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2017年10月20日

漫画『ワニ男爵』1巻の感想とあらすじ 紳士なワニと相棒のウサギが行くグルメスポット探訪記

『ワニ男爵』1巻の感想。


ワニ男爵
著者:岡田卓也
掲載:モーニング
1巻発売日:2017年7月21日


あらすじ・概要

彼の名前は、アルファルド・J・ドンソン。素敵なシルクハットに蝶ネクタイを身に付け、ステッキを持ったジェントルマン。職業は小説家。種族は・・・・“ワニ”。
博識で紳士なアルファルドの家を訪問してくるのは、彼を先生と呼ぶ愉快なうさぎのラビットボーイ。「カキ小屋が今、熱いらしいです」、そんなグルメ情報を拾ってくるラビットボーイの誘いに乗り、一緒に食べ歩きをするのが楽しみ。
普段は穏やかで寛大な紳士然としたアルファルドだけど、ふとしたことがきっかけで内に秘めた「野生」が目覚め、ちょっとした騒動になることも・・・。
とある浜辺のカキ小屋、うどん県の讃岐うどん、大阪のタコヤキなど、古今東西どこへなりとも飛んで行き、ワニ男爵と相棒のうさぎがご当地グルメを食べ歩く。

丁寧口調の紳士然としたワニ男爵が、たまに野生の血を騒がせながらも、仲良しの年下相棒であるウサギと共に、古今東西のグルメスポットを巡り歩く物語。
擬人化した動物たちによるグルメスポット探訪記。帯での謳い文句は「華麗なる肉食の日々。」。週刊漫画雑誌「モーニング」にて不定期連載されていたところ、大反響を受けて2017年33号から隔号連載開始。
作者は『ホライズン』という作品でデビューした漫画家・岡田卓也(おかだ たくや)先生。

感想

元々動物の擬人化作品は人気のジャンルでしたけど、ディズニー映画『ズートピア』以降はさらに盛り上がりを見せてる気がします。
記憶に新しいのは、色んな意味で話題沸騰になったアニメ『けものフレンズ』。作中に登場したキャラクターのモデルとなった動物に会うため、実際の動物園に訪れるファンも多くいたようですね。最初はそれほど注目も期待もされていなかったんですけど、かわいいキャラクター、やさしい世界観、少しだけ匂わせている絶妙なシリアス加減など、意外と構成も演出も良くできた完成度の高い作品でしたね。とは言っても、あそこまでブームになったことは今でも不思議に思ってますけど。
個人的には『BEASTARS』もおすすめ。擬人化特有の可愛さは欠片程しかないものの、リアリティあるなかなか奥深い作品。あと、全2巻で終わってしまった『タレソカレ』は今でも強く続編を希望しています。

本日紹介させていただく一冊『ワニ男爵』も、動物擬人化モノ。可愛いかどうかは微妙なラインですが、広い読者層に楽しんでもらえる作品だと思います。

グルメ漫画ブームに火がついてから結構な年月が経ってます。そろそろネタも尽きる頃か・・・そんなことを何度も思ったものですが、その都度思わぬ方向から様々な作品が形を変えて誕生して来ました。そして、本作はその中でもさらに異彩を放っている漫画。
内容をざっくり説明しますと、物腰の柔らかいジェントルマンなワニの主人公が、彼にたかるただ飯食らいの仲良しなウサギと共に、いろいろなお店を食べ歩くお話。
動物擬人化×グルメ探訪記。擬人化された動物たちが、美味しいグルメを食べ歩く姿はなんともシュールな絵面となってます。グルメ漫画がどうたらと書いといてなんですけど、これはグルメ要素もあるシュールギャグ漫画と言った方が正しいかも。

肉食獣も草食獣も関係なく、擬人化されたあらゆる動物たちが共存共栄している世界が舞台。そして、この作品の主人公は、なんと水辺の最強ハンターである「ワニ」

ワニ男爵の名前はアルファルド・J・ドンソン。オシャレなシルクハットと蝶ネクタイを身に付け、ステッキを持ち歩く紳士スタイル。きっちり丁寧な言葉遣いと振舞いを見せ、物腰は柔らかで思慮深くもあり、職業が小説家というだけあってとても博識なジェントルマン。
与える印象の強さだけでいったらトップレベルの主人公ですね。とにかく存在感が半端なく強烈。

