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2017年04月02日

アールデコ建築と甲子園ホテル

西宮市歴史建築観光サポーターとして作成した文章の原文です。以下紹介した旧甲子園ホテル(現武庫川女子大学甲子園会館)の見学には事前予約が必要ですが、見どころも多く、食事つきの見学会の時もあります。撮影した写真は掲載の許可を申請中のものが数枚あり、確認が取れ次第、順次アップしていきます。

見学はこちらのHPから
武庫川女子大学 甲子園会館(旧甲子園ホテル)

IMG_0778.JPG
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遠藤新(えんどう あらた1889-1951)によって設計され、1930年に竣工した甲子園ホテル(現武庫川女子大学甲子園会館)は日本における代表的なアールデコ建築の一つである。日本の近代建築に様々な影響をもたらしたフランク・ロイド・ライト(1867-1959)に師事した遠藤は、アールデコ建築のスタイルを確立した巨匠ライトの理想を継承し、戦前に花開いた阪神間モダニズムの先駆的デザインを随所に盛り込んだ華やかな社交場としてのホテルを完成させた。二つの世界大戦に挟まれ、ホテルとしてはわずか14年で幕を閉じた甲子園ホテルであるが、装飾性を極力排除したミニマリストの近代建築とは一線を画した建築・インテリア・庭園のデザインは訪れる者を戦前のモボ・モガが闊歩していたであろう優雅でありながら、革新的でエネルギーに満ちた時代に一気に引き戻すだけの魅力と意匠に満ちている。

「アールデコ」という用語は1925年に開催されたパリ万国博覧会の正式名称の一部を借用して、1920年代から1930年代に流行したスタイルを、1960年代後半以降に「アールデコ」と呼称するようになったのがその起源である。「アールデコ」はその前に流行した曲線的、有機的、非対称といった特徴を持つ「アールヌーボー」と比較されることが多い。その特徴は直線的、幾何学的、左右対称的、立体的といったモダニズムのフォーマットをベースにしながらも、様々なモチーフを組み合わせ、繰り返し使うことにより、優美でありながら、都会的でスタイリッシュでもあるというクラシックとモダンという双方の魅力を併せ持つ独自のスタイルを確立したのがアールデコ様式である。

またアールデコは都市の時代にふさわしく、インテリアや建築だけでなく、当時の工業や産業が生み出す様々な製品、例えばバッグやシガレットケース・食器・花器等のデザイン、そして女性のファッションにも多大な影響をもたらした。そして、アールデコの時代とはそれらのデザインに彩られた高級品を販売する百貨店が欧米や日本の都市の商業中心地に立地し、新しい都市文化とライフスタイルが隆盛を極めた時期でもあった。甲子園ホテルの内装にはその時代のデザインの先進性を体現した様々な意匠や遊び心が随所にみられる。また、現代にも通じるグローバリズムにより、欧米発祥のアールデコの建築やデザインも日本の和室や庭園と融合し、他所では見られない独自のスタイルを保っているのが、甲子園ホテルの魅力でもある。ぜひ一度訪問して、建物の外観だけでなく、日本式の回廊庭園、ホテル内の細部の意匠や和洋折衷のデザインにも注目し、ユニークな発展を遂げた阪神間モダニズムとその時代の息吹をを感じていただきたい。

参考文献
柏木 博/共著(2013)デザイン/近代建築史 鹿島出版会
NHK「美の壺」制作班/編(2008)アール・デコの建築 (NHK美の壺)
日本放送出版協会
吉田鋼市(2005)アール・デコの建築 合理性と官能性の造形 中央公論新社
吉田鋼市(2016)日本のアール・デコの建築家 王国社
三宅正弘(2009)甲子園ホテル物語 東方出版




【LOGO市商標プラン】


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ホワイトショット




阪神間モダニズムと夙川の都市景観

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西宮まちなみ発見マップ夙川編の解説のために作った原文です。職員の方の修正が入りましたので、掲載されている文章とは違いますが、夙川の成り立ちを知ることが出来ます。

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「東洋のマンチェスター」と呼ばれ明治維新以降、いち早く産業化と人口の過密化が進んだ大阪の発展とともに、1900年代初頭以降、自然豊かで健康な都市環境を求めて、多くの富裕層や中流階級層が、阪神間の郊外住宅地にに移り住むようになりました。なかでも、夙川が育んだ豊かな宮水に恵まれた西宮には、当初はリゾートや別荘地、のちには電鉄会社による大規模な沿線住宅地の開発により、日本でも有数の良質な住宅が生まれました。

とりわけ、夙川地域には現在も質の高い住宅とあわせて、多くの美術館や画廊が点在し、これまでに多くの著名な芸術家―大石輝一(画家、1894-1972)、上田安子(服飾デザイナー、1906-1996)、岩谷時子(作詞家、1916-2013)、そして、谷崎潤一郎(1886-1965)、遠藤周作(1923-1996)、野坂明如(1930- )、小松左京(1931-2011)、村上春樹(1949−)などの日本有数の作家を輩出してきました。1900年代初めから戦前までの間に、阪神地域において、西欧文化の薫陶を受けた新しい日本の近代芸術とモダンなライフスタイルが花開いた現象が、後に「阪神間モダニズム」と称されるようになりました。

阪神間モダニズムの大きな特徴は、まちづくりにおける先進的な試みと、西洋的建築様式と阪神地域の豊かな自然、文化、美意識が融合して生まれた独自の建築スタイルを擁する住宅や公共建築物が、他にはない美しい都市景観を創り上げ、またそのまちなみに触発された多くの芸術作品が生まれていることです。なかでも、当時日本では画期的といわれた河川沿いのパークウェイ(都市公園機能を持つ緑樹帯と遊歩道)として1937年に竣工した夙川公園が、西宮の都市景観形成に果たしてきた役割は大変重要です。春には桜の名所として知られる夙川の織りなすまちなみは、これからも多くの芸術家の文化創造のインスピレーションとなり続けるでしょう。

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【写真】こほろぎ橋
昭和12年3月に竣工した夙川公園に架せられた橋です。昭和34年製作の映画「細雪」(原作:谷崎潤一郎)にも登場しています。
Yamamoto Kiyoshi 117.JPG




鯉が泳いでいるスポットもあります。
Recent 072.JPG
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