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2017年09月11日
コードブルー3rd第10話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY10】
【暗闇の先にあるもの】
地下鉄開通前の線路内で崩落事故が発生したとドクターヘリ要請が入った。藍沢耕作(山下智久)白石恵(新垣結衣)緋山美帆子(戸田恵梨香)冴島はるか(比嘉愛未)藤川一男(浅利陽介)名取颯馬(有岡大貴)横峯あかり(新木優子)雪村双葉(馬場ふみか)たち救命チームが総動員体制で現場に向かう。心の傷が癒えていない灰谷俊平(成田凌)は患者の受け入れのために橘啓輔(椎名桔平)と病院に残った
藍沢たちが事故現場の蒔田中央駅コンコースに到着すると大人数でごった返している。開通記念の見学イベントが開催されていた為に一般参加者が300人もいたらしい。医療者たちの指揮を任された白石は、藍沢と藤川を地下2階の崩落現場へ向かわせる。冴島は思わず「行かないで」と藤川に言ってしまう。しかし、藤川は冴島を残して地下へと降りた
藍沢、藤川から重症者の報告を聞いた白石は、2人にその場で治療を継続するよう伝える。新海広樹(安藤政信)も現場に来た。その頃、緋山と名取は藍沢たちとは別の地点で頭部外傷の妊婦を見ていたが助かりそうにない。緋山は傍にいる妊婦の夫に、母体は助からないが子供の命は救えるかもしれないと話す
一方、治療を続けていた藍沢は肩口に地下水が滴り落ちていることに気づいた。次の瞬間、頭上から大量の土壌が崩れ落ちて来る。地下2階で再崩落が発生してしまった。患者だけではなく消防などの救助隊、そして藍沢たち医療者は無事なのだろうか…
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
藤川が翔君を助けるシーンは、彼の優しさがよく出ている場面でした
崩落の後、彼の下半身は瓦礫に挟まれてしまいました。まず、藤川の左大腿部が瓦礫で圧迫されています。当然左の下肢は虚血になりますから、この瓦礫を持ち上げたときにクラッシュ症候群による(脈無し)心室頻拍が起こってしまいました
幸いAEDで藤川の心拍は再開しましたが、今度は右足の問題が残ります。画面でもチラッと映っていましたが、藤川の右の下腿には排煙用の金属パイプが乗っていてそれを別の瓦礫が圧迫していました。瓦礫を除けば救出はできますが、今度は圧迫されていた右下腿の虚血によるクラッシュ症候群の出現を食い止めなければなりません。そこで藍沢は、まず藤川の右鼠径部にアクセスして右大腿の動静脈をネラトンで把持して血行遮断を行いました。これによって阻血部からの血流が心臓に還るのを回避できます。しかし、時間の経過とともに右足の阻血は進行します。阻血の許容時間があるのですが、結局、エアジャッキが届いて救出作業が再開された時には病院への搬送時間を残せなくなってしまいました
次の藍沢の判断は、右下肢の圧迫が解除されたと同時に、動脈は開放し、静脈の中枢側(心臓側)は遮断したまま末梢側(足側)を切開し、下肢から還ってくる血液を捨てる(瀉血と言います)という方法でした。藍沢は、出血性ショックをコントロールできなくなるギリギリのところまで瀉血することによって、右足に溜まっていた毒素(カリウムや乳酸など)が心臓に戻るのを回避したのです
《命から逃げない、藍沢先生より 命を救えなかったドクターへ》
『医者は所詮、助かる命しか救えない』
『手の施しようのない患者を神のように救うことなんてできない』
『救える命を確実に救う』
『そのために日々学んでる』
『それは俺も同じだ』
【暗闇の先にあるもの】
『先の見えない暗闇に一人たたずみ、ときに心が折れそうになる』
『この先に光がなかったら』
『歩いた方向はまるで逆で、光から遠ざかる結果だったら』
『そんなときは思い出してほしい』
『一人では辛い暗闇を、ともに歩ける仲間の存在を』
『求めるのは光そのものじゃない』
『光を一緒に探すことのできる仲間だ』
『それさえあれば歩き続けることができる』
『だめなら向きを変えて、また歩き出せばいい』
『仲間とともに』
《残念すぎたコードブルー3rd》
1stシーズン、2ndシーズンはストーリーとBGMのバランスが良かったのですが、3rdシーズンはストーリーとBGMが合わないシーンが多く残念すぎました
第2話の藍沢が救急車の中で治療しているシーン、第4話の少年の首にバーベキュー用の串が刺さるという緊迫感のある手術シーン、第8話のフェロー達が少年の脾損傷による仮性動脈瘤の破裂に対する治療シーン、第10話の藍沢が藤川を見事に救うシーンを、BGMが台無しにしてしまい残念すぎました
不安、緊張、怒り、悲しみ、喜びなどの感情を音楽で奏でる重要性、ひとつのストーリーを音楽でみせることの重要性を理解していないなんて残念すぎました
『救急医療用ヘリコプターを用いた救急医療の確保に関する特別措置法』(ドクターヘリ特別措置法)公布後に、ドラマ『コード・ブルー1stシーズン』が放送され、2007年当時全国で14機しかなかったドクターヘリが現在は50機になり、ドラマ『コード・ブルー』の反響がドクターヘリの普及促進の一助を担ったことを忘れずに、ドラマを制作してほしかった。3rdシーズンは、主役の『ドクターヘリ』を脇役にしてしまい、残念すぎました