そんなワニ男爵を先生と慕っているウサギのラビットボーイ。少々お調子者の気があり、軽薄で思慮にも欠けるため、とてもじゃないけど性格が良いとは言えない小僧。グルメ情報を拾ってきてはワニ男爵を誘ってタダ飯にあやかるのですが、訪れた先々で愚痴をこぼし、わがままを言い、他人を悪く言う有様。
ただ、そのおかげでワニ男爵の紳士な人格者っぷりが一層際立ってもいました。ラビットボーイの振る舞いに嫌な顔ひとつ見せず、彼を優しく諭して懐の深さを見せています。
この2人のやりとりからも伺えるように、本作はワニ男爵というキャラクターで魅せる作品であって、グルメやギャグは彼を彩るスパイス的なものと捉えた方がよさそうです。

ラビットボーイとのやりとりだけではなく、訪れる先々で困ってる人たちを躊躇なく、そしてさりげなく助けていく見事な紳士ぶりを見せるワニ男爵。一見、完璧な紳士と言っても差し支えないように思えるのですが、ひとつだけとても面倒な特性を彼は持っています。
それは、何かしらのトリガーをきっかけに、内に秘めたワニとしての「野生」が暴れだすということ。そうなると本人も自分が何をしているか分からない理性が外れた状態になるため、ちょっとした騒動に発展してしまいます。
あれで動物キャラクターに一人も犠牲者が出ないことは奇跡に近いんじゃないかと。ちょっと怖さはありますけど、あの野生開放は良い抑揚にもなっているので面白い設定だと思います。

グルメに関しては、日本の全国ご当地グルメが登場。食事シーンは最近よくある大袈裟な過剰演出を用いることはなく、これも紳士らしく詩的な美しい表現で美味しさを解説されていました。
小説を生業としてるだけあって、語彙と感性が豊かなワニ男爵の食レポは名言にも事欠きません。彼の詩的・文学的な表現はとても素晴らしく、作者さんの持つ言葉のセンスの良さが伺えました。

ということで、紳士なワニと愉快なウサギが食べ歩きをしながら人情あるふれ合いをしていく漫画『ワニ男爵』1巻の紹介でした。
グルメ要素も良く、人情話も良いものでしたけど、やはりワニ男爵の怖い見た目に反したジェントルマンぶりと、たまに爆発させている野生が何より面白い作品でしたね。
とは言っても、意外性とインパクトだけの漫画ではありません。濃い要素がバランスよく織り交ぜられていて、セリフ回しも素晴らしく、キャラクター・背景などの作画も綺麗。全体的にとても完成度の高い作品だと思います。ただ、ウサギにイラッときてしまう読者は多そうです。
だんだんクセになってくる魅力を持った漫画。凸凹コンビが織り成す食道楽にクスっと笑わせてもらい、同時にちょっとホッコリ良い気分にもさせてもらえました。続きも期待しています。

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2017年10月19日

【フラウ・ファウスト】マンガ 感想&あらすじ 不死の少女と悪魔をめぐる禁忌と再会のダークファンタジー

ITAN。2014年10月発売22号から連載中。既刊4巻
著者:ヤマザキコレ



あらすじ

昔々、あるところにファウストという男がおりました
ファウストはある日、悪魔と出会いこう言われました
「おまえの魂をくれるなら、おまえが死ぬと定められた時まで言うことをきいてやろう」
ファウストは甘い言葉に飛びついて契約をしました

そんな物語を馬車の中で幼い子供に聞かせる謎めいた少女ヨハンナ・ファウストは、立ち寄ったとある街で本泥棒として捕まりそうになっていた少年・マリオンを助ける。

勉強して知識をたくさん身に付けたいと望むも、貧乏なために学校へ通うことが出来ないマリオン。本以上に豊富な知識を持つヨハンナにしばらく教師役を務めてもらう変わりとして、彼女がこの街へ立ち寄った目的を手伝うことになった。

