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最も過酷な一日

観光タクシーのドライバー当時には色々なエピソードが有りました。また、シーズンオフには一般のタクシーに乗務して流しの運転手もしていたのでその当時エピソードを話します。中には暴力団とのやり取りで命を狙われそうな話もあるので少しずつ期を見てお話します。

私が観光タクシーの仕事をしていた中で最も過酷な勤務だった1日の話をしましょう。これはもう20年以上前で私がまだ30代の馬力の有る頃の話で事項なので打ち明けます。たとえこのブログを陸運局関係者が見ていても、行政処分の対象となる私が勤務していたタクシー会社は一昨年倒産してしまったので堂々とお話します。
そのタクシー会社は当時北海道では最も観光に力を注いでおり、観光専門のジャンボタクシー(ワゴンタイプ)を5台所有していました。しかし、バブルの絶頂期には全て稼働して車が足りなくなることもしばしばありました。その日も遣り繰りがつかずに無理を承知でとんでもない配車を予定されていました。我々ドライバーは売り上げに繋がり、給料に反映されるので文句は言えずむしろ喜んで引き受けるしかないのです。そんな状態で受けた仕事は函館から釧路まで回送して次のお客さんを迎えるという仕事でした。

前々日から継続していた道南観光のお客さんの最終行程で函館に向かうため札幌市内のホテルを出発したのが午前8時、予定通りすべての行程を終えてお客さんを函館空港に送り届けたのが午後3時でした。
さあこれからが大変です。函館から釧路までは最短距離でも約1000km、羽田・千歳間の飛行距離と同じくらいです。普段なら回送の途中でのんびり日帰り温泉に入浴するのですが、とにかく翌朝9時までには釧路空港に次のお客さんを迎えに行かなければなりません。とにかく1分でも早く釧路に着いて空港の駐車場で少しでも仮眠を取りたいのでトイレも極力我慢してひたすら走り続けました。
途中どこで食事をしたのか何処で休憩をしたのかも全く覚えていませんが、釧路空港に着いたのは深夜2時でした。途中のコンビニで買った柿の種と缶ビールで地味に無事の到着を祝いました。これで5時間くらいは寝られます。

仮眠をして外を眺めると真っ白で何も見えません。釧路名物の霧です。夏の間は釧路沖に低気圧が発生し、しばしば霧に悩まされます。それが50km程離れた内陸部の摩周湖まで影響を与え「霧の摩周湖」の原因になります。当然飛行機の運航にも影響を与え時々欠航になることもあります。慌てて旅行会社に連絡を取ると釧路は着陸できないため帯広空港に降りることになったそうです。急きょ私も帯広に向かうことになりました。釧路から帯広までは飛行機なら15分位ですが、車だと2時間も掛かります。しかも霧に包まれているのであまり飛ばすことも出来ません。疲れたとか眠いだとか言ってられませんもうとにかく帯広に戻るしかありません。途中客を乗せた帯広のタクシー数台とすれ違ったので無事飛行機が帯広空港に着陸したことを確信しました。
2時間後、帯広空港に到着し無事にお客さんを出迎えることが出来ました。突然のハプニングにお客さんは怒ることなく笑顔で待ってくれていました。

本来の行程は釧路空港から釧路市内観光・釧路湿原・阿寒湖・弟子屈町・摩周湖・硫黄山・屈斜路湖を見て川湯温泉宿泊の予定ですが、帯広市内で昼食をしてまっすぐ阿寒湖に向かいました。お客さんは思いがけず帯広名物の豚丼を味わうことが出来たので、むしろ喜んでいました。予定にはないオンネトーにも案内することが出来ました。釧路湿原など見られなかった所も有りましたが、とにかく無事に川湯温泉の宿に送り届けることが出来ました。私も宿に入り洗車して運転日報に勤務時間32時間、走行距離約1600kmと記載しました。


GWも後半となりそろそろUターンで道路が混雑する頃になりましたが、くれぐれも無理な長距離運転は避けて、十分な休憩を取りながら安全運転でお帰りください。








★ これなら旅費の心配無用! ★

勉強になりました!!