怯える灰谷、生意気な名取、髪の毛クルクル横峯、患者に寄り添えない冷たい雪村、恋愛に心弾ませる緋山…もう少し丁寧な描き方、違う描き方はなかったのだろうか…
1stシーズン、2ndシーズンが描いた『コードブルーの世界観』は『ドクターヘリ』を中心に葛藤し成長したドクターとナースだったので、3rdシーズンは、主役であるはずの『ドクターヘリ』が脇役になってしまい、あまりにも残念すぎました
第10話平均視聴率16.4%
【コードブルー ドクターヘリ緊急救命】
第3シーズン[DVD]主演:山下智久
医師として10年以上のキャリアを持った彼らは仕事もプライベートも自分の人生と向き合い始める年代に達しそれぞれの道を歩みだしていた。それぞれの道を歩むかつてのフェローたち、新たなフェローたち、彼らの仲間たちによるヒューマンストーリー全10話を収録
コード・ブルー ~ドクターヘリ緊急救命~ THE THIRD SEASON DVD-BOX (メーカー特典なし) 新品価格 |
2017年09月04日
コードブルー3rd第9話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY9】
【運命の1時間】
1時間あると何が起きるか。ときに人生すら変わる…
急患3人が初療室に運び込まれた。一人は両角孝平(成田瑛基)33歳の車椅子ラグビー選手。ハーフタイムのウォーミングアップ中、車椅子ごと階段から落ちたらしい。さらに熱傷の患者、高所転落の患者の3人が運び込まれるが、藍沢耕作(山下智久)始め救命の皆が力を合わせ迅速な対応を行った結果、3人とも命を落とすことなくICUへ移動させられた。橘啓輔(椎名桔平)は数ヶ月前を思い返しながら白石恵(新垣結衣)が引っ張る救命がいいチームになってきたと語る
医局では名取颯馬(有岡大貴)の父、将馬(山田明郷)が待っていた。父の目的とは?
三井環奈(りょう)は息子、優輔(歸山竜成)が最近「疲れた」という言葉を口にするようになったと夫、橘に報告。3年間、優輔の心臓移植を待ち続けてきたがもう限界と悟った橘は海外での移植を提案、三井も同様の考えだった。そんな時に移植ネットワークから連絡が入る
そして翔北救命救急センターに消防からドクターヘリ要請が入る。千葉新都市地下鉄開通前の線路内にて崩落事故が発生、負傷者多数、子どもも含まれているという
皆がそれぞれに今後の人生を左右するような決断を迫られる1時間を描く
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
第9話は冒頭のシーンから「小ネタ」を取り出して解説したいと思います。3人の患者さんが立て続けに初療室に搬入されてきます。こういったことは珍しいことではなく、北総救命でもちょくちょくあります。こんな時はそこにいるスタッフが手分けして診療にあたりますが、大事なのは患者さんの状態に合わせたスタッフ配置です。3人の患者さんに6人のスタッフがいても、2人×3で配置するわけではありません。緊急度・重症度の高い患者さんには4人のスタッフが取りかかり、あとは1人ずつ、ということもありうるわけです
第1話の初めのシーンでも熱傷の患者さんがいました。今回は藍沢と名取が熱傷の症例を担当していました。映像には出ませんでしたが、この患者さんには胸部の「減張切開」が行われていました。この「減張切開」とはどんな処置なのでしょうか?皮膚の深部までやけどを負うと(V度熱傷といいます)、血管内の水分が外に逃げて皮下に浮腫が生じます。これによって皮膚の内側の圧が急激に上昇します。でも、やけどで硬くなってしまった皮膚は伸展しませんから、この圧を逃がすことができないままになります。この状態が手や腕、下肢に起これば血管が圧迫されて血流が途絶してしまいます。胸部に起これば呼吸をしようとしても胸が拡がらなくなります。そこで、やけどした皮膚を電気メスなどで切開してこの圧を逃がすための処置をします。これが名取が言っていた「減張切開」です
骨折に皮膚や皮下組織、腱や筋肉などの軟部組織損傷を伴っていると、その腕や足(患肢)を温存することが難しい場合があります。重度外傷患者の場合、患肢を温存するか切断するかの決定は、四肢軟部組織損傷自体の重症度と患者の全身状態の重症度に左右されます。判断基準の客観的指標として、軟部組織損傷の程度、患肢の虚血状態、ショックの程度、患者の年齢の4つの要素を得点化したMESS(mangled extremity severity score)がよく用いられます。最大値は11点で、一般的には8点以上なら切断と判断されます。切断をできるだけ避けるためには、ショックから早く離脱させること、患肢の血流を回復させること、軟部組織の感染を抑えること、など沢山の問題をクリアしなければなりません。緋山が運び込んだ患者さんに、藍沢と橘は「シャントを入れて血行再建」の治療方針を取りました。できるだけ早く患肢の血流を確保して切断するのを回避しようとしたのです