その目的は、フラっといなくなった“あるモノ”を捜し出すこと。そしてマリオンが頼まれたのは、“新月の夜に教会の扉を開けてヨハンナを招き入れる”、ただそれだけ。

新月の夜、ヨハンナを招き入れたマリオンが目にしたモノは、遠い昔に彼女が契約を交わした悪魔「メフィスト・フェレス」の封印された腕だった。

少女は少年を引き連れて旅をする。バラバラになった悪魔の欠片を捜し、封印から解放し、再会するために。

主要登場人物

ネタバレも若干含まれているので注意

・ヨハンナ・ファウスト
悪魔と契約を交わした女性。小柄な体型とメガネが特徴。語学・歴史・天文・数学・錬金術・医術など、幅広い学問に深く精通しているうえ、魔術まで扱います。知識欲と好奇心が強い。百を生かすためなら一を切る非常さを持つも、根っこには深い情愛と優しさ、そして強い信念を持つ。ただ、それを上手く伝えられない不器用な性格でもあります。
五体をバラバラに封印された契約悪魔・メフィストの身体を、100年もの長い間捜し続けています。不死の呪いを受けているため、教会などの神聖な場所へは誰かの招きを受けなければ入ることは出来ません。世間では100年前に死んだとされており、男として描かれているおとぎ話にもなって広く知られています。科学の分野から蹴り出された異端の者たちからはカリスマ的な人気者。
今はヨハンナと名乗っていますが、メフィストと契約を交わした頃に使っていた名前は「ファウスト」。幼い頃から貪欲に知識を求めるも、メフィストとの契約によって一瞬で知識を得ることは拒んでいます。それは、この世界の知りうる限りのことを、実感の伴う“自分の感覚”として知りたいから。そのため、メフィストとの契約で望んだモノは、自身の手足とあるメフィストそのもの。
不老不死ではあっても呪いであることに変わりなく、傷を負うごとに自らの身体を削いで修復されているため、その度に身体は小さく若返っていきます。残ってる物資で体を持たせてるだけであることから、なくなれば死ぬとヨハンナは考えています。

・マリオン
ヨハンナの旅に同行している少年。純粋で優しく、とても知りたがりな性格。本泥棒として捕まりそうになっていたところをヨハンナに助けられました。父親が商売に失敗したことで財産はあらかた借金取りに持っていかれ、現在は貧しくなったことで学校にも通うことができない状況。
学ぶことに積極的な知識バカで、ヨハンナの捜し物を手伝うかわりとして、街にいる間だけ教師役となって学問を教えてもらう約束を交わしました。ヨハンナが実はファウスト博士であり、不死の化物だと知っても尚、彼女のそばで学んでいたいと望み、強引に旅へ同行することになりました。
力もなく手先も器用でない何もできない自分にとって、ヨハンナという知識の塊のような存在に出会えたことはチャンスだと思い、彼女から学ぶことに賭けています。一度はヨハンナについての記憶に鍵を掛けられて置いて行かれるも、強い思いが暗示を解き、ニコと一緒に彼女を追いかけました。

・メフィスト・フェレス
ファウストと契約を交わした伝説の悪魔。鳥のような面を付け、黒いコートを纏っている見た目は男性の悪魔。理由なく人に不死を与えた罪によって、身体をバラバラにされて封印されたことになっているが、それは表向きの理由である可能性が高い。身体の全ては揃っていない現状でも普通に動くことができ、ファウストの危機には助けに現れます。
契約中に「おまえが己を捕らえたならおまえの勝ち。おまえが立ち止まったら己の勝ちだ。」とゲームを持ち掛け、ハンデとしてファウストを不老不死の身体にした後、彼女の前から居なくなってしまいました。
簡単には堕ちない強い意志を持つファウストに惹かれているようです。ファウストが一度死んでいるため、既に契約は切れているにも関わらず、彼女を様々な脅威から守っています。

