます。
ストーリーも分かりやすく、どんどん引きずり込まれていくこの作品。
そして最後に待つまさかのどんでん返しは圧巻です。

八人の男女が集まる山荘に、逃亡中の銀行強盗が侵入した。
外部との連絡を断たれた八人は脱出を試みるが、ことごとく失敗に終わる。
恐怖と緊張が高まる中、ついに一人が殺される。
だが状況から考えて、犯人は強盗たちではありえなかった。
七人の男女は互いに疑心暗鬼にかられ、パニックに陥っていた。

さあ、『仮面山荘殺人事件』について語りましょう。

仮面山荘殺人事件（講談社文庫） [ 東野圭吾 ]

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感想(65件)

1　あらすじ

交通事故で婚約者を亡くした樫間高之は、彼女の両親から毎夏恒例の別荘での避暑に誘われました。
亡くなった朋美を偲びながら別荘に集まる8人の男女。
そのうち、朋美の死の裏には何か事情があるのではないかと疑いを持つ者が出てきます。
不審な空気が漂う中、別荘に訪問者が現れるます。
それは逃亡中の2名の銀行強盗でした。
もう1人の仲間が来るまで8人は別荘に軟禁されたまま。
何とか別荘からの脱出を試みようといくつかの仕掛けを施しますが、そのどれもが不発に終わります。
8名の中に裏切り者がいると感じる高之。
そして遂に8人の中の1人が何者かに殺されます。
犯人は銀行強盗ではありえません。
一体誰が裏切り者で、一体誰が殺人犯なのか。
そしてどのようにして強盗から脱出するのか。
朋美の死の謎、強盗との対決、別荘で起きた殺人事件、この3つに高之たちはどのように対峙していくのか。
そして高之が知った真実とは？
最後の最後に待ち受ける驚きのどんでん返し！

　

2　登場人物

樫間高之　主人公。ビデオ制作会社経営。
森崎朋美　高之の婚約者。結婚式の4日前に交通事故で死亡。
森崎伸彦　朋美の父。森崎製薬社長。
森崎厚子　朋美の母。伸彦の妻。
森崎利明　朋美の兄。
篠雪絵　　厚子の姪。朋美の従姉妹。
木戸信夫　雪絵に同行してきた医者。
下条玲子　伸彦の秘書。
阿川桂子　朋美の親友。
ジン　　　銀行強盗。小柄で頭がキレる。
タグ　　　銀行強盗。大柄で粗暴。

　
3　朋美の死の謎

車のスピードを出しすぎたことによる交通事故死。
阿川桂子は朋美の死因に納得がいかず不信を感じています。
なぜならば朋美はかつて大きな事故を起こし片足を失っているから。
そしてその事故こそが高之との出会いだったです。
そのように大きな事故を起こしたことのある朋美がスピードを出しすぎるなんてことはあり得ない、阿川桂子はそう主張し、朋美は誰かに殺されたのだと言います。
これは誰もが口にしなかったが誰もが心の中で思っていたことでもありました。
そして阿川桂子は朋美は誰かに睡眠薬を飲まされたのであると推理し、朋美が常備していたピルケースの中の鎮痛剤に注目します。

4　銀行強盗との対決

別荘に逃亡中の2人の銀行強盗が侵入します。
別荘の宿泊者8名を人質として軟禁しながらもう1人の仲間の到着を待つ強盗たち。
行動を制限される中、何とか脱出し警察に通報する方法はないか模索する高之たち。
下条玲子は強盗の隙を見て駐車場にSOSの字を書き見回りの警察官に状況をアピールしようとします。
しかし何者かがSOSの字を消してしまいます。
利明はタイマーを使ってブレーカーを落とし停電の騒動の隙に外への脱出を試みます。
しかし何者かによりタイマーの仕掛けは壊されてしまいます。
自分を除いた7人の中に裏切り者がいる、強盗に閉じ込められることでメリットを得られる人間がいる、そう思う高之ですが、それが誰なのか、なぜ裏切るのか、どんなメリットを得られるのかが分かりません。

5　殺人事件の発生

突然タグの様子がおかしくなり深い眠りに落ちてしまいました。
1人で8人の人質を見ることができないジンは、誰か1人をラウンジに残し、他の7人は各自の部屋に戻ってよいと許可を出します。
その翌朝、ある人物が死体となって発見されます。
もちろん犯人は強盗ではありません。
強盗は朋美の死と発生した殺人事件の犯人に興味を示します。
そして高之たちはこの殺人事件の裏には朋美の死が大きく関係していると確信を持つのです。

6　事件の真相

別荘の殺人事件の犯人は、高之たちが施した脱出作戦を裏切った人物と同一である－
そう結論付けた高之。
そして強盗の仲間であるフジが間もなく別荘に到着するとのことです。
到着したフジの指示により皆殺しにされることになった高之たちですが、殺人事件の発生を隠したい伸彦が交渉し、1時間の猶予を与えられます。
この1時間で殺人事件の犯人を暴かなければならない高之たちですが、下条玲子が見事な推理を披露します。
そして犯人を指摘し追い詰めます。

7　どんでん返し

殺人事件の犯人も判明し、強盗等たちも夜明け前には出ていくことになりました。
それまで目隠しをされ猿轡をかまされ両手両足を縛られた高之。
果たしてこのまま強盗たちを逃がしてしまうのでしょうか。
朋美の事故死、今回の事件のことを思い起こす高之ですが、そこで驚くべき事実にたどり着きます。
そしてその後に起こる予想もできない驚くべき出来事とは！？
この事実が明らかになったとき、もう1度最初から作品を読み直してみると、様々な仕掛けがされていたことに気づき、思わずニンマリしてしまいます。