はろはぴ日常のかくしごとなのですが。

昨日 6月2日(火)のこと。


友人が自分の自己破産の申請の件で法テラスから紹介された弁護士さんに会うことになっていて、私に付き添ってほしいと以前から言っていた。



私もインターネット詐欺に遭ったことがあるので、何か今後の勉強にもなるだろうと思ったから友人に付き添って、その弁護士さんの法律事務所へ一緒に行ってきた。

実はその友人・・・生活保護を受けているのだけれど・・・




私にはそれまで詳しい事情を話していなかった。


なぜ彼が破産手続きの申請を？・・と訝しく思っていたのだけれど、弁護士さんにこれまでの経緯説明を求められて彼から語られたこと。



彼はあるインターネット商材でFXトレードのシステム購入で十数万円のまとまったお金が必要だったという。そのシステムは無料モニターとして利用していて、その無料モニター期間中にシステム口座には利確した残高が数百万円あったそうだ。


モニター期間終了の数日前にその運営局から��システム代金(十数万円)を一括で入金して頂ければ、システム口座残高の数百万円を指定の銀行口座に振り込みます��と連絡があったという。

そのとき、彼が考えたことは・・・

無料モニター期間中のシステム利用で、そのシステムは確実に利益が出せるということが証明されたから、十数万円があればシステム口座残高の数百万円を手にして生活保護から抜け出せる。生活保護を抜けた後も、そのシステムがあれば生活をしていけるだけの月収は十分に確保が出来ると・・・



生活保護を受けている身で十数万円というまとまったお金は大金。
生活保護制度を受けている以上、貯金さえすることが出来ない。何故なら、制度を受けている間は資産申告を定期的に提出しなければならなくて、貯金があればその貯金から生活費に充てることが優先されて、支給されるべき保護費からその貯金分を調整減額されるという仕組み。



そんな彼がどのようにして十数万円というまとまったお金を用意しようとしたのか。

実はそこに魔の手が彼に忍び寄っていた・・・


彼のスマホのショートメールに、バンカーズローンという会社からのダイレクトメールが届いていたそうだ。
本来、貸金業法で生活保護を受けている者や無職の者に融資を行なってはならないことになっているのに、彼はそれがヤミ金業のやり口であることを知らずに、そのバンカーズローンに融資の相談をしてしまった。



その結果、彼はそのバンカーズローンと悪徳な携帯ショップが結託した悪質な��携帯買取詐欺�≠ﾉ遭ってしまったわけだ・・・

十数万円でも大金である彼には、60万円近くの負債だけが残ってしまった。



もし私が彼と同じ立場にあったら、私はどうしていただろうか？



弁護士と私のいる前で、いい歳をした彼が悔やんでも悔やみきれないほどに涙を流している姿を見ていて、これは彼一人の問題ではないと思った。

��この世の中にそんな美味い話があるわけない。大人なら少し考えれば分かることだ��

常識的な大人ならばそう思うに違いないだろうとは思う。

しかし、今の普通に当たり前のように普及したインターネット社会では、その常識などないにも等しい。生活に欠かせないほどに便利であるがゆえに、あまりにもインターネットに鈍化してしまって、インターネットに依存した生活を送っていれば、それだけ常識のズレにも気づけない、あるいは言葉巧みに気づかされないよう思考を支配されかねない。



私にとってもインターネットは生活に欠かせないツールになっている。

それだけに、気をつけているはずの私にも彼と同じような魔の手がインターネットを通して忍び寄っていると思うと、彼に「騙されるなんてバカだなあ」などという思慮のない軽薄な言葉は使えないな・・・と痛感した。