・ロレンツォ・カランドラ
異端査問官の男性。ヴェールで顔上半分が隠れているため、素顔は不明。寡黙で真面目な性格。冷静沈着な思考と高い戦闘能力を持つ優秀な人物ではあるものの、協調性は欠けているため、1人でフラフラどこかへ行ってしまうことも度々あります。
悪魔やそれに通じる者を抹殺することに躊躇がなく、メフィスト復活を阻むためにファウストを執拗に付け狙ってきます。悪魔を匂いで嗅ぎつけることが可能。
腹違いの義妹がいますが、親を亡くした2人を引き取った叔母と名乗る大主教・オルガに引き離され、会うことを禁じられていました。異端審問官でいるのは妹を守るため。
どうやらファウストの娘であるニコのことを気に入ってる様子。あと、絵が壊滅的に下手なことから、彼の似顔絵によって人物を特定することはまず不可能。

・ニコ・バーンスタイン
ヨハンナを「お母さま」と呼び慕い、彼女の娘を名乗る若い女性。端整な顔立ちと抜群のスタイルを持つ黒髪ロングストレートの美女。ヨハンナの隠れ家でもある薬屋を兼ねた孤児院で暮らし、そこで彼女が通り掛かりに拾ってきた孤児たちの面倒を見ています。
普段は柔らかい丁寧口調で話し、子供たちにも好かれている優しい先生ですが、メフィストのことは激しく嫌っています。
実は普段の姿は自動人形の身体であり、本体は体内に内臓されているホムンクルス。現状はフラスコの中でしか生きられない手の平サイズの小人。そのため、定期的に点検と整備が必要。
ヨハンナによる生命を人の手で作る研究から偶然生まれるも、異端審問官の襲撃を受けたことで雲隠れし、人の目を欺くためにヨハンナの友人である人形師のサラによって外見が組み上げられました。

・アナスタシア
大主教。ロレンツォの腹違いの妹。
兄とは会うことを禁じられていますが、ロレンツォは月に一度だけ誰にも悟られないように姿だけを見せに来てくれるようです。いつも守ってくれている兄には、自分から離れて自由になって欲しいと思っています。
メフィスト復活を阻もうとする教会の異端審問局局長で大主教の叔母・オルガによって、半強制的に悪魔・イーノーと契約を結ばされてしまいました。しかし、囚われたヨハンナと会話を交わしたことによって、自身の行いに疑問を持ち始めています。

・イーノー
女悪魔。大きな尻尾が生えていて、手足には足ヒレと水かきが備わっている悪魔。ある教会の主教の娘を悪魔の末席に加えようとするも、ヨハンネの介入により契約は不履行となり失敗。その後、大主教・オルガの手引きによって、アナスタシアと契約を交わしました。
通常、悪魔や魔獣は流れる水を嫌うものですが、イーノーは水から生まれた悪魔であるため弱点にはなりえません。転んで足掻いて血反吐を吐きながら歩む人間が好き。

・オルガ
老齢の大主教。異端審問局局長。アナスタシアの叔母。謎が多いメフィスト・フェレス封印の真実を知っていると思われる存在。
悪魔を穢らわしい存在と忌み嫌い、人の理から外れた者をおぞましいと蔑んでいながら、目的のためなら悪魔の力も利用する人。




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感想・見どころ

どんな作品においても世界観と設定って大事ですよね。私はその辺りを凝ってる作品にはほんと弱いもので、物語の世界に没入して読みながら、自分の頭の中でも色々と想像膨らませて楽しんでおります。
逆にそこをおざなりにされてしまいますと、いくらストーリーやキャラクターが良くても、ちょっと読み続けるのが辛くなってしまうこともしばしば。それが例えファンタジーであったとしても、世界観によって臨場感を出せているかいないかではだいぶ評価も変わってしまいます。
個人的に良いなと思う作品を一部あげるなら、『ハクメイとミコチ』と『Landreaall(ランドリオール)』。あと、最近では『映像研には手を出すな!』にもハマっていす。これらはしっかりした土台があるので、キャラクターもイキイキ動いてますね。