寒かったGWが終わって北海道にもやっと春が来たようです。昨日の函館は最高気温18度を記録し、桜も開花しました。札幌も今日の最高気温は18度になる予報です。しかし寒波の爪痕はまだ残っており、道東の糠平から然別湖畔に抜ける道道鹿追糠平線(道道85号)の幌鹿峠は積雪のため通行止めが続いておりましたが本日解除になったようです。しかし、羅臼町と斜里郡斜里町とを結ぶ国道334号( 通称「知床横断道路」の知床峠)は冬季通行止めが続いております。道東方面はまだまだ油断が出来ない状態が続いています。
ところが例年この時期はフェーン現象が起こることがあり、オホーツクや十勝地方では突如として30度以上の真夏日になることがしばしばあります。いずれにしても桜前線は北海道に上陸したので、今週中には桜の便りがあちこちから聞かれることでしょう。


さて、道南観光は函館で完結しましたが、今日は道南観光の想い出に残るエピソードを紹介します。道南は函館や江差等道内の観光地の中で最も歴史が有るため歴史背景など覚えることもたくさんあります。

東京都内の某公立高校の修学旅行の下見に訪れた先生方を案内して函館に向かい森町鷲の木(榎本武揚らが上陸した場所)に差し掛かったころ函館戦争や榎本武揚について説明していた時に歴史の先生がいきなり質問してきました。「運転手さんは榎本武揚についてどう思いますか?」私はとっさに「榎本武揚は北海道を独立に導いた英雄です。」と答えました。
すると先生は「榎本は敗軍の将ですが、新政府軍の軍門に下った裏切り者ですよ。それでも英雄ですか?」私は言葉に詰まっていると先生の講義が始まりました。「榎本は明治政府の初代伊藤博文内閣に召し抱えられて大臣を務めた。二代目の黒田清隆内閣でも外務大臣を務めている。」他の先生たちはとうとう始まったかというあきれ顔で聞いていましたが、歴史の先生の講義は続きます。「私が知る限り日本の歴史上の人物で、軍門に下った後に敵側の首脳に上り詰めた人物は榎本をおいて他にはいない!!榎本の類い稀なリーダーシップと先見性、広い視野を私は尊敬している。だからここに来るのが楽しみでした!」と、先生の熱弁が終わりました。私は「大変勉強になりました。歴史認識が変わりましたありがとうございます。」と感謝を述べました。しかし、色々なお客さんがいるのでけして付け焼刃の勉強では通用しない。改めて心して向かわなければいけないと襟を正す瞬間でした。








★ もっとゆとりがほしい! 

まっすぐな気持ちが伝わりました

今日の札幌は曇り空で気温もさほど高くなく、むしろ風は冷たいです。今週は花見を計画していますが・・・。

先日直線道路について紹介しましたが、今日は直線道路に関するエピソードを紹介します。その旅は自動車会社のN産自動車の永年勤続者のご褒美旅行で、五組のご夫婦の旅でした。
ただし、N社製の車が指定でした。私が勤務していた会社はジャンボタクシーと黒塗りの中型車がN社製だったのでご指名されたのだと思います。そこでご夫婦だということなので、N産Sリック5台を連ねたいつもとは勝手が違う旅でした。行程は帯広空港でピックアップして道東+札幌・小樽の3泊4日の行程です。

帯広空港で出迎えてそれぞれ出発しましたが同じ行程なので5台連なって走りました。他の4人は皆先輩で、かつ私のお客さんが最も年長者だったので、私は最後尾を追走していました。初日は帯広空港から然別湖を観光し、足寄町、オンネトーhttp://www.ashoro-kanko.jp/kanko/を観て阿寒湖温泉に向かう行程でした。
通常なら然別湖から幌鹿峠、糠平湖上士幌町から足寄町へ向かうと近いのですが、お客さんが持参した旅行会社の行程表にはスーパー直線道路を通ることになっていたので、然別湖から帯広方面に一度戻って鹿追町瓜幕から左折してスーパー直線道路を士幌町に向かうことにしました。
そこで最後尾の私の車がスーパー直線道路に入った瞬間、ご夫婦そろって「ワー!すごい!一直線だ!!」と歓声を上げて感激していました。この道は起伏が有るのですが、入口付近は比較的平坦で遠くまで見通せるため直線道路を実感することが出来ます。ところがここで大変なことが起きたのです。

