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2022年05月13日

【ネタバレあり】『BLEACH』の茜雫を語る

またまた夕方に、今晩は。
『BLEACH』の茜雫(せんな)ロスが落ち着きつつある、『暇人の独り言』管理人です。





前回の記事で『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』への気持ちを書き殴ったのが良かったらしく、やる前と比べると随分スッキリしています。


時間と労力がいるけど、やっぱりこうして形にするのは有用だ。










さて。
今回は『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』を語る記事の完結編として、茜雫を中心にあれこれ綴って行きます。



遠慮なくネタバレしているので、気にされる方は御注意を。















ストーリー上での活躍




茜雫は、悪霊退治を担う死神代行黒崎一護(くろさき いちご)の前に突然出現した、死神らしき少女です。
初対面時には一護に「うっせーな ばーか!」と暴言を吐く一幕もありましたが、一緒に鬼ごっこをしたりあれこれ奢ってもらったりでそれなりに彼と打ち解けると、魂から抜け落ちた記憶の集合体「思念珠(しねんじゅ)」の捜索を手伝います。





しかし思念珠とは他ならぬ茜雫の事であり、その性質を利用しての世界破壊を目論む一族ダークワンに拉致される破目に。
一護や仲間達の奮闘によって救出されるも、既に間近に迫っていた世界の崩壊を防ぐべく、自分の身を犠牲にしました。





もはや目も利かなくなった消滅の寸前、かつて現世で家族と共に生きていた証を求め、墓に名前があるかを一護に確かめて貰います。
その墓に「茜雫」の名前がないのを見た一護から「ああ あるぜ」と聞かせられると、「良かった…」と涙して消えて行きました。




「元々有り得ない者」ゆえ、それから程なくして一護達の記憶からも消えてしまう運命。
ただ後日には「うっせーなー」と口にする、何処かで見たような少女が一護の前を通り過ぎていたりします…















人柄など




ふとした時に「うっせーな」と乱暴な口を利き、常識外れで突拍子のない行動も多いものの、基本は無邪気で明るい少女です。
また、街角で出会った霊の面倒を見た際は「もうすぐこの世を去って長い旅が待っているのに最後の願いが叶わないなんて寂しい」「せめて最後に良い思い出をあげたい」と語っており、優しい性分も見て取れます。


この発言から丸1日も経たずして自分が「最後の良い思い出」を貰う側になるとは、予想していなかったでしょうが…










自由奔放と言うか落ち着きがないと言うか、一瞬目を離せば無断で何処かへ移動している事も多々。
しかし、鬼ごっこを一時中断した一護から待っておくよう言われた際は、日没後に彼が戻って来るまで本当によそへ移動せず待機していました。


一護を「割と素直」「意外とカタい」と評する彼女もまた、意外に素直でカタい奴?






なおその一護からは、ダークワンに攫われた後の場面にて「自分勝手で気が強くて滅茶苦茶」と評されています。
えらい言い草だけど、何一つ間違ってないから困る。





ちなみに記憶を失った霊「欠魂(ブランク)」の集団を蹴散らした際には陽気に踊っていますが、その動きはなかなかにダサく、どうもダンスの感性はよろしくない模様です。
ついでに、短いスカートを履いているのに一護の前で寝転んで足を上げる場面があり、少々恥じらいが薄い疑いも湧きます。


そしてダークワンのボス巌龍(がんりゅう)の名前を聞いても「ガンなんとか」とうろ覚えだったなど、頭が弱い気配も漂う。





ストーリーの展開柄ほとんど一護としか絡んでおらず、それだけに彼との結び付きが非常に強固。
世界を護るべく命を張る前には一護の服を強く握り締める描写もあるのですが、その姿はさながら一護との思い出を冥途の土産に持って行くようで、悲しく寂しいけれど気高く美しい覚悟を感じます。



自分の消滅だってはっきりと怖がっていたのに、それでも「一護が死ぬのが嫌」だと叫んで散って行ったのには、魂を揺さぶられるばかりでした。














戦闘面




戦闘時は死神達の着用する死覇装(しはくしょう)そっくりの黒い和服姿に変身し、多量の紅葉を舞わせて躍動します。
ただ、死神達の死覇装が白く短い帯をしているのとは異なり、茜雫の衣装は帯が赤く、長さも段違いです。


人によってはこれ1つで、「茜雫は死神ではない」と思ったかも?





身のこなしは軽快かつ俊敏で、流れるように欠魂(ブランク)達を斬り捨てていたほか、劇中二度食らいかけた不意打ちをいずれも自力でかわしています(二度目に至っては一護を助けている)。



扱う斬魄刀(ざんぱくとう)の名は「弥勒丸(みろくまる)」。
夕闇に誘え 弥勒丸」と唱えて解放すると、錫杖と槍を合わせたような武器に変形し、稲妻混じりの強烈な風を起こして標的を蹴散らします。





ただし巌龍に一撃で敗れたほか、その手下ジャイにも一方的に追い詰められていたため、あまり強くはないようです。
今一つ白星に恵まれない原作キャラの朽木ルキア(くちき ルキア)はジャイとそれなりに戦えていたので、ルキアより劣る(=護廷十三隊席官以下)位の力量か。















語録





・「うっせーな ばーか!



悪霊ではない欠魂(ブランク)への攻撃を咎められた際の反応にして、茜雫が一護へ向けた初めての言葉です。
この時点では「何だコイツ」としか思えないけれど、ほんの少ししたら大切な仲間になったのだから、人と人の関わりってフシギ。










・「もう しつこーい



話を聞こうと追って来る一護から楽しそうに逃げ出しての一言。
一護はこのまま鬼ごっこに付き合わせられました。



なお、茜雫は非戦闘時の動きもなかなか素早く、一護に追い付かれた描写はありませんでした。
鬼ごっこでは強者?










・「最初から言ってよ 奢ってくれるなら何でも答えちゃうって



質問に真面目に応じなかった茜雫も、一護から食事を奢られるとこうして随分気前よく答えるようになりました。
なんて現金な奴だ。



しかしやっと答えたら答えたで、一護が問うた欠魂(ブランク)や思念珠については「知らない 初めて聞いた」というオチ。
一護の財布が哀れです…











・「だって高いところから見ると それまでゴチャゴチャしていてよく分かんないものがはっきりするもの




パフォーマンス紛いの綱渡りをしたり観覧車に乗りたがったりで、一護から「お前 高い所好きだな」と言われての返事。
傍からは単なるバ…





…もとい、お調子者にしか思えない高所好きも、茜雫にしてみれば理由があったようです。





一護は終盤、この発言をヒントにダークワンが居座る空間「叫谷(きょうごく)」を発見しており、何気に重要な伏線となりました。










・「わざわざ払いに行くかな 意外とカタイ



試着したまま持ち出した紅いリボンの代金を、一護に肩代わりされての一言です。



なかなかな言い草ですが、すぐに「ありがと」と率直な感謝も示しており、改めてリボンを身に着ける際は「いいとこあんじゃん」と呟くなど、内心結構喜んでいたのが窺えます。





ちなみに茜雫が乗りたがった観覧車は、「絶対乗せねえ」と却下されました。
食事代とリボン代を奢った一護にもはや余力がなかったらしいので仕方ないけれど、何気なくも大切な思い出になっただろうと思うと、実現できなかったのが寂しい。





そして茜雫に関する記憶が消えた後、一護が所持金の減り具合に仰天しなかっただろうかとそこそこ真剣に心配な場面でもあります。
「全然覚えてねえ… 俺 何にこんなに金使ったっけ…」とか、ならなかった?










それにしても流れでこうなっただけとは言え、一護に色々と貢がせた茜雫、恐るべしです。










・「あの子 もうすぐこの世を去らなきゃならないんだよ? そして長い旅が待っている その最後の願いなのに 叶わないなんて寂しいよ



街角で少年の霊と出会い、父親捜しを手伝っている最中の一言です。
「あげたいんだ せめて最後に 良い思い出」と結ぶ姿には、茜雫の確かな優しさが溢れていました。



終盤にて一護が温かい嘘を吐いたのは、きっと茜雫の考えに影響を受けたのだろうと思えます。






余談ながら、映画4作目『地獄篇』では、一護が霊の最後の願いを尊重している場面がありました。
これについてTwitter上では、「茜雫の影響があったからかも」と言われていたりします。



いくら何でもとっくに忘れているだろう…とも思いますが、映画3作目『Fade to Black 君の名を呼ぶ』では一護に関する記憶を失っても魂で彼を覚えているキャラもいたので、Twitter上の意見に頷いておくのもありかもしれません。










・「うっせーな...



救出に来た一護から「随分大人しくしてるじゃねえか いつもの元気はどうした」と言われて、微笑みながら返した一言。



相変わらずの荒い言葉ながら、「お前はそれで良い」と心底思えるシーンです。










・「一護…怖いよ… でも… でもね… させないよ こんなに楽しい世界なのに こんなに… たくさんの人が住んでいるのに こんなに… 一護が… 生きているのに



世界を護るため、自分の命を投げ打つ直前の台詞です。
一護からは「止めろ! お前はこれから...」と言われたものの...










・「私より 一護が死ぬのが嫌なんだよ!!



一護に向けた、目を潤ませながらの叫び。
茜雫を覚えている限り、決して脳裏から零れ落ちる事のない言葉です。










・「良かった...



一護から「墓に名前がある」と嘘を聞かせられての一言です。
流した涙は優しい空事を信じての安堵か、あるいは無情な真実を察した悲しさと「最後の願い」を汲んだ一護の心意気に打たれた感激が混ざってのものか...


どちらにせよ、少しでも茜雫の心が救われていてくれと願わずにはいられません。










・「あったかい… また… 会えるよね…?


散り行く茜雫の、最後の台詞です。
一護の「何言ってんだ 当たり前だろ…」という返事で会話は終わり、茜雫は静かに消えて行きました。



ここから程なくして茜雫についての全ては一護達の記憶から消えるらしく、視聴者は悲しさや虚しさを一層強められますが…










・「うっせーなー いいっしょそんなの どっちでも



茜雫…によく似た、高校生と見える少女の一言です。
周囲の女子に「怒られるって」と言われても「あー パスパース」と何処吹く風で、一護の前を走り抜けて行きました。



僅かな会話から想像するに、授業ないし学校そのものをサボるとでも言い出したのでしょうか。
中身があの茜雫なのか、色々な点が酷似しているだけの別人なのかは断定できませんが、何となくサボりの常習犯なんだろうなと思ってしまいます。





…それは流石に、失礼な話?















・「だってあたしがヒロインじゃん! やっぱあたしのDVDだよ!



『MEMORIES OF NOBODY』のDVDの宣伝における一言です。
場所が場所ゆえメタ発言に遠慮がありませんでした





なお、このCM内では茜雫曰く「久しぶり」の対面ながら、一護も茜雫もお互いをしっかりと覚えています。
映画本編の幕引きを知っていると、「どちらのDVDか」で平和な口論を繰り広げる2人の声は、涙ならぬ笑いなしには聴けません。



ごく特殊な場での一瞬の再会に過ぎないけれど、たまらなく愛しい時間です。















茜雫への感想まとめ



茜雫への感想をまとめると「映画のゲストキャラではなく原作のレギュラーキャラであって欲しかった位の良きヒロイン」といったところです。
もっとも、ゲーム作品等では忘れられる事なくお呼びがかかっているので、これで良しと納得しなくてはならないか。




『BLEACH』ファンとして主人公の一護を全力で応援する管理人ゆえ、その一護を死なせない為に正真正銘命を懸けてくれた茜雫には、感謝と敬意しかありません。



とうに完結した原作にて一護の伴侶は決定されましたが、管理人は今なお「一護の嫁には茜雫しか認めない」と揺らぎなく思う程の一護×茜雫好きでいます。
おめでたい奴とか言わないで






ところで、今年こと2022年10月には原作最終章の「千年血戦篇」がアニメ化されるようですが、「それだけの費用と時間と人材があるなら茜雫復活&一護×茜雫エンドのアニメオリジナルストーリーでも作ってくれ」と訴えたい気分です。



…勿論、そんな企画が生み出される訳もないと理解はしつつ。















余談その1 劇場版以外での出番(?)



上述の通りまともな出番は劇場版1作目限りの茜雫でしたが、その存在を思い出させる機会は他のメディアでもちらほらあります。



例えばアニメの204話では、後ろ姿だけのモブキャラクターが茜雫そっくりだと、ネット上で有名。
実際そのモブキャラは、背中だけなら「似ている」というより、茜雫そのものです。


顔は不明なので赤の他人の可能性もあるし、万一あの茜雫本人だとしても一護と全く絡まないため、残念ながら価値は微妙ですが。


一護をチラ見でもしていたなら、一護×茜雫ファンにとって嬉しいシーンになったかも?










また原作最終章「千年血戦篇」では、一護が「俺は一度叫谷に入ったことがある」と発言している場面もありました。
茜雫の救出を賭して戦った舞台を覚えているという事で、ネット上では「少なくとも一護は茜雫の事を覚えている」との見方が出ているようです。





もっとも、肝心の茜雫については匂わせる程度の言及もないので、一護が彼女を覚えているかどうかは読み取れませんが。
ついでに一護だけが覚えている理由も不明なので素直に喜べないし称えられない










ちなみにゲーム作品には、紛れもない茜雫本人が登場している物も幾らかあります。



管理人の所有物で該当するのは、PSPソフトの『ヒートザソウル6』。
卍解状態の一護とタッグを組むと、茜雫が弥勒丸で敵を打ち上げ、一護が連続斬りで追撃する特別な奥義を発動できます。



短い演出ながら「行くよ 一護!」「任せろ!」という仲の良さげなやり取りから連繋攻撃を決める様は、一護×茜雫ファン必見です。















余談その2 茜雫と結び付けたくなる物あれこれ




テレビシリーズで使われた主題歌や他のBLEACH映画から、本来茜雫と関わりはないけれど結び付けて考えたくなる物を幾つか記してみました。










・『千の夜をこえて



『MEMORIES OF NOBODY』の主題歌という意味では公式に茜雫と関係しまくっていますが、ここで触れます。
歌い手のAqua Timezファンの方には申し訳ない話、「コテコテのラブソングでBLEACHに似合っていない」「格好良くない」と思っていたのですが…





もしもこの歌詞が、一護に対する茜雫の気持ちだとしたら…





…そんな想像をしただけで、好感度が少々変わりました。





正誤はどうあれ、「千の夜をこえて 今あなたに会いに行こう」と歌われる通り、茜雫が何時の日か一護に再会する世界があってくれれば感動物だなと、とうに原作が終わった今でも切に考えています。





ちなみに、BLEACHの声優陣が主題歌をカバーしたアルバム「ブリコン〜BLEACH CONCEPT COVERS〜」では、朽木白哉(くちき びゃくや)役の置鮎龍太郎さんと、阿散井恋次(あばらい れんじ)役の伊藤健太郎さんが、この曲を担当されていました。
サビは全部白哉が出しゃばった





…上述の解釈が浮かんだ今頃になって、茜雫役の斎藤千和さんに歌って貰いたかったと思ったり。















・『一輪の花



テレビシリーズのソウルソサエティ編の時期に使われた歌です。
歌詞の「枯れないで 一輪の花」は、自分の消滅と引き換えにしても一護の命を救った茜雫に、「たとえ君以外の全ての人を敵に回す時が来ても 君のこと守り抜くから」は、茜雫を引き渡さないためなら護廷十三隊とも激突しそうだった一護に重ねたくなります。





管理人自身、本来ならルキアの処刑阻止のため戦う一護を思い浮かべるところだろうと考えてはいますが…















・『劇場版BLEACH Fade to Black 君の名を呼ぶ



名前を持たない姉弟の手によってルキアの存在が死神達の記憶から消し飛ばされ、そのルキアとの関わりで死神代行となった一護も忘れ去られてしまったという筋書きの、劇場版BLEACH第3弾です。





この映画内で一護が「一度繋がった絆は消えねえんじゃねえかって… それなら全て忘れたとしても またきっとどこかで繋がる」と語った場面は、『MEMORIES OF NOBODY』の後に見ると最高に救われる心地がします。





その考えが正解なら、一護と茜雫も、またきっと…















・『Save The One, Save The All



『劇場版BLEACH 地獄篇』の主題歌です。
護る想いは一人じゃない」という歌詞があるのですが、この「護る想い」が、一護と茜雫にも似合っていると感じます。



恋愛というやつ的にどうかはともかく、「護る想い」は文句なく両想いな2人なので。















余談その3 二次創作の茜雫




映画本編では切なさを残すキャラクターだった茜雫も、ファンの二次創作では散り際に少し手が加えられたり、何がしかで復活したりと、幅広いifストーリーを与えられています。





そしてそれらの中では稀に、一護以外に対して当たりがキツい人物となった茜雫も。




しかしそれも、なかなかしっくり来てしまったりします。
映画でも一護には割と懐いた一方、彼の家族に対しては一晩厄介になるにも拘わらず無愛想な描写があったせいか?





余談の中の余談ですが、もし管理人が茜雫で二次創作をやるとしたら、一護を騙した野朗共に激怒してぶちのめしにかかる彼女を描きたいと思っています。
命を懸けるほど一護を大切に想っている茜雫なら、彼を酷い目に遭わせる奴等を許さないだろうから。















茜雫語り これにて完結




気合いを入れてお送りした茜雫を語る記事も、これにて終了です。
書いた管理人自身が驚くやらドン引くやらの長さと暑苦しさになりましたが、ここまでお付き合い下さりありがとうございました!





茜雫のイラストを描いてみるのは今の所あっさり挫折していますが、やる気と機会を得れば、再び挑もうと思います。










それでは、また。
posted by 暇人 at 17:43| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ

2022年05月09日

【ネタバレあり】『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』を語る

夕方に現れて、今晩は。
『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』を見返して案の定茜雫(せんな)熱と茜雫ロスが同時に悪化した、『暇人の独り言』管理人です。


こうなる事は分かっていたけれど、それでもあのヒロインをまた見たかったから、これで良いんだ…










さて。
今回は千々に乱れそうな我が心の平穏のため、『MEMORIES OF NOBODY』のストーリーとそれへの感想をネタバレ全開でぶちまけておきます。



感想については最早管理人の愚痴やら願望やらが多いですが、それでも良ければお付き合い下さい。















『劇場版BLEACH MEMORIES OF NOBODY』のストーリー






死神代行と死神(?)少女



高校生活の傍ら死神代行として悪霊退治に奔走する、黒崎一護(くろさき いちご)。
彼はある日、霊から記憶が剥がれ落ちてエネルギーだけとなった存在「欠魂(ブランク)」を発見しました。



悪霊という訳でもないものの、通常の霊を成仏させる方法も通じず対処に苦慮していたところ、死神らしき少女の茜雫が登場。
自分の攻撃を止めに来た一護を「うっせーな ばーか!」と押しのけた茜雫は、欠魂(ブランク)達を遠慮なく蹴散らして行きます。





茜雫から話を聞こうとするも、鬼ごっこに付き合わせられたり、何だかんだで食事や彼女好みの紅いリボンを奢らせられたりと振り回され放題な一護。
ついでに顔馴染みの死神達からは、良からぬ企みを抱いている者がおり、欠魂(ブランク)から抜け落ちて現世に戻った記憶の集合体「思念珠(しねんじゅ)」を狙っているかもしれないと、物騒な話も聞かせられました。





一護はそれなりに打ち解けた茜雫と共に、町の見張りと思念珠の捜索を行います。















思念珠の正体


手掛かりとなる欠魂(ブランク)の次なる登場を狙いつつ、調査に出向く一護と茜雫。
ところが、開始早々に父親とはぐれた少年の霊を見つけた茜雫は「もうすぐこの世を去って長い旅が待っているのに最後の願いが叶わないなんて寂しい」「せめて最後に良い思い出をあげたい」と、横道に逸れてしまいます。



やむなく一護も付き合ったところ、霊の父子を引き合わせる事に成功。
しかしそれと入れ替わるように、魂の世界ソウルソサエティから死神集団の護廷十三隊(ごていじゅうさんたい)がやって来ました。





十三隊の隊士にして一護と縁深い死神の朽木ルキア(くちき ルキア)によれば、死神に関わる組織や機関全ての名簿を調べたが「茜雫」という名前はなく、彼女が扱っている刀も100年前に持ち主の死神共々消えた物だった。


つまり茜雫とは、今存在しているはずがない者だと言います。







死神にありながら生前の記憶を有しているものの、その中身は家族構成も生活環境も全く異なる映像だらけであった茜雫。
本人も気付いていなかった話ながら、一護の思念珠探しを手伝っていた茜雫こそが、その思念珠だったのです。





悪巧みの首謀者巌龍(がんりゅう)の目的が世界破壊であり、その最重要要素が思念珠だとして茜雫を拘束しようとする護廷十三隊と、彼らの問答無用の姿勢に反発する一護。



両者が激突するかに思われた時、噂の巌龍とその手下達…
かつてソウルソサエティの覇権争いに敗れ追放された一族ダークワンが襲来し、茜雫を攫ってしまいました。





思念珠である茜雫に、自らの記憶を求め彷徨う欠魂(ブランク)達を近付けた時、本来離れている現世とソウルソサエティを衝突させる程の凄まじい力が発生し、良くてどちらか一方が、酷ければ世界そのものが消えます。