第9話平均視聴率13.9%
【コードブルー ドクターヘリ緊急救命】
第3シーズン[DVD]主演:山下智久
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2017年08月28日
コードブルー3rd第8話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY8】
【孤独な夜】
藍沢耕作(山下智久)は天野奏(田鍋梨々花)のリハビリの様子を離れて見ていたがおはじきを裏返すことさえなかなかできない奏に声もかけられない
その日、灰谷俊平(成田凌)が駅のホームから転落し負傷して以来はじめて救命の職場に復帰した。灰谷の事故は睡眠薬の効き過ぎでホームから落ちたという説明になっていたが、白石恵(新垣結衣)らは灰谷が自殺しようとしていたのではないかと疑っていた。そんな空気を灰谷に悟られまいと普段通りでいようとするのだが、白石や藤川一男(浅利陽介)もぎこちなくなってしまう
そんな時、成田空港到着ロビーで男性が倒れたとドクターヘリ要請が入る。緋山美帆子(戸田恵梨香)名取颯馬(有岡大貴)雪村双葉(馬場ふみか)が現場に向かうと、男性はショック状態でエコノミー症候群が疑われるとのこと。名取がラインを取ろうと患者の腕に針を刺すとその刺激で患者が覚醒、突然暴れて腕を振り払った。そのせいで、名取は一度患者の体に入った針を緋山の指に刺してしまう。初療室に運び込むとその患者、堀内豪(天田暦)は吐血。エコノミー症候群ではなく何か別の要因があると考え橘啓輔(椎名桔平)は急遽スタッフたちにゴーグル、ガウン、マスクなどを着用するよう指示を出す。感染症研究センターにも連絡し堀内の検体を採取して送ることに。緋山は処置を続けるが顔色を失っていく。名取も気にしないではいられない
密かに緋山は藍沢に、名取のことには触れずに患者のラインを取る際あやまって針が指に刺さったと告げ、自身の血液サンプルも感染症研究センターに送って欲しいと依頼する。そこへ堀内がICUで亡くなったと冴島はるか(比嘉愛未)が告げに来た。堀内はジャーナリストで西アフリカ各国を回っており、自然保護団体の取材のため動物との接触もあったという…
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
「針刺し事故」というのは実際の医療現場ではある一定の確率で起こってしまう事象で、もちろんその予防のため様々な対策が取られているのですが、なかなかゼロにはできない悩ましい事故なのです。今回は「エボラ出血熱」疑いでしたが、多くはウイルス性肝炎(B型、C型)やHIVなどが問題になります
緋山の針刺しは実際にも起こりえることです。放送では画面の切り替わりが早かったのでわかりにくかったかと思いますが、名取が静脈路確保のために留置針を刺そうとしたとき、患者さんは痛み刺激でそれを撥ね除けてしまいました。名取は針を患者さんから遠ざけようとしたのですが、聴診中の緋山の手にあたってしまったのです
では、これを回避できた可能性を探ってみましょう。二人とも患者さんの右側にいて距離が近かったですね。診察は患者さんの右側で行うのが普通なので、名取が緋山の反対側に位置すればよかったかも知れません。名取が針を刺す前に「痛いですよー」と声をかけなかったのも一因かも知れません。ただ、患者さんの意識レベルは呼びかけてかろうじて反応する程度だったので、声かけに予防効果があったかは分かりません。雪村が患者さんの腕を保持していれば避けられたかも知れません。誰が悪かったというわけではありませんが、救急の現場ではこんな細かい部分への配慮や予見をしながら診療を進める必要があるのです
第8話の医療シーンのメインは、フェロー達が川田慎一君(何故か灰谷にそっくりなのですが…)の脾損傷による仮性動脈瘤の破裂に対する治療場面です
仮性動脈瘤というのは、動脈壁は破壊されているのですが、出血が周囲の結合組織によって抑えられて瘤状になった状態を言います
病院に来た時点で診断できることもありますが、時間の経過とともに瘤が大きくなる場合もあります。慎一君は後者のケースであったと思われます。入院中に瘤が見つかればいいのですが、時には退院してから瘤が破裂することもあります。この場合には治療開始までに時間がかかりますから危険です。灰谷が慎一君に「何か」を感じていなかったなら、彼は自宅でショック状態に陥っていたことでしょう
治療は一般的に血管造影といって、動脈を造影剤で映しながらこの瘤にコイルなどを詰めて止血する方法が取られます
もう一つこのシーンでは「REBOA(レボア)」という言葉が出てきました。これは、resuscitative endovascular balloon occlusion of the aortaといって内腔でバルーンを膨らませて大動脈を遮断する方法です
“大動脈遮断”と言えば「コード・ブルー」では外科的に開胸して行うシーンが定番です。慎一君に心停止が切迫していたとき、普段であれば開胸下大動脈遮断を行って心停止を回避するところですが、近年ではREBOAがトレンドです