今回紹介させていただく漫画はヤマザキコレ先生の『フラウ・ファウスト』。不思議な香り漂う独特な雰囲気を纏わせている作品です。

死ねない呪いを受けて100年以上も生きている少女の姿をした女性が、教会によって施されているかつて契約を交わした悪魔の封印を解く為、旅の途中で出会った少年と共にバラバラになった欠片を捜して駆け巡る物語。
悪魔と不死の少女をめぐる禁忌と再会のダークファンタジー。帯での謳い文句は「死ねない少女と不完全な悪魔、100年の年を超えた再会までの物語――」(1巻)、「100年以上まえ、博士と悪魔、ふたりだけの旅の記憶」(4巻特装版)など。
作者はアニメ化もされた現代魔法ファンタジー『魔法使いの嫁』で広く知られる漫画家・ヤマザキコレ先生。

錬金術師「ファウスト博士」を下敷きにして描かれる新たな伝説

“ヨハン・ゲオルク・ファウスト”という人物をご存知ですか?
16世紀ドイツに実在されたと考えられている錬金術師。本人に関するはっきりとした資料はあまり残されていないのですが、錬金術や占星術を扱う魔術師であったなど、色々と妙ちきりんな風聞がささやかれていたことから、彼をモデルにしたファウストと悪魔・メフィストの物語は多く存在します。

代表的なのは、ドイツの小説家であるトーマス・マンによる『ファウスト博士』。そして、ドイツの文豪・ゲーテよって生み出された長編戯曲『ファウスト』ですね。

ゲーテ作品では、神と悪魔のメフィストが賭けをします。貪欲に知識を渇望するファウストを誘惑し、闇へと堕ちたらメフィストの勝ちで、それでも向上心を持って光の道を歩めたらメフィストの負けという賭け。
そして、「結局何もわからない」と自殺しようとしていたファウストの前に現れたメフィストは、肉体を若返らせる変わりとして、有名な言葉「時よ止まれ!お前は美しい」と彼が発したら魂を貰うという契約をします。つまりファウストが満足しちゃったら魂はメフィストのもの。
美女と恋したり、国の窮状を救ったり、領土を持ったり、なかなか歩みを止めないファウストでしたが、とある失敗によって失明してしまいます。ベッド上でメフィストが彼の墓を掘る音を聞き、それを領民が開拓に勤しむ音だと勘違いしてしまったことで、幸福感に包まれたことからついに・・・「時よ止まれ!お前は美しい」と言ってしまいます。
賭けはメフィストが勝ったことで魂を連れていかれそうになるも、天から現れたかつての恋人によって救われ、ファウストは天国へ引き上げられていきました。


かいつまんで説明するとこんな感じだと思います。間違ってたらすみません・・・。

本作はこの辺りの伝説を下敷きに、オリジナルの新たなファウスト博士を描いた物語になってます。魔術や剣などアクションバトル要素もそれなりに加味されているダークファンタジー作品。
系譜に連なるその他の作品では、ファウスト博士はモデルの人物そのままに男性として描かれることが多いのですが、このヤマザキコレ作品では女性。タイトル『フラウ・ファウスト』の「フラウ」というのは、ドイツ語で「ミセス」という意味です。

禁忌と再会の物語

内容をおおまかに説明してしまうと、主人公のヨハンナ・ファウストが五体バラバラにされて封印中の悪魔メフィストを捜す話。ヨハンナ(ファウスト)曰く、見つけてシメるらしいです。
物語の主軸は、バラバラにされて各地の教会に封印されているメフィストを、ヨハンナと仲間たちが妨害してくる敵とぶつかりながら、ひとつひとつ回収していくという流れ。

