■塩と鹹の話
水はひかえて鹹を摂ろう
エッなぜ? 逆じゃないの? と殆どの方は思われるに違いありません。
世の中は水飲み健康法″と減塩運動″が常識のようになっているのに、
まるで正反対のことを訴えようとするのですから、抵抗があって当然です。
なかなか信用して頂けないのは当たり前です。
ですが日本の国に住んでいる間は、これは事実なんです。
ぜひ受け入れて実行してみて下さい。
とくに長い間、病が改善しないで苦しんでいる方は、
水はひかえて、もっと鹹を摂ってみてはいかがでしょう。
ただし、私が申し上げていますのは、昭和四十六年まで伝統的な方法で塩田
で製造されていた鹹のことです。あくまでも鹹であって、厳密にいうと塩″はダメです。
かつて塩田で作られていた天然塩が法律で中止されてからは、
海水中のナトリウムイオンと塩素イオンを「イオン交換膜法」という化学工業的な方法に切り換えて、
短時間に大量の塩が出来るようになりました。
これは塩化ナトリウムの純度が高くなり、大切な少量、微量のミネラルが排除されています。
これがかつての専売公社が独占して製造販売していた塩です。
今は財団法人塩事業センターが販売を引き継いでいます。
「毎日使うから、シンプルがいい」というキャッチコピーと共に、
「塩化ナトリウム99%以上」と、ちゃんと商品袋に明記してあります。
塩といっても、塩化ナトリウムだけの化学塩ですから、この塩″の摂り過ぎは当然、体を害します。
私が、もっと摂りましょうというのは、伝統的な製法で作られる本当の海の鹹です。
岩塩は基本的に塩化ナトリウムの含有量が多いので、天然塩ではありますが、私は勧めません。
やはり三十数億年前、いのちが最初に誕生した海、
その海の成分と同じ亜鉛、マンガン、鉄、カルシウム、カリウムなど九十四種類以上のミネラルを
たっぷり含んだ鹹であることが重要なのです。
それが人体に不可欠な鹹であり、漢方ではそれを鹹という字で表わします。
この鹹であれば減塩≠フ必要はありません。
なぜ塩ではなく鹹でなければならないのか、ということについて、
私が説明するまでもなく、すでにその明解な答えがあります。
医師であり科学者である真島真平という方が
『現代病は塩が原田だった』(泉書房)という著書の中で詳しく述べられています。
私の意とするところを理解して頂くためにも、合わせてお読み願いたいと思います。
真島先生のご本にお任せして、これよりあとは塩と鹹とをはっきり区別して書き進めていきます。
難しい字ですが馴れて下さい。
リンク元より抜粋