《音楽の重要性》
1stシーズン、2ndシーズンはストーリーとBGMのバランスが良かったのですが、3rdシーズンはストーリーとBGMが合わないシーンが多く残念です
第2話の藍沢が救急車の中で治療しているシーン、第4話の少年の首にバーベキュー用の串が刺さるという緊迫感のある手術シーン、そして『半人前の3人が揃うことで12歳の子供の命を救った』『救命はチームだ』藍沢先生の指導理念がフェロー達を成長させる第8話のメイン、フェロー達が少年の脾損傷による仮性動脈瘤の破裂に対する治療シーンを、またあのBGMが台無しにしてしまったと思う
不安、緊張、怒り、悲しみ、喜びなどの感情を音楽で奏でる重要性
ひとつのストーリーを音楽でみせることの重要性を理解していないのだろうか…
第8話平均視聴率15.4%
【コードブルー ドクターヘリ緊急救命】
第3シーズン[DVD]主演:山下智久
医師として10年以上のキャリアを持った彼らは仕事もプライベートも自分の人生と向き合い始める年代に達しそれぞれの道を歩みだしていた。それぞれの道を歩むかつてのフェローたち、新たなフェローたち、彼らの仲間たちによるヒューマンストーリー全10話を収録
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2017年08月22日
コードブルー3rd第7話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY7】
【失敗の代償】
西条章(杉本哲太)の部長室を訪ねた藍沢耕作(山下智久)はトロント大へのレジデント候補の件を辞退すると伝えた。天野奏(田鍋梨々花)の術後経過が原因かと尋ねる西条に、藍沢は特に理由はないと部長室を出て行く。入れ替わりに来た新海広紀(安藤政信)は西条から藍沢の辞退を聞いて驚いた
救命フロアに向かう途中、藍沢は白石恵(新垣結衣)と会う。白石は奏の手術と救命の手術が重なったこと、藍沢が手術記録を書いていないことを心配していた。だが、藍沢は白石には関係ないと言ってその場を去る
緋山美帆子(戸田恵梨香)は緒方博嗣(丸山智己)のリハビリ中。間もなくリハビリテーション科に移る緒方のためだが、患者とは思えない手厳しさ。2人を夫婦みたいだと眺める名取颯馬(有岡大貴)は緒方のどこが良いのか? と、緋山をからかう
CS室では藤川一男(浅利陽介)が横峯あかり(新木優子)たちに医者を目指した理由を聞いていた。灰谷俊平(成田凌)は幼い時にドクターヘリに助けてもらった経験からと答える
そんな時、ドクターヘリ要請が入った。踏切事故で3人が負傷。すぐさまドクターヘリは現場へと飛び立つのだが、不測の事態が発生してしまって…
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
第7話はこのドラマのもう一人?の主役であるドクターヘリが怪我を負ってしまいました。ドクターヘリで現場に向かうときには、患者の状態が無線を通して入ってきます。「ショック状態!」なんて情報を聴けば、医師・看護師のみならず、機長さん、整備士さんだって早く患者に接触したいと思うのは当然でしょう。何故なら、ドクターヘリのスタッフは早く治療を開始すれば救命の可能性がそれだけ高くなることを知っているからです。このことは北総救命のデータでも証明されています。それでも、ドクターヘリの安全な運航が優先されなければいけませんから、医療スタッフが機長に「急いでくれ」とリクエストすることは我慢しなければなりません。事故の原因が灰谷の言葉にあったかどうかはわかりませんが、ドクターヘリで現場に向かう医療者には、少なくとも機長の操縦に影響を与える可能性のある言動を控えることが求められているのです。今回は幸いにも深刻な事態には至りませんでした。しかし万が一、飛行中のヘリがこのような事態になった場合に搭乗者はどのような対応をすれば良いのか、北総救命のスタッフは毎日の出動待機前に安全管理の確認作業を行っています
白石は大島将さんのかすかな意識(これを「signs of life」と言います)にわずかな救命のチャンスを感じ取り、現場での「蘇生的開胸(resuscitative thoracotomy)」を決断しました
蘇生的開胸の目的は@胸郭内臓器の損傷に対する止血(修復)A大動脈遮断による出血の一時的な制御と脳血流・冠血流の維持、の2つに大別できます。@やAに加えて心マッサージが行われることもあります。第2話で藍沢が心損傷の心タンポナーデの解除と一時的止血のために行ったのが、この@の目的になります
第7話の場面では、白石の決断とほぼ同時に心停止に至ったために心マッサージのみが行われました。灰谷の懸命な心マッサージで大島さんの手が少しだけ動きます。私もその昔、開胸心マッサージ中に患者さんとほんの一瞬だけ、コンタクトが取れたことがあります。でも実際には、北総救命でさえも心停止してから蘇生的開胸を行って救命された例はありません
逆に、心停止前であれば心マッサージをしながらでも救命できた症例は何例もあります。心停止前に患者さんにアクセスできるかどうかが生死を分けることになるのです。つまり、ドクターヘリはそのチャンスを大きく増やす重要な医療ツールなのです