一護は茜雫を助け出すべく、ダークワンの潜伏先へと乗り込みました。















命を懸けて



一護に続いて護廷十三隊の死神達も幾人かダークワンとの戦いに参加し、瞬く間に残る敵は巌龍のみとなります。





「思念珠などただの記憶の集合体 生き終えた残骸に過ぎぬものを」と吐き捨てる巌龍に、一護は「そんなことはねえ…! 茜雫は… 茜雫は今 ここにいる!!」と切り返すと、全力の激突の末に勝利。





助け出した茜雫を連れ、無事に現世へ帰還しました。



















しかし、めでたく一件落着…とはならず。
現世とソウルソサエティは既に衝突間近まで接近しており、世界崩壊も時間の問題となっていました。





この事態に動いた茜雫は、2つの世界を安定局面へ戻すため、自分の近くにいる欠魂(ブランク)のエネルギーを放出しにかかります。





それは自分の消滅を招く行為であり、一護からも「止めろ!お前はこれから…」と制止されますが、茜雫は「私より一護が死ぬのが嫌なんだよ!!」と断行したのでした。










捨て身の一手によって現世とソウルソサエティは衝突を免れ、世界は救われたものの…















名も無き人の思い出



一護は余命幾許もなくなった茜雫を背負い、とある墓地を訪れていました。
現世で家族と共に生きていた証を求める茜雫から、墓に名前があるのを確かめてほしいと乞われたのです。





目が霞んでしまった茜雫に代わり、彼女の心当たりの墓を確認する一護。
しかし、そこに「茜雫」という名は刻まれていませんでした。





茜雫「ある…?」





一護「…ああ あるぜ お前はこの町で生きて来た 家族もちゃんといた」





一護の答えに「良かった…」と涙する茜雫。
そして、「また会えるよね…?」「何言ってんだ 当たり前だろ…」とのやり取りを最後に、彼女の身体は消えて行きました。










膝を突いた一護の元へルキアが現れ、もうすぐ欠魂(ブランク)のエネルギーが尽き、茜雫についての全ては我々の記憶から消えるだろうと告げます。
「元々有り得ない者の記憶が残る事はない」という訳です。





一護はそこで立ち上がると、「あと僅かでも 今はまだあいつの声が聴こえる…」と応じました。















エピローグ



後日の朝。
一護は強風に流れて来た紅いリボンを掴みました。



傍からは何とも言い難い表情でリボンを見詰める一護の前を…










「うっせーなー いいっしょそんなの どっちでも」










何処かで聞いたような喋り方の少女が、周囲から「怒られるって」と言われてもまるで気にかけず、快活に楽しげに走って行きます。





一護は何事か考え込むようにしてから微妙な面持ちで微笑むと、また歩き出したのでした。















映画全体への感想




久し振りに観ても、悲しさに加えて複雑な気持ちを植え付けられる映画でした。



大団円になってほしかったけれど、こういう苦い幕引きだからこそ良かった点があるのも受け入れざるを得ないか…と。





管理人は御都合主義であろうが安直であろうが、余計な物を残さず爽やかに物語の世界とお別れできるシンプルなハッピーエンドを好んでいます。
ゆえに一護の命懸けの戦いで助けられ、また彼を命懸けで救った茜雫にも無事に生き延び、一護と共に「これから」を過ごしてほしかった。



それが、初めて『MEMORIES OF NOBODY』を見てからずっと変わらない、茜雫というキャラクターへの想いです。





とは言っても、正真正銘命を投げ打って一護を護ってくれた茜雫だからこそ気高く美しく尊いヒロインとなったのも確かだし、彼女や欠魂(ブランク)が存在している方が世界の異常事態なのも残念ながら否定できないので、やっぱりあのエンディングになるしかなかったのかな…とも考えられます。


それがまた、悔しかったり辛かったり。










…つまり映画全体への感想をまとめると、BLEACHファンには十分面白い映画だけどビターエンドに耐性がない方は要注意、という事です。



茜雫に対して好感を抱いたが最後、結末の寂しさから悪霊(ホロウ)化しかねないので。















墓場のシーンへの感想




最終盤で茜雫の名前の無い墓を見た一護が「名前がある」と嘘を吐いたのは、一度見れば記憶に焼き付いて決して離れない、この上なく印象的な光景でした。



確かネット上でも言われていたのですが、一護は隠し事はしても嘘を吐く事は滅多にない人。
それだけに、茜雫への最後の気遣いが光ります。



映画冒頭で悪霊に襲われた少女の霊をさっさと成仏させたのとはまるで異なる、茜雫の「最後の願いなのに叶わないなんて寂しい」に影響を受けたのであろうと思わせる対応でした。





…ただ、昔は茜雫の目が霞んでいたおかげで助かったと短絡的に考えていたのですが、年を食ってからこの場面を見ると、茜雫も一護の返答を優しい嘘だと察していたかも…と疑うようにもなりました。



何せ一護の「…ああ あるぜ」が聴こえるのには僅かな間があったし、声も重かったしなあ…





もっとも茜雫が気付いていたにせよ、「良かった…」と口にした以上は一護の厚意を受け取った形なので、彼女も負けず劣らず粋だったと言って良いでしょう。



正反対に見えるこの2人、実は結構似た者同士だったかも?















エピローグへの感想



茜雫そっくりの少女が現れるエピローグでは一護に台詞が一切ないため、彼の心情や茜雫に関わる記憶の状況は不明です。
視聴者が解釈するほかないのは心許ない一方、自由に受け取れるのはなかなかニクい気もします。





ちなみに管理人は、「既にほとんど忘れているけれどリボンや少女に何かを感じてはいる」と見ました。
まだ十分に覚えている、あるいは朧気にでも思い出したとするにはリボンや少女への反応が結構に鈍く、さりとてチリの粒程度の記憶も残っていないにしては思うところのありそうな表情だったためです。





言わずもがなですが、茜雫そっくりな制服姿の少女にもあれこれ想像させられます。
思念珠ではなく人間として復活した茜雫なのか、それとも容姿や口調や人柄が酷似しているだけの赤の他人なのか?


…後者では余りにつまらないし、偶然としては出来過ぎているので、管理人は前者だと受け取っていますが。





ではあの少女が茜雫だとして、一護に構わず走り去って行ったのは、単に以前の縁を微塵も覚えていないからなのでしょうか?
あるいは、一護を覚えているものの何らかの意図(もう自分は忘れられているだろうからすれ違うだけで良いなど)によって、他人の振りで通り過ぎたのでしょうか?


かつて命を懸けて護った一護を忘れているとすると非常に寂しい話なので後者であって貰いたいけれど、ここは受け取り方に迷うところです。



まあどちらにせよ、随分楽しく過ごせている様子なので「良かった 達者でな」と見送るべきか。






そして最後の最後、一護の微妙な微笑みに関しては…





「これだ」と思える想像ができないので、自然とあの顔になったという解釈にしておきます
管理人は最後の最後で力尽きて手を抜いた















次回は茜雫について



久し振りに少々長めの語りになりましたが、ここまでお付き合い下さりありがとうございました。
この勢いに乗って(?)、次回は茜雫の人となり等について喋ってみようと思います。



今回と次回の記事がBLEACHファンや茜雫好きの方に楽しんで貰えて、ついでに管理人の茜雫熱と茜雫ロスを治してくれると良いのですが…





それでは、また。
posted by 暇人 at 17:39| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ

2022年04月25日

『BLEACH』の茜雫熱

今日は。
最近アニメ『BLEACH』を引っ張り出した、『暇人の独り言』管理人です。





主人公の黒崎一護(くろさき いちご)が命懸けで悪霊その他と戦う姿を気に入り、夢中になって応援した作品でした。



残念ながら原作の最終章「千年血戦篇」で勢いや面白味を感じなくなり熱が冷めたと思っていたものの、それ以前の「ソウルソサエティ編」や「アランカル編」は変わらず楽しめて、好きだった箇所はいつまでも良き思い出なのだと感じています。










そして久々に『BLEACH』に戻って来ると、劇場版1作目に登場したゲストヒロインの茜雫(せんな)への熱もぶり返しました。



アニメ等のオリジナルキャラクターの中で一番好きなのが彼女であり、映画のラストシーンは初めて見た15年前から今に至るまで記憶に焼き付いています。
人々の記憶から消えてしまうキャラクターなのにね



一護と良いコンビ(?)になりながら件の映画では切ない結末を迎えたけれど、ゲーム作品でもお呼びが掛かっているなど優遇されているのがせめてもの救いか。










今はアニメオリジナルストーリーの「バウント編」を見ており、これが終わればいよいよ茜雫の活躍を再度拝もうと思います。
茜雫熱と茜雫ロスが同時に悪化する予感しかしない。





そして映画を見返したらイラストの修行がてらに茜雫を描こうかともぼんやり考えていますが、模写すら途中で止めてしまう事だらけの管理人なので、実行するかは不明です。





ただ、やる気と機会に恵まれれば、茜雫について詳しく語る記事は書こうかなとも企んでいます。










やる気と機会に恵まれればね










それでは、また。
posted by 暇人 at 15:50| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ

2020年11月24日

『ドラゴンボール』を語る・ウーロンに手厳しかった初期悟空編

たまには昼間に、今日は。
ネタが思い付かないからと趣味ブログを放置していながら、久し振りに記事を書いてみると何だか安心した、『暇人の独り言』管理人です。





収入にも何にもならない記事を書いていて安堵するというのも、おかしな話ではありますが…
何事も『縁』である人生、こういう趣味で心が安らぐ性分になったのもまた、巡り合わせなのでしょう。










さて、今回の記事では、漫画『ドラゴンボール』についての語りをしてみます。
内容は、主人公の孫悟空について。




大らかな性分が印象的な悟空ですが、原作初期を見ると、変身能力を持つ子ブタのウーロンに対しては案外手厳しい物言いをしています。





最初は敵であったゆえかもしれませんが、それを言えば後に登場するヤムチャ天津飯ピッコロベジータといったライバル達も、条件は同じ。
そうした面々への態度にはない辛辣さが、ウーロンに対する初期の悟空には幾度か見られました。


拳を交えたか、そうでないかが大きかったのだろうか。










ともあれ、度々「甘い」と言われる悟空にしては、容赦が無い。
そんな台詞の数々を、下記にて語ってみましょう。















「アリとかに化けて にげようとしたら ふみつぶすからな!」


変身能力で人々を脅していたウーロンを、縄で縛り上げている中での一言。
ウーロンはやる気満々だったらしく、胸中で「くそ〜 みぬかれたか…」と悔しそうにしていました。





後々、異星人戦士ラディッツの「オレは心をいれかえた」という、見え見えの嘘に騙される人物だとは思えない用心深さです。















「いばっていうな!」


ウーロンが贅沢な自宅について、「そこらじゅうからカネをまきあげてつくった家なのだ」と発言したところに、悟空はこのような突っ込みをかまします。



劇中最も非常識だった時代の悟空から、至極常識的な説教を喰らうというのも、なかなかである。















「おまえ なにかんがえとるんだ…」



魚に化けて水中へと逃げ出したものの、仲間であるブルマ脱ぎたての下着をエサとした釣りで、見事に引っ掛かったウーロンへの一言。



呆れているようにも見えますが、それよりもウーロンの胸中に本気で理解が及ばず困惑している感じでした。





まあ、下着に喰いつく魚なんか見たら、こんなリアクションにもなるだろう。















「こんど にげたら カツにして くっちゃうからな!」


ブルマの下着で物理的に釣られて戻って来たウーロンへ向けて。
何処に持っていたのかはともかく、ナイフとフォークを構えながらのこの発言には、悟空の本気ぶりを感じます。





ただしウーロンは、炎の燃え盛るフライパン山へ向かう道中や、不良グループのウサギ団に遭遇した際に計2回逃げ出しているものの、結局カツにされるのは免れました。





本当にカツにされてたら、それはそれで面白そうだったのになあ。
最終盤でチョコにはされたけれど















「おまえ 人のこと いえんだろ」


砂漠を行く最中、騒々しく不平不満をまき散らすブルマを「あいつ性格よくないな〜 わがままだぞ」と評したウーロンへ、悟空はこの一言。


短くバッサリ切り捨てる様は、快刀乱麻と称えるに相応しいです。










ちなみにブルマは、お腹空いただのお風呂入りたいだのベッドじゃなきゃ眠れないだのとわめいていたかと思えば、その次のコマで早くも熟睡していました。





単なるわがまま放題の女かと思えば、地味に適応力が高いのが、何だかんだで長生きできていた秘訣なのかもしれません。
魔人ブウ(悪)には殺されるけどな















「ブタ肉 すきか?」



「腹が減った」というウーロンに、「なんか食うものみつけてきてやるよ」と応じた悟空の問いかけです。





ウーロン「スキなわけないだろっ!!!










予想の域を出ない返答でしたが、悟空は真顔なのでおそらく本気で訊いているものと想像されます。





ともかく、平然と共食いをさせようとするのが非道。















「おまえ むかしも いまもかわっとらんじゃないか…」


幼稚園時代のウーロンが、女性教師の下着を盗んで追い出されたというエピソードを耳にした、悟空の一言。
三つ子の魂百までとは、よく言ったものです。





ちなみにそういう来歴ゆえと思われますが、ウーロンの変身能力は中途半端であり、5分間しか変身していられず、それが解けると1分の休憩をおかなければならない(5分の間は何度でも変身できる)という制約があります。



幼稚園時代の同級生にして、ウーロンにいじめられていたプーアルには特段そうした制限は語られておらず、プーアルの方が変身の腕は上の模様。



しょうもないことやってないで真面目に通っていれば、ウーロンもマシな変身ができたであろうに…















「おまえ 性格くらいぞ! ちょっと あぶないと すぐ にげちゃうんだもんな!」



不良グループのウサギ団を撃退した後、逃走したウーロンを糾弾する悟空の一言。



ウーロンからは「くどいな〜… おまえは 性格が ねちこいんだよ!」と反論されているものの、大体の事にあっけらかんとしている悟空を見ると、この台詞は苦しい言い草だったと感じます。















「おまえ 足みじけえんだなー」


ウーロンのズボンを借りた悟空の、ナチュラルに失礼な台詞。
この頃の両者の身長は大差ないため、ウーロンからも「うるせえっ にたようなもんじゃねえかっ!!」と返されました。





あんなにチビだった悟空が、7年もしたら思い切り身長が高くなるなんて、誰も思わなかったよな…












終わり



こんな悟空とウーロンではありますが、ドラゴンボール探しの旅が終わる頃には大分仲良しになっており、ボール探しに励んだチームが解散する際には「悟空 元気でなーっ」「ウーロンもなーっ!!」と挨拶を交わしていたり、格闘技大会の天下一武道会で再会した時にはお互いにはしゃいだり、ふとした経緯から死人になった悟空が特別に1日だけ現世に戻って来た際にはウーロンが涙ながらに喜んだりと、文句の付け所がない仲間となっていました。





物語が進むと本編中での絡みは減って行ってしまうものの、単行本11巻では2人だけで表紙を飾っているのも、悟空&ウーロンコンビ好きには、地味に嬉しいところです。















それでは、今回はこれにて。
また次の更新で、お目にかかります。
posted by 暇人 at 15:32| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ

2020年05月16日

【ネタバレあり】『DEATH NOTE』を語る・夜神月の台詞編2

夜分遅くに今晩は。
最近、本ブログへのアクセスが少々増えて地味に喜んでおります、「暇人の独り言」管理人です。





趣味ブロガーを始めたばかりの頃は、3桁のアクセスが来るなどとは思いもよりませんでしたが、ここのところはそれが連続していて、何とも言えない嬉しさがあります。





更新するのは大変だけど、折角だからもう少し、ぼちぼち続けていこうかな。















さて、今回の記事では、『DEATH NOTE』の主人公夜神月(やがみ ライト)の台詞語りを完結させることとします。





以前の記事にて、ライトが宿敵の名探偵L(エル)を葬った第1部までは語り終えたので、こちらでは第2部開始から最終盤までの台詞を挙げました。





当然ネタバレありなので、閲覧には御注意を。















「もっと徹底的にやっておくべきだったか?… いや それでは父も含め日本警察を壊滅させることに……………… キラは警察にも認められ助け合い 悪に立ち向かう立場にならなくてはならない…



警察庁長官が誘拐され、その解放の条件としてデスノートを渡すよう犯人に要求されたことから、「キラ捜査本部の中にノートの存在を外へ漏らした者がいる」との話題が出た際の胸中。
真っ先に疑われたのは口の軽い松田だった





法律によらず手前勝手に犯罪者を処刑すること程、警察の存在意義を否定する行いもそうはないはずですが…
こんな思考を真顔で働かせられる点からも、正気というものを持ち合わせていないことが読み取れます。













なお、ライトは人質にされた警察庁長官をキラとして始末したものの、今度は妹の粧裕とデスノートの交換を迫られました。
そんな粧裕を救うため、誘拐犯にしてLの後継者候補メロとの駆け引きに臨むこととなります。





さらに誘拐事件に対応する中で、メロと同じくLの後継者候補にして、キラ対策機関(略称SPK)のリーダーであるニアとも接触。
L亡き世界で、Lを継ぐ者達とキラとの戦いが幕を開けました。















「キラは殺人犯だが 正義を気取っている…」



キラについて、捜査本部内で他人行儀に語ってみせた台詞。
リュークが「きどって…」と小さくこぼしているのがツボにはまります。










これより少し前には自宅において、「確かに悪い事さえしなければ… いや 善人にとっては いい世界に変わってきた そう安易に考えてしまう人もいるだろうな…」とも発言していました。



こちらでも、リュークの「ククク よく言うよ」との胸中が面白いです。















「…………………………レムの方が生きてれば良かったのにな…」



複雑に所有者が変わり続けたデスノートについて、所有権は誰にあるかとリュークに質問したところ、碌に説明できなかった彼に対しての一言。



自分が狙ってレムを死なせておいて、この言い草。
身勝手もいいところですが、独善的な大量殺人犯に似合いと言えば、似合いと言えましょうか。















「馬鹿な事を言うな 父さんは それで満足かもしれないが 残された者は どれだけ辛い思いをするのかわかってるのか!!」



「私の命と引き替えでもいいから粧裕だけは」と口にした総一郎への返答です。
さらに「粧裕の目の前で父さんが死ぬ様な事だけは絶対に駄目だ」として、必ず父娘両方が生き残る選択をするよう説いています。



また、粧裕が誘拐されたと分かった時には、彼女がメロに殺されないよう捜査本部だけでの行動を呼びかけた上、リュークから「さすがに おまえも 妹は かわいいんだ?」と言われても全否定することはありませんでした。









さらに、取引の後に総一郎と粧裕の無事を確認したコマでは「粧裕… 父さん…」と僅かに安堵したような気配があったり、メロから「娘の命が惜しかったら お前らがLとして仕立て上げたのが誰なのか言え」との要求をされると、自分の名を知られる危険ゆえ回答に詰まりながらも「答えなければ粧裕と父が…」と焦りを持つなど、一応は家族への愛情を失っていない節も見て取れます。





…と言いつつ、粧裕とデスノートの交換が近付いた場面では「いざとなれば粧裕を… それで取引は…」との想いも一瞬頭をかすめていたり、未遂になったとはいえ「ここで粧裕が死んだらキラは数人に絞られる」が主な理由であったりと、危なっかしい部分もありましたが。










余談ながら、解説本の記事『夜神月の脳内新世界』では、ライトが考える人類のヒエラルキーが掲載されていました。
同記事では、ライトは階層の上位に位置する「善良な人々」のために新世界を創ろうとしたとされ、その具体例として総一郎や、母親の幸子が挙げられています。



さらにその1つ上に「愛すべき者」があり、これには粧裕が該当しているようです。
ちなみにヒエラルキーの頂点は「神!」こと自分










…しかし本編中、その家族達は誰一人、キラを肯定することはありませんでした。
性分が生真面目な上に職業が刑事である総一郎は言わずもがな、そんな彼を大切に思っている粧裕や幸子とて、総一郎を振り回す犯罪者を認めるはずがないので、分かり切った話ではありますが。





「世界の影のトップ」である名探偵Lに、知恵比べで喧嘩を売れる程の超天才が、かように単純な話を見誤ったとは、何度思い返しても皮肉なものだと感じます…















「…悔しいが 熱くなっては駄目だ Lの時は 少し感情的に なりすぎた その結果 かなりの所まで 追い詰められたのも確かだ…」



メロによる誘拐事件に限って捜査協力したニアから、「あなたには何も期待できないとはっきりした」と言われて殺意を覚えるも、Lとの戦いの経験から自制した一言です。





この後ライトは、誘拐犯の手がかりをニアから聞く代わりとして、デスノートのルールを一部教えます。
その際、癪だと思いつつも無能を装い、「どうすれば顔を見るだけでデスノートに人間の名前を書き込めるのか」を解き明かせていないかのように振舞ったのです。



