札幌や千歳から函館など道南方面に向かうには、いくつかのルートがあります。
小樽・倶知安・ニセコを通って長万部に抜けるルート。
苫小牧・室蘭・伊達を通って長万部に抜けるルート。
高速(道央自動車道)を一気に走り抜けるルート。
いちばん近い中山峠ルートは、現在土砂崩れで復旧作業中のため、千歳から支笏湖・美笛峠を通って洞爺湖を経由して噴火湾に出て長万部に至るルートをドライブしましょう。皆さんは新千歳空港に到着した観光客という想定でご案内します。
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新千歳空港≫
皆さんが降り立った新千歳空港は1926年(大正15年) - 千歳村民の労力奉仕により、約10 haの着陸場を造成、この年の10月22日には小樽新聞社の飛行機「北海1号機」が着陸したのが始まりでした。 1939年(昭和14年) - 海軍航空隊が開庁し海軍の飛行場となる。 1945年(昭和20年) - 終戦と同時に連合国軍に接収され米軍基地として使用せれるが、1951年(昭和26年) - 民間航空が再開され、千歳〜東京間に民間航空機(日本航空)が就航したが、航空自衛隊との共用だったため冷戦時代はソ連機の領空侵犯による航空自衛隊機のスクランブル出動が年間200回にも及ぶ状態で、スクランブル発動時、民間機は地上や周辺空域での待機を余儀なくされ、長い場合は30分程度にも及んだため、こうした安全・防衛上の問題から隣接地に新千歳空港の建設が始まり、3,000 mの平行滑走路を2本持つ、日本で初めて24時間飛行機の離着陸が可能な空港として1988年(昭和63年)に民間専用の新千歳空港として運用開始しました。
2012年現在、年間利用者約1,800万人、とりわけ東京国際空港(千歳 - 羽田)便は現在、日本航空(JAL)・全日本空輸(ANA)・AIR DO(ADO)・スカイマーク(SKY)の4社が競合し、2006年には単一路線としては世界で初めて年間乗降客が1,000万人を突破し、世界一の巨大幹線となったが。近年茨城空港や富士山静岡空港の新設やLCCの進出により成田空港への利用客の分散化が進んでいますが、世界一の単一幹線であることは変わりありません。
新千歳空港のライブカメラの映像をどうぞ!!(HBC:北海道放送)≪千歳川≫
支笏湖を源流として日本海に注ぐ千歳川に沿って車を進めます。千歳川は一級河川石狩川の支流ですが、石狩川の治水対策として立地的に太平洋に近い千歳川を太平洋に注ぐように切り替える「千歳川放水路計画」が一時浮上しましたが、千歳川は道内でも有数のさけ・ます遡上河川であるため生態系を脅かす危険性があるとの反対意見が圧倒的に多いため計画は破談となりました。千歳川には1888年(明治21年)にわが国最初の官営の千歳中央ふ化場(現在のさけますセンター千歳事業所)が建設されました。
また、千歳市内の住宅街にはサケ・マスを捕獲するインディアン水車が有り、遡上期には多くの観光客が訪れる観光地にもなっています。そんな観光資源を守ろうとする市民の声が届いた結果ともいえます。
≪支笏湖≫
4万年ほど前に形成された支笏カルデラに水が溜まったカルデラ湖です。形成当初は円形をしていたが、その後、カルデラの縁に恵庭岳(1,320 m)・風不死岳(フップシ1,102.5 m)が噴出したことにより、現在のようなくびれた瓢箪のような形となりました[1]。南に位置する樽前山(1,041m)は、同湖に付随する活火山です。
最大水深365mは田沢湖に次いで日本で2番目に深い。面積は日本で8番目、カルデラ湖としては屈斜路湖に次いで2番目に大きい。湖面標高は250mなので、最深部は海水下100mにも及びます。
湖畔の
支笏湖温泉(含重曹ナトリウム-炭酸水素塩素)は皮膚の表面をやわらかくして脂肪や分泌物を洗い流す効果があり、メタボに悩むお父さんや女性やにおススメ!
支笏湖の南岸、樽前山の裾野にありる苔の洞門は樽前山の噴火で流れ出した溶岩の割れ目が浸食されてできた渓谷です。渓谷としての深さは最大で約10m、幅は広いところで約3m、長さは約400mとけっして大きなものではありませんが、岩の表面には30種類以上の苔が密生しており、まるで緑色のビロードに覆われているようです。
≪美笛峠≫
支笏湖畔南東端のモーラップから、国道276号線を西へ進む伊達市へ抜ける国道276号線の峠です。比較的険しい峠道が多い北海道にあっては珍しく快適な峠です。
美笛峠ライブカメラの映像をどうぞ!!(HBC:北海道放送)
峠には休憩施設が無いため、そこから長流川沿いに少し下ると、世界最大級のログハウスが目印の道の駅「フォーレスト276大滝」があります。
トイレの前に観客席を置いた自動演奏ピアノがあり、観客席もある。北海道らしいおみやげが購入できるほか、オリジナルグッズも充実しており、旅行者の人気を集めています。
竹下登総理時代の「ふるさと創成基金」を活用した道の駅で少し休憩して行きましょうか?