大動脈損傷の患者さんは病院にまでたどり着ければ救命の可能性が高くなります。大島さんには大動脈の断裂がありました。これではどんなに急いでも救命することは不可能です
白石と藍沢の蘇生中止の判断は間違っていません。医師2名のところに、重症患者2名、死者1名であれば、何を優先すべきか誰にでもわかることです。しかし、灰谷は諦めきれませんでした。人命救助に向かった人が死んでしまうなんてことが許せなかったのでしょう。ましてや結婚相手の声が聞こえればなおさらです。救急現場の辛い状況が伝わってくるシーンでした
《命から逃げない、藍沢先生より 賭けに負けたドクターへ》
『外科医を続けるなら賭けに勝ち続けろ』
『かつて、恩師から言われた言葉だ』
『たった一度の負けが人生を変えてしまうから…そう教わった』
『だが、本当は違う』
『医者が負けて、その代償をはらうのは、たいていの場合、患者だ』
『失われるのは患者の人生だ』
『医者の人生ではない』
『医者が賭けに負けて、大きな代償をはらわされた患者を見て、医者は思う』
『自分も何かを失うことで、背負った重荷をおろすことができれば、どんなにいいかと…』
『しかし、それは許されない』
第7話平均視聴率13.4%
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2017年08月15日
コードブルー3rd第6話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY6】
【落胆の向こう側】
藍沢耕作(山下智久)と新海広紀(安藤政信)により、天野奏(田鍋梨々花)の手術は無事に終わった。しかし、白石恵(新垣結衣)が新海に手術のことを聞くと、どうも歯切れが悪い。奏の両親は手術結果に納得しているらしいのだが…
一方、17歳の男子高校生が脳死判定を受けることに。それは橘啓輔(椎名桔平)の息子、優輔(歸山竜成)のもとに移植可能な心臓が来るかも知れない可能性を示唆していた。循環器内科医の井上宣顕(滝藤賢一)の指摘に、橘は期待を抱いてはいけないと自分を制する
その頃、冷凍倉庫内で荷崩れ事故が発生。翔北救命センターにドクターヘリ出動要請が入り、藍沢と藤川一男(浅利陽介)、雪村双葉(馬場ふみか)が向かう。商品保護のため冷凍室の電源を切れないという寒さの中、藤川らは治療を開始。患者を救命センターに搬送する藤川は、灰谷俊平(成田凌)、横峯あかり(新木優子)と交代した
灰谷たちは藍沢の指示の元、冷凍室内の負傷者のもとへ。すると治療を初めて間もなく電源が落ちてしまった。暗闇の冷凍室内に、灰谷と横峯は負傷した作業員と閉じ込められる。落雷が原因の停電で復旧には2時間ほどかかる。しかも、未だ落雷の可能性があるためドクターヘリも飛べない…
そんな中、冷凍室の外で藍沢が診ていた作業員の容体が急変。さらに冷凍室内の灰谷と横峯は、多量の出血をしているもう1人の作業員を発見。フェロー二人だけでこの事態に対処しなければならなくなる…
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
第6話の医療シーン解説のテーマは「そこにあるものでやる」です。冷凍庫内の事故で何人もの負傷者が出てしまいました。ドクターヘリの現場ではいつもと同じ医療が展開できることなど期待してはいけません。器械も薬剤も満足にありません。人手は限られています。おまけに、診療する環境と言えば、暑かったり、寒かったり、暗かったり、狭かったり…劣悪です。そんな中、病院にいるときと同じクオリティーで医療を提供しようと思えば、「あれが無い、これが無い」と嘆くより先に、その環境に適合するように知恵を絞らなければなりません。「そこにあるものでやる」です
灰谷と横峯は守口さんの鼠径部を局所麻酔代わりに氷で冷やしました(症例報告をよく読んでいる白石ならではの指示です。日頃の勉強の大切さを教えられます…)
藍沢が飯塚さんを治療していた現場では、脳室ドレナージに小児用の気管チューブを使いました。気道を吸引するチューブや胃管なんかも氷で冷やせば硬くなりますので(少し時間を要するかも知れませんが)そんなのも脳室ドレナージに使えそうです
白石は冷凍庫内の大腿動脈クランプを灰谷の胸の携帯カメラを通して見ていました。これは「REMOTES(REal-time MOvie Transmission system for EMS using Smartphone)」という北総救命とNTT docomoが協働で開発した「現場モバイル映像伝送システム」です
このシステムによって現場の状況が救命救急センターでもリアルタイムに把握できるため、ヘリ到着前に治療準備ができるなど、診療に大きな影響を与えています。北総救命は診療を支える機器開発にも積極的に係わっているのです
もう一つの医療シーンは臓器移植の部分です。緋山は淡々と脳死臓器移植の書類仕事をしていました。救急医は、臨床的な脳死状態の患者さんにはしばしば遭遇します。それ自体の診断、その後の対応にはそれほど多くの労力を必要とはしません。日常の臨床診療の範疇です