死神との接触がなかったゆえに「死神の目」のことを知らなかったニアやメロには単純ながら効果抜群の演技であり、死神シドウがメロの元を訪れるまでは、「二人とも どうやって顔だけで殺せるのか ここで行き詰まる…」という目論見がしっかり奏功していました。










敵の挑発にすぐ乗せられ、自分が上だと相手に誇示したがる印象の強いライトですが、かつてLから仕掛けられた「キラしか知りえない事を言わないかテスト」でもボロを出さないために馬鹿の振りをした一幕はあり、取捨選択が巧みだと感じます。
最初にLの身代わり殺したのは選択ミスだったけども















「しかし いくら手段を選ばないにしても SPKを殺すというのが分からない… それではキラを追う犯罪者(キラ)でしかなくなる…」



ニアに対し「メロは あなたとLの座を争い キラを捕まえる為に 手段を選ばず ノートを奪ったという 考え方も できる」と語ってからの一言。



そう言うライト(キラ)は、犯罪者を殺す犯罪者でしかないわけですが…










この台詞と言い、後述する最終盤の演説と言い、ライトには自分の事を棚に上げる傾向も散見されます。















「キラの策に乗るのは癪だが 良い策だ…」



キラから『自分が素性を暴けたマフィアを葬るから 警察の手でメロ達からデスノートを奪い返せ 正義の為に力を合わせたい』と言われた」という状況のキラ捜査本部にて呟いた一言。





…こまごまと感想を述べようと思えばできますが、管理人の感想は要約するとリュークの台詞そのものなので、そちらを拝借してさっさと終わりにします。















リューク(って おまえがキラなんだし………… よく まあ 悪知恵が働くよ…)

















「やはり 松田さんはこういう性格 これで…」



メロからデスノートを取り返すため、「死神の目」を持つ役に捜査員の松田が名乗り出たのを見ての胸中。
周囲の者の人柄を把握し、当人達にそれと気付かせないまま自分の思い通りに行動させるのが得意なものだと感じさせる1コマです。





しかし直後、メロから利用されるため生かされているに等しかった総一郎が、目の取引を買って出ました。
これは流石のライトも想定外であったらしく、驚いた顔をしています。





松田を利用する気満々で、彼の名乗りに「計画通り」と言わんばかりの表情や台詞を見せた点と併せて考えると、ライトも実父を駒にすることには積極的ではなかったのかもしれません。










もっとも、「こうなると止めても… それに誰かが目を持たなければ…………… 次の策は進まない…」として、結局は総一郎に目の取引をさせるのですが。










父の意向を汲んだと言うべきか、これ幸いと利用したと言うべきか…
















「………… 父さんがノートに名前を書く様な展開になったら… ………… その時は… …………」



犯罪者であろうと ノートで人を殺さなければならない局面になった時… 父さんには できないだろう?」と総一郎に問いかけたところ、「殺す… そして その13日後に 私も死ぬ…」と彼が答えたことを受けて、脳内で巡らせた思考です。










結局、総一郎がデスノートでメロを葬ることはありませんでしたが…





もしも総一郎がデスノートでメロを殺し、なおかつ攻防から生きて帰って来れば、ライトが自分を潔白だと周囲に思わせるために捏造したルール「デスノートに名前を書き込んだ人間は13日以内に次の名前を書き込み 人を殺し続けなければ 自分が死ぬ」の嘘が暴かれていました。





言わずもがな、それはライトにとって、許してはならない展開です。





ならばここでライトが考えていたのは、総一郎がデスノートを使った場合、その13日後に…










…そんな憶測は、言わぬが花か。















「わかったよ 父さん 目の取引をするなら 父さんだ」


総一郎の名乗りを受け入れ、「死神の目」を持つ役を父に託した一言。
刑事局長の息子であることを活かしたという点では、序盤から十分に父親を利用していましたが、策の為の駒として総一郎を利用したのは、これが初めてでした。





ここでリュークから「ククッ ついに父親まで利用かよ?」との感想を抱かれているのが、なかなか重く響きます。















「父さん!父さん! 死ぬな バカヤローッ」


メロとのデスノートをめぐる攻防の中で、彼の仲間に銃撃されて亡くなった総一郎へ向けて。
涙ながらの絶叫は、メロを始末せずに散った事への憤りだったのか、それとも家族を失った事への本気の悲嘆だったのか…?





…などと判断に迷いたいところですが、ニアとの最終決戦の際には総一郎を利用した挙句死なせた件もさして意に介していなかったので、後者の可能性は薄いかもしれません。












ちなみにこの回のサブタイトルは『熱演』でした。
解説本でも、メロの仲間がキラの手によって殺されたフリをしていたことから取ったのか、総一郎の死にライトが涙したことから取ったのかは、定かにされませんでしたが…





ただ、原作者によると、「もし月の涙に演技が入っていたとしても、100%演技の涙では到底ないと思います」とのことでした。
演技が混ざってる可能性は否定されないのね















「キラを捕まえればキラは悪 キラが世界を支配すればキラは正義」


捜査本部にて「キラは完全に悪なのか」と議論になった際、「結果が全てになるくらいに考えるべきだ」と述べ、結びに口にした一言です。



この場面でライトは、「きっとキラも自分がやっていることが悪だと分かっている しかし自分が犠牲になってでも世の中を変えるのが真の正義と考えているんだろう」との本心見立てを語ったほか、内心にて「必ずキラが正義になる」との思いも巡らせています。





自らを「正義の裁きを下す者」と語って憚らなかった序盤に比較すると、少しばかり確信犯(悪いことではないと確信して行われる犯罪)から遠ざかった感もあります。





…が、それでもなお、そんな自分が「必ず正義になる」と確信して疑っていないので、狂いようは健在です。















「ふっ 女なんて簡単なもんだ」


犯罪者殺しの代理人に選んだキラ信者魅上照(みかみ てる)とコンタクトを取るため、彼からキラの代弁者として指名された女性アナウンサーにして大学時代の交際相手でもあった高田清美(たかだ きよみ)に電話をかけた際の内心です。



「僕は結構モテるんだよ」に続き、とりあえず腹立つ







ちなみに高田からは、第二のキラでもあった弥海砂(あまね ミサ)と今も仲良くしているのだろうと言われますが、これに対しては「彼女は僕のパートナーとしては 知性が足りなくて…………」と返答しました。





口元に手を添えているので小声で話したと思われますが、背後にいたリュークやキラ捜査本部の相沢がライトに視線をやったまま黙り込んでいる点を見ると、彼らも聴き取っていた可能性大です。



その2名が「知性が足りなくて」発言をどう思ったことやら、地味に気になります。










死神はともかく、人間は良い感情を持たないでしょうが。















「おまえは甘い… Lに はるかに劣る」


ニア達SPKと直接対面した最終決戦にて、自分の策が成功していると信じていた段階で、ニアについて抱いた感想。
Lなら必ず ノートが偽の可能性に気付き 試していただろう」と続き、かつて葬った宿敵を高く評価している胸中が、久しぶりに描かれた形となりました。





なお、同時に「人の命…悪人でいいじゃないか 一人や二人犠牲にして確かめるべきなんだ」とも考えています。


最早、デスノートの実験のために人を死なせて震えていた頃があったなどとは、信じられない位の変貌ぶりです。










ライトはニアの策について、「キラ捜査本部とSPKで集まったところに キラから場所を教えられた代理人の魅上が 現場にいる者達の名前をデスノートに書く そこを取り押さえ ノートに名前を書かれていない者が本家キラだと証明する」と見越していました。



さらにその策の実行にあたって、ニアがデスノートをただのノートとすり替えて来ることも予見。
そのためライトは本物のデスノートを奪われないよう、魅上にはただのノートを持ち歩かせ、最終決戦の日にだけデスノートを使うことを指示していました。










しかし、独自にキラを追おうとしたメロが高田を誘拐すると、魅上は高田を始末するために独断で動き、デスノートを使用してしまいます。





この一件でデスノートの在処を掴んだニア達によって、デスノートをただのノートにすり替えられたために、ライトの策が失敗に終わったのでした。










…Lに比べればニアが遥かに甘いのは確かですが、この場面に関しては、自分の策が失敗している可能性を毛程も考えず、挙句ニア達の死を確認せずに「ニア 僕の勝ちだ」と勝利宣言(=自白)までしたライトも、相当に甘かった気がします。















「そうだ 僕がキラだ」


魅上の失敗と自分の迂闊な勝利宣言により、自らがキラだと暴かれた際の一言。
ライトが自身を追う者…それもデスノートで死を定められた相手に対してではなく、健在している相手に向けてキラであることを明言したのは、この場面が最初で最後となりました。





ここに至ってもなお、ライトは自らを「新世界の神」と称し、キラについての演説を開始するのですが…















「人間は 幸せになる事を追求し 幸せになる権利がある しかし 一部の腐った者の為に 不意に いとも簡単に それが途絶える …事故じゃない 腐った人間が生きている事による必然」



「悪は悪しか生まない 意地の悪い人間が悪事を行い 世に はびこるならば 弱い人間は それを習い 自分も腐っていき いつかは それが正しいと 自分を正当化する 悪は… 腐った者は… なくすしかない」



「幸せになる権利 それは皆に平等にある いや なくてはならない それは 他の人間を攻撃したり 陥れたり ましてや殺す事で得るものではない 互いの幸せの邪魔をする事なく 互いの権利を尊重し 個々の幸せを求めていくのが 人間同士のあるべき姿」





キラが正義だと訴えた演説の中から、一気に3つを抜粋してみました。
各々が長台詞だけれども










…一言でまとめると、「美しい理想を語ってはいるがキラの言えた台詞ではない」に尽きます。





理由を列挙すると、下記の通り。






FBI捜査官のレイ=ペンバーや、その婚約者である南空ナオミ等の無辜の者達を殺して、彼らとその周囲の人々が幸せになる権利をいとも簡単に断ち切っている





「犯罪をなくす」と言いながら犯罪者を殺す犯罪者として世界に蔓延ったせいで、「それが正しい」と感化されて腐る賛同者を生み出している





「他人を殺して幸せになるものではない」と言っていながら、過去にはデスノートを手に入れて他人を殺せるようになったことを「最高に幸せ」と言い放っている










…こうして見てみると、自画自賛をしているようでいて、実は自己否定しているような。















「ノートを手にした時 思った 僕が やるしかない いや… 僕にしか できない 人を殺すのが犯罪なんて事は分かっている しかし もう それでしか正せない いつか それは認められ 正義の行いとなる」



・「僕が キラとして やるしかない これは僕に与えられた使命 自分は この腐った世の中を革め 真の平和・理想の世界を 創生する為 選ばれた人間」



・「このノートで… 他の者にできたか? ここまでやれたか? この先 できるか? ノートひとつで世界を…人間を 正しい方向へ導けるか? 私利私欲の為にしか使えない 自分の為にしか使えない 馬鹿な器の小さな人間しか いないじゃないか 僕は 自分の利益など 一度も考えた事はない 弱者に自分の思想を植えつけ 金儲けをしている悪党とは 全く違う そういう悪党こそ 世の中の敵なんだ」






キラについての演説が熱を帯び出した部分の台詞を3連発。
独り善がりな発想と、「自分よりも悪い奴はいるだろう」と騒いで周囲の矛先を変えさせようとする口ぶりは、とても正義の味方を名乗って良い人間のものではありませんでした。



如何に崇高な志を語ったところで、犯罪者の辿り着く境地はやはりこういうものか…










余談ですが、自分が突かれている時に直接関係のない他者をこき下ろしてやり過ごそうと姑息な言い訳をするちゃちな輩は、2020年5月現在、現実の世界で掃いて捨てる程目にします。



それらもキラと同じ…










…と、言いたいところですが、キラは犯罪者とはいえ、戦争をなくして世界の犯罪を7割減らした面がありました。



本編では徹頭徹尾敵対していたニアでさえ、連載終了後に発表された特別読切においては、「キラを認めるわけではない」と前置きしながらも同じ事実に言及しているくらいなので、この部分だけは確かな美点と言って差し支えないでしょう。










それと比べると現実世界のちゃちな輩は、まさに私利私欲の為、自分の為にしか動かない、馬鹿で器の小さい人種が目に付きます。
キラのような僅かな美点さえない、百害あって一利なしの連中が大手を振って歩いていると、ライトでなくとも「世の中 腐ってる」と感じるし、何とかメスを入れてやりたいとも思います。















…だからと言って、キラが正義だとは、言えたものではありませんが。















「人間には明らかに死んだ方がいい人間がいる 害虫は殺せるのに 何故 害のある人間を殺すのを悪とする」



演説の台詞の一部分。
手前勝手な殺人は論外ですが、犯罪者への刑罰として止むを得ない場合にと用意された死刑制度だけは廃止したりせず、これから先も残し続けてもらいたいものです。





その意味で、この言葉の字面にだけは同意できます。










キラにこの台詞を言わせると、『害のある人間』には『キラを捕まえようとする人間』も含まれること確実なので、頷く訳にはいきませんが。















「言ってもわからぬ馬鹿ばかり…」



キラはただの人殺し」として、自身の主張に同意しなかったニア達に対しての所感。
解説本でもライト語録として挙げられ、「キラの力による増長で当初の理念は完全に見失ってしまっている」と評されました。





リュークも最初に「性格悪いのお前だけになるぞ」と予言していましたが、それが見事に的中した形となっています。





もっとも、直接手を下さず人を殺せるなどという力を手にして驕りを抱いてしまうのは、非常に悪い意味で実に人間らしいですが…















「馬鹿野郎ーっ!! 松田 誰を撃ってる!? ふざけるなーっ!!」


不意を突いてニアを殺そうとしたところ、キラを否定し切れていなかったはずの松田から銃撃されての叫び。
人前で冷静さを保ってきたライトが怒りを露わに取り乱す様には、かなりの迫力がありました。





ライトは松田に「撃つなら 僕以外の人間を撃て!!」と怒鳴ったものの、彼が一心に敬っていた総一郎の死すら歯牙にもかけない態度を取ったために、さらに銃弾を浴びせられ、重傷を負わされます。





助けを求めようにも、魅上はニア達に捕縛されている上にデスノートも偽物とすり替えられており無力、ミサはその場にいないのに加えてデスノートを放棄させておりこれまた戦力外、高田は用が無くなったとして自分が始末済みと、協力者も尽きた状態。





忠実な手下であった魅上から「あんたは神なんかじゃない クズだ」と罵られ、長らく容易に欺き振り回して来た捜査本部の面々から「大量殺人犯 夜神月」と呼ばれつつ、銃撃された身体で這って逃げようとするライトの姿に、神算鬼謀を以って暗躍した「新世界の神」の面影はまるでありませんでした。















「ざぁまぁーみろ ニア おまえは僕を とっとと殺すしかなかったって事さ しかし リュークが 名前を書くと言った以上 もう誰にも止められない 手遅れだ おまえらは必ず死ぬ!!」



キラ捜査本部の面々やニア達SPKの名前をデスノートに書くようリュークに頼んだ後、「ああ… 書こう」という応答を得ての言葉。





物言いが明確に100%邪な悪党のそれであり、浮かべている笑顔も実に汚いものでした。
これじゃネットで顔芸とか何とか言われるはずだ















しかし、リュークがデスノートに書いていた名前は…















「し… 死ぬのか!? 僕は死ぬのか!!」


リュークのデスノートに、自分の名前が書き込まれた事を視認しての一言。
これまで幾人もの人間を殺めて来たライトも、ついにやって来た自分の最期には「死にたくない」と連呼します。










しかし、一度デスノートに名前を書き込まれた人間の死は、どんなことをしても取り消せない運命。
それを最もよく知っている人間もライトであるだけに、恐怖感や絶望感はひとしおであることでしょう。















「うわーっ 死にたくない!! 逝きたくないー」


最期の瞬間が目と鼻の先に迫っての、涙ながらの台詞。
大量殺人犯の口から出たと思うと虫がいいことこの上ないものの、命ある者なら誰しも持っていておかしくない想いであり、叫びたくなって当たり前の内容です。





この言葉が出たことからは、数え切れない命を奪ったライトにとってさえ、『死』とは忌避したいものであり、それと同時に『生』とは良いものだったのだと見受けられます。















もっとも、かつて自らが述べた「デスノートに狂いなし」は相変わらず。










この直後、とうとうその心臓は止まりました。















「ち ちくしょう…………」


心臓麻痺を起こし、地に沈みながら呟いた、生涯最後の言葉。
後に残された亡骸は盛大に痛み切ったもので、生前の美形が見る影もない有様でした。










その死から1年後、まるでキラなど最初から存在しなかったかのように、世界は元通りになります。
なおもキラを崇めてやまない信者達の存在も描かれていますが、解説本では「空虚な祈り」と評されるのみでした。










…もしもキラ信者達が、「腐った者」によって不当に傷付けられ、救いを求める罪無き人々であるのなら、どうかその祈りは報われてほしいものだと思います。










もちろん、犯罪者を殺す犯罪者のような存在によってではなく、法律のような真っ当な手段によって。















…それが一番、難しいことかもしれませんが。















番外・デスノートの記憶を飛ばした夜神月の台詞を語る






ここからは番外編として、デスノートを放棄することでそれにまつわる記憶を飛ばした時期における夜神月の台詞を語ってみます。



もちろんライトがそうして記憶を失ったのも、キラとしての作戦の内。
『第三のキラ』を捏造して、Lから逃れるための手段に過ぎませんでしたが…





それでも、デスノートを手放してから『第三のキラ』を捕らえるまでの僅かな間は、裏表もなければ歪みもない、父親そっくりの真っ当な正義感に満ちた言動を見られるので、興味深いものがあります。
L「やはり 何かが おかしい 性格が変わったとしか…」










選んだ数はさして多くないかと思いますが、綺麗になったL側に付いたライトの台詞を見ていきましょう。















「ズームにでも なんでもして 僕の目を見てくれ! これが嘘をついている人間の目か? 竜崎 早く出してくれ!」



デスノートの記憶を失ったライトが、自分は無実だと牢の中からLへ訴えた一言。
刑事局長を父に持つ大学生たる者、犯罪者であろうと潔白であろうと、目では証明にならないことを知らないはずもないのですが…





とは言え、まるで小学生のようなこの物言いには、純真さが強く感じられます。










解説本では「ライトの常套手段」と評されると共に、「ライトがデスノートを手にしていなかったらこうなっていたという表現でもある」と説明されました。















「父さん ミサの言う通りだ ここで死んでも 真相は何もわからないままだ だったら まだ 逃げた方がいい その間に真相がわかる事もある いや 逃げながらでも 真相をつかんでやる」



Lの命令に従い、キラとされたライトを殺して自分も死ぬと言い放った総一郎への言葉。
デスノートを拾う前の姿からも結び付かない位の熱血漢全開な台詞は、キラとしてのライトの言葉よりも清々しいです。










ちなみに総一郎はライトを殺す気満々の発言をしていましたが、実際はLの命令で、ライトを殺す振りをしただけでした。
数多の人間を欺く程に演技上手なライトでさえ、突き付けられた拳銃が空砲だったと見せられるまでは真に受けていた上、Lからも「迫真の演技でした」と評されています。





ライトの演技力の高さは、父親譲りだったのかもしれない。















「悪いが 分かってくれ 人の好意を踏みにじる様な事は 僕の中で一番許せない 憎むべき行為なんだ」




「ミサに本気であるように振舞って解明の糸口を」と持ち掛けて来たLを、「いくら キラ事件解決の為とはいえ 女性のそういう気持ちを利用するなんて 僕には できない」と一蹴しながら。



キラとしてのライトはその憎むべき行為を平然とやってのけていますが、この時のライトはデスノートと全く関わりのない状態で話しているため、完全に本気でこの言葉を口にしていると見て良さそうです。





この後も、Lは捜査上で必要に迫られてミサを動かしにかかりますが、ライトはその度「ミサが危険」として、異を唱えていました。





こんな綺麗なライトが、キラとしての自分の所業を見せつけられたら、どう思ったことだろうか…















「必ず死刑台に送ると TVで キラに言い放ったのは誰だ!? 警察官 FBI捜査官 アナウンサー 罪のない人間を何人巻き込んだと思ってる!?」



ライトがキラでないかのような展開を辿ったことで、キラ捜査への意欲を失い始めたLの顔面をぶん殴っての一言。



キラ側としてもL側としても知恵に任せて活躍するライトが実力行使に及んだのは、この時と後述のシーン位のもので、大変に貴重です。
ライトを慕うミサが愕然としているのも、よく分かります。










なおLは、この叱責には理解を示しつつも「どんな理由があろうとも 一回は一回です」と言いながら、ライトに足蹴りを返しました。



自らを幼稚で負けず嫌いと認めるLには、相応しい反応だと感じます。















「ミサのかわいさがあれば きっと うまくいく」


ドジを踏んだ松田を救うためにミサの手が必要となった状況で、彼女本人にさらりと言った台詞。





ブタ…















…もとい、人を煽てるのが病的に上手いのは、デスノートに関わらなかったとしても同じだったようです。















「この僕が 今 存在するキラを捕まえた その後で…キラに… 殺人犯になると思うか? そんな人間に見えるのか?」



Lの推理を見破り、父をはじめとするキラ捜査本部の前で堂々とそれを解説しての問いかけ。





Lから抱かれていた疑いは「今の夜神月は キラであることをしらばっくれているか 他人にキラの能力を渡して 自分がキラだった自覚を失っているが 後者だとしてもキラの能力を取り戻し Lの座を奪った上でのキラになる」といった内容です。





キラとしてのライトが練った計画を一切の見誤りなく言い当てているわけですが、キラではなくなっているこの時点のライトにとっては不快な疑念だったと見え、Lの両肩を掴みながら、こう問い詰めました。















ちなみにLからの答えは、「思います 見えます」の一言。















もちろん両者共に手と足が出ました。
まあ実際Lが正しかったししょうがない










ところでネット上では、「キラとしてのライトが記憶を失った自分すら駒としたのが凄い」といった意見を見たことがありますが、言われてみるとまさにその通りだと感じさせられます。





もしもノートの記憶を飛ばしたライトが、キラであった自分の計画から外れた行動をしていたなら、また違った展開もあったはず。





そんな『もしも』も起こり得ないと読み切っていたとは、キラとしての夜神月はどこまでも狡猾な策謀家だったのだと思い知らされるばかりです…




















次があればLの台詞語りも




ライトの台詞を語るのは、こんなところにしておきます。
予想しなかった長丁場になりましたが、ここまで御覧下さった訪問者様、ありがとうございました。










気が向けば、次はLの台詞語りもやるかもしれませんが、予定は未定です。










ともあれ、また次の更新にて。
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2020年05月02日

【ネタバレあり】『DEATH NOTE』を語る・夜神月の台詞編1

夜分遅くに今晩は。
コロナウイルス騒ぎの終息を日々願ってやまない、「暇人の独り言」管理人です。





管理人は昔から、「自分が当たり前だと思っているものも本当は全て奇跡」と考えていたつもりでした。
しかし、コロナウイルスのせいで軽々しく外出できなくなると予想できなかったことから、やはり自分も毎日を当たり前だと思っていたのだと突き付けられております。


人間の認識なんぞ、甘いものだ。















ところで、そんなコロナウイルス騒ぎで迂闊に外出できないせいなのか、最近は本ブログへのアクセスが少し増えたようです。
少しは退屈しのぎになれていると嬉しいことこの上ないですが、果たしてどうなのやら?