直線道路に感激して興奮したご主人が「運転手さん!お願いだからこの直線道路をほんの少しでいいから運転させてください!」と言ってきました。私も奥さんも驚いて「えっ!」と、聞き返したのですが、興奮したご主人の勢いは激しく「100mだけでもいいからお願いします。」北海道の方言で「だはんこく(だだをこねる)」状態で、今にも泣きだしそうだったのでとりあえず車をゆっくり先行車に気づかれないように路肩に止めました。この時点でもう私の覚悟は決まっていましたが、ご主人は確認してくれと言わんばかりに免許証を差し出してきました。が、明らかに一種免許でした。当然タクシーを運転するには二種免許が必要なのです。
きっと運転させて貰うことを密かに決めて免許証を持って来たのでしょうね。

もし見つかったら私はクビになり会社は営業停止、そしてお客さんは無免許運転になることを説明した上で条件を付けました。
1,対向車又は後続に車が見えた際には速やかに運転を中止して交代すること。
2,最高速度は80km/hに抑えて安全運転すること。
この条件でハンドルを譲りました。

運転を交代して間もなく、キタキツネが道路を横切って行きました。これにはご主人も奥さんも大興奮で大騒ぎでした。
その後は何事も無くしばらく走りました。「車が全然来ませんね!」と、すいすい運転を楽しむご主人。ビクビク不安で心配な奥さんと私。ご主人が言うように本当に前からも後ろからも車が全然来ません。15kmくらい走って満足したのか、ご主人は自ら車を止めて交代しました。「運転手さん!疲れたらいつでも交代してあげるよ!」と、上機嫌でした。
私も旅行に行った時にタクシー観光をしたことはありますが、自分で運転したいなどと思ったことなど有りませんでした。しかし、大の大人が理性を失ってしまうほど北海道の直線道路には魅力が有るのですね。
もう時効なのでこっそり打ち明けましたが、くれぐれもここだけの話に留めておいて下さい。
















★ もっと収入がほしい方! ★

新婚旅行




今年のよさこいソーランまつりの大賞は「粋IKI北海学園大学」チームが獲得しました!おめでとうございます!!ほとばしる若いエネルギーが輝いていた素晴らしい演舞を披露してくれました。17回目の出場で初の栄冠に輝いたわけですが、今日からは君たちを目指して全てのチームが来年に向けて練習を開始します。ぜひ連覇に向けて頑張ってください!改めて喝采を送りたいと思います!!
私の地元の平岸天神は残念ながら連覇を逃しましたが美事に準大賞に輝きました。北海学園も豊平区なので地元と言ってもいいでしょう!何より北海学園経済学部の山田教授は同い年で飲み仲間、朝まで飲み明かす気が合うすすきのフレンズなので我が事のように嬉しいです!また自慢話を肴にすすきので朝を迎えるのかと思うといささか憂鬱にもなりますが、まずはおめでとうございます!!

★ エピソード ★
さて本題に入ります。タクシー観光時代に唯一新婚旅行で案内したご夫婦のエピソードを紹介します。
ご主人は茨城県のお煎餅屋さんのご子息で、奥さんは看護師さんでした。競馬好きのご主人は北海道で馬を観るのが夢で新婚旅行を北海道に決めたそうです。出発前にご主人がどうしても寄りたい所が何ヶ所かあると言うので行程の再確認と打ち合わせをしました。
最初にテンポイントの墓参りをしたいと言うので、通り道なので早来町の吉田牧場に寄ることにしました。テンポイントの葬儀には私も参列したので場所はわかります。しかも千歳市内で花まで買ってお参りしました。
次に新冠町でオグリキャップの顔を見たい!これは旅行会社の行程表に記載してあったので必然です。オグリキャップの姿は始めて見ましたが、ユニークな顔をした芦毛の愛くるしい馬で人気が出るのも納得できました。
さらにハイセーコー、シンザン、ナリタブライアン・・・。何処も殆ど接近した直線状の場所なのでコースアウトも全く問題ありませんでした。奥さんが可哀そうだなと思いましたが、覚悟して来たらしく特に文句は言ってませんでした。しかも初日の宿泊先は静内町(現新日高町)なので初日は観光らしい観光は殆ど無しでホテルに入りました。

