マインドフルネス瞑想入門 1日10分で自分を浄化する方法 [ 吉田昌生 ] 価格:1,760円 |
■マインドレスネスとは「今、ここ」に100%心を向ける在り方のことです。元々はパーリー語の「サティ」という言葉の英訳で、日本語では「気づき]、漢語では「念」と訳されています。「自覚」「集中」「覚醒」とも言い替えられます。
マインドフルネスの反対の状態のことをマインドレスネスといいます。注意が散漫な状態のこと。ぼんやりして、集中力がない状態もあてはまります。
たとえば、「明日が締め切りなのに間に合わない、どうしよう。」と、心配してもしかたがないことを心配しすぎたり、「あのときあんなことを言わなければよかった。」とすでに終わった過去のことを延々と考えてしまうことなどです。頭のなかの思考の世界に巻き込まれて、それに気づいていない状態です。(P18)
■瞑想は、姿勢を正して、ただ自分のしている「呼吸」に意識を向けるだけです。
背骨を伸ばすときのイメージ
@頭頂からヒモが出ていて、誰かに引っぱり上げられるように背骨が引き伸ばされてる。
A頭の上に大きな荷物を乗せていて、それを押し返すように背骨を伸ばす。
B身長計を押し上げるときの感覚で、頭頂まで最大限に引き伸ばす。 (P28)
■瞑想時の座り方の例(P54)
椅子座、正座、仰向け、半蓮華座、あぐら、蓮華座
■瞑想で呼吸が重要なワケ(P38)
@「呼吸」は「心」と密接につながています。「息」という漢字は「自分」の「心」と書きますが、呼吸を観察すると、自分の心の状態がわかります。たとえば、イライラしているとき、呼吸は自然に荒く、早く、短くなっています。逆に心が穏やかなときは、呼吸はゆったりと長くなっています。
A生きている限り、呼吸し続けます。呼吸はずっと一緒です。一番身近な呼吸に集中できるようになれば、音や触覚、味覚など、他の感覚に応用することもできるのです。
B呼吸は「今、ここ」にある「身体感覚」です。呼吸に集中することで、「頭」であれこれ考えた状態から「身体」を感じる状態へと切り替えることができます。呼吸を感じることで、「心」と「体」が一つになるのです。
■瞑想を深める5つのポイント(P62)
@今、ここに在る
人間には「今、ここ」よりも「過去」や「未来」に思いをはせている傾向があります。意識を「今、ここ」に向けて集中していきます。
A何もしない
思い通りにコントロールしようとする「doing」モードから、努力せずにただ存在する状態「being」モードに切り替える意識が重要です。
Bジャッジしない
頭は目に見えるものほとんどすべてのものに対して、ジャッジしてレッテルを貼って、細かく分類して理解しようとします。誰かにあった瞬間、無意識のうちに、快、不快、良い、悪い、キレイ、汚いなどと判断する傾向にあります。
C受け入れる
大人になり、社会で生きていく上で、自分の素直な気持ちや欲求に抵抗するクセがついてきます。特にネガティブな感情や感覚に反応的にならずにありのまま受容していきます。瞑想が深まると感受性が高まるので、ふだんは気がつかない色々な思考や感情に気づきます。
D毎日おこなう
一日一分でも呼吸に意識をもつことが大切です。
■起業家、企業が続々と瞑想を実践するワケ(P94)
瞑想をすることで、雑念をとりのぞき、直感が研ぎすまされ、革新的なアイデアや企画がひらめきやすくなります。グーグルやインテル、アップルでは瞑想を社内研修でとりいれています。また、スティーブ・ジョブズ、松下幸之助、井深大等のトップ経営者は瞑想を習慣にしていたことで有名です。
■脳科学から見たマインドフルネス瞑想(P97)
アメリカの心理学者サラ・レイザーによって、マインドフルネス瞑想を長年続けていくと、脳がふだん働いていないところに血液を送り込み、活性化されていき、低下していた機能をとり戻していくことが報告されました。
また、マインドフルネス瞑想のトレーニングを受けた被験者は、脳内の海馬の容積が密集し、増大しているのがわかりました。この部位は、学習や記憶、感情、思いやり、内省などに関係しています。アルツハイマー患者はこの部位が縮小したり、この周辺に原因物質が蓄積することが明らかになっていることから、瞑想で記憶障害や認知障害を防止できるとも期待されています。
■ベースにある東洋思想(P104)
マインドフルネス瞑想に効果があるのは、東洋に古くから伝わる賢人たちの「諸行無常」「無我の境地」「本当に自分」といった考え方があるからかもしれません。
諸行無常とは、「思考や感情、体は無常(常に変化している)なもので、それを自分と思っていることが苦しみの原因である」というブッダの教えです。
無我の境地とは、「自分という感覚が消えて、悩みや苦しみがら解放された状態」だといえます。
本当の自分とは、「空」「観察意識」「静寂」「アウェアネス」とも言い替えることができると思います。”空”に浮かんでいる”雲”は常に変化し続けています。そしていつかは消えていきます。私たちの「思考」「感情」「身体」はこの雲と同じです。私たちの本質は空です。”雲”=”空”ではありません。空=意識はずっと変わりません。
瞑想をすることで、すべては「諸行無常」であることに気づき、心や体が静かになることで、「無我の境地」が訪れ、「本当の自分」だけが残ります。その「意識」はすべての生命とつながっているのです。
■心の声を聞く方法(P120)
心には「理性」と「感性」という二つの側面があります。頭脳(マインド)で考えるのが、「理性」。身体(ハート)で感じるのが「感性」。「心の声を聞く」と言いますが、この場合は感性 (ハート)の声を聞くことを指します。「心の声を聞く」ときに大切なのは、頭でなく身体の感覚に繊細に意識を向けることです。
大自然の中で暮らす先住民は、動物的な直感が冴えています。彼らは水分もない乾いた大地で、水脈の位置を直感で突き止めることができるそうです。大地の横たわり、手のひらをあてて、水の音に耳を澄ましたり、風の匂いや、水蒸気を感じて遠くにる水のありかを察知します。
このような動物的な直感は、もちろん現代社会に暮らす私たちのなかにも本来そなわっているのですが、頭(マインド)に偏りがちになって身体(ハート)がおろそかになっているせいで、直感を感じにくくなっているようです。
なぜなら学校では、合理的、論理的に理解するための思考力を訓練されますが、身体や自然を感じることはあまり重視されないからです。
瞑想はそんな現代人が頭(マインド)と身体(ハート)のバランスをとるための最高のツールです。自分が本来もっている無垢なハートに近づき、明晰で、創造的な思考力と洞察力が高まっていきます。
■おわりに〜瞑想は、日常生活に活かすためにある
瞑想は、どこか遠くを目指すものでも、現実逃避のためのものでもありません。あくまで一般社会とかかわりながら、日常生活の中に活かしてこそ意味があると私は思っています。大きなメリットは、悩みや問題が解決に向かうこと、思いやりの気持ちが芽生え、人間関係がよくなることです。
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