神(サムシング・グレート)と見えない世界 (祥伝社新書) [ 矢作直樹 ] 価格:858円 |
日本の教育現場では「心を大切に」と教えることで、無意識のうちに「心こそ自分である」と考えるように仕向けられています。
そうではなく、自分とは、魂のことです。魂を教えない、魂を無視するから、日本は戦後の教育でおかしくなりました。世界中のどの民族にも、昔から魂という言葉が存在します。スピリットと言い換える民族もあります。ソウルとも言われます。
魂は普遍的なものです。でも、現在の科学は魂を客観分析・理解するのが難しいことから、そこにはあえて触れないでおこうという姿勢です。(P84)
■アメリカでは、すでに「メディテーション(瞑想)と治療」というテーマで研究が行われています。瞑想をした際、どの遺伝子のスイッチがオンになるのかを探っているのです。瞑想がリラックス・レスポンスという形で身体にどういう影響を与えるのか、どの遺伝子レベルで影響するのか、その発現性はいかほどのものかという論文をハーバード大学医学部・心身医学研究所が出しています。(P95)
■霊心体、あるいは「向こうの世界」の存在が視野に入ると、この世における我欲、金銭欲、出世欲、名誉欲、性欲、最近では延命欲などまでありますが、こうした際限のない欲望を持つ必要が失せてくるのではないでしょうか。
欲を捨てると、人生が知足(足を知る)に包まれるように思います。
輪廻転生の仕組みを簡単に述べると、この世界は、三次元であるこの世に、幾重にもわたる高次元の世界(あの世)が重なり、最終的にはひとつの普遍意識(大霊)になるといわれています。
高次元の世界の意識(霊魂)は、もうこの世に転生してくることはないと言われています。いっぽう、この世に転生してくる霊魂は、比較的この世に近い(低い)次元の霊魂は個別化が保たれており、次元が高くなるにしたがって集合する傾向にあります。
この世は、さまざまな次元から転生した魂を持つ人々の集まりです。ちなみに、イエス・キリストのような神性の高い魂は、かなり高い次元から無理して現世に転生している存在と言われています。
なお、ほどほどの大きさの霊魂は、今回はこの部分を転生させてある課題を学ばせ、次回はこの部分を転生させて学ばせる、となっているようです。したがって、これは同時に複数の個性が表れる場合もあるという理解です。
この世の課題であるカルマを解決することで、その魂が進化することは間違いありません。少しずつ進化するわけです。問題解決をしないまま亡くなると、またもう一回というわけです。(P179)
■死という問題を解決しなければ、人間は幸せになれません。魂が永遠の命みたいなものであり、肉体的な命はなくなるけれど魂はずっと続く、そう考えると、死がそれほど怖いものではないと理解でき、少し不自由だけども肉体というものを伴って現世に滞在し、時間が来れば元いた場所に帰って行くという仕組みが腑に落ちます。すると死は、そもそも問題視されるものではないとわかります。(P107)
■祈りの効果については、祈りは、人間が森羅万象とつながるために必要なことであり、心に中心軸が生まれ、どんな出来事に遭遇してもぶれない生き方を実現するために不可欠なものだと思います。見る、話す、聞く、食べるなど基本動作の他に、私たちには祈るという動作が欠かせません。(P119)
■人類が創造した宗教というカルチャーは、1000年、2000年、あるいは3000年という時間のなかで、その時代の人間たちが自分のグループの維持や発展のために都合よく改変されていきました。それが今、色々な部分で綻(ホコロ)びが出始めた結果、日本でも10年ほど前からスピリチュアルブームが起きました。
特定の宗教に所属せずとも、各自が心で祈れば、神(内在神)とつながることができるというのがスピリチュアリズムの精神ですが、この思想はこれから強い流れになっていくような気がします。(P192)
スピリチャルブームには、注意が必要です。書籍や講演イベントでは「私の言うことさえ聞いていれば救われる」「これをやらないと上のステージに行けない」など独善的なものも多く、それは恐怖心を煽って信者を獲得しようとする悪徳宗教団体と同じ構造です。人々を自分に依存させること、お金を儲けることが本当の目的です。
こういう人や団体が存在するために、スピリチュアルという世界にいかがわしさを感じる人が多いのもしかたありません。
しかし、いかがわしさを感じるという感性は大事です。なぜなら、無批判にハマると邪教に捕捉される可能性があるからです。勘、直感から来るバランス感覚が重要なのです。
時代が変わろうとしている現在、各々がそれらに依存することなく、神について、霊魂について、命についてじっくりと考えてみるべきではないでしょうか。(P198)
■私たちが体に持っていいる元素は、すべて地球の元素です。地球の元素は宇宙から来ています。
自分の体は自分のものだと思っているかもしれませんが、実は私たちの体はすべて借りもの、要するにレンタルなのです。レンタルですので、期限が来れば返さねばなりません。これが、「死ぬ」ということです。貸主は地球、宇宙、そして神です。体は地球や神からの借りものという考えは、昔から日本にあります。
それでは、借り主は誰でしょうか?体は60兆個の細胞でできており、それらは一年くらいで一度全部入れ替わりますから、そういう主体性のない存在に借りる権利はありません。では心?心もその時の状況や感情でどんどん変化します。昨日の考え方は、今日にはありません。こんな不安定なものに体をかせるわけがありません。
すると残っているのは魂しかありません。魂こそが本当の自分であり、それに対して神が体を貸しているというのが私のなかでは正解です。(P67)