現在封印されてはいますが、元々は契約している最中にメフィストが持ちかけてきたとゲームが始まりです。

「おまえが己を捕らえたならおまえの勝ち。おまえが立ち止まったら己の勝ちだ。」というもの。

そうして勝手にゲームを始めてフラッとどこかへ消えてしまうのですが、このままではメフィストが勝つことは明白なことから、とあるハンディを与えられます。
1巻冒頭で少年・マリオンと出会ったときは、彼とほとんど年の頃は変わらない少女と言っても差し支えない姿。しかし、メフィストが封印されたのも、ファウストが死んだとされたのも、いまから100年以上前のこと。生きていることすらありえないのに、当時既に大人だったファウストは明らかに若返っており、身体に大きな傷を負っても自然に完治。
つまり時間の制限が無くなった不老不死の身体になったのですが、そうなるに至った謎のヴェールに包まれている過去についても、この作品の大きな見どころのひとつになってます。

そして何より強い輝きを放っているのがヨハンナ・ファウストというキャラクター。聡明であっても知識の探求欲が過ぎることから、その所業は大多数の人たちには理解されず、強欲な狂人として知れ渡っています。しかし、人の評価も、望みを叶えてくれる悪魔との契約すらも、彼女が元々抱いていた根本的な欲望に変化を与えることはありませんでした。
欲する知識を一瞬でくれてやるというメフィストに対し、「実感のない知識なんていらない。私は、私の力でつかめるだけの知識を手に入れる。」
この異質の欲望と信念の強さは凡人には理解し難いもの。しかし、その危うさを孕んだ彼女の情熱は、メフィストがそうであったように、魅力にもなって強く惹かれてしまう輝きを放っていたと思います。

謎、謎、謎の先の読めない展開、そして結末

細々としたところまで理解するとなると、なかなか骨が折れる作品ではあります。ただ、下敷きがあるとは言え独自のストーリーであることから、先の展開やどういう結末に至るかは読みづらいため、続きが気になって仕方なくさせる面白さを持っています。

肝心のメフィストフェレスに関しては、傍にいるとはいえ頭部がまだ封印されているため、語ってくれる口がない状態。なので、その行動の意図や想いはヨハンネの回想の中でうっすらと触れることしかできず、元々ピエロみたいな読み辛い悪魔だったことからも、何をどうしたいのか、何で封印されているのかなど、既に佳境に入っているにも関わらず分からないことが多々あります。

何かの目的なのためなのか、ただ楽しんでいるだけなのか、はたまた愛ゆえなのか、原作とはだいぶ異なる姿をみせているだけに、ある意味物語の展開以上に読めない困った悪魔です。

ヨハンネの旅にむりやり同行しているマリオンもなかなか興味深い。知識を貪欲に欲っする彼は、かつてのファウストそのものとも言えなくもない少年。彼女から知識を得ていくマリオンは、果たして同じような道を歩むことになるのか、それとも別の道や可能性を見出していくことになるのか、その動向も気になるところです。

結局のところ、全てはメフィストのゲームによるところだったりするのかも?
そうだとしたら、果たして勝者の栄冠は何処へ・・・。

最後に

こんな感じでいかがだったでしょうか?女版ファウスト博士と悪魔メフィストフェレスの新たな物語を描いた漫画『フラウ・ファウスト』の紹介でした。

濃密な世界観、伏線が少しずつ紐解かれていく謎多きストーリー、個性半端なく強烈なキャラクター陣、どの要素も素晴らしい出来栄え。謎解きモノとしてだけではなく、アクションありの冒険モノとしても楽しめる作品です。

ゲーテ作品を読んでいなくても何ら問題なく読める作品ではありますけど、もちろん下敷きになっている作品ですので、読んでたらその分想像が膨らむのも確かです。

5巻で完結とのことなので、残された謎がどう解かれてどのような真実を目にすることになるのか、そしてヨハンネ・ファウストはどのような結末を迎えることになるのか、楽しみで仕方ないですね。

