生きがいの創造 スピリチュアルな科学研究から読み解く人生のしくみ (PHP文庫) [ 飯田史彦 ] 価格:1,650円 |
■死者との再会(P187)
(古代ギリシャの人々がしていたという方法をレイモンド・ロバート博士が再現)
・「鏡視」の実験方法(古代ギリシャの人々がしていたという方法をレイモンド・ロバート博士が再現)
まず、静かな環境にあり、外部の光が入らない、真っ黒やみにすることのできる小さな部屋を用意します。部屋の一方の壁には、高さ1.2メートル、幅1メートルの鏡を、最下部が床から90センチほど上にくるようにして取りつけます。
次に、すわり心地のよい安楽イスを用意し、背もたれの最上部が鏡の最下部とおなじくらいの高さになるよう調整し、鏡の手前90センチほどのところに置いて、ほんの少し後方にかたむけます。こうすれば、被験者が楽にすわれるだけでなく、自分の姿が鏡に映らなくなり、鏡を見た時に自分の背後の暗闇だけが映るようになります。そして、イスのすぐ後ろには、15ワットのうす暗い電球がついた、小さな電気スタンドをおきます。
このようにすると、暗やみの中で背後からくるうす明かりと、背後の深い暗やみをのぞくことのできる鏡をそなえ、その前にリラックスした状態ですわることのできる、単純なしくみの実験室ができあがります。
ムーディ博士は、被験者たちに、ひとりでこの部屋に入ってもらい、安楽イスにすわって鏡の奥の深い暗やみを、じっとのぞいてもらいました。早い人は数分、おそい人でも数十分ほどそうしていると、突然、鏡の中に景色や死者の姿が鏡の中から飛び出してきたり、いきなり鏡の外側に死者の姿が現れたりするのです。
被験者の中には、自分自身がそれまでは決して知らなかった情報や、知ることのできない情報を死者の魂から教えられ、後になって、その情報の正確さを確認した人々もいました。さらに、被験者たちが実際に会うことができるのは、被験者自身が「この人に会いたい」と願った人物とはかぎらず、むしろ先方(現在は他界して魂の状態でいる故人)が、再会を強く望んでいる場合に現れてくることがわかりました。
しかも、まだこの世に生きている人物や、いったん他界して現在はふたたびこの世に生まれ変わっていると思われる人物は、当然ながらいくら願っても現れてくれず、代役の魂が「あの人は今来れないんです」と伝えてくれました。これらの事実から、被験者たちが故人に会った体験は、精神の錯乱や空想、あるいは本人が「あの人に会いたい」と思う願望の投影ではないことが証明されたのです。
被験者たちは、異口同音に、「確かに生身の母がいました」「彼の姿はとても明瞭で、60センチほど離れたところにいました」「しっかりした実体があって、透き通ったりはしていません。彼は動き回り、立体感がありました」・・・などと証言します。・・・肉体を持ってない魂が、この世で生きている被験者に、生前の姿を立体的ビジョンとして見せてくれ、さまざまな会話をしてくれたのです。
死者との再会を鏡を用いるのは興味深いことです。鏡そのものに、神秘的な力があるわけではありません。鏡をのぞきこむことによって、人間が非日常的な意識状態になりやすいということ、あるは自己催眠をかけたような状態になりやすいということなのです。神社のご神体が鏡であったり、多くの神社の奥には鏡がまつってあります。昔の人々は、鏡の前で瞑想することによって、なぜか「目に見えない存在」とコミュニケーションを行うことができる事実を経験的に知っていたのかもしれません。
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