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■被験者の「5%」が異常判定される「基準値」のカラくり(P72)
基準値は膨大な数の健康な人の測定値を低い方から順にならべ、低い方から2.5%に目に当たる測定値を「下の基準値」、逆に最も高い測定値から数えて全件数の2.5%目に当たる測定値を「上の基準値」と定めるのです。つまり、上から2.5%と下から2.5%を合わせた「5%」の人たちが異常と判定されてしまいます。
しかも、これは1つの測定項目についての話です。2つの項目の場合、「片方もしくは両方」が異常とされる人の割合は全体の10%弱にも達します。(0.95×0.95=0.9025)測定項目が30項目あった場合、健康であるにもかかわらす「異常がある」と判定されてしまう人の割合は全体の8割にも達してしまいます。要するに、正常値を異常値に仕立てあげるインチキ、デタラメです。
いずれにせよ、自覚症状があるなどして治療の必要が生じている場合を除き健やかに長生きしたいと思うなら検査や診察を安易にうけないことです。
■日本人の最も長生きできるBMIのゾーンは、男性の場合25〜27、女性の場合23〜25。日本肥満学会が推奨する適正体重は「痩せすぎ」で「極端な痩せ」は「極端な肥満」にくらべて「1.3倍も短命」(P37)
■「脂質」を減らすと「がん」や「脳血管疾患」による死者が増えていく(P69)
胃がんを例にとると、胃袋の壁の厚さはわずか5mmに過ぎず、内側から粘膜、粘膜下層、筋層、腹膜という順に積み重なっています。がん細胞は最も内の粘膜で発生しますが、発生したがんが進行がんになるためには、がん細胞が胃壁の外へ外へと進入していく必要があります。そこでバリアーとして立ちはだかるのが粘膜下層や筋層です。コレストロールなどを減らすと、がんがバリアーをやすやすと突破できるようになって、がんによる死亡数が増えていくと考えられます。
■塩分の摂取量は一日あたり「10〜15g」が死亡しにくい(P79)
塩分を控えすぎて血中のナトリウム濃度が下がりすぎると、意識混濁や吐き気、血圧降下や失神などをきたして、場合によっては死にいたることもあります。
■「朝食を抜く」と死亡率が「3割以上」も上昇(P84)
朝食抜きそのものが原因ではなく、朝食をとらないような「不摂生な生活」に原因があるのかもしれない。
■「ベータカロテン」は死亡率を「8%」も押し上げる(P117)
病気の予防効果がたしかめられたサプリメントは1つもありません。それどころか欧米では、健康サプリメントは無益であるばかりか死亡リスクまで高める、という研究結果が報告されているのです。
■CT被ばく 子どもは「脳腫瘍」「白血病」の発症リスクが「3倍」に(P165)
2004年にイギリスの医学雑誌「ランセット」に掲載された「診断用エックス線による発がんリスク」で日本を含む先進15ケ国について、それぞれの国民が75歳までに診断用エックス線によって「がん」を発症する確率を推定しています。結果は、ヨーロッパ各国における発がん率(0.6〜1.8%)に比べて日本のそれは「3.2%」と飛びぬけて高く、CT設置台数を加味すると発がん率は「4.4%」にも達する、というものでした。2016年における日本のがん患者数は1.012,000人になります。この数字に4.4%をかけあわせると、年間45,000人近い日本人が医療被ばくによってがんにかかっている計算になります。
イギリスで1985年から2002年までの間にCT検査を受けた経験のある幼少期から青年期(22歳未満)までの調査で、18万人のうち白血病を発症した人は74人、脳腫瘍が135人でした。そして、被ばく線量が増えるにつれて、発症リスクが高くなり、子どもや若い人で顕著に上昇することがることが判明しました。
■ピロリ菌を除去すると「食道がん死」が「4割」も増える(P176)
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