作者の『魔法使いの嫁』とはまた違った魅力を持つファンタジー作品ですので、よければ読んでみてください。自信を持って強くおすすめさせていただきます。

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2017年10月17日

漫画『ぶんぐりころころ』1巻の感想とあらすじ 女子高生が愛と笑いで文房具を紹介していくコメディマンガ

『ぶんぐりころころ』1巻の感想。


ぶんぐりころころ
著者:安藤 正基
掲載:マンガボックス
1巻発売日:2017年6月9日


あらすじ・概要

デジタルメディアの発達目覚しい現代において、これまで学生たちの欠かせないパートナーであった文房具は、少しずつその鳴りを潜めつつあった。
とある町にある「かきごこち文具店」を切り盛りしている女子高生の柿心地さらら(かきごこち さらら)。大企業・先端(さきばし)カンパニーによる最新鋭テクノロジーを用いた「先端ランド」建設のため、御曹司であるテクノによって立ち退きを迫られていた。しかし、毎日毎日しつこく立ち退き同意書を持参して店を訪れてくるテクノに対し、進化したアイデア文房具の魅力でさらりと撃退していくさらら。
デジタル全盛期であっても進化の歩みを止めない文房具たち。文房具をこよなく愛するさららと、デジタルの申し子であるテクノの2人が、驚きと魅力に溢れる文房具の世界を案内していく。

町の文房具店を切り盛りしている女子高生が、立ち退きを迫る大企業の御曹司に対し、進化した様々なアイデア文房具の力を借りて撃退していく物語。
文房具JKコメディ。帯での謳い文句は「フリクションボール、ハリナックス、MONO消しゴム・・・・・・。さららちゃんは文房具を愛しすぎる。」「ひたすら笑った後は文房具が欲しくなるスゴイ漫画!!!!!!」。
作者は名古屋のご当地4コマ漫画『八十亀ちゃんかんさつにっき』の漫画家・安藤正基(あんどう まさき)先生。

感想

なんか、ここ1、2年で文房具を題材に扱った作品がいきなり数を増やしてきたように思えます。『文具少女ののの』や『文野さんの文具な日常』、『きまじめ姫と文房具王子』に『文具を買うなら異世界で!』など、何やら新しい作品が続々登場しています。
ここ数年文房具の人気が再燃していますし、アナログ手帳に関しては外国人も不思議に思うぐらい日本では根強い人気を誇っていますから、そこまで不思議なことでもないんですけどね。
テレビの特集なんかを観たり、実際文房具を見に行ったら分かるんですけど、最近の文房具は便利なうえに遊び心もあるから本当に面白い。それに、今がデジタルに溢れ過ぎてる時代だからこそのアナログ回帰的なところもあるかもしれません。

さて、本日紹介させていただく一冊『ぶんぐりころころ』も、そんな文房具をメインの題材として扱った作品になってます。

まずは内容をざっくり説明。店を切り盛りしている文房具マニアの女子高生が、立ち退きを迫るお間抜けな金持ち御曹司を撃退していく中で、数々の面白くて便利な文房具を紹介していくお話。
文房具がテーマのコメディ漫画です。「ステマかな?」と勘ぐりそうになりますけど、巻末のコメントによると作者さんのシュミとのこと。バイト先で取り扱っていた文房具を漫画にしたらどうかと考え、試しに実際存在する商品の話を勝手に描いて担当に送ったら連載が決まったそうです。もちろんメーカーの許可は取ったうえでの連載開始。

主人公は文房具をこよなく愛する女子高生の柿心地さらら(かきごこち さらら)。家族未登場ですけど実家は「かきごこち文房具店」という小さなお店を営み、さららも学校が終わると店で毎日働いています(いつも1人)。腕力はゴリラ並だけど周囲が引くほどの運痴。あと、絶叫アトラクションが苦手の様子。ちょっとぽっちゃり体型。
現在、そのお店の裏で大企業「先端カンパニー」による遊園地が建設中。文房具店の敷地もその計画に入っているため、御曹司である先端テクノ(さきばし てくの)がしつこく立ち退きを迫って来るも、さららにその意思はないとのこと。
そんで、なかなかやり手のさららは進化した文房具の能力を用い、かなり抜けてるテクノさんをおちょくりながら撃退していくというのがお決まりの流れ。

この作品の最たる特徴としましては、実際に販売されている文房具を1エピソードにひとつ紹介しているところですね。例えば・・・
消えるボールペンこと「フリクション」
針なしステープラー(ホチキス)の「ハリナックス」
豊富な種類を誇る超ロングセラー商品「MONO消しゴム」
イケメンが代弁してくれてるように見える付箋「イケメン付箋」
根元から刃先までどこでもサクサク切れるハサミ「フィットカットカーブ」