…ともあれ、重い話はここまでとして、今回の記事では『DEATH NOTE』の主人公である夜神月(やがみ ライト)の台詞について、勝手気ままに喋ってみることにします。





もちろん本編のネタバレを含んでいるので、閲覧の際は御注意を。















「ったく病んでるな 何で皆 こういうくだらないのが好きかな 不幸の手紙から全然進歩しちゃいない…」



このノートに名前を書かれた人間は死ぬ」とある、デスノートを拾った際の台詞。
こんな感想を抱いていながら、その「くだらないの」を放置せず、あまつさえ効力の確認までしたせいで、彼の人生は大きく変わることになりました。















「こうなるとどいつもこいつも 殺した方が世の中のためになる奴ばかりに見えてくる」


デスノートの効力を確かめるため、実験台となる人間を求めていた際の台詞。
確かに人生というものをやっていると、「こんな奴は死んだ方が…」と思う人間も掃いて捨てる程見えてくるものですが、その犯罪行為を実行してしまうか否かは人それぞれであることは、言うまでもありません。



デスノートを試してみたい好奇心や興味本位のためにこんな考えを真顔で抱いている時点で、既にイカれぶりが見て取れます。















「デスノートで 世の中を変えてやる」


デスノートを武器として世の中の悪を一掃すると決めた際の言葉。
人間を2人殺めただけでその重さに震えていたものの、「世の中腐ってる 腐ってる奴は死んだ方がいい」「精神や命を犠牲にしてでも誰かがやらなくてはいけない」「僕にしかできない」との衝動に突き動かされてこのような結論を弾き出し、やがて犯罪者を裁く神「キラ」の名を得るに至りました。





「世を正す」という考えは何時の時代にも重要であり、我々が生きる現実の世界においても、2020年4月の今なお必要なものだと思います(もっと言えば最近こそ『DEATH NOTE』連載当時よりずっと強く深刻に「世の中腐ってる」と憂うべきだと心底から感じる)。



しかし、どんな崇高な目的を成す為であろうと、道を踏み外した手段が正当化されるはずはありません。
目を瞠るまでに頭脳明晰なライトがかくも単純な話を見落とした(または度外視した)とは、何とも皮肉なものでした…















「新世界の神となる」


ライトの口癖と言っても良い一言で、解説本にも彼の語録として収録された台詞です。
同書では「倫理観が欠如した思い上がり甚だしい台詞」と評されました。



なお、この台詞に至るまでには他にも、「どんな馬鹿でも 『悪人が誰かに消されている』ってことに気付く」「それすらもいつか愚民は気づくだろう」「僕が認めた 真面目で心の優しい人間だけの世界を作る」といった、傲慢な物言いがありました。



これについて、デスノートの提供者である死神のリュークからは、「そんなことしたら性格悪いのお前だけになるぞ」と後の展開を完璧に予言されますが、ライトはそれをも「僕は日本一と言っても良いくらいの真面目な優等生だよ」と笑顔で一蹴。








…解説本でも「弱点を挙げるなら自分の能力を過信して疑わない点だろう」と評されていますが、こうした自己陶酔の強さが最後はその身を滅ぼしたことを思うと、文句なく頷ける見解です。















「僕が悪だと… 僕は正義だ! 悪に怯える弱い者を救い 誰もが理想とする新世界の神となる男だ そして その神に逆らう者! それこそが悪だ!!」



テレビ番組にて自身を逮捕すると宣言した名探偵のL(エル)から、「お前のしている事は悪だ」と断じられての反応。



この独裁者丸出しの台詞と共に、テレビに映っていたL…










…ではなく、身代わりの死刑囚をデスノートで葬ったせいで、自分を追うヒントをLに数々与えてしまいました。




基本的には冷静でありながら、度々単純な挑発に乗せられてしまうのも、ライトの悪癖と言えましょう。















「こんなの持って歩く方がよっぽどおっかないや…」


デスノートに触れた人間には元持ち主の死神を知覚できるようになると聞いて以来、肌身離さずノートを持ち歩いてみての感想。





最初はこんな不慣れぶりでしたが、第2部にもなると、平気で身体に密着させるようになりました。
慣れって、怖いね。















「下手を打てば… キラは… 自分の家族を殺すことになる」


冷や汗を浮かべながらこぼした一言。
この場面から遥か後、「自分の家族を殺すことになる」は実現してしまいましたが…




身内を失う可能性に恐れを抱いていたらしきこの場面でのライトにとってはともかく、実際に家族を亡くした瞬間のライトにとっては下手を打った結果であったのか、それとも…?















「それどころか 粧裕(いもうと)がリュークの顔見たら それだけで心臓麻痺で死にそうだ」



自分の姿を見られたら「『友達』じゃ通らないだろうな」と話すリュークへの補足。
管理人がリュークだったらここでライトの名前デスノートに書いてた















「二日か… そいつには僕はただの受験生にしか見えてない… しかも めちゃくちゃ優等生にだ…」


FBI捜査官のレイ=ペンバーから尾行されていることに気付いた際の一言。
世間的には殺人犯を優等生と呼ぶことはないですが、本人的には道を踏み外した今もなお、優等生のつもりのようです。




自分で自分を称賛する奴には、ろくな人間がいやしない。















「リュークの様な死神が百年…いや千年に一度でも降りてきただけで 人間界は 大きく変わるんだ 恐ろしく意味ある存在だよ…死神界は… それが何時の時代でもね」



死神界について「何の為に存在してるのかすら もう誰にも分からない たぶん存在している意味なんてないだろう…」とこぼすリュークに語った言葉です。





さらに結びには、「今の死神界がそこまで腐ってると言うのなら リュークが帰った時 人間界に来た事を生かして変えてみたらどうだ?」とも付け加えました。





この発言でリュークから「おまえって本当は ものすごくプラス思考な人間なのかもしれないな…」と評されると「前向きじゃなきゃ 自ら世界を良くしようなんて思わないよ」と返します。





ネット上では「『デスノートで世の中を変える』と言い出したのも 好奇心でノートを使って犯した殺人の罪の意識から逃れるために 開き直った結果」と言われていることもあるようですが、「世の中腐ってる」という憂いはノートを手にする前から抱いていたので、世間を良くしようとした志は案外嘘ばかりでもないかもしれません。










もっとも、これを聴いたリュークは、本編から3年後を舞台とした特別読切でも相変わらず死神界を「腐っている」と切り捨てており、人間界に来た事を活かしている様子はありませんが。





とことん娯楽を享受しただけであった。
実は腐ってるのは死神界よりリュークなのでは















「目でなく翼だったら本気で取引を考えたかもしれない… 『翼を持って空を自由に飛ぶ』なんて神らしいじゃないか… そして人類が古代からずっと抱いてきた夢でもある」



残り寿命の半分をなげうてば他人の名前を知ることができるという「死神の目」の取引を一蹴した後の台詞。





これについてリュークから「翼が生えて空を飛んだら目立つだろ… それだけで警察に捕まりそうだが…」と非の打ちどころのないツッコミを喰らうと、ライトも「今のは冗談だ」との返事をしました。
管理人がリュークだったらここでライトの名前書いてた










余談ですが、DSソフト『DEATH NOTE Lを継ぐ者』では、ヘリコプターを使って移動する際にも「フ…空を飛ぶのも悪くはない。これが神の目線なんだからな。」と、なかなか浮かれた台詞を口にしています。





何とかと煙は高い所がゲフンゴフン。















「こう見えても僕は結構モテるんだよ リューク」


朝早くから「何人かあたってみよう」と、女子に電話をかけ始めた際の余裕たっぷりな一言。
とりあえず腹立つ。















「ジャスト11時45分 デスノートに狂いなし」


デスノートで操った犯罪者の死と、それが起こった時刻を腕時計で確認しながらの台詞。
死神のノートの効力と精度には疑念を差し挟む余地などないという事を、ありありと見せつけられる1コマです。





その狂いのない力が、最後の最後に自分に向くとは、おそらく想像もしていなかったでしょうが…















「さよなら レイ=ペンバー」


FBI捜査官のレイ=ペンバーを始末したシーンで、絶命間際のレイにはっきりと顔を見せながらの一言。
黒一色で描かれた、光の入っていない瞳に、悪意の増していく様子を感じます。















「この女が僕より先に 警察にこのことを話していたら… どうやら死神じゃない方の神は僕の味方らしい」


自身が葬ったレイ=ペンバーの婚約者にして、元FBI捜査官でもある南空ナオミと出会った事についての感想。
私情混じりで裏付けがないとは言え、キラは心臓麻痺以外でも人を殺せると見破ったナオミが警察にその推理を話していれば、ライトは一巻の終わりでした。



その事態をも防げる余地ができたとは、実に幸運な話です。
「ストーリーの都合」とかそんな本当の事言うな










ちなみにこの回のサブタイトルは「神」となっています。
その由来について解説本では、「『運が良かった』なんて言い方じゃつまらない。『DEATH NOTE』なら『死神じゃない方の神は味方らしい』という言い方がふさわしいと思ったので」との原作者コメントがありました。



何度本編を見返してみても、その考え方には心底頷かせられるばかりです。















ちなみに万が一「つまらない」言い方をしていた場合、下記のような台詞になったでしょう。





この女が僕より先に 警察にこのことを話していたら… 運が良かった










…原作者が『DEATH NOTE』に相応しい台詞回しを選んだことを、「死神ではない方の神」に感謝する思いです。
とか言いつつ神様信じてませんけど















「この女が どんな死に方をするのか 観てみたいものだが この女の出現で 他にやっておくべき事ができて それどころではないな… さあ 1時15分だ 死に急げ!!」



ナオミが名乗った「間木照子(まき しょうこ)」という名前を、デスノートに書き込んだ際の胸中。
無辜の人間の殺戮を愉しむような物言いで、既にノートを拾ったばかりの頃とは別人と言える有様です。





しかし、死の設定に実現不可能な条件を含んでいないにもかかわらずノートの効力が発揮されないことと、自身にまとわりつくリュークが「間木照子」の名前に関わった時にやたらと笑っていたことから、ナオミが偽名を名乗ったのだと察知。
一度偽名を使った相手から本名を吐かせるのは至難の業であり、さしものライトも危うくされます。





それでもライトは、婚約者の仇を討ちたがるナオミの心情に付け込んだ話術で、彼女の本名を暴いてみせたのでした。





恐るべし口八丁である。
リューク「これならキャッチセールスの世界でも神になれる」















「キラだから」



「南空ナオミ」の名をデスノートに刻み終えたところで、「何故そんなに時計を気になさってるんですか?」と問うてきたナオミへの、簡潔ながら衝撃的な自白。



ナオミが「どういう意味…」と焦った直後、デスノートで設定された死が開始され、彼女はキラ事件解決後も発見されぬ犠牲者となりました。










ちなみに原作者は解説本にて、好きな台詞にこれを挙げています。
「いちいち言うな」と思いつつも、そこがまた好きなのだとか。















「もしかしてリューク モテないの?」



財布にデスノートを仕込んでいる最中、リュークからの「しかし手先も器用だな… 女にモテるだろ?」という声に「器用さなんて関係ないよ 器用より器量だ」と返し、とどめに付け加えた一言です。
管理人がリュークだったら以下略















「はーっ また表紙に騙された…」


Lから監視カメラと盗聴器を仕掛けられていると分かった上でグラビア雑誌をひとしきり眺めてからの、わざとらしい独り言。





実父にして警察局局長の総一郎は「あの真面目な息子があんな雑誌を…」と、この光景を思い切り真に受けていました。





しかし、ライトが最も欺きたかったLには「『部屋に誰か入っていないか確かめてたのはこういう本があるからです』と言い訳してる様に見えるんです…」と、容易く見破られています。










悲しく空しき偽装工作。















「だから これは大げさに報道してキラを動揺させようとしている警察の作戦さ でも これじゃ キラにもバレバレじゃないのかな?」



Lが作った「ICPOがキラ事件の捜査に1500人の捜査員を投入する」という虚偽のニュース速報を目にして、「こんな発表をしたら意味がない 送り込むなら こっそり入れ こっそり捜査させるべきだ 極秘で捜査していたFBIでさえあんな目に遭ったのに これじゃ その二の舞になる」と看破しながら。





監視カメラと盗聴器で監視されていることを自覚し、さらに「このニュースが本当であろうと嘘であろうとこれを見せて反応を観ようという事か? L… 最初の時と手口が同じだ」とまで考えたにもかかわらず、「僕はお前の策を見破ったぞ」と言わんばかりの反応を示しました。


頭が良いのに馬鹿な事しとる。










なお、解説本ではこの嘘ニュースについて、「さほど大きな効果は得られなかった」としてあります。



しかし、Lはキラについて「高い知性の持ち主」であり「捜査側の挑発には怯まず強気に挑発し返して来る負けず嫌い」との認識を持っていた身。



そのLにしてみれば、監視対象の中でただ1人即座に嘘ニュースだと見抜いた上、警察を小馬鹿にするような物言いまでしたライトは、疑うに十分過ぎる存在感を放っていたことでしょう。





すぐ隣でこの嘘ニュースを素直に信じた妹の粧裕を見習って、せめて騙されたフリくらいしておけば、まだ少しはLからの疑いを避けられた…かもしれません。
Lならそれはそれで演技と察した気がしてならんが





相手より上を行ったとアピールしたがる、幼稚で負けず嫌いな性分が墓穴を掘った。















「ま… まさか… 何を言ってるんだ こいつ!? LがLだと言うはずがない 変な奴だとは思っていたが マジで おかしいのか?」


大学の入学式にて、流河旱樹(りゅうが ひでき)と名乗る新入生と2人での挨拶を終えた後、彼から「私はLです」と名乗られた瞬間の傍白。



Lが自ら「私はLだ」と名乗り出て来る可能性はライトも全く予想しておらず、流石に動揺を抑えるのに必死でした。





最も黙らせたい敵が自ら目の前に現れたわけですが、自分に対してLだと名乗った人物を殺せば盛大に疑われるため、ライトも全く手を出せずに終わります。



そのことが業腹だったらしく、帰宅すると自室にて「くそっ やられた」「こんな屈辱は生まれて初めてだ」とこぼし、「死神の目の取引して殺せば良いじゃないか」というリュークの軽々しい提言を半ば当たり散らすような勢いで却下するなど、普段の冷静さが吹き飛んだ姿を見せました。





リュークも驚いた顔をしているように、普段落ち着き払った人種が感情を剥き出しにする様は、なかなか衝撃的なものです。















「まあ どっちにしろキラに迫れる文章ではないね 死神なんて いるわけないし」


自身が犯罪者を操って書かせた「えるしっているか 死神は りんごしかたべない」という全く意味の無いダイイングメッセージを、Lから見せられての一言。
デスノートに触れていないLには知る由もありませんでしたが、ライトのすぐ隣にその死神であるリュークがいる状況のため、読者が聞くと白々しいことこの上ない台詞でした。





後々、同様にリュークがすぐ隣にいる状態で、「死神が存在するなんてありえない」と大嘘を吐いた場面があります。



いずれのシーンでも、一切コメントしないリュークが、何とも言えない味わいを醸し出す。















「とにかく今は父を心配する夜神月だ…」


過労で入院した総一郎の見舞いに赴いた際、同席したキャンパスメイトの流河旱樹がキラを捕まえると宣言した探偵のLその人だと、父から証言された場面での傍白。



この証言を聞いたライトは「こいつと本部の人間を全て消せば… いや…そんな単純ではないだろう」「焦る事はない ここからは じっくり探れば…」と、キラとして次に起こす行動を考えようとしていましたが、とりあえずは総一郎へと意識を向けました。





しかし、家族を心配するその姿が、あくまで演技でしかないのが悲しい。















「この能力(ちから)を得た僕は最高に幸せだよ」




自身がキラだとは知らない総一郎が語った見解を耳に入れた後、父の病室を離れてから呟いた一言です。





これについて「普通は死神に憑かれた人間は不幸になるらしい」とリュークに言われますが、ライトはそれすら気にも留めずに「じゃあリュークは 普通じゃない方のパターンを見れるよ」と返すのみでした。










しかしこんな発言をしたライトも、最後の最後は幸福と程遠い目に遭います。
解説本ではこのシーンについて「結局、惨めな最期をとげてしまう月。この言葉も彼の思い上がりだった。」との記載がされました。



…この男は思い上がってばっかりやのう。





まあ、本当に才覚があるゆえ、ある程度驕ってしまうのも仕方ないことなのかもしれませんが。










ところで、見やすいようにと後回しにしましたが、総一郎の見解というのは「キラは悪だ… それは事実だ………… しかし 最近 私は こう思う様にもなっている…」と前置きしながら語った、下記の台詞のことです。










悪いのは人を殺せる能力(ちから)だ そんな能力(ちから)を持ってしまった人間は不幸だ どんな使い方をしても 人を殺した上での幸せなど 真の幸せであるはずがない









この台詞は、最終盤における「デスノートは史上最悪・最強の殺人兵器」という結論と見事に一致するものでした。





デスノートの存在を欠片も知らない段階でかくもキラ事件の本質を突いた事を見ると、知略の面ではライトやLに劣るにせよ、総一郎も十分な慧眼の持ち主だと感じます。






解説本では語録を作られなかった総一郎ですが、『DEATH NOTE』のキャラクターの中では彼も結構な名言製造機かもしれません。















「駄目だ こいつ… 早く何とかしないと…」


世間に流れるビデオの中に『目を持っていない』『死神』などと、怪しさ満点の言葉を盛り込んだ『第二のキラ』への感想。





インパクトがあるようで、『DEATH NOTE』と全く関係の無い作品等でも同じ台詞を聞くことがあります。
汎用性が高い。














「君は 罪のない警察官達を殺した… それは君の両親を殺した人間と同じじゃないのか?」



第二のキラこと弥海砂(あまね ミサ)から、「両親を殺した強盗を裁いてくれたキラは私にとって絶対的な存在」という趣旨の話を聞いての返答。





その話をするならライトには、「君は 罪のないFBI捜査官達を殺した… それは君の言う『腐った人間』と同じじゃないのか?」とでも言いたくなるところです。





事実ミサからも、「そんな事 あなたに言われたくない…」と言い返されました。
そりゃそうだ。










ちなみにミサは、自分の目の前で両親を殺した強盗について「絶対に許せなかった… 殺したいとも考えた… でも それはいけない事」と発言しています。



ネット上ではこの台詞から、両親を殺した強盗がキラに始末されるまでの道徳観は良識人の部類だったと評されているようです。





デスノートを手に入れてから、ライトよりも好きこのんで道を踏み外した感があるミサですが、もしもキラに救われていなければ、キラ否定派でいられたのかもしれません。





…もっとも、キラがいなかったらいなかったで、ミサの両親を殺した強盗が大した報いを受けずに済んでしまう可能性大でしたが(ミサによると裁判が長引いた上に冤罪の見方まで出始めていたらしい)。