2日目の目的地はトマムです。直行したら2時間程度で着くので午前中で終わってしまうので、大サービスでえりも岬を廻って遠回りすることにしました。ご主人は「早く着いたらゴルフをするから予定通りで良いですよ」とは言われましたが、あまり早く仕事が終わると私が困るのでえりも経由に決定しました。えりも岬を見た後、ハートの形をした豊似湖を新婚カップルに是非見せたかったからです。
この時は普通のタクシーでの観光だったのでこの先LPガススタンドが無いので補給しての出発です。ジャンボタクシーは経由なのでスタンドは何処にでもありますが、普通のタクシーで観光する際には何時もLPガススタンドが心配になります。特に冬は寒冷地のLPガススタンドではメタンとブタンの配合が違うためエンジンの調子が悪くなり苦労します。
「あの夫婦うまくいってるのかな?」と時々思い出しますが、その後夫婦でスキー旅行に再度訪れたこともありました。今でも年に一度はお煎餅を送ってもらって味わっています。お子さんはすでに成人したとのことで、一組の夫婦の歴史を見守ってきたような気がします。


北海道は白夜?

夏至の頃の北海道は本当に日が長いです。
札幌泊だったあるグループのエピソードです。
札幌市内のホテルに送り届けた際に「運転手さん!ススキノも案内して下さい」と言われました。
私は久しぶりの帰宅なので丁重にお断りしましたが「費用は出すから風俗に連れて行って欲しい!!」と心揺れる誘いでしたが、明日の行程もきついし心を鬼にして振りきって帰宅しました。
翌朝ホテルに迎えに行くと「北海道には夜が無いんですね!!」と言われびっくりしました。
よくよく話を聞くと、夜7時頃ススキノに行って3件飲み歩き朝3時半に帰ってきたそうです。
その間同じ飲食店ビルの中にいて帰るまで一度も外には出なかったそうです。
今頃の北海道は夜7時半か8時頃まで明るく、朝3時頃には明るくなります。つまり暗い時間帯はビルの中にずっと籠っていたので、夜が無いと勘違いしたようです。
お客さんがあまりにも興奮していたので私はイタズラ心で「そうですよ!今は白夜の時期ですから」と言いました。お客さんは妙に納得したように感激していました。「白夜か!噂には聞いてたけど初めて体験した!!」とたいへん嬉しそうでした。
冗談だとも知らずにこのお客さんは帰ったらきっと白夜の自慢話をするのだろうなと考えると笑いが止まりませんでした。
日本最東端の地、根室ならもっと日の出が早いので白夜体験も容易にできるでしょう。
白夜は別にしても、明るくなるまで飲み歩いていると焦りますよ!罪悪感にさいなまれて悔みます。
ヤンチャだった若いころは夏に限らず何度も白夜体験をしましたが、今は品行方正な生活なので懐かしい想い出です・・・。
今では歳のせいか目が覚めるのが早く朝5時には活動を始める自称「5時から男」です!!