ところが、この患者さんが臓器移植のドナー(臓器提供者)となった瞬間、救急医は書類仕事に忙殺されることになります。臓器移植を進めるためには2回の「法的脳死判定」を行わなければなりません。臓器移植の意思表示があってからすべての作業が終了するまでには、少なくとも3日間は拘束されます。少し極端な言い方をすれば、救急医にとってみれば臓器提供者が出るということは、その患者さんを救命できなかったという点で「敗北」を意味します。そんな状況の後に続いて課せられる「法的脳死判定」の膨大な作業というのは、実は大きな負担なのです。けれども、せめて移植される臓器で元気になる患者さんがいるということだけが、その負荷を打ち消すモチベーションになっているのかも知れません
この第6話が放送された時点で、これまでに466例の脳死臓器提供があり、2,034の移植数に対して1,878の臓器が生存しています(日本臓器移植ネットワークホームページより)井上の言うように「誰かの一部になって生き続ける」のは きれいごと でしかありませんが「一人の死で何人もの命が救われる」ことは確かに すごいこと なのです
第6話平均視聴率13.7%
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第3シーズン[DVD]主演:山下智久
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2017年08月08日
コードブルー3rd第5話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY5】
【寄り添う人】
藍沢耕作(山下智久)は天野奏(田鍋梨々花)の緊急オペと別の患者の急変への対応に夜通し追われ珍しく医局でぐったりしてしまう
そこに藤川一男(浅利陽介)がトマトの箱を腕一杯に抱えて出勤して来た。妊娠中の冴島はるか(比嘉愛未)が今唯一食べられるのがトマト。藤川は、冴島が他の食べ物は受け付けないのでトマトがないと機嫌が悪い…と愚痴を言ってはいるが幸せそう
緋山美帆子(戸田恵梨香)は友達の話しとして、気になる男性に妻がいた場合について白石恵(新垣結衣)に相談。しかし、白石に不倫はいけないと大声で返されてしまい、緋山は相談する相手を間違えたと後悔する
そんな時、翔北救命センターに下水道工事中の作業員が増水のため流され、救助に当たっていたレスキュー隊員1人も負傷しているとドクターヘリの要請が入った。白石、名取颯馬(有岡大貴)、雪村双葉(馬場ふみか)がヘリに乗り込む
現場に着くと、名取はレスキュー隊員で意識のあるベテランの倉田正敏(大谷亮介)らの処置にあたり、白石と雪村は溺水で意識不明の作業員、吉崎孝司(長谷川慎也)をヘリで救命センターに搬送した
初療室で吉崎の治療をしていると、雪村が冴島の様子がおかしいことに気づく。と、次の瞬間、冴島は倒れ込んでしまった
一方、別の病院に受け入れてもらった倉田の容態が急変し翔北救命センターに戻された。倉田の状態を判断した名取は動揺するのだが…
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
第5話の医療シーンのポイントは名取のアンダートリアージ(過小評価)でした。出動中に別の救急現場からドクターヘリ要請がかかるのは、実際にもよくあることです。患者がどんな状態なのかは消防からの情報で判断するしかありません。この場合、上級医はより重症だと思われる方に向かいます。ここで重症者の方に向かえるようになれば「一人前」ということです
名取はレスキュー隊員の倉田を近隣の二次病院に搬送をしました。私たちはこれを「Jターン」と呼んでいます(翔北に搬送すれば「Uターン」ですね)このJターンで一番イヤなのが搬送先の病院から「実は重症でした」と連絡が入ることです。チラッと映った骨盤のX線写真はopen book typeの骨盤骨折でしたが、藤川が「これなら気づかないこともあるかな…」とチョット皮肉っぽく?言っていましたが、現場での骨盤骨折の診断は簡単ではありません。写真上のような診察をすれば分からないことはなかったでしょうけれど、おそらく名取は、倉田の上腕骨骨折による痛みにダマされて骨盤の痛みを軽くみてしまったのかも知れません
名取は倉田に「レスキューの現場に条件のいい時なんて無い。ドクターヘリの現場だって一緒だろ」と言われましたが、まったくその通りで、時間も検査機器も限られる現場では診療の精度にも限界があります。その精度を如何に高くするかがフライトドクターの勝負どころなのです
《命から逃げない、藍沢先生より、相手の悲しみの深さがわからない夫婦へ》
『結婚の目的は幸せになることなのか』
『そもそも幸せってなんだ』
『俺にはよくわからない』
『だが、わかっていることが一つある』
『おまえは毎日、悲しみが溢れるこの救命で、皆に明るさをもたらしている』
『それは凄いことだ』
『結婚なんかすれば色々あるだろう』
『でも、どんなときでも、おまえの家庭はきっと明るい』
『人は幸せになるために結婚するんじゃない』
