不要なクスリ 無用な手術 医療費の8割は無駄である (講談社現代新書) [ 富家 孝 ] 価格:880円 |
■透析患者は病院にとって”定期預金”(P109)
しなくてもいい人工透析をさせられている患者さんが増えているという現実があります。現在人工透析を受けている患者は32万人以上です。(2014年)この数は、人工比から見て諸外国に比べるとあまりにも多いのです。透析患者は、透析をやめれば死に至るので、永遠のリピータになります。通院患者は一人年平均480万円を落とすのですから、こういう患者が一人でも多ければ、病院経営に大きく貢献します。
ある都内の病院の医師が、こう打ち明けます。「うちの病院では、透析患者さんのことを”定期預金”と呼んでいます。理事長は『透析患者は固定収入で定期預金と同じだから、もっと増やせ』と医師に指示しています。
そもそも現在の人工透析の基準自体が曖昧なので、こういうことが起こるのです。人工透析が必要がどうかは、腎機能、臨床症状、日常生活の障害の程度を点数化して判断します。この点数が合計60点以上なら、人工透析が必要とされるのです。しかし、日常生活の障害の程度というのは、医師のさじ加減でどのようにも評価できます。だから、人工透析をしなくても日常生活の指導で腎不全を予防できる患者さんに対しても、人工透析を行ってしまわけです。
人工透析が必要と診断されたら、必ず「セカンドオピニオン」を受けることです。
■糖尿病患者にしなくてもいい人工透析をする医者がいる。(P74)
糖尿病が進むと、インスリンを分泌する膵臓のβ細胞が死んでいきます。そうすると、インスリンの量が足りなくなるため、腎不全が起こるのです。腎臓には、血液の老廃物をろ過し老廃物を尿として体外へ排出する機能がありますが、腎不全になるとこれが機能しなくなり、対内の老廃物を尿中に排出できなくなります。そうなると、体中にむくみが現れたり、血圧が高くなったり、貧血を起こしたりします。この状態を放置していると、最終的に尿毒症を起こして死にいたってしまうのです。そのため。糖尿病が進行して腎不全が慢性化してきた場合に人工透析を受けなければならなくなります。
■クスリとはなにかということ(P125)
@どんなクスリでも副作用があるということ
Aほとんどのクスリが病気の症状を緩和するもので、疾患そのものを完全にするものではないということ
Bクスリの開発・生産は製薬会社が行っており、それは厳然たるビジネスであるということ
風邪薬というのは対症療法なので、それらのクスリには、熱を下げる、咳を止める、くしゃみや鼻水を出なくするなどと効用が書かれていますが、「風邪を治す」とはひと言も書かれていません。
扁桃腺、気管支炎、肺炎は抗生物質で治ります。しかし、生活習慣病である高血圧、糖尿病などはどんな病気でも治りません。リウマチもそうです。
■2013〜14年にメディアを騒がせた「ノバルティス事件」の背景には、降圧剤が製薬メーカーにとってはドル箱で、開発した薬があたれば、年間数千億円の売上が見込めるということがあります。そのため、製薬メーカーは営業のために惜しみなくおカネをつぎ込みます。製薬メーカーには、「MR」と呼ばれる営業担当者がいて、大学病院、大病院、開業医まで、ありとあらゆる医者を接待漬けにして営業しています。ゴルフ、料亭、クラブ、キャバクラでの接待は当たり前で、自社製品に有利な研究をしてくれる医者には、日常のお小遣いまで出します。(P128)
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