「腸の力」であなたは変わる [ デイビッド・パールマター ] 価格:1,650円 |
■抗生物質は農業でも広範囲に使われている。
家畜の感染症の治療という目的だけでなく、抗生物質を使用すると、家畜がより大きく、早く成長することがわかったからだ。こうした抗生物質は、やがて食肉や乳製品に入り込むため、人体にも影響を与えるのではないかと懸念の声が上がっている。抗生物資は内分泌かく乱化学物質(環境ホルモン)であり、食べ物を通じて接触すると、体内の性ホルモンに似た作用をし、混乱を誘発する。
抗生物質が畜牛を(おそらく人間も同じだが)太らせるメカニズムは、「脂肪を蓄え体重を増やす」種類の腸内細菌(フィルミクテス門)と、「肥満を防ぐ」種類の腸内細菌(バクテロイデス門)があり、抗生物質が特定の細菌をただちに絶滅させ、他の種類が増殖するからだ。残念ながら、腸内は肥満を誘発する細菌で満たされる。(P239)
■ピロリ菌を除去すると体重が増えた。また、食欲を刺激するホルモンであるグレリンが食後に6倍も増加し、もっと食べられると感じていることが判明した。(P242)
■加工製品の「果糖」と「グルテン」が腸内フローラを脅かすワースト2といえる。また、抗生物質、ピル、非ステロイド性抗炎症薬(NSAID)、遺伝子組み換え食品、環境化学物質は「腸内フローラの殺人鬼」たちだ。(P234)
■抗生物質は医学の重要な業績の一つであることは間違いない。しかし、風邪、インフルエンザ、せきや気管支炎の大半の症状、耳の感染症の多くの症状には、抗生物質の使用は必要ない。
WHOは抗生物質の耐性を「21世紀に直面する一番の健康問題」の一つだとしている。(P236)
■2013年ステファニー・セネフらは、体内のグリホサートの影響について、大きな警鐘を鳴らした。
グリホサートには次のような害がある。
・人体が毒素を解毒する力を弱める
・脳の健康に重要なホルモンであるビタミンDの機能をそこなわせる
・鉄、コバルト、モリブデン、銅を枯渇かせる
・トリプトファンおよびチロシン(タンパク質や神経伝達物質に必要なアミノ酸)の合成を阻害する。
結論としてこう述べられている。
「世界各国の政府に対し、グリホサートに対する政策を再検討し、新しい法律を施行してグリホサートの使用を規制するように強く求める」(P260)
■気持ちのいい腸内環境をつくる「6つの食べ物・食べ方」(P274)
個人差はあるが、わずか6日間でも腸内は健全になる。
@プロバイオティクスが豊富な食品を選ぶ
発酵食品
Aプレバイオティクスが豊富な食品を選ぶ
・生のニンニク
・生の西洋ネギ
・生のタマネギ
・調理したタマネギ
・生のアスパラガス
・生のキクイモ
・生のタンポポの葉
B炭水化物を減らし、良質の脂肪をとる(グルテンが含まれていない穀物を適度に摂る)
野菜、低糖の実、発酵食品、体にいい脂質、タンパク質、ハーブ、調味料、香辛料
Cワイン、紅茶、コーヒー、チョコレートを楽しむ
D水道水は濾過して飲む
E季節ごとに断食する
私のやり方は簡単だ。24時間食べないが、水はたくさん飲む(カフェインは避ける)
人間の体には、飢餓のときに脂肪を変換して生命維持の燃料にする、という大事なメカニズムがある。
脂肪を分解してケトン体と呼べれる特別な分子をつくるのだが、その一つであるβヒデロキシ酪酸はとくに脳の燃料として優れている。
■免疫系の大半が腸に配置されている理由はシンプルだ。
腸壁が外界との境界だからである。皮膚を除けば、体がなじみのない物質や生物と接触する機会がもっと多いのは、腸なのだ。そして腸は体内のすべての免疫細胞とも常につながっていて、腸内で問題のある物質をみつけると、他の免疫系にも注意を呼びかける。
腸壁はみずからが健康を保ちながら、同時に、腸内細菌と免疫系の細胞の信号を結ぶ役割をになう。(P43)
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