『辛い毎日を二人で乗り越えていくために結婚するんだ』
『俺はそう思う』
『医者の重要な仕事の一つ』
『痛みを取り除くこと』
『そのために医者は勉強し、あらゆる手段をこうじる』
『しかし、患者の痛みを正確に理解できる医者はこの世に一人もいない』
『痛みとは、その人でなけれ決してわからないものだから…』
『人は他人の痛みはわからない』
『医者と患者に限らず、夫婦、親子、友人、どんな間柄でも、それは同じだ』
『しかし、痛みを教えてくれる、自分の側にその痛みを分かち合いたいと思ってくれる人がいることを…』
『その存在に気づかせてくれる』
第5話平均視聴率13.8%
【コードブルー ドクターヘリ緊急救命】
第2シーズン[DVD]主演:山下智久
『ドクターヘリ』という一刻も早く患者のもとへ医療者を派遣し現地で治療を開始する究極の医師デリバリーシステムの認知を高め、緊迫感やスピード感、救急医療現場での過酷な現状、4人のフライトドクター候補生と1人のフライトナースの成長や絆を力強く描いたヒューマンストーリー全11話を収録
コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 2nd season DVD-BOX 新品価格 |
2017年07月31日
コードブルー3rd第4話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY4】
【笑顔の効能】
藍沢耕作(山下智久)に、天野奏(田鍋梨々花)がけいれん発作で入院したという報告が新海広紀(安藤政信)から入る。新海は、奏が藍沢と話したがっていると伝えた。奏はこのような状況でもまだ手術は受けないという。望みは藍沢の説得なのだ。しかし、奏に藍沢もなんと声を掛けてよいか分からない
そんな中、河川敷でバーベキュー中にケガをした家族救出のドクターヘリ要請が入った。同時に橘啓輔(椎名桔平)には、三井環奈(りょう)から長男、優輔(歸山竜成)の容体が急変したという連絡が。橘はドクターヘリを藍沢に任せ、息子の元へ駆けつける。すると優輔の口元には吐血した痕跡。三井によると、優輔は急に腹痛を訴えたらしい。橘は循環器内科医師、井上宣顕(滝藤賢一)とともに、急遽、初療室で優輔の処置に当たる
一方、藍沢、名取颯馬(有岡大貴)、雪村双葉(馬場ふみか)は河川敷に降り立つ。事故現場を目指し花火大会に向け集まっている大勢の野次馬たちを駆け抜け、たどり着いた患者の姿を発見し驚く。8歳の少年の首にはバーベキュー用の串が刺さっていた。現場での処置は難しいとの名取の判断で、少年はすぐさま翔北の初療室に運ばれる。そこでは、橘が優輔の治療を続けていた
藍沢の監督のもと、名取、横峯あかり(新木優子)は少年の治療にあたる。白石恵(新垣結衣)たちも加わるが、少年の治療にはあらゆる困難が立ちはだかっていた
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
今週の医療シーン解説は頸に鉄串が刺さってしまった健太郎君のお話からです。「コード・ブルー」はよく物が刺さります。1st seasonの第5話で鉄筋が腹部に刺さった患者さんを覚えている人もいるかと思います。2nd seasonの第3話はスキー板の串刺し事故でした。ちなみに、この2つのエピソードのように刃物などと違って先端が比較的「鈍」な物が身体に刺さってできるケガのことを「杙創(よくそう)」と言います。さて、健太郎君は左の頸動脈を損傷して仮性動脈瘤というのを作ってしまいました。これは、動脈は破れているのですがそのすぐ外側の線維組織によってかろうじて「瘤(りゅう)」が作られて出血が抑えられている状態です
放っておけばこの瘤が破れて、今度こそ大出血になってしまいます。そこで頸動脈の損傷部ごと切除して血管を繋ぎ直さなければなりません。この時に頸動脈を遮断する必要があるのですが、多くの患者さんでは左右の脳を繋ぐ血管があるので、左側の頸動脈を完全に遮断しても左脳の血流が無くなることはありません。ところが健太郎君にはその血管が未発達でした。こういった血管の発達には個人差があるのです。そこで藍沢と新海は、左の橈骨動脈という、脈拍を測るときに触れる手首の動脈ですが、ここから左脳への血流を供給させる「ハイフローバイパス」という方法を用いて左脳の血流を確保してから、頸動脈を遮断したわけです
《音楽の重要性》
1stシーズン、2ndシーズンはストーリーとBGMのバランスが良かったのですが、3rdシーズンはストーリーとBGMが合わないシーンが多く残念です
第2話の藍沢が救急車の中で治療しているシーンもそうでしたが、第4話の少年の首にバーベキュー用の串が刺さるという緊迫感のある手術シーンを、BGMが台無しにしてしまったと思う
不安、緊張、怒り、悲しみ、喜びなどの感情を音楽で奏でる重要性
ひとつのストーリーを音楽でみせることの重要性を理解していないのだろうか…
《命から逃げない、藍沢先生より、手術拒否している患者さんへ》
『手術をすれば、後遺症が残る可能性はゼロじゃない』
『だが、もしそうなったら、リハビリをすればいい』
