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■"いいね!"の数が人より少ないと不安になってしまったり、ずっと"いいね!"を送っていたのに急に送らなくなると角が立つように感じる学生がいるといいます。
人の視線が気になるということは、他人の基準を重視しているということです。社会性があるといえますが、それが過度になると心が弱くなってしまいます。 (P4)
■インターネットは自由に検索しているようで、閲覧履歴、購入履歴などを元にかたよった情報が表示されるようになっているケースが増えている。つまり自分選んでいるつもりでいても、実際は操作された情報が表示されていることが多い。(P36)
■沈潜し教養を深めることは、知識を得るだけでなく、身体性が非常に重要なポイントを占めているのです。
ネットやSNSに夢中になっている人を見ていると、息が浅く、軽い興奮状態、緊張状態です。交感神経が優位な状態になっています。(P102)
■スマホで24時間、土日も会社と繋がっている状態は、休む暇もなく異常です。一回つながりを切る。静かな時間をつくり、自分に深く沈潜することが必要です。
このことを昔からやっていたのが座禅です。道元は「只管打座」という言葉で表現しました。ただひたすら座禅を組むということで。他とのつながりを断つことで思考をオフにして、ただ瞑想するのです。(P104)
■身体を伴わない文化は脆弱である(P112)
武士の佇まい、歩き方から話し方、座り方、そして剣術といった身体文化が確立されています。その立ち振る舞い、動作を学ぶ中で武士の精神を身につけるのです。
本来は脆弱な心も、武士道の中の決まった型や所作を繰り返すことで、強さや勇気、潔さといった武士特有の気質、精神を兼ね備えていくのです。
いっぽう、武士道には「葉隠」のように言葉で伝えた言語文化もあります。そのような文字として残っているものを読むことで、武士道の奥義をさらに理解し会得することが可能になります。身体文化と言語文化の2つが合わさって、堅固な精神文化が形成されます。
本来は、言語文化より身体文化が先にあった。ところが、近代以降、身体文化の比重が軽くなり、言語文化が優勢になったと考えられます。
特に、西洋文化をひたすら取り入れた明治維新と、戦後のGHQによる武士道の解体により、精神文化の継承が分断したため、江戸時代以前にみられた、品格のある日本人が少なくなったのでしょう。