ミサのように、キラを肯定する者が少なからず現れたのもやはり、法律という真っ当な手段では犯罪者への処罰が甘く、不条理に苦しめられたままで救われない人々がいるせいなのかもしれません。










…そうだとしても、キラとて否定されなければならない犯罪者であることに変わりはありませんが。















「ああ… 僕にとっても流河は気の合う友達だ」


Lから「月くんは 私の初めての友達ですから」と言われた際の返答。
「大学休学されて寂しいよ またテニスしたいね」とも付け加えています。





もちろんこれは、両者共に口から出まかせ大ボラを吹いているだけですが。










ただ、リュークが人間界にデスノートをもたらしていなかったなら、この会話も宿敵同士の騙し合いなどではなく、友人との心底からの触れ合いであったかもしれません。





つくづく、デスノートの業の深さを感じます…















「計画通り」


解説本にも語録として記載された、おそらく非常に有名な台詞。
Lからの疑いを逃れるため、一度デスノートを放棄してその記憶を飛ばしていたものの、再びノートと記憶を取り戻した瞬間の言葉です。





しかしそんな細かい事はどうでもよく、とにかく凄まじい悪人面が印象的。





ネタとして美味しいと見られ、ネット上でもよく見かけます。















「これだけ 好意を持たれ 尽されたら 情のある人間なら 心が動かされて当然だ」


デスノートと、それに関わる記憶を取り戻してから程なく、ミサについて語った一言。



この後、自身と同じくデスノートを取り戻し、さらに2度目の「死神の目」の取引で残り寿命を元の4分の1まで縮めたミサ本人と再会すると、「君に目の取引をしてもらってそれを利用するよりも 君と長く理想の世界で生きたい そういう気持ちなんだ」という台詞も放っています。



ただし、目の前で見ていたリュークには「うそくせー」と感じられていました。










…逐一述べるのも煩わしいですが、当然リュークの「うそくせー」が大正解です。





芝居がかった薄っぺらい台詞を信じ込むところが、ミサの間抜けぶりを物語る。















「今 考える事ではないが 今 言っておいて欲しい事だ…」


デスノートの存在を知ったLが、ノートの使用者への刑罰について「ノートによる殺人を認めれば極刑か終身刑 認めなければ自分の名前を書かせるといった所」と見立てた一方、「捕まえてからの話で 今考える事ではない」と発言した際の感想。





ミサに憑いていた、彼女に好意的な死神のレムはこの段階に来て、ライトが「Lもレムも死ぬのが最高の形」と思い描いていたのだと悟ります。





しかし、その策に抗えばいずれはミサが捕まり破滅する事を考えると、結局はライトの『計画通り』に動いて、Lを殺害。
さらに、好意を持った特定の人間をデスノートで助けたことで死神失格となり、自らも死することになりました。





消えゆくレムからも「死神をも殺すとは… 死神を超えている…」と評される通り、他人との関係性を利用しながら標的を葬るライトの手口はまさしく、死神でさえ実行しない悪辣ぶりでした。
「夜神月」でなしに「死神月」に改名してみては















「こんなに簡単に… やはり 竜崎がいないとぬるい…」


Lを葬った後、彼の代理の座をあっさりと得られたことについて。
邪魔者と認識していながら、卓越した知恵者としてはLを高く評価していたのだと感じさせる一言でした。





Lの後継者候補にしてキラを徹底的に否定するニアでさえ、連載終了後に発表された特別読切では「Lが命懸けで戦った相手」としてはキラを認めていたことと併せて考えると、『DEATH NOTE』のキャラクターには敵の主張は受容しない一方で相手の能力や手強さは率直に評価する人種が多い印象を抱きます。





知謀の応酬が絶えぬ者達ながら、武人然としたところもあるとは、興味深い味わいです。















続きはまた今度




1つの記事でまとめるつもりでしたが、思っていたより長くなったので、他の台詞は次の記事にて語ってみることにしました。





面白い事を言えるとは保証できませんが、御興味があれば次回も宜しくお願いします。










それでは、また。
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2020年03月19日

【ネタバレあり】突発企画・若さゆえの危うさを語る

夜分遅くに今晩は。
幾度も誕生日を重ね、自分の考えでは既に年増の、「暇人の独り言」管理人です。










少し前までは胸を張って「自分は若い」と言えたのですが、そろそろ自分から若人と言い張るには辛い年齢に差し掛かっています…


月日の流れは無情よのう。
















そんな、なかなかに歳を食った管理人、近頃はフィクションのキャラクターを見ていて「若さゆえの危うさ」を感じることがあります。
若くして確かな才覚や実力を持っているがために、それに驕って失敗してしまう…という場面が、昔よりもよく印象に残るようになったのです。
これも老化のせいか










そこで、今回は突発企画として、『ドラゴンボール』『幽遊白書』『るろうに剣心』の3作品から、才能があるものの危うい若人について語ってみようと思います。





当然、各作品のネタバレありなので、閲覧の際はご注意を。















ドラゴンボール






孫悟空


『ドラゴンボール』の主人公で、戦うことが大好きなキャラクターです。
戦闘民族と呼ばれる異星人戦士サイヤ人の生き残りながら、地球を侵略するために現地へ送り込まれた際、頭部を強打したことで自身の出生に関する記憶を失います。


さらに、武術の達人の孫悟飯に拾われると、彼の教育の下、心優しい地球人として成長しました。





時を経て孫悟飯を亡くし、山奥で1人暮らしをしていた悟空は、7つ集めれば神龍(シェンロン)なる龍の神が願いを叶えてくれるというドラゴンボールの存在を知ると、「神龍を見たい」「修行ができる」といった動機から、それを集める冒険へと出発。


その冒険が切欠となって多くの良き仲間と師匠に恵まれ、人としても武道家としても、めきめきと成長していきました。





特に最初の師匠となった亀仙人からは武術以外にも、学問や最低限度の礼儀も教わったり、修行で力を付けてもつけ上がることがないように取り計らわれたりと、手厚く導かれています。










しかしそんな悟空にも、驕りを抱いていた瞬間が2つほどありました。
その1つが、神龍を殺してドラゴンボールを消滅させ、世界を恐怖で覆ったピッコロ大魔王を倒した後。



悟空はドラゴンボールの製作者である神にボールの復活を頼もうとしますが、面会資格を得るためのテストとして、神の付き人であるミスター・ポポと試合をすることになります。





ピッコロ大魔王を破った悟空の楽勝かと思いきや、この時点では常に気の抜けたような顔をしているミスター・ポポの方が格上であり、打ち勝てずに終わりました。



その際にポポから「お前 ピッコロを倒して 自分がいちばん強いと思った 世の中 上には上がいること忘れた」と指摘され、「めんぼくねえ…」と意気消沈する姿を晒す破目に遭っています。





最終的に「やらなきゃいけないし やってみたい」からと、ポポに勝てるまで挑戦する意志を見せたことを気に入られ、神の方から悟空に会うと言い出して、話がまとまったのですが…



もしもポポから慢心を指摘されないままであったら悟空はそれ以上実力を伸ばせなかったかもしれない、そうすると神にも会えずドラゴンボールも復活させられなかったかも…と想像すると、なかなか恐ろしいものがあります。










そしてもう1つが、青年期に修行を積んだ時です。
自身と同族であるサイヤ人の王子にして、以後の永遠のライバルとなるベジータが地球を侵略しようと迫っていた頃、悟空はこれに対抗するべく、全宇宙の神の頂点に立つ人物である界王から修行を受けていました。





それからベジータとの交戦中までは特別にのぼせ上がっている向きは見られなかったものの、対戦後は「界王様のところで修行して頂点を極めたつもりでいたけど ベジータはもっと上を行っていて驚いた」と口にしています。



ミスター・ポポ戦の時と同じ慢心を抱いていた形になっていますが、こちらは仲間達に助けられたこともあり、自身より格上であったベジータの撃退に成功し、大事に至らずに済みました。
良かった良かった。

それにしても「また戦いたいから」という理由でわざと逃がしたベジータが仲間になるとは









これらより後のシーンでは、悟空に慢心からの失敗はほぼなくなっているのですが、それも年を重ね、経験を積んだためなのかもしれません。



熟練の戦士になった悟空も、昔は青二才だったのだ。










…ちなみにそんな悟空は、人造人間編から最終章の魔人ブウ編にかけて、後輩達の慢心に手を焼かされることになります。





特にそれを強く感じられるのが、魔人ブウ編です。
後述の経緯から死人となっていた悟空は、仲間達と再会するため特別に1日だけ現世に戻ったところ、邪悪な魔導士の手によって復活した魔人ブウとの戦いに巻き込まれました。



幾度も姿を変えた途轍もない実力者の魔人ブウではありますが、最終盤の悟空の言によれば、劇中最初に登場したデブ魔人ブウ(善)ならば倒せていたとのこと。



しかし悟空は、「本当はもういないはずの自分より 若いヤツ(アニメでは『生きている人間』)が何とかした方が良い」との考えを抱いていました。



よって、善ブウとの戦いでは決着を付けないまま引き下がり、自らが「超天才」と見込む世代に望みを託してあの世に戻ったわけですが…





…如何せん悟空の賭けた世代は、それこそ若くして実力に恵まれたがゆえに有頂天になる者ばかりで、全員して魔人ブウ撃破に失敗。
そのせいで、悟空は生き返ってまでブウとの決戦を担う破目に遭いました。


地球の未来を思えば文句なく真っ当であったはずの行いが、最悪のレベルで裏目に出てしまった。





単純な力量なら悟空さえ追い越した者もいたというのにかような有様では、悟空がいなくなった時、強力な悪人が次々寄って来るドラゴンワールドの地球の行く末が危ぶまれるばかりです…










…などと言いつつ、悟空を排除したのでは『ドラゴンボール』が盛り上がらないので、止むを得ないところでもありますが。















孫悟飯


悟空の長男として生まれた、サイヤ人と地球人の混血児です。
名前は悟空の育ての祖父である孫悟飯から取られています。
単に「悟飯」と言った時は、こちらを指していることが多い模様。





初登場時の年齢は4歳。
「人に対する厳しさが全くない」と言われる悟空を父親に、過保護な教育ママのチチを母親に持ったため温室育ちであり、かなりの泣き虫でした。



学者を志望している上、「平和になったんだから武術は必要ない」というチチの考えから、悟空に修行を受けたこともない身。
これでは到底、父親のように戦いを担うことはないか…と思われました。





ところが、サイヤ人が地球に接近し出した頃、自身の秘めたる力を見込んだピッコロによってさらわれ、強引に修行をさせられます。
それによって泣き虫を克服すると、以後は悟空やピッコロをはじめとする仲間達と共に、戦いへ身を投じるようになりました。










ピッコロに連れ出された件からも見て取れますが、潜在能力の高さが度々強調されているキャラクターであり、才能面では父親の悟空や、彼のライバルであるベジータをも凌いでいます。



…しかしながら、敵より強くなると天狗になる悪癖があり、そのせいで痛い目を見る場面が2つほどありました。










まず1つは、少年期に経験した、人造人間セルとの戦いでのこと。
悟空を殺そうとする悪の科学者によって生み出されるも、さしてその使命にこだわらないセルは、自分の力の確認と全世界を恐怖に陥れること、そして単純に楽しむことを目的とし、悟空達を相手取った格闘大会を開催します。





そんなセルに勝てる戦士として悟空に指名された人物こそ、悟飯でした。
最初は戦いに乗り気でなかった悟飯も、自身の真の力を発揮させるためにと悟空達をいたぶるセルに激怒すると、静かでありながらも威圧的な性格へと豹変すると共に、セルを容易く打ちのめします。



しかし、調子に乗った悟飯は、「何をするか分からんから早く止めを刺せ」という悟空の忠告をも無視し、いたずらにセルを追い詰めていました。





その末に、セルに地球全土を巻き込む自爆を決心させた挙句、被害を抑えるためにセルを地球外へ連れ出した悟空の死をも、招いてしまいます。





これにはもちろん悟飯も、号泣するまでに深く後悔。
奇跡的に永らえたセルを完全に消滅させることで、せめてもの落とし前を付けました。










もう1つはセル戦から7年後に当たる、魔人ブウとの戦いでの出来事でした。





悟飯は魔人ブウへの対抗策として、大界王神と呼ばれる神の超能力で、潜在能力を引き出してもらいます。
そのパワーアップが完成すると、悟空やベジータでも優位に立てない魔人ブウ(悪)をも、圧倒できるようになりました。





しかし、そこで悠長に構えて止めを刺さずにいたせいで、悪ブウの逃走を許してしまいます。
そして、再度現れた悪ブウに仲間達を吸収されたことで形勢逆転され、一方的に打ちのめされる側となってしまったのです。



あろうことか、父を間接的に殺めてしまった少年時代の一件から何を学んだのかも疑われるような有様でした…





もっとも、このような事態を招いたために、大界王神は悟空の力が必要と判断して彼を生き返らせ、その悟空が最終的に魔人ブウを完全に消滅させた事を考えると、ある意味宇宙を救う失態だったと言えるかもしれませんが。










上述のように大界王神に潜在能力を解放してもらったことで、単純な力量なら単体の戦士(フュージョンやポタラ等の合体をしていない戦士)としては、おそらく悟空の仲間内で最強となっていることでしょう。



ただし、悪ブウ戦での様子から、強くなると自惚れる致命的な悪癖は直っていないことが見て取れる上、平和になると武術の修行を怠っているようなので、その地位は盤石とは程遠そうです。





…学者志望の悟飯にしてみれば、最強の戦士の座を失ったところで、あっけらかんとしていそうだけれども。















幽遊白書




浦飯幽助


『幽遊白書』の主人公。
自称に違わぬ「超不良」で素行はろくでもないものの、交通事故に遭いかけた子供を庇ったり、仲間である桑原の弱味を握って盗みをさせようとした不良を成敗したりと、心根には優しさや正義感を持っていることが描かれています。



一度は命を落としてしまいますが、それが霊界にとって予定外の死であったため、生き返るための試練に挑むことに。
その試練に成功して蘇生を果たすと、背後に妖怪等が絡む事件を解決する霊界探偵に着任。
生き返ると共に体得した技・霊丸(レイガン)を武器に、悪名高い妖怪達を次々と打ち倒していきます。










そんな幽助の危うさは、宿敵である戸愚呂(弟)との決戦にて垣間見えました。
元は人間だった戸愚呂は、より長く力を維持するため、闇の世界に深く関わる人間が強制参加させられる『暗黒武術会』で優勝した褒美として、妖怪に転生します。


その戸愚呂の全力を目の当たりにした幽助は、恐怖を抱きながらもどこかで彼の力に憧れも持ち、「全てを投げ打ってでも戸愚呂のようになりたい」との思いも頭をかすめていたようです。





しかし、自身の師匠にして、昔は戸愚呂と仲間同士でもあった幻海から「お前は間違えるな」と教えを受けていたことが幸いし、真っ向から戸愚呂を全否定する形に落ち着きました。










もしも幻海の教えがなかったら、幽助も戸愚呂と同じ道に踏み入っていたかもしれません(死後の戸愚呂も「間違えたら俺みたいになる」として、幽助を支えるよう幻海に伝えている)。





この幽助のケースからは、若いがゆえの不安定さと、人生の勝手が分からない若者を導いてくれる先達の貴重さや偉大さを、同時に思い知る気分です。










余談ですが、戸愚呂は自分と違う道を行く事を宣言した幽助に対して「何か一つを極めるということは他の全てを捨てること それができぬお前は結局半端者なのだ」と言い放ちます。



これについて幽助は、原作では「捨てたのかよ? 逃げたんだろ?」という落ち着き払った台詞を返していますが、アニメでは「捨てただと?そいつは違うな… 逃げたんだよ… てめえは逃げたんだ!」と、叫んで反論していました。





管理人は原作の冷静な一言より、アニメ版の熱い叫びの方が魂に訴えて来る感覚がして、好きです。










同志はいないかな(/ω・\)チラッ















るろうに剣心




緋村剣心


明治時代を舞台とする作品『るろうに剣心』の主人公です。
幕末には維新志士として人斬りを重ねたものの、明治になってからは不殺(ころさず)を誓い、流れの剣客「流浪人(るろうに)」として人々を守る生活をしています。





年齢は本編開始時点で28歳と、少年漫画の主人公としてはなかなかのおっさ…ゲホゴホ





…豊かな人生経験を重ねており、明治政府を忌み嫌っていながらも世の中をより良くすることを諦めて喧嘩稼業に明け暮れていた相良左之助を叱るなど、その言動には常に重さと深さが宿っています。











そんな剣心がかつて人斬りを犯したのは、師匠の下で学んだ剣術「飛天御剣流」の教えを正確に掴めていなかったためでした。



れっきとした殺人剣である飛天御剣流ですが、その理は「時代時代の苦難から人々を守る」こととしています。
ところが、人々を守るという点だけに目が行き、血気に逸るばかりだった14歳の剣心は、飛天御剣流が「いかなる権力にも属さない自由の剣」として振るわれなければならないものであることを理解していなかったのです。





結局剣心は、師匠と喧嘩別れして維新志士への助力を強行したことで、新たな時代を切り拓くためとはいえ夥しい数の人間を斬り殺し、時代が明治になってからも「人斬り抜刀斎」と呼ばれることとなりました。


劇中で師匠と再会した際に指摘されている通り、「剣腕は卓越していても精神が成長し切っていない」状態だったわけです。





若人たるもの、意気軒昂である方が似合いですが、それも使い方を間違うと目も当てられないものがあります…





若さとは危うさであると、間々耳にする気がしますが、今回挙げた中ではこの剣心が最もそれに当てはまっているかもしれません。















終わりに余談



今回の記事は、これくらいにしておきます。
前触れなしでの突然の語りでしたが、少しでも訪問者様に何かを感じていただけたなら幸いです。





昔は各作品を見ても特に気にしなかった若人ゆえの危うさに目が行くようになったのも、自分が年を取ったからだろうか…


そう思うと、心意気だけは若いつもりの管理人も、肉体はいい歳になっているという現実を否応なく思い知らされます。
もう20代終わり間近ですしね





ただ、噂に聞いたところだと、その昔95歳まで生きたバーナード・バルークなる政治家は「私にとって年寄りとは常に自分より15歳年上のことだ」と語ったというし、108歳まで生きた彫刻家の平櫛田中(ひらくし でんちゅう)は「六十、七十は鼻たれ小僧 男ざかりは百から百から」と唱えたそうです。






それらの言葉に学ぶなら、病は気からであると同時に、老いも気からというところなのでしょう。










落ち着いて考えればすぐに思い出すことですが、誰しも昨日までの自分よりは幾ら若作りしようと老人で、明日からの自分よりはどんなに背伸びしてもお子様です。





過ぎ去った年月の長さを見て老けたとしょげたり、もう何歳なのにまだ成長できていないなどと悩むのではなく、昔の自分にも未来の自分にも恥じずに誇れるくらい、張り切って今を精一杯生きる自分で在り続けたいと思います。










それでは、また。
posted by 暇人 at 01:49| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ

2020年02月06日

【ネタバレあり】『DEATH NOTE』を語る・その他のキャラクター編

夜分遅くに今晩は。
あろうことか年始の挨拶以来鳴りを潜めていた、「暇人の独り言」管理人です。





管理人の遅筆は今に始まったことではありませんでしたが、丸1ヶ月もの間更新を絶やしたのは久方振り。
趣味の活動は、どうしてもマイペースになるものです…










そんな筆不精の管理人より、今回は漫画『DEATH NOTE』のキャラクターを語る記事を投下します。
メインを張った人物についてはこれまでの記事で大体述べているので、ここではその他のキャラクターを扱いました。





毎度ながらネタバレ全開なので、閲覧には御注意を。















渋井丸拓男


第1話にのみ登場した、ブサイクな不良です。
自称『シブタク』。



街角の女性に強引に言い寄っていたところを主人公の夜神月(やがみ ライト)に目撃されると、名前を書かれた人間を死に至らしめるデスノートの実験台に使われて死亡しました。



事後、ライト自身も「死刑になる程の悪人じゃないぞ…」と発言しているので、犯罪者ではないこの男を葬ったことにはそれなりの重さを感じていたのだと見受けられます。
すぐ吹っ切られたけどね










出番はたったそれだけの所謂ザコキャラだったわけですが、解説本でも「不運な男」と評されているように、よくよく見ると凄まじいツキの無さを見せています。



よりによってデスノートを手にしたライトにナンパの現場を目撃された時点で常人よりかなり不幸だし、ナンパした女性に向けての名乗りを、然程近付いてもいないライトに聞かれたのも相当ですが…





何よりも不運を極めているのは、「シブイマルタクオ」と音で聞いただけのライトに、漢字表記を正解された事でしょう。



デスノートには「同一人物の顔を思い浮かべて4度名前を書き間違えるとその人間に対してデスノートは効かなくなる」との欠点もあります。
ライトは渋井丸拓男の漢字表記について7通りの組み合わせを考えており、デスノートが効かなくなる可能性も十分あったのですが、めでたく(?)1回目にして正解したのでした。










上述した点の全てを掛け合わせれば、この男がライトにデスノートで殺される確率は非常に低かったはずなのですが、それすらも実現されるとは、まるで死神に憑りつかれたかのようです。


…使ったのが人間とは言え、デスノートで殺されたのだから、実際そうか。










犯罪者ほどではありませんが、他人様に迷惑をかける口だったことは確実。
その点では、ライトの言う「殺した方が世の中のためになる奴」、または「殺したって構わない奴」に思えます。



それでも、一個人が手前勝手に葬っていいはずもないので、ライトの行いはやはり非難されなければなりませんが。










ただ、もしもこの男が4回名前を間違われて死を免れていたら、ライトはデスノートをただの悪戯だと誤認して放棄し、真っ当な人生を歩んでいたかもしれません。





そう考えると、このブサイクな不良も、ある意味ライトの運命を左右した人物なのかも?