『リハビリは辛い、時間もかかる』
『でも君なら、きっと乗り越えて、今と同じくらい、大好きなピアノが弾けるようになると、俺は思う』
『君はとても強い、だから大丈夫だ』
《命から逃げない、藍沢先生より、大丈夫だ!と言えないドクターへ》
『とにかく救いたかったんだ』
『彼女には命を救う方法がある』
『そして俺達は、その医療を提供することができる』
『後で、嘘つき!と罵られようと、代償を払わされようと構わない』
『彼女が生きているほうがいい』
第4話平均視聴率13.8%
【コードブルー ドクターヘリ緊急救命】
第2シーズン[DVD]主演:山下智久
『ドクターヘリ』という一刻も早く患者のもとへ医療者を派遣し現地で治療を開始する究極の医師デリバリーシステムの認知を高め、緊迫感やスピード感、救急医療現場での過酷な現状、4人のフライトドクター候補生と1人のフライトナースの成長や絆を力強く描いたヒューマンストーリー全11話を収録
コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 2nd season DVD-BOX 新品価格 |
2017年07月24日
コードブルー3rd第3話
【コード・ブルー 〜ドクターヘリ緊急救命〜 THE THIRD SEASON STORY3】
【命より大切なもの】
『命とその人が命よりも大事だと思っているもの。どちらかを選ばなければならないときどうすべきなのか?』
藍沢耕作(山下智久)はあらためてこの問題に向き合っていた
藍沢が脳外科医で出会った患者の天野奏(田鍋梨々花)は将来を期待される14歳の天才ピアニスト。しかし彼女の脳は腫瘍におかされていた。指先の動きなどを司る様々な中枢が入り込んでいる部分に腫瘍を抱えている。今手術をすれば奏の命は守られるが、ピアノを弾けなくなるというリスクが伴う。両親は早期の手術を望むが、拒否し続ける奏に現在の担当医、新海広紀(安藤政信)は頭を悩ませていた
一方、救命には渓流で足を滑らせて転落した男性、緒方博嗣(丸山智己)が運び込まれる。こだわりの料理人として注目を集めている緒方だが、頸椎に脱臼骨折というダメージを受けていた。この状況下にあって自分が仕留めたイワナのことを心配する丸山に緋山美帆子(戸田恵梨香)は興味を持つ
そんな中、森林公園で倒れていた男性救出のためドクターヘリ要請が入り白石恵(新垣結衣)らが救出に向かった
藍沢たちが病院で待機していると、白石からドクターヘリの機内に原因不明の汚染が発生したとの報告が入る。藍沢たちは初療室周辺とヘリポート、緊急外来を立ち入り禁止にするなど異例な事態に備える
藤川一男(浅利陽介)は身重の冴島はるか(比嘉愛未)も汚染されたヘリに同乗していることを思い出し、即座に走り出すのだった
《全面バックアップで医療監修を務めている千葉北総病院救命救急センターのブログより》
第3話の手術シーンは「ダメージコントロール手術」でした。大量出血時には血液の凝固機能が低下し、どれだけ外科的に出血を止めようと試みても、どこからともなく出血が続いてしまう状態に陥ります。そこで出血部位にタオルやガーゼを詰め込んで圧迫し(パッキング)、一旦手術を中断します。
その後、集中治療室で全身の状態を改善させてから手術を再開するのです
私たち北総救命がもっとも得意とする外傷治療戦略です
白石は灰谷に、「ダメージコントロールの一番のポイントは、臆病であること」と伝えます。臆病だからこそ、無理な手術の続行を中断できる、「勇気ある撤退」ができるのです。中断後、患者さんの状態に改善が無ければ手術の完結はできません
その意味で、「ダメージコントロールは、患者さんの生命力に問いかける行為」という藍沢の言葉は、われわれ外傷外科医にとっても面白い視点だと思いました
《ダメージコントロール手術とは》
ダメージコントロール手術とは、重度腹部外傷患者に対する初回手術において、止血手術、腸管損傷の縫合閉鎖、タオルパッキング等を迅速に実施した後に、患者を一度集中治療室等に収容し呼吸循環管理等により全身状態の改善を図り、二期的又は多期的手術によ り根治を図る段階的外科治療のことである
《命から逃げない、藍沢先生より、自殺未遂患者さんの家族へ》
『ご主人が本当に生きたがっていたかどうかは私達にもわかりません』
『ですが、少なくとも身体は生きたがっていた』
『ダメージコントロールは患者さんの生命力に問いかける行為です』
『心が、こたえてくれるまでには、きっと、もっと時間がかかると思います』
第3話平均視聴率14.0%
【コードブルー ドクターヘリ緊急救命】
第2シーズン[DVD]主演:山下智久
『ドクターヘリ』という一刻も早く患者のもとへ医療者を派遣し現地で治療を開始する究極の医師デリバリーシステムの認知を高め、緊迫感やスピード感、救急医療現場での過酷な現状、4人のフライトドクター候補生と1人のフライトナースの成長や絆を力強く描いたヒューマンストーリー全11話を収録
コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命 2nd season DVD-BOX 新品価格 |