アグリツーリズム

最近アグリツーリズムなる観光形態が注目されています。
いわゆる農業体験を取り入れた観光スタイルのことですが、それを最初に実践したのはたぶん私だと思います。
以前エピソードで紹介した新婚旅行のカップルがトマムで宿泊したあと知床まで行く行程でした。旦那さんは日高で馬と触れあって大満足でしたが、奥さんはいまいちつまらなさそうでした。ただ車窓に広がる畑の農作物や放牧中の牛達には目を細めて見入っている様子だったので、知床に近い清里町で農家を営んでいる父の生家に立ち寄ることにしました。ちょうどジャガイモの収穫期だったのでイモ掘り体験をさせたいと思ったのです。実家の叔父も快く受けてくれたので二人の同意を求め、行くことにしました。着いたらまず牛舎に行って牛の乳搾り体験をしました。最初は牛舎の強い匂いに気が進まない様子でしたが、乳搾りが始まると二人とも無邪気にはしゃいでいました。自分たちが搾った牛乳を鍋で温めて飲むと「美味しい!美味しい!すごく濃いね!!」と大喜びでした。次にジャガイモ畑に行ってイモ掘り体験です。用意してもらった長靴に履き替えて畑の中を走り回っていました。自分たちで掘ったジャガイモを今度は茹でてもらって味わいました。叔父がジャガイモについて色々説明してくれました。「ここらのイモは紅丸といって見ての通り赤いイモなんだよ。澱粉を取るためのイモなので食べてもほくほくして美味しいよ!収穫後はまっすぐでんぷん工場に行くから市場に出回ることは無いけどとても美味しいよ、さあ食べてごらん」
ちょうど昼時だったので皆でパクパク食べました。茹でイモ、焼イモ、すり鉢ですり下ろしたイモ団子、デザートはいもからとった澱粉の澱粉ガキ。ご夫婦は農業体験と採れたてを味わって大満足でした。
叔父はいもを送ってあげるからとご夫婦の住所を聞いて後日いもやとうきびなどたくさんの野菜を宅急便で送ってくれたそうです。ご夫婦から後から聞いた話ですが、ジャガイモの収穫時期になると毎年叔父からいもが届いたそうです。すでに叔父は他界しているためもう途絶えているでしょうが、御夫婦にはとても印象に残る体験をしてもらえたと思っています。



ハーレム旅行



観光ドライバーも観光オフシーズンの冬には流しの運転手で市内を走っていました。
1月中旬のある夜の出来事でした。札幌駅タクシー乗り場で客待ちをしていて、もうすぐ先頭というところで大きな荷物を持った4人の女性客が先頭のタクシーの運転手ともめていました。どうやら行き先が近くて乗車拒否されたようです。
正義感の強い私は普段なら乗車拒否した運転手に抗議するところですが、その時ばかりは寒さに震えているお客さんが可哀そうだったので、「僕が乗せてあげるからこっちにおいで!」と乗せてあげました。
行き先はニューオータニホテル、歩いて5分ほどなので確かに近い。30分以上客待ちしている運転手が断りたくなるのも良くわかります。
しかし私は親切な運転手さん!!あっという間にホテルに着きましたが、途中の会話で旧正月の休暇に台湾から初めて北海道に観光に来た4人だということがわかりました。降り際に「運転手さんは親切なのでお願いしたいのですが、明日層雲峡まで行くので乗せて言って下さい」と頼まれました。明日は明番で休みでしたが、どういう事なのかわからないのでロビーで話を聞きました。
台湾の旅行会社からもらったという旅程表を見せてもらいびっくりしました。飛行機とホテルの手配をしているだけで移動の交通手段が全くありませんでした。現地に着いたらタクシーを頼みなさいと言われたそうです。何とも不親切な旅行会社なんでしょうか?
私は明日休みなので別の車を手配してあげるから安心して下さいというと「ダメ!貴方でなきゃ絶対ダメ!!」と言われたので、いよいよモテ期到来!!とばかりにすぐに会社に連絡して、「明日から1週間俺に車を預けてくれ!!」と頼みました。その頃の私はもうベテランの域に達していたので、上司に状況を話し行程も貸切料金も全て私に任せてくれると了解してくれました。
この日はとりあえず帰って、明日からは層雲峡温泉〜阿寒湖温泉2泊〜洞爺湖温泉〜函館、その後飛行機で東京へ向かうという、貸し切り料金5万円×6日+私の宿泊料金+私の食事代の条件で納得してくれました。これで5泊6日の北海道旅行の契約成立です!こんな展開になるとは、乗車拒否してくれた先頭の運転手さんに大感謝です!!