千歳からニセコ、洞爺湖方面への丁度中間地点に有るため私は必ずここで休憩します。
休憩後は国道276号線をひたすら下ってゆきます。ほどなくすると伊達市大滝区に差し掛かります。ここは最近話題の果実
「アロニア」の栽培が2000年から盛んに行われています。
アロニアは北米原産の果実でポリフェノール(アントシアニンの色素)をブルベリーの2倍以上含んでいます。ポリフェノールは人の体の中の活性酸素を消去する働きをしています。食べたとき、渋味を感じますが、それはポリフェノールが多い証拠です。このため、抗酸化活性が小果樹類の中で最強グループにランク付けされます。アントシアニンは、目の機能に関するロドプシンの再合成を促し、目の各機能を回復する力があります。その他にも、血管の保護、透過性の増強、血液循環の改善、高血圧の防止などに役立ち、老化予防にも効果があります。アロニアの実は、ポリフェノールだけではなく、食物繊維や、β-クリプトキサンチンなど、健康維持増進に寄与する成分も豊富に含んでいます。食物繊維は、コレステロール低下作用、整腸作用、便秘解消に効果があり、大腸がんの予防にも有効です。
β-クリプトキサンチンは、最も期待されている発ガン抑制物質のひとつです。
まさに現代人にとって欠かせない果実界のスーパースターと言えましょう!!
またこの町には東日本大震災で被災した宮城県亘理町のいちご栽培農家が移住し、この地でいちご栽培を始めています。
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壮瞥町≫
北湯沢温泉、ばんけい温泉を通過して壮瞥町に入ります。
壮瞥町は昭和の怪童「北の湖」の生まれ故郷です。21歳 2ヶ月の史上最年少横綱(当時)体当たりの威力は抜群、その圧力は他の力士の倍あったという。横綱在位63場所、優勝24回、通算勝星 951勝は昭和を代表する名横綱で、
相撲記念館が建てられている。
また、この町の観光資源は洞爺湖と昭和新山・有珠山です。
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昭和新山≫
昭和新山は、1943年(昭和18年)12月28日から1945年(昭和20年)9月までの2年間に17回の活発な火山活動を見せた溶岩ドームである。当時は太平洋戦争中であり、不吉な前兆として、世間の動揺を抑えるために噴火の事実は伏せられ、公的な観測すら行うことができなかった。そこで地元の郵便局長、三松正夫は、その成長の詳細な観察記録を作製した。これは後年、ミマツダイヤグラムと名付けられ、貴重な資料となった。また、三松は世界的にも貴重な火山の徹底的な保護と、家と農場を失った住民の生活の支援のために、民家から山になってしまった土地の買い取りを行った。このため昭和新山は三松家の私有地であり、世界でも珍しい私有地内にある火山です。1951年(昭和26年)、国の天然記念物に指定、1957年(昭和32年)には特別天然記念物に指定されました。
今では北海道観光の定番として洞爺湖同様多くの観光客が訪れている。
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洞爺湖≫
洞爺湖(とうやこ)は、北海道虻田郡洞爺湖町と有珠郡壮瞥町にまたがる湖。支笏洞爺国立公園に含まれるほか、2008年の日本百景に登録されている。面積は70.7 km2、水深180.0 mのカルデラ湖。南岸に洞爺湖温泉、有珠山・昭和新山があり、北海道有数の観光地帯となっている。洞爺湖有珠山周辺地域が、地質学的に貴重な遺産を保護しつつ、それらを地域の教育や科学振興及び観光事業に活用し、持続可能な方法で地域活性化を図ることが可能な地域であるとして、ユネスコの支援により設立された世界ジオパークネットワーク(GGN)への加盟申請が行われ、2009年(平成21年)8月22日に認められ世界ジオパークとなりました。そして2008年7月には洞爺湖近郊のザ・ウィンザーホテル洞爺にて第34回主要国首脳会議(北海道・洞爺湖サミット)が開催されたのは記憶に新しいところです。
定番の観光地は皆さんも良くご存じのことでしょうから先を急ぎましょう。今日の目的地長万部町はもうすぐです。
洞爺湖から国道230号線を南下すると海が見えてきます。噴火湾です。正式には内浦湾と言いますが、1796年(寛政8年)に当地を訪れた英国の調査スループプロビデンス号のブロートン海尉が、内浦湾がほぼ円形な事と、周囲を取り囲む北海道駒ヶ岳(1,131 m)や有珠山(737m)、樽前山(1,041m)などの活火山を見て「これは Volcano Bay (噴火湾)だ!」と語ったことに由来するといわれます。湾ではサケ、イカ、カレイ、ヒラメなどがよく獲れるほか、ホタテガイの養殖が盛んです。
噴火湾沿いの小さな漁港豊浦町はボクシング元WBC世界フライ級チャンピオン内藤大助の出身地です。この先の静狩峠を下りると、いよいよ今日の目的地
長万部町です。
中山峠ルートも高速道路のルートをたどるにしても、すべてここ長万部町で合流します。
つまり長万部は各方面への交通の拠点であり、JRもここで函館本線と室蘭本線とに分岐しています。また、長万部といえば毛ガニが名産で、駅弁のかにめしは昔も今も変わらぬ人気です。
長万部町の北部の山間に名湯で知られる
二股ラヂウム温泉が有ります。温泉の泉質は特異で炭酸カルシウムが大量に含まれ、それによって巨大な石灰華(石灰の湯の花)ができている。この石灰華の上に温泉宿がある。宿はずいぶ古びた湯治宿である。明治時代に開かれ、今でも重い病気の治療のために熱心に湯治する人がいる人気の温泉です。