渋井丸拓男についての余談



実写映画版では設定がまるで別人に変化し、殺人を犯していながら不起訴で済んでいる、れっきとした犯罪者として登場。





当初法律を学んでいた実写映画版のライトは、「犯罪者に与えられている刑罰は妥当なものなのか」という疑問の答えを求めて、この男に直接接触していました。



その場面にて「誰も俺を有罪にはできない」と言い放ち、ライトが信じていた正義の限界をまざまざと突き付け、それまで所有していた六法全書を道端へ投げ捨てるまでに憤慨させています。





しかし、ライトは六法全書を捨てた直後、すぐ側に落ちていたデスノートを入手。
程なくしてその効力を確かめる実験台に使われ、心臓麻痺で死亡しました。










以後、ライトは原作と同じく犯罪者殺しを重ね、犯罪者を裁く神「キラ」の名を得たわけですが…
法律の道を捨てたのと入れ替わるようにして拾ったのが法とは真反対のデスノートであり、そんなデスノートで犯罪の無い世界を作ると豪語しながら勝手気ままな殺人を行うようになったとは、何とも言えないものがあります。
司法試験に初受験で合格した頭も泣いてるぞ










もしもこの男をはじめとした犯罪者達が法律で厳罰に処されていたなら、実写映画版のライトは法律の順守を正義と信じたままで、キラにもならなかったかもしれません。





そうだとすると、この映画版の渋井丸拓男は、原作以上にライトの人生を変えた存在と言えるでしょう。















…無論、最もライトの人生を変えたのはデスノートであり、それを人間界にもたらした死神のリュークですが。















リンド=L=テイラー


全世界の警察を動かせる唯一の人間「L」を名乗ってテレビに出演した男です。










…しかしその正体は、警察が極秘で捕らえた死刑囚。
キラに宣戦布告した本物のLから、身代わりに使われただけに過ぎませんでした。
Lも大概やんけ





Lから「悪」と断じられて怒ったライトにより、その名前をでかでかとデスノートに書き込まれたことで生中継のテレビ番組の最中に死亡し、出番は終了。





一見すると呆気なく消されただけに思えますが、実は「殺せない人間もいる」「日本の関東地区にいる」など、その死はキラへと迫る重要な手がかりをLに与えています。



世間に知られていないこの死刑囚を利用できなければ、「世界の影のトップ」であるLでも、キラの追跡は困難を極めたでしょう。





死刑囚なので相当の犯罪をしでかしたはずですが、上記のことからキラ捜査には大いに役立ったと言えます。
「ライトがテイラーを放置していれば良かった」は禁句















レイ=ペンバー


Lの依頼でキラ捜査に協力した、12人のFBI捜査官の1人です。
よって後述の南空ナオミ共々L側のキャラクターですが、いずれも出番が短かったため、本記事にて語ります。





日本警察の関係者の中にキラがいると目されたことで、Lの要請を受けて日本入りすると、警察局次長のいる北村家と、警察局局長のいる夜神家の尾行を担当。
無論、ライトの尾行も務めました。










ところが、尾行をライト本人に勘付かれたのが運の尽き。
ライトはデスノートで犯罪者を操り、自分やレイが乗ったバスをジャックさせます。



この事態に動こうとしたレイは、ライトからバスジャック犯の仲間でない証拠を求められ、やむなくFBIのIDを見せました。










勿論後日、デスノートに名前を刻まれ、心臓麻痺で死亡。
しかもその瞬間を迎える前には、顔を隠して接近して来たライトの脅迫と誘導によってデスノートに他のFBI捜査官の名前を書き込ませられ、仲間達の殺害に荷担してしまっています。





露と知らなかったとはいえ、何気にL側の人間で唯一明確にデスノートによる殺人を犯した人物となったわけです。



(Lの後継者候補ニアは使った疑いがあるが明言されておらず、その対抗馬メロは十分に活用していたが犯罪者になっていてL側とは言い難いため、「明確にデスノートを使用したL側のキャラクター」としては除外)










生真面目で冷静で正義感も確かと、捜査側の人間としては理想的な人柄をしています。
しかし一方で、ライトの尾行中には「この家族の娘(=夜神粧裕)までは調べる必要ないな」と早々に考えていたり、ライトから「自分の大切な人が人質にされていると思ってください」とのハッタリをかけられると「ま… まさか彼女を!?」と自ら付け入る隙を晒してしまうなど、FBI捜査官の割には脇が甘く不用心なところが数々ありました。


婚約者の爪の垢を煎じて飲まなければならないレベル。





ただ、ライトはこのレイを葬るのに、捜査側へ手がかりをいくつか残しており、Lから9割超えの疑惑を抱かれて執拗に追われるようになりました。
全くの無駄な犠牲に終わらなかったのは、せめてもの救いでしょう。










ちなみに解説本によると、好きなものは「ナオミ」で、嫌いなものは「残業」とのことです。
結婚が実現していたら、さぞや良い亭主になっただろう…










凄まじい余談ですが、実写映画版では名前がレイ=イワマツとなっています。
…なかなかダサい。















南空ナオミ


FBI捜査官であるレイ=ペンバーの婚約者にして、自身も元FBI捜査官という若い女性です。
現役時代はLの下で働き、事件解決に貢献していました。



その経歴は伊達ではなく、下記のような流れで、「キラは心臓麻痺以外でも人を殺せる」と看破しています。






レイがバスジャック事件に巻き込まれた際、止むを得ずFBIのIDを人に見せた



バスジャック事件から程なくして、レイを含む12人のFBI捜査官全員が殺された



FBI捜査官達は日本警察に極秘で捜査をしており、IDは出さないよう命じられていた



日本に入ったFBI捜査官達の存在は、レイから漏れたとしか思えない



キラはレイからFBIの情報を盗むために犯罪者を操り、バスジャックさせた



そのバスジャック犯は最終的に事故で死亡



キラは心臓麻痺以外でも人を殺せる










プライベートでレイと近しかったがゆえに得られた情報があったり、推理に確たる物証が伴っていないなどの弱みもありはしましたが、Lよりも先にその事実に辿り着いたのは見事の一言です。










しかし、その推理を捜査本部に直接話そうとこだわったのが悪手でした。
捜査本部に引き合わせてくれと警察庁で食い下がっていたところをライトに目撃され、次いで言葉巧みに彼から路上へ連れ出されると、キラの力を読み解いたと白状し、口封じの標的となります。





偽名を名乗っていたおかげで一度はデスノートから逃れられたものの、レイの仇を討ちたい思いに付け込むライトの話術に乗せられて本名を明かしてしまい、「誰にも遺体が発見されない方法で自殺」との条件で葬られました。





解説本によると、キラ事件解決後も亡骸は見つかっておらず、行方不明扱いのままとのこと。
恐らくこの先も、発見は期待できないでしょう…





割とすんなり始末された一方でその犠牲がしっかり捜査に活かされたレイとは対照的に、劇中初めてライトを危機に追いやりながらも死後はさして注目されずじまいとなっているのも、悲しいところです。


まあこれは、現役捜査官と一般人の差異ゆえか。










ちなみにネットを見ると、劇中で死亡シーンが描かれなかったせいか、連載当時はナオミ生存説があったそうです。



「デスノートに名前を書かれた人間は死ぬ」の大原則と、そのデスノートに名前をはっきり書かれたシーンがあったことを失念しており、無理のある説だったと言わざるを得ません。



しかし、数多くのキャラクターが死する『DEATH NOTE』にあって生存説が囁かれたとなれば、登場期間が短い割に人気が高いという巷の評価には、頷くほかないでしょう。





…好みの話をさせてもらうなら、管理人にとっては別に好きなキャラクターではないですが。










なお、解説本によると、原作者はもう少しナオミを長く活躍させるつもりだったそうです。
ところが「思った以上に早く真相に近づいて、死んで貰わないと後の展開ができない」状況になり、あのタイミングで退場させられた模様。



ライトと原作者の双方を追い詰めておきながら、自分の優秀さのせいで早死にする羽目に遭うとは、恵まれた人間にはそれ相応の苦労が降りかかるとでも突き付けられている気分になります。





日本のキラ捜査本部の面々が割と多く生き残ったのを考えると、やはり最後は凡庸な奴が一番得なのかもしれません。










そして解説本と言えば、同書収録のキャラクター診断の結果にも、全10タイプのうちの1つとして登場。
コメントでは、あらゆる面で恵まれた代償は必ず訪れるとして、「多分幸せにはなれません」とされています。





『DEATH NOTE』における、「不幸」の代名詞的なキャラクターである…















ナオミについての余談



実写映画版では、人柄が大きく変わって登場。
レイを殺されたことからキラの調査に乗り出して「夜神月=キラ」の認識を抱くと、ライトに対して攻撃的に接近します。





最終的には、同映画におけるライトの恋人の秋野詩織(あきの しおり)を人質に取って、「恋人を助けたいなら私を殺しなさい」と威迫。
しかし、隙を見て逃げ出そうとした詩織を撃ち殺してしまったことで錯乱し、その場で拳銃自殺しました。










…その犯行は、「キラのせいで恋人を殺されたから敵討ちのために捜査本部に入る」展開を作ろうとしたライトによって、詩織共々デスノートに名前を書き込まれた所為でした。



ライトとの初対面時には原作と同じく偽名を使っていたものの、同時にそれが偽名であることと、レイの婚約者であることを自ら明かしたために、結婚式場に予定していた教会で本名を知られてしまったのです。
新世界の神(自称)、事情が違えばストーカー



ライトも述べているように「結婚式で偽名を使う者はいない」ゆえ、ナオミの本名を暴くのは原作に比べれば遥かに容易となっていました。












激しく攻めてライトを苦しめたかと思いきや完全に彼に転がされていた形で、物静かながら一時は間違いなくライトを窮地に追いやった原作よりも、空しい立ち位置になっています。





レイの死に怒りながらも冷静さを保っていた原作に対し、実写映画では見る影もなく熱くなって用心深さや警戒心を欠いていたのが、明暗を分けた印象です。





短気は損気、ってやつか。
そう言えば管理人はかなり短気















夜神粧裕


キラこと、夜神月の妹です。
デスノートを巡る戦いに関与していないため、出番は少なめ。





第1部では中学2年生。
あどけない顔つきをしている上、ライトに甘える素振りも見られるため、年齢以上に幼く感じます。



危険なキラ捜査に臨まんとする父親の夜神総一郎を涙目になって引き留めようとしたり、その父がキラ捜査のせいで正月も休めなくなったと不満を漏らしている姿があることから、年頃の割には素直で家族思いなようです。



結構ステキ。










第2部では、大学生になって登場。
中学時代とは真逆に、年齢以上に落ち着いた女性となっており、キラ捜査本部の松田が赤面するような魅力を放っていました。



第1部と同じくごくまれに出番があるくらいかと思いきや、Lの後継者候補の1人であるメロに捕らわれ、デスノートとの取引に利用される破目に遭います。



辛うじて救出されたものの、その一件のショックで呆然自失となり、以後は台詞を発する場面のないまま出番を終えました。










解説本の記述によると、キラ事件の真相は最後まで知らされなかった模様です。
総一郎が正月に休めなくなったというシーンでは「キラってサイテー」と愚痴る姿もあった彼女が、その最低な犯罪者の正体を知ってしまっていたら…





…そう考えると、殉職した父親共々、不幸中の幸いかもしれません。















粧裕についての余談



メロによって人質にされた件以外ではデスノートをめぐる争いに関わらなかった粧裕ですが、DSソフト『DEATH NOTE キラゲーム』ではまさかのプレイアブルキャラクターとして登場。



基本的には原作通りの無邪気な少女ですが、キラゲーム内でキラ役を務めると逮捕時に「バレちゃしょうがないね…」、勝利時に「勝ちは勝ちだもんねぇ」などと、いずれも悪い表情で口にします。



かようにデスノートで人柄が歪む気配を見せられると、やはりあの兄にしてこの妹ありと思わせられる。










原作では総一郎から「親馬鹿だと言われるかもしれないが粧裕がキラなど絶対にない どちらかと言えば 嫌いな子を殺してしまって泣きわめく方の性格だ…」とコメントされていましたが…





『キラゲーム』での有様を見ると、粧裕も危なかった気がします。















夜神幸子


キラこと、夜神月の母親です。
やはりキラ側でも捜査側でもないため、出番は少ない。



粧裕と同様に出来の良いライトを自慢に思っていたり、年末の大掃除の最中にライトから「そんなことしなくても うちはいつも綺麗じゃないか」と煽てられると気を良くしているなど、ほとんどのシーンでは世間のどこにでもいそうな主婦として描かれます。





その一方で、粧裕を誘拐されて大変な思いをしながらも総一郎と別れる選択はしないという、かなりの芯の強さを見せていました。


伊達に警察の妻はしていない。










粧裕と同じく、こちらもキラ事件の真相は知らされずじまいになったようですが…
『自慢の息子』こそが世界を揺るがし家族を崩壊させた元凶だったと分かろうものならどんなに悲嘆に暮れることか、想像するだけでも恐ろしいです。










かなりの余談ですが、単行本第3巻収録の話『不幸』にて、心臓発作を起こした総一郎の見舞いに赴いた際、Lと対面していたりします。



捜査本部の人員でも、Lが潜り込んだ大学の学生や職員でもないのに彼に出会ったキャラクターは他に1人も見当たらず、その点では実に珍しいです。





大した意味はないですが。















流河旱樹


人気を博している、整った顔立ちの男性アイドルです。
Lがキラ対策として間違いなく無許可で名前を借りた相手。


デスノートをめぐる争いには全く関わっていませんが、時折テレビに出演している姿が描かれており、地味に出番があります。





ちなみに、ライトはこのアイドルの名前を使って現れたLについて「あからさまな偽名を使っている」「こいつを殺そうとしてデスノートに流河旱樹と名前を書いたら 嫌でも頭の中に浮かぶアイドルの方の流河が死ぬかもしれない」との思考をめぐらせていました。


(補足:デスノートは標的とする人物の顔が頭に入っていないと効果がなく、同姓同名の人物を一度に葬ることはできない。)





その台詞と、解説本にも「強引に名前を書けば本物の流河が死んだだろう」との記述があることから、「流河旱樹」は紛れもない本名の模様です。





…どうでもいいことではありますが。










第1部で厚く支持されていた一方、第2部ではSPKメンバーの台詞にて「当時(ライトが大学生だった頃) 日本で人気アーティストだった流河旱樹と同姓同名の者が…」と言われており、流石に時間が経つにつれて勢いに陰りが出て来たのが見て取れます。


年月は無情なり。










もっとも、ライトとニアの直接対決を約1ヶ月後に控えた紅白歌合戦では白組の応援に登場している上、翌年には大河ドラマで主役を張ると思しき会話もなされており、劇中では引退や活動休止をした様子は描かれませんでした。


少々鈍っても、人気者はそうそう消え去らない?















Cキラ


連載終了後に発表された特別読切にのみ登場。
キラこと夜神月が死亡してから3年後、新しく現れたデスノートの使用者です。



死を望む老人を主に葬っており、その犯行は日本の若者の多くから「年寄りが死んで日本の将来は明るい」などと持て囃されていた模様。



また、アップになった目の模様や、テレビ番組に映った一般人を殺せた描写があることから、残り寿命の半分を代償とする「死神の目」の取引も行ったようです。





三代目Lとなったニアからは「祖父等が病に苦しみ 死にたいと言っているのを殺してしまい それを善と勘違いしてしまった若い者」か「キラと同じ力を持ったことで 自分なりのキラを気取っている馬鹿」と見立てられ、いずれにせよ殺人手段が分かっている以上は「つまらない殺人犯」と評されています。










実際、その殺戮行為にかつてのキラのような信念はなかったらしく、ニアから「この人殺し」と言われただけで、3日後には自分の名前をデスノートに書いて死亡しました。



本名や素顔は不明のままでしたが、1コマだけ描かれた自室らしき部屋にはオタク臭のするフィギュアが数々見受けられ、僅かにその人となりを窺わせます。










ちなみに「Cキラ」の名は本人が名乗ったのではなく、ニアから与えられたもの。
「Cheapキラ」、つまり「安っぽいキラ」の略称で、Cキラとなっています。





キラを徹頭徹尾否定するニアですが、自身の敬うLが命を賭けて戦った相手としてはキラを認めていました。
そのため、この殺人犯をキラと呼ぶことは「Lにもキラにも失礼」として、「どうしてもキラと呼びたいならCキラ」と決めたのです。



しかもニアは、自ら考えた呼び名すら、この命名した際に口にしたのが最初で最後。
以後は全く使わなかった点から、どれ程くだらない相手としか見ていなかったかが感じられます。





…まあ実際、散々殺人を犯してから「この人殺し」と今更な台詞を言われただけで自害するようでは、取るに足らない犯罪者でしかありませんが。










ニアは「この犯人に興味を持てないので事件に関与しない」としつつも、上記の今更な台詞ひとつでCキラを滅ぼしたわけですが…










自分が興味を持った事件にしか動かない」と言われていたLだったら、ニアと同じ理由で本当に完全放置したかもしれない。















Thus conclude my article about DEATH NOTE…?



かくして管理人の『DEATH NOTE』についての記事は終了…










…しようと思うのですが、後々各キャラの台詞や、DSソフト『L the proLogue to DEATH NOTE』について語ってみるのもありかなとも考えています。





とりあえず、「『DEATH NOTE』を語る・台詞編」は実現しておくか…










まあ、予定は未定、ですが。















それでは、また。
posted by 暇人 at 22:15| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ

2019年12月20日

【ネタバレあり】『DEATH NOTE』を語る・死神編

夜分遅くに今晩は。
漫画『DEATH NOTE』の死神ではリュークが一番好きな、「暇人の独り言」管理人です。





異形と言える姿ながらロックな雰囲気があって格好良いのと、時折物語の展開に絡む台詞を口にするのが気に入っています。



特に、第1話で自身の理想を語るライトに言った「そんなことしたら性格悪いのお前だけになるぞ」や、第1部終了時にこぼした「もう あまり面白い物は期待できないな…」には、共感するばかりです。










さて、今回の記事では『DEATH NOTE』に登場した死神の中から、人間界に降り立ったリューク・レム・シドウについて喋ってみます。



毎度のことながらネタバレ全開なので、閲覧注意です。















リューク


「退屈」を嫌い、わざと人間界へデスノートを落とした死神です。
『DEATH NOTE』の物語における全ての根源、何ならキラ事件の真の元凶とも言えます。





ほとんどが昼寝か博打をしてばかりの死神にしては珍しく、実に好奇心旺盛な個体。
同じ事の繰り返しである毎日に辟易した末にデスノートを人間界へ落とすと、それを拾った夜神月(やがみ ライト)が犯罪者を裁く神「キラ」となって起こす行動と、そのライトを追う名探偵L(エル)の熾烈な頭脳戦を観察し、楽しみました。





デスノートを持った人間には元持ち主の死神が憑くという掟に従い、ほとんどのシーンでライトにまとわりついています。
ただし、自身も語っているように「ライトの味方でもLの味方でもない」ため、特に誰かに協力することはありません。





ライト宅に監視カメラが仕掛けられた際や、死神シドウが現れて事態がややこしくなった件ではキラ側についていますが、それらも「監視カメラがあっては部屋の中で大好物のリンゴを口にできない」「騙し取ったデスノートだと明かさなかったせいでライトの策を失敗させた」といった特別な事情からであり、その他のシーンでは全編にわたって中立の傍観者を貫いていました。





ひょうきんそうな雰囲気を持ち、それに合致したお茶目な側面も間々見せていますが、性分は冷淡な部類で、人間に対して愛着は持ちません。



ライトに共鳴する弥海砂(あまね ミサ)から寿命の半分を代償とする「死神の目」の取引を求められると、それが彼女にとって2度目であるのもさして気に掛けずに応じたほか(「半分にした寿命をそのまた半分にしていいんだな?」と最終確認はしたが)、長年様子を見て来たライトでさえも、追い詰められた末に自分に助けを求めて来ると見切りを付け、あっさりと葬ってしまいました。





…しかし、ライトを始末したのは、例えるなら「漫画を読んでいたけれど面白くなくなったので本を閉じた」といったところです。



それは、「退屈」を嫌い「娯楽」を欲しがる者であれば、人間でも平気でやる行いなのは、言わずもがな。



そう考えると、見込んだ人間には愛情を惜しまないレムや、やたらと臆病なシドウ以上に、人間臭い死神と映ります。










キラにもLにも味方しない事と言い、実は最も読者の立ち位置に近いキャラクターなのかもしれません。















リュークについての余談



解説本に収録された読切版『DEATH NOTE』にも、主人公の鏡太郎(かがみ たろう)に憑く死神として登場。
こちらでは、デスノートの威力に恐れを抱きながらも「このノートは持っていた方がいいかな」と口にした太郎に向かって「もっと臆病な奴かと思ってたが気に入った 何でも協力するぜ」と、多少は人間に肩入れしたような発言をする1コマがありました。






本編のリュークもこんな死神であったら、どこかのタイミングで人間のために命を落とすことがあったかも…?