さて気になる4人組の内訳ですが、学生時代に日本に留学していたという唯一日本語が話せる大学講師の李さん、台北市内でクラブを経営しているBさん、台湾国内で十数件の飲食店を経営するCさん、そしてモデルで女優のDさん、とにかく美人でリッチな4人でした。
その頃の日本はまだ中国や台湾からの旅行客に規制を掛けていて、ゴールドカード以上のクレジットカードを所持している富裕層の人にしか観光ビザを発給していませんでした。そのためお金持ちしか日本に遊びに来ることが出来なかったのです。その4人はアメックスのゴールドカードをそれぞれ持っている美人の富裕層でした。
彼女たちのリクエストは通り一遍の観光は特にしなくてもよい。雪を初めて見るので、「とにかく雪遊びがしたい」という事でした。
デパートでしっかりとした防寒着と手袋・帽子・ブーツとホームセンターでソリとミニスキーを買い込んで出発しました。雪合戦をしたり、雪山に押倒したりもしました。理不尽な酔客を雪山に叩き込んだことはこれまでも何度かありましたが、こんなに楽しくお客さんを雪山に押倒す事はもちろん初めてです。

先日のエピソードでもお伝えした通り、観光地の宿泊先で運転手はお客さんと同じ宿に泊まることはほとんどありませんが、この時ばかりは急な事だったので仕方なくお客さんの宿にそれぞれ私の分もう1部屋追加してもらいました。
夕食は部屋食だったので私の分も一緒に用意してもらい、皆なかなかの酒豪揃いのため毎晩大宴会でした!
台湾では皆で一斉に乾杯するのではなく、一人ひとりと乾杯するらしいのです。しかもグラスに注がれた酒は一気に飲み干すのが礼儀だというので、私は4人を相手にそれぞれ乾杯+一気飲みをしなくてはならないのでたいへんでした。何より一番たいへんだったのは美人達相手に理性を保ち続けることでした。

そんな楽しい1週間があっという間に過ぎていよいよ函館空港でお別れの日です。その前に飲食店経営のCさんが書店に寄って欲しいと言うので大きめな書店に寄りました。Cさんは中国語講座のテキスト本を一冊買って私に渡してくれました。「今度会う時には通訳なしで直接話をしたいので中国語を勉強して下さい」と涙ながらに話していました。「私も台湾に帰ったら日本語を勉強します!」と・・・。
折角の告白でしたが既婚の私は受け入れないので勉強はしませんでしたが、Cさんはきっと勉強したと思います。
色々な観光客を案内してきましたが、涙の別れは初めてでした。
その後李さんとは何度か手紙のやり取りをしましたが、やがて返事も来なくなり、いつしか音信不通になってしまいました。
日台交流は途絶えてしまいましたが、この時の楽しい思い出は何時までも我々5人の心に深く刻まれていると確信しています。
それぞれの旅にはもちろん想い出が有りますが、こんなに楽しく悲しい旅は後にも先にもこの時だけでした。



霊感が強い人

あるご夫婦を湖の近くの温泉ホテルに案内した時のエピソードですが、あえて場所とホテル名は伏せておきます。
お客さん達は先にホテルに入り、私は荷物を持って後から追いかけて行きました。チェックインの手続きを終えて3人でエレベーターに乗ると御主人が「フロントに随分大勢の人がいましたね」と言いました。しかしフロントには二人のスタッフしかいませんでした。「フロントに作業服姿の人たちが10人くらい居ましたよ」と言う御主人に奥さんが「気にしないでください!この人は他人に見えない物が見えるみたいなんですよ!」「霊感が強いんですか?」と聞くと、「そうなんです」・・・。私は荷物を部屋まで届けるとフロントを避けて遠回りして車に戻り、自分の宿に向かいました。
確かにここのダムを建設中に十数名の建設作業員が犠牲になる大事故が起こりました。きっと犠牲になった人たちが「ようこそ」と、出迎えてくれたのでしょうか?あの夜御夫婦はぐっすり眠れたのでしょうか?
私は霊感を感じないせいか、今まで色々な宿に泊まってきましたが、只の一度もお目にかかった事はありません。出張が多い仕事をしていた私にとっては大変ありがたいことです。






   
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