リューク「そんなことする死神がいるとは思えないけどな」

ライト「そうだな… 少なくともリュークは絶対なさそうだ」(4巻収録「爆弾」より)











連載前の読切と本編の両方で物語の起点となっており、他のどのキャラクターよりも『DEATH NOTE』を象徴している感があります。



おそらく、このリュークが生み出されなければ、『DEATH NOTE』も生み出されなかったでしょう。





作品のメインである頭脳戦にはまるで参戦していなかったものの、『DEATH NOTE』ファンにとっては大きな存在です。















なお、余談の中でも凄まじい余談ですが、管理人は解説本に収録されているキャラクター診断を遊んでみたところ、このリュークタイプになったことがありました。





診断結果曰く「あなたは人間じゃありません」とのことです。





…ほう。















レム


リュークに次いで人間界に現れた死神で、ミサに憑いた個体です。
元は人間界と無縁でいても不思議でなかったものの、ミサに好意を持ち、毎日死神界から彼女を見ていたジェラスとの関わりによって、運命が大きく変わりました。





ジェラスは、ミサを殺そうとしたストーカーをデスノートで葬り、彼女を救出。
しかし、「死神は好意を持った特定の人間を助ける目的でデスノートを使うと自分が死ぬ」に当てはまり、ジェラス自身も絶命してしまいます。





そんなジェラスが遺したデスノートを拾い、そしてミサに与えた死神こそ、このレムでした。
存命中のジェラス共々ミサを見ていたことから情が移っており、「この子の不幸は見たくない」と言い切る程に、彼女を大切に思っています。



そのため、ミサに危害を及ぼす人間には警戒心剥き出しで、彼女を利用して切り捨てる気満々だったライトに対しても「ミサを殺そうとすれば 私がお前を殺す」という旨の牽制をしていました。
実行すればジェラスの二の舞になるのも当然把握していながら、「それでも構わない」と冷静に言ってのける姿には、何よりも「愛情」を貴ぶ心意気が満ち満ちています。










ところが、その愛情深い性格を、ライトに利用されました。


ライトは、宿敵のLと邪魔者のレムを両方消すため、ミサがキラとして捕らえられる状況を故意に作り出します。


そうして、自分とミサのどちらが屍になるかの選択を迫られたレムは、ライトの思惑を理解しながらもミサの幸せを尊重。





Lの名前を自分のデスノートに刻んで彼を葬り、そのかどで自分も死を迎えたのです。










死神でありながら人間のために命を落とすとは、リューク曰く「ただ漠然と死にたくないから 人の寿命をいただき漠然と生きている」死神達からは、さぞや笑い者にされてしまうことでしょう。



しかも、そうまでして助けたミサは、ライトの事ばかり考えている人種。
自分を助けてくれたレムにさして感謝もしていなければ、その死にも大した関心を寄せていない節があります。





どう見ても報われていませんが、ひたすらミサの幸せを第一としていた当のレムにとっては、これで構わなかったのだと思われます。










身も蓋もない言い草をすれば思い切り自己満足でしかない状態となっているわけですが、そんな有様すら厭わないとは、素直に天晴というところです。





不合理で不可思議でありながら気高さに満ちている『愛情』というものの妙味を見せてくれた、『DEATH NOTE』においては際立って貴重なキャラクターでした。










ちなみにレムは生前、「ミサを守るのは私の意地のようなもので 愛とは少し違う 私もメスだしね」と語っていました。


…骨のように真っ白なスカスカした姿のレムが女性だとは、死神達の性別は読めたものではありません…















レムについての余談



DSソフト『DEATH NOTE キラゲーム』収録のifストーリーでは、原作と真逆の役割を担いました。





キラ捜査本部からの疑惑を払うためにライトが捏造した『第三のキラ』が逮捕されると、以後はライトの指示を受けたミサが犯罪者殺しを再開。
当然、Lはそんなミサに疑惑を募らせます。





そして、Lが「ミサさんが自由になった途端ですね… まるでミサさんがキラ…」と言い出したところに、「彼女は以前 何日もの間 拘束されていただろう! なら彼女は潔白じゃないのか?」と口走ってしまったのです。





捜査本部の誰一人としてミサの監禁を口にしなかった中でのこの台詞は、レムとミサに関わりがあった(ミサがデスノートを所有していた)証明に他なりません。





つまり、ミサが第二のキラだったのをバラしたわけです。





ミサを救うつもりが逆にその首を絞めるとは、原作における魅上照(みかみ てる)すら比じゃないドジっぷり。










そのせいで、Lによって「夜神月がキラ」「弥海砂が第二のキラ」との通達が全世界へ向けて発信され、もはやLを殺そうとワタリを殺そうと捜査本部の全員を殺そうとライトもミサも逃げられない状況を作らせてしまいました。










原作と『キラゲーム』のifストーリーとで結末は真逆になっていますが、いずれのパターンにせよ、ライトとLの決着に不可欠なキャラクターだったと言っていいでしょう。





自分の命を失った代わりにミサのごく短い間の幸せを守れた原作と、ミサが第二のキラとして正式に逮捕された一方で自分は死なずに済んだ『キラゲーム』のifストーリーではどちらが良かったのかと、ライトの父である夜神総一郎と似た疑問も湧きますが…





レムならきっと、原作の展開に満足するのだろう。















シドウ


第2部に短期間登場した死神で、リュークがわざと人間界に落としたデスノートの、本来の持ち主です。
ある意味キラ事件の被害者?





人間を殺しての延命を長きにわたって怠っていたらしく、第2部序盤にて「そろそろ人間殺さないとヤバい」と語るくらいには追い詰められていました。



しかし、迂闊にも自身のデスノートを紛失していたシドウは、それを回収するべく一時期人間界に降り立つ破目に。



死神界ではその出発の際に「シドウが始動したぞ」「あいつの頭じゃ 人間から取り戻すの難しいだろうな」「利用されまくりそうだ」と散々に言われていたり、後にはリュークからも「そこまで考えて動けるとも思えない」と評されるなど、切れ者とは程遠いのが強調されています。





そうした評判通り、Lの後継者候補にしてデスノートを押さえていた張本人のメロと、そのメロからノートを奪還しようと奮戦するライト達キラ捜査本部の双方に度々あっさり言いくるめられ、利用され続ける姿を見せました。



リュークの話で聞いただけで実際に顔を合わせてはいなかったライトにさえ「しっかりした死神ではなさそうだ」と断じられるのも納得。





最終的に、キラ捜査本部がメロ達から取り返したデスノートを受け取って死神界に帰還し、出番は終了。
ノートを取り戻したのを喜びつつ人間界から去って行きましたが、シドウの寿命のために人間達が犠牲にされると思うと、複雑なものがあります。


『DEATH NOTE』の世界における、人間と死神の間の摂理なので、とやかく言っても仕方ありませんが…










化物じみた外見に似合わず性格は臆病で、解説本によれば嫌いなものは「オバケ」とのこと。
鏡見せてやろうか





死神界の掟に震え上がるのはまだ良いとして、人間であるメロにさえ怯える始末で、彼について「人間のくせに怖(こえ)〜」との印象を抱いていました。


…どちらかと言えば、シドウが「死神のくせに情けない」気がします。





また、Lの後継者候補の1人であるニアの仲間を、メロが大量に殺めた件についても、「人間って怖いな… ノートの使い方間違ってるだろ」と、コメントしていました。



同じ出来事について「だから面白いんじゃん」と考えるリュークとは、馬が合わなさそうです。















『DEATH NOTE』の死神達が死ぬ可能性




『DEATH NOTE』の死神達は、銃で撃たれようとナイフで刺されようと死なない存在です。
仮にも「神」である彼らを人間の手で殺めるのは困難を極めており、実質不可能とも言えます。



…とは言え、死神達も決して死なない訳ではありません。
死神達が命を失う要因が少なくとも3つ、劇中で示されていました。





死を司る死神が、死ぬ。
そんな興味深い可能性について語り、本記事の結びとしておきます。















デスノートで人間を殺すことを怠る


死神が死ぬ要因のうち、リュークの台詞から明らかになったものです。



死神達は人間をデスノートで殺し、その人間が使わなかった寿命をいただくことで永らえています。
例えば、60歳まで生きるはずだった人間を40歳の時に殺すと「60-40=20」で20年の寿命が死神のものになる、という具合。



おかげで死神達は、よほど人間殺しを怠けていない限り、寿命が尽きる心配もなく生きていられるわけです。
「いつか必ず死ぬ」我々人間にとっては、羨ましかったり、絶望的だったり?





もっともリュークによれば、何百年も人間の名前を書くことを忘れて暮らしたために死んだ死神もいたそうです。
…無様。

ちなみにシドウもそうなる可能性があった















特定の人間に好意を持ち、その人間を助ける目的でデスノートを使う


レムの発言から発覚した、死神が死に至る要因の1つ。
死神は、好意を持った人間の寿命を延ばす目的でデスノートを使うと、砂とも錆とも分からない物に変わり、死んでしまいます。





劇中でこれに該当して命を失ったのは、ジェラスとレム。
両者とも、好意を持って助けた人間は、ミサでした。



解説本にて「意図せず異性を虜にする魔性の持ち主」と評されていながら、よく見ると本編では特段人間にモテている様子のないミサですが、死神には大層好かれるようです。



ミサ「死神に愛されたって困るし…」(6巻収録「先走」より)

しかもレムに至っちゃ異性じゃないしね










「死神を殺す方法」として挙げられたものではありましたが、この現象を狙って引き起こそうと思えば並大抵でない下準備が必要なのは、論を俟ちません。





…しかし、ライトはそれさえ意図的にやってのけ、死神であるレムまでも死に至らしめました。
そのレムから「死神を超えている」とまで言われている通り、まさしく常人離れした知恵と悪どさの持ち主と言うほかないでしょう。










余談ながらレムによると、好意を持っていなければ、特定の人間を助ける形となっても死なずに済むようです。
仮定の話に過ぎませんが、ジェラスやレムも、延命目的の人間殺しでミサの命を脅かす者達を偶然葬っていたとしたら、消えなかったということになります。





さらに人間の場合、好意を持った特定の人間を助ける目的でデスノートを使っても、死なない模様。
ライトを意識するミサのように、自分ではなく他人のためにノートを使用する人種には、ありがたい話かもしれません。















死神界の掟を破り、3級以上の罪を受ける


シドウの持っていた、死神界の掟を記した紙から分かった事実です。



いい加減なように見えて死神界にも、あれこれと細かい掟があります。
それらの掟を破った死神は、全9段階ある罪(低い方から8級〜1級+最上級である特級)のいずれかを喰らい、3級以上だった場合は苦しみを課せられた後に死ぬことになるのです。



例として、死神がデスノート以外の方法で人間を殺した場合は特級の罪を喰らうそうな。





このため、人間を殺さなければ寿命が危うかったシドウは、デスノートを取り戻すために散々苦労することになっていました。
そもそもノート落とさなければ済んでた話だけどね





劇中でこれに該当して死んだ死神はいませんでしたが、死神達も多種多様にして千差万別の者達。
しかも、リュークの台詞から察するに何百年も存在しているとなれば、過去には掟に背いて命を失った個体もいたのかもしれません。





こうして読者の想像を広げてくれる設定は、実際のストーリー上で活かされることがなくとも、見ているだけで面白いものです。















次回はその他のキャラクターについてもう少し



『DEATH NOTE』の死神について語る記事は、これまでとしておきます。
ここまで御覧下さった訪問者様、ありがとうございました。





『DEATH NOTE』のキャラクターについてはあと1度、これまで触れなかった者達を何人か選んで語ってみようかと思っています。
面白い事を言えるかどうかは、別問題ですが。










それでは、また。
posted by 暇人 at 23:14| Comment(0) | TrackBack(0) | マンガ

2019年10月02日

【ネタバレあり】「DEATH NOTE」を語る・L陣営編

珍しく夕方に、今晩は。
漫画『DEATH NOTE』では昔はキラ派、今ではどちらかと言えばL派な、「暇人の独り言」管理人です。





犯罪者を葬るのに大賛成の死刑存置派であるのは、昔も今も変わっていません。
ただ、キラは犯罪者でない人間も巻き込んでいたし、法律によらず勝手気ままに死の制裁を下しているのでは身勝手に他人を害する犯罪者達と大差ないと感じるようになって、以前程のキラ肯定派ではなくなりました。


…人間の考えなどコロコロ変わるものなので、またキラ支持に傾いてしまう可能性もあるかもしれませんが。










さて、本記事では、L側にいたキャラクター達について語ってみます。





もちろん全力でネタバレしているので、閲覧の際は要注意。













L


「この世界の影のトップ」とまで称される名探偵です。
犯罪者殺しを重ねる「キラ」こと夜神月(やがみ ライト)を『悪』、自らを『正義』と称し、そのライトと熾烈な頭脳戦を繰り広げました。



第2話にして、「世界中の犯罪者が心臓麻痺で死亡している件は自然現象ではなく大量殺人である」「最初の犠牲者となった通り魔はキラの殺しの実験台に過ぎなかった」と見事に言い当てており、その看板に嘘偽りがないのが見て取れます。
本人はめっちゃ嘘吐きだけども





ただし、『正義』を掲げるLも、捜査では下記の様な到底褒められない手法を用いていました。





刑罰で葬るべき死刑囚を自身の身代わりとして利用し、キラの犠牲にする



疑いを持った標的の家庭や職場に、監視カメラと盗聴器を仕掛ける



ライトに協力する『第二のキラ』だと見なした弥海砂(あまね ミサ)から、携帯電話をこっそり盗む





特に死刑囚と監視カメラ&盗聴器の件については、ライトから「… 限度ってものを知らない!!」と評された程です。



…とは言え、これらの行動を渋っていたら、キラに近付くことすらできませんでしたが。










凄まじい推理力と手段を選ばない姿勢でライトを窮地に追いやったものの、『第二のキラ』ことミサがライトに味方すると、その奮闘を水の泡にされます。



ライトが故意に、ミサがキラとして捕らえられる状況を作り出したことで、ミサに好意的な死神レムが行動。



レムのデスノートに名前を書かれ、志半ばで命を絶たれる結果となりました。





ライトが自分にだけ見せた悪意まみれの醜い笑顔で、当初から抱いていた「夜神月=キラ」が間違っていなかったと悟りつつ、ずっと開いたままだった目を閉ざして永眠する瞬間は、Lファンにとってショック必至のシーンです。





ちなみに絶命する間際、「やはり… 私は… 間違って… なかった… が…… ま……」とのモノローグを遺していますが、何を思っていたのかは解説本でも明らかにされませんでした。
原作者によれば、「読者それぞれに考えて頂くのが『DEATH NOTE』」なのだとか。





管理人としては、「間違っていなかったが 間に合わなかった」かな、と感じています。
真相には早くから辿り着いていたのに、デスノートを押さえる機会に恵まれなかった上、無能で足手まといな捜査本部の面々に色々と阻まれて先手を打たれてしまったので。










こうしてL本人の戦いは無念の結果に幕を閉じたものの、第2部では後継者候補のニアが現れ、様々な偶然にも助けられて、キラを倒すに至りました。



…Lの手で勝って欲しかった。










早くからライトに確信レベルの疑惑を向けてはいたものの、その根源となったのは「あの中(盗撮&盗聴で監視した者達)では一番何かを感じさせた… お前は完璧すぎる」という、ほとんど勘に等しい考えに過ぎませんでした。



そんなあやふやなものでさえ的外れになった例がないのは、素直に超人的な知恵の持ち主とも言えますが、原作者が解説本で言及しているように「漫画の設定上、最も頭が良くないといけないから」なのも大きそうです。



まあ、「影のトップ」とまで言われる程の探偵が見立て違いばかりしていたら興醒めもいいところだったし、最初が勘であろうとゴチャゴチャ言うべきではないか。










上述した様にキラ逮捕のためには手段を選ばなかったり、気遣いのない物言いをしたり、駆け引きでは平気で嘘を連発するなど、なかなかの人でなし。



しかし、ライトが犯罪者を殺しつつ自身をおちょくるメッセージを発した件や、ミサが犯罪者ではない人間達(キラを批判しただけのコメンテーター等)を殺めておきながら「悪を憎み正義を愛する」と言い放った際には、明確に憤る姿を見せていました。
そのため、根っから非人道的で無感情な人物でもないようです。



真顔や無表情が多い一方で感情の起伏は見えやすいのは、後継者となったニアとの大きな差異だと感じます。










キラとの奇妙な絆?



Lは、キラことライトを悪と断じた身ゆえ、当然その思想を認めはしませんでした。
しかし、彼の行動を注意深く観察しただけはあり、相容れない者同士ながらその在り方は理解している様子が、第二のキラの騒動から窺えます。



第二のキラがテレビ局に送り付けたビデオの騒動に一区切りが付くなり、Lは「キラの偽者の可能性が高い」と看破しました。
その判断ができたのは、従来のキラ(ライト)が「追う者は別として罪の無い者を殺すことは極力避けて来た」のに対し、ビデオを送ったキラ(ミサ)は罪の軽い者や犯罪者でない者を殺めたのが理由だったようです。





さらにLは、「キラは恐怖による独裁は狙っていない」とも評していました。
この見解も、第2部でキラの代理人となった魅上照(みかみ てる)が「前科者も罪によっては裁く」と宣言した際に、ライトが「キラは犯罪への抑止力であるべき 更生した者への裁きは恐怖を生む」と不満を抱いている事を見れば、正鵠を射ていたとよく分かります。





また、ミサがキラを騙って起こした一連の行動については「私がキラなら怒りますよ」と発言しつつ眉をひそめています。
ことによると、自身が徹頭徹尾糾弾するキラに対しても、敵なりの愛着のようなものがあったのかもしれません。


…もっとも、命を懸けて戦っている敵を愚弄されたのでは、自分まで嘲られたに等しいので、愉快に思うはずはないでしょうが。










「許してはならない犯罪者」としていながらライトの信条を的確に読んでいたLと、邪魔者と見なしていながらも卓越した知恵者としてはLを認めていたライトは、どこか似た者同士であったのかもしれません。
幼稚で負けず嫌いな所とかが特に





ライトがデスノートを拾わなかったなら、Lとライトはもしかしたら…










…というのは、言わぬが花か。










Lについての余談



Lについて最も記憶に残るのは、やはり奇抜な行動が多い点でしょう。
膝を立てた格好で椅子に腰掛けていたり、ふとしたときにすぐ甘味を摂っているなど、とにもかくにも個性的です。



解説本では「ライトを除いて1番キャラが立っていたと思うから」「描いていて楽しかった」との理由で、原作者・作画者の双方からお気に入りの人間キャラ第1位として挙げられており、その魅力の高さを感じさせます。
本編での扱いは悪いけれども





さらに、DSソフト『The proLogue to DEATH NOTE 螺旋の罠』や実写映画『L change the worLd』では主役となったり、『DEATH NOTE キラゲーム』のifストーリーではライトを打ち負かして生き延びるなど、本編以外では何かと優遇されています。



人気があるのに本編で不遇なキャラクターは、往々にしてこうした救済措置が行われる模様です。










ところで、Lは「竜崎」「流河旱樹」「エラルド=コイル」「ドヌーヴ」など、数多くの偽名を名乗っていましたが、レムのデスノートに刻まれた本名は、本編では分からずじまいでした。





しかしそれも、解説本によってやっと判明。
何と、L Lawliet(エル=ローライト)という名前だったようです。



一部分だけとはいえ、実は普段から本名を名乗っていたらしい。










連載終了後に発表された特別読切では、生前に「今の法で考えれば自分も悪人」と口にしていたのが、ニアの回想によって明かされました。
さらに、「難事件を解決するのは趣味であって正義心ではない」とも言い放っていたようです。



一見後付けのようにも感じますが、そもそもLが『正義』を口にしたのは、キラへの宣戦布告の時と、素顔を晒して捜査本部と対面した時くらいのもの。
しかも、ライトとキラ捜査本部や、ライトとニアのように「正義とはどういうものか」といった議論を行った機会もありませんでした。



そのため、さして『正義』にこだわりがなく、特段深い考えから『正義』を掲げている訳でもないのは、本編でも読み取れないことはなかったでしょう。





とどめに解説本でも、原作者から「ライトはすごい悪、Lも若干悪、総一郎だけ正義」と評されていたりします。










…もっとも、生真面目に手足が生えて歩いているような総一郎を基準にしたのでは、『悪』にならない人間の方が絶滅危惧種クラスの珍しさなので、酷な比較ですが。















ワタリ


Lの右腕として活動している老人です。
本名はQuilIsh Wammy(キルシュ=ワイミー)。



当初はLとコンタクトを取れる唯一の人物として、帽子とコートを身にまとった姿で登場。
パソコン越しのLの声を届けるため、ICPOや日本のキラ捜査本部にも顔を出していました。





Lと総一郎達が対面してからは、Lが捜査本部の面々を信じた証として帽子やコートを用いなくなり、素顔で活動。
目立った活躍は少ないですが、緊急時などに使える発信機付きのバックルを総一郎達に提供したり、監視カメラと盗聴器の準備や取り付けをこなすといった形で、Lの捜査に大きく貢献しています。



ライトが自分への疑惑を逸らすために捏造した「第三のキラ」こと火口卿介(ひぐち きょうすけ)を確保する際には、見事なライフル狙撃まで披露しました。
解説本でも触れられている通り、万能の老紳士です。





それだけにライトにとってはLと並んで「邪魔者」であり、また死神レムにとっても、愛着あるミサを脅かす危険人物でした。
よって、レムのデスノートにL共々名前を書き込まれ、心臓麻痺での死を迎えます。





その後、発明品で得た資金を元手として、数々の養護施設を設立していたことが明かされました。
中にはLの後継者を育成するワイミーズハウスもあり、そこには第2部でライトを負かすニアや、そのニアの勝利を助けたメロの姿があったわけです。



キラに立ち向かったL・ニア・メロが、いずれもワタリと多少なりとも関係のある人物だったのを思うと、ワタリはある意味キラへの抑止力を用意していた人物なのかもしれません。





…しかし解説本での原作者コメントによると、そんなワタリは「道楽で探偵を育成する人物」とのこと。
世界は道楽で救われたのか…










DSソフト『L The proLogue to DEATH NOTE 螺旋の罠』では、主役を務めるLと共に、新米FBI捜査官であるプレイヤーのサポートに注力。
敵対する犯罪者や事件の舞台についての情報を素早く収集したり、Lが中座した時には自らがプレイヤーの爆弾処理に助言するといった、実に頼りがいのある姿を見せてくれます。





ちなみに同作におけるLは、「懇意にしているデザート職人がいる」と語っていました。
プレイヤーは事件を解決した暁には特別にその職人の話を聞かせてもらえる約束だったものの、本人の意向から、Lもその名前を明言してくれなくなります。





よってそのデザート職人については、Lからヒントを聞けるのみに留まりましたが…










L曰く、「『彼』は私のそばにいる人物です」とのことでした。















夜神総一郎


日本警察の警察局局長にして、キラこと夜神月の実父です。
ストレートな正義漢が多い日本警察キャラの中でもさらに飛び抜けた善人ぶりであり、部下の1人である松田桃太から「正義の塊」とまで評されています。



そんな性分ゆえ、「犯罪者を殺す犯罪者」でしかないキラを正義と見なすはずもなく、命の危険も恐れず敢然とキラ捜査に邁進。
自分が誰より信用する息子こそがそれだとは夢にも思わず、また、Lから何度疑惑を立てられても考えを変えることもないまま、キラを追い続けます。





過労で心臓発作を起こすも病院に担ぎ込まれるだけで済んだり、第三のキラから銃撃されたものの肩をかすめて軽傷に留まるなど、第1部では今にも死にそうな容姿に反して意外としっかり生き残るキャラクターでした。





しかし、第2部でメロからデスノートを奪還するための攻防の最中、メロの仲間であるマフィアの一員から銃撃を受けて、ついに帰らぬ人に。
今際の際、攻防の前に得ていた「死神の目」でライトを見ると、息子はキラではないとの間違った確信を抱いて、生涯を閉じました。


(補足:「死神の目」を持つ人間は他人の名前と寿命が見えるが、相手がデスノートの所有者だと名前しか見えない。この時のライトはノートの所有権を放棄していたため、総一郎には名前も寿命も見えており、キラではないと判断された)





「何としても私の目の黒いうちにキラを…」との強固な思いを抱いていたものの、念願は叶わずに終わったわけです。



…もっとも、死神リュークも触れているように、ライトがキラではないと信じて眠れただけ、総一郎にとっては救いであったかもしれません。










皮肉にもこの総一郎の死後、捜査本部の一部も、多少はライトを疑うようになっていきました。
ライトの父親である以上分からなくもないですが、息子をキラだと疑うのを許さない空気を作っていた部分があった…





つまりは、最もキラ捜査に情熱を燃やしていたのに最もキラ捜査を滞らせていたところがあったわけです。



何とも言えない…















総一郎についての余談



実写映画版では流れが大きく変わっており、最後まで生き延びた代わりに「キラ=夜神月」が紛れもない現実だと知った上、ライトがリュークに葬られる様を目の当たりにすることとなりました。





キラの死は公表しないと決められたため、残された妻とライトの妹には「ライトはキラに殺された」とだけ伝えているようです。
キラ事件終結後も兄の死を悲しむ娘へ向けて、「ライトは最後までキラと戦ったんだ」と慰めるように嘘を吐いた表情は実に険しく、痛ましさを感じさせます…










命を落とした代わりに、誰より信用する息子がキラだったと知らずに済んだ原作の方がマシだったのか?



それとも、誰より信じた息子がキラだったと分かった上に死別し、残された家族にも真相を打ち明けられない代わりに、キラ撃滅の宿願叶って最後まで生き延びた実写映画版の方がマシだったのか?





原作と実写映画版の違いを見ると、そんな疑問が湧くところですが…
いずれにせよ、慰めの言葉も見つからない位には不幸なキャラクターと言うほかなさそうです。





解説本でも「作中唯一の正義の象徴」と評される程の良識人がこんな目に遭うなんて、実に惨いものだ…



















相沢周市


日本警察の一員にして、キラ捜査本部に参加した刑事の1人です。
アフロヘアーのような特徴的な髪型とは裏腹に、性格は総一郎に次いで生真面目な人。



捜査の過程で同僚を殺害された怒りもあってキラ逮捕にかける思いは強かったものの、家族の生活を預かる身であったゆえ、警察がキラ事件から手を引くと自身も捜査本部から離脱します。





しかし、Lを信用できずキラ捜査本部に参加しなかった同僚の伊出英基と、彼が率いていた「クビをかけた信用できる者」と共に、秘密裏にキラ捜査を継続。
L達キラ捜査本部が第三のキラである火口を追い詰めるシーンでは、Lの連絡を受けた警察からの「火口のポルシェに近づくな」という通達に背いて出動し、その逮捕に貢献します。



それ以後、再度キラ捜査本部に顔を出すようになりました。










第2部ではアフロのようだった髪型を変更し、個性が無…
…もとい、さっぱりした姿に。



総一郎の死を契機として徐々にライトへ疑惑を持つようになり、密かにニアと通じつつ、キラ事件の行く末を見届けました。










結局、知略の面ではライトやL達には到底及んでおらず、火口逮捕の件を除くと、キラ捜査において特筆する程の大活躍はできていませんでした。
とはいえ、キラ事件解決後には貫録の付いた面持ちで捜査本部のリーダーとなっており、指揮官になるだけの実力と人徳を兼ね備えているのは確かなようです。





連載終了後に発表された特別読切でも、部下の松田達と共に再び登場。
日本の高齢者ばかりを狙った殺人事件が、キラ事件と同じくデスノートによるものだと確信すると、捜査に動き出そうとしました…





…が、犯人はニアから「この人殺し」と言われただけで自殺したため、またもや大して良い所がなく終わることに。

(´・ω・`)










ちなみに相沢は序盤で、「夜神月=キラ」の疑いを持つチャンスがありました。
それは、ライトが元FBI捜査官の南空ナオミの名前を、デスノートの切れ端に堂々と書いている場面です。



この場面をしっかり目撃できたなら、ライトと一緒にいた人間が行方不明となったこと、しかもその行方不明者がキラに殺害されたFBI捜査官の婚約者であったことに、何がしかの引っ掛かりを覚えたでしょう。





…しかし折悪く、このシーンでは雪が降っており、傘を差して歩いていた相沢は、ライトとナオミの存在に気付けませんでした。



相沢が感付いていたなら、キラ事件はもっと早く解決していたかも…?





ライトは「キラが心臓麻痺以外でも人を殺せる」のに気付いたナオミと出会い、「この女が僕より先に警察にこのことを話していたら… どうやら死神じゃない方の神は僕の味方らしい」との思いを抱いていましたが、それを真似るなら「死神じゃない方の神は相沢に味方してくれなかった」と言うべきか。










もっとも、キラ事件に関わった人間はほとんど息絶えているので、そのキラを相手取って生き延びられただけでも十分、死神じゃない方の神に味方されたと言えますが…

死神じゃない方の神?原作者のことか















松田桃太


日本警察の一員にして、キラ捜査本部に参加した刑事の1人です。
いつの時代にもいくらでもいそうな軽いノリの若者で、「流行りもの」が好きで「努力」が嫌いという、典型的なダメ人間臭に溢れています。



知恵の方はライトやLどころか捜査本部の仲間達にさえ大きく劣っており、思いつきや閃きを以って活躍したシーンはほぼ皆無。



あまつさえ浅慮な部分もあり、独断で潜入捜査に臨んだせいで窮地に陥り、捜査計画を台無しにした挙句に救出の手間を焼かせたため、Lに「松田の馬鹿…」と呼び捨て&悪口のフルコースを叩かれる有様でした(結果的にはこの失敗のおかげで捜査が進んだ部分もあったが)。



ついでに常識すらもいまひとつで、「警察がキラ事件から手を引いた以上 キラを追うなら無職になる」局面では、「元々コネで入った警察だからもういい」と口走ったことさえあります。
コネ採用するとこういう奴に当たるのね





加えて第2部ではキラについて、「完全に悪とは思えない」「キラは悪と戦っているとも思う」と共感を覗かせ、捜査側の人間としてつくづく不安な姿を晒しました。


本人によれば、「自分も弱い立場の人間だったからキラを救世主と言ってる人の気持ちも分かる」のだとか。










ただしそうした共感も、キラ逮捕の思いを鈍らせる程のものではありませんでした。
むしろ、ライトがキラだったと分かるや勢い余って彼を殺さんばかりの銃撃を浴びせるくらいに、キラ逮捕の意志は固く確かです。





キラを否定し切れずにいながらも、事件が終わるまで刑事としてキラを捕らえる役目に徹した姿から、私情を捨てて仕事に従事する割り切りぶりは見事と言っていいでしょう。





また、自分が動くほかない状況では、命の危険があろうと恐れも迷いもなく素早く動ける点も、彼の大きな長所だと感じます。
「何も考えてないだけ」とかそんな本当のこと言うな










最終話では、キラがいた頃といなくなった現在とを比較し「本当にこれで良かったのか?」と悩んでいたものの、「これで良かった」と言い切る伊出から「あそこでニアが負けていたら 俺達は今 生きていない」と補足されると、苦笑しながら彼に同意しました。





「善悪論は描かない」と決められていた『DEATH NOTE』においてその善悪論を引き起こす切欠になっていたり、キラがいる世界とそうでない世界のどちらが良かったのかと惑うなど、その在り方は実に人間臭さに満ちています。



L側・キラ側ともに、自分が立った場所こそ正しいと疑わない者だらけであった劇中においては、稀有な存在です。










…凄まじい余談ですが、よくよく見ると捜査本部では最も地位の高かった総一郎を差し置き、劇中で一番最初に名前が出た刑事であったりします。


結構出しゃばり?















模木完造


日本警察の一員にして、キラ捜査本部に参加した刑事の1人です。
非常に寡黙で口を開いたシーンは多くないものの、大企業の社員全員をリスト化するなど、地道な作業にかなり長けています。



「不言実行」の四文字が相応しいその仕事ぶりは、Lからも「最初から何気にすごい」と高く評価された程。
嘘吐きの言うことなので本心かどうかは不安だが





またミサのマネージャーとなってからは、自分とは正反対な「元気一杯の体育会系」キャラもしっかり演じ切るなど、不向きであろうとも与えられた役割はしっかりこなしてのけています。





…しかし、その後独りになってから「向いてない…よな?」と溜息を吐く姿には、職場の都合でガラでもないことをやらせられる人間の悲哀を感じる。










なお解説本によると、最初は人数合わせで登場したキャラクターだったとのこと。
原作者は「『無口な奴』になったのでいつか意表を突く役割を」と思っていたそうですが、無口が災いしたか、結局意外性らしい意外性はないままでした。










まあ、派手に活躍するキャラクターばかりが魅力的という訳でもないし、これはこれで悪くなかったと思いますが。















伊出英基


日本警察の一員にして、キラ捜査本部に参加した刑事の1人です。
第1部では命を懸けてキラを追おうとしたものの、Lを信用できなかったため、彼との協力を選んだ総一郎達から離脱します。





そのまま警察の通常業務に落ち着いたかと思いきや、ミサがキラを騙ってテレビ局にビデオを送り付けた騒動と、第三のキラ逮捕の場面で再登場。
後者で初めて名前が明かされると共に、「クビを懸けた信用できる者」を集めて秘密裏にキラ捜査を行っていたと、車に同乗していた相沢の口から語られました。





第2部からは捜査本部に参加。
ただし、二代目Lの座を得たライトよりも、相沢と行動を共にしたいとの考えを抱いていました。
そのため、ライトに不信感を抱いてニアと連絡を取ろうとした相沢の背中を押したこともあります。



また、火口逮捕の際の会話では相沢から「伊出がいなかったら何もやる気がせず 形だけの捜査本部長のデスクに向かっていただろう」という旨の台詞と共に感謝を告げられる一幕もあり、とかく彼との結び付きの強さを感じさせます。





目立った活躍はないキャラの1人でしたが、相沢をキラ捜査本部の一員として繋ぎ止めた点では、地味ながら重要な役割を帯びていたと言えるでしょう。










最終話では、松田とキラ事件の事について語らう様子が描かれました。
その中でも最も印象的なのは、「キラ社会と今の社会を天秤にかけている僕が歪んでいることは分かっているんですが…」とこぼした松田への返答です。










俺個人は お前が歪んでるとは思ってないし ニアが正義だとはっきり言えもしない










キラとLのどちらが正しいのかについて明確な結論を述べなかったこの姿や、捜査本部内で「勝った方が正義」との考えが語られた際には「世の中いつもそんなものだったかもしれない…」と同調している節があった点から、善悪論に決着を付けることには慎重な人物であると見て取れます。





それでもキラ社会でなくなったのを迷いなく「良かった」と言い切れるのは、「ニアが負けていれば自分達は生きていないから」が最大の理由のようです。



…「命あっての物種」がこれ以上似合う話も、なかなかないかも?















ちなみに、「恋愛」というものにはほとんど無縁であるらしく、その関係の話にはまるでついていけていない様子が度々描かれていました。
よう同志















ニア



Lの後継者候補の1人で、キラ対策特別機関(略称SPK)のリーダーです。
同じくLの後継者候補で、かなり優秀な部類だったメロよりもさらに上を行っているため、彼に敵視されています。



本名はNate=River(ネイト=リバー)。
解説本によると、姓の「リバー」には「Lから流れて来たもの」、名前の「ネイト」には「生まれついての天才」という意味を持たせているとのことでした。
一方でメロの本名には特に意味はないらしい



そんな設定ゆえか、血縁関係は一切ないもののLとかなり似た雰囲気のキャラクターとして描かれており、電話越しでもライトにLと話しているような感覚を味わわせています。





落ち着き払った物腰に反してかなりの玩具好きであり、自身の手元には指人形やタロットカードなどが転がっているのが常とあって、年齢より幼稚な印象を受けるでしょう。


絵面としては、途轍もない甘党のLが茶菓子をしこたま部屋に並べていた姿と似ているかも?





Lの名を継ぐのに差し支えない程高い推理力と、対抗馬のメロにはやや乏しい冷静さプラスSPKメンバーを顎でこき使う人使いの荒さで、亡きLに代わってライトに迫って行きました。





最終決戦では、「キラ事件に関して見せたいものがある」として、SPKとキラ捜査本部で一箇所に集まろうとライトに提案。
キラの代理人の魅上にデスノートを使わせ、本家キラであるライトの名前だけが書き込まれないであろう事から、「夜神月=キラ」を証明しようとします。



その下準備として、デスノートとただのノートのすり替えを実行。
ただしこの手はライトに読まれており、本来なら彼らが用意したただのノートしかすり替えられず、集まりの場面では本物のデスノートを使われて敗れるところでした。





しかし、メロがライトの協力者を誘拐した一件で魅上が動いたことと超人的なスキルの持ち主に救われ、デスノート及びライトの無力化に成功。
Lの遺志を継ぎ、キラ撃破を実現しました。


…Lではなくニアが良い所を持って行ったのは、やっぱり気に入らない。










頭の良さは確かな一方、自ら認める程に行動力が欠けている、最初からデスノートの存在を知った上でキラ捜査に臨めている、最終決戦では敵の失敗が無ければ負けていたといった隙があり、Lを継ぐ者ではあってもLを超える者ではないと思えてなりません。



本人は、メロと2人で互いの足りない部分を補い合えば「Lを超せる」と豪語していますが、果たしてそこまで至ったことかどうか?
そもそもどっちも劣化Lですし





ドライな性分を考慮に入れてもなお『熱さ』が乏し過ぎて、大量殺人犯であるライトにありふれた正論をぶつけるためだけの存在としか映らない人物です。
例えて言うなら、パソコン等の電子機器がユーザーにエラーメッセージを出しているというくらいに無味乾燥。





好みの話をさせてもらうなら、管理人にとっては嫌いなキャラクターでした。















特別読切では…



そんなニアですが、連載終了後に発表された特別読切では、キラについての認識が少し掘り下げられました。
キラを否定する考えは一貫しているものの、「Lが自分の命を懸けるだけの意味があると考え戦った」相手としてはキラを認めていたようです。



本編でもライトに対して「私もあなたと同じです 自分が正しいと思うことを信じ正義とする」とは発言していましたが、絶対に認めてはならないと考えていたキラ相手にこのような想いを抱いていたとは、なかなか意外な話でした。





そのため、同読切にてデスノートを使い日本の高齢者を葬りまくるキラ紛いの大量殺人犯については「クズ」と吐き捨て、これをキラと呼ぶのは「Lにもキラにも失礼」とこぼし、とどめに「どうしてもキラと呼びたいのならCキラ」とまで断じました。


(注)Cキラは「Cheapキラ(安っぽいキラ)」の意







また、このCキラを始末するにあたっても、本編でキラを相手取った時と同様、「Lならどうするか」を熟考していました。


Lに劣る部分は残っているとしても、Lの考え方は忠実に受け継いでいるようです。





そんなニアはCキラについて、「キラと同列に並べたくないのはLも同じだろう」とも述べています。
確かにLは第二のキラ相手にさえ「自分がキラなら怒る」とまで不快感を示していたくらいなので、もしもCキラと相対する羽目に遭っていれば拒絶反応どころではなかったことでしょう。


…というより、ニアから「この人殺し」と言われただけで自害したCキラでは、Lからは歯牙にもかけられなかったと思いますが。














ジェバンニ



本名は、Stephen=Loud(ステファン=ラウド)。
ニア率いるSPKのメンバーにして、キラ事件解決の真の功労者と言っても過言ではない人物です。





しばらくの間は、ライトの代理人である魅上を尾行している様子くらいしか描かれない地味なキャラクターでしたが、最終決戦にてとうとう真価を発揮します。










何と、びっしりと名前が書き込まれたデスノートの偽物を、魅上の筆跡を真似ながら完璧に、しかも一晩で作り上げるという芸当をやってのけたのです。










人間技じゃねえ。





ゲーム作品では『DEATH NOTE Lを継ぐ者』にのみ登場していますが、こちらでも固有の「スキル」として、他の味方キャラと位置を交換できる技「すりかえ」が使用可能となっています。
終盤の描写のせいで、「一晩」「贋作」「すりかえ」のイメージが定着した模様です。





こんな無茶苦茶な真似をしていれば、是非も無しと言ったところですが。















次はその他のキャラクターについて語るかも



L陣営のキャラクターについては、このくらいで話を終えておきます。
次に『DEATH NOTE』語りをやる際は、キラ側でもL側でもなかったキャラクターについて喋ってみる予定です。





それでは、また。

posted by 暇人 at 17:28| Comment(2) | TrackBack(0) | マンガ
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