など・・・。
各商品の特徴と魅力をしっかり押さえたうえで、そこに笑いを交えて楽しく愛の篭った紹介をされています。各エピソードごとに「かきごこちしんぶん(仮)」という登場文房具の紹介ページもあり、そこには協力されているメーカーの広報担当さんのコメントも記載。

キャラ同士のやりとりはコントみたいで面白い。主人公のさららもムチムチしててすごく可愛い子なんですけど、それに負けないぐらいチョロくて抜けてるテクノさんがとっても良いキャラ。
さららが紹介する文房具の効果を目にするたびに、やりすぎなくらいオーバーなリアクションで驚愕し、毎回あっさりやりこめられてしまうという可愛い奴。すぐ表情に出てしまうため駆け引きとかは出来そうに無く、ひとりの人間としては面白いとはいえ、これで将来企業を背負って立つのかと考えると不安しかないですね。
他の登場人物も基本的にどこかしらおかしな特徴を持つキャラばかり。そんな彼女たちがイジりイジられながら、コミカルなやりとりで面白おかしく文房具を大袈裟に紹介していきます。

てな感じで、愉快なキャラクターたちが、愛と笑いとオーバーリアクションで文房具を紹介していくコメディ漫画『ぶんぐりころころ』1巻の紹介でした。
コミカルな内容でギャグのテンポも良く、ページ数も多くないので肩の力抜いて気楽に読める漫画。全体的に大袈裟でしたけど、楽しみながら文房具の特徴を知ることができたのは良かったです。『だがしかし』が好きな人なら楽しめるのではないかと。ムチムチさららのお色気シーンも少しありますので、その辺りは男性読者には嬉しいサービスなのではないかと・・・。
1巻で登場した文具は定番や人気商品ばかりだったので、2巻以降はそれも押さえたうえで、あまり知られていない面白アイデア文具も紹介してもらえたら嬉しいですね。文房具紹介漫画としてもコメディ漫画としても、今後一層の活躍に期待しています。

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2017年10月15日

【紹介した作品の新刊発売情報】スキップ・ビート! 第41巻 他13作品

2017年10月16日〜10月22日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。



あの山越えて 第31巻 2017年10月16日発売

あの山越えての過去記事



さよなら私のクラマー 第4巻 2017年10月17日発売

さよなら私のクラマーの過去記事



らんま1/2 第17巻 2017年10月18日発売

らんま1/2の過去記事



古見さんは、コミュ症です。 第6巻 2017年10月18日発売

古見さんは、コミュ症です。の過去記事



魔王城でおやすみ 第5巻 2017年10月18日発売

魔王城でおやすみの過去記事



竜と勇者と配達人 第2巻 2017年10月18日発売

竜と勇者と配達人の過去記事



ケンガンアシュラ 第22巻 2017年10月19日発売

ケンガンアシュラの過去記事



秘密のレプタイルズ 第4巻 2017年10月19日発売

秘密のレプタイルズの過去記事



もののけ◇しぇありんぐ 第4巻 2017年10月20日発売

もののけ◇しぇありんぐの過去記事



織田シナモン信長 第4巻 2017年10月20日発売

織田シナモン信長の過去記事



スキップ・ビート! 第41巻 2017年10月20日発売

スキップ・ビート!の過去記事



LIFE SO HAPPY 第2巻 2017年10月20日発売

LIFE SO HAPPYの過去記事



試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。


トキワボウルの女神さま 第01巻
著者:八神ひろき
掲載:月刊少年マガジン
2017年10月17日発売


球を投げて10本のピンを倒す。簡単で奥深い『ボウリング』の世界。ストライクをとれば、心が躍る――。
部員がたった2名しかいない北澤学園高校ボウリンブ部に所属する女子生徒・常磐楓(ときわ かえで)。ボウリング場「トキワボウル」2代目の娘でもある彼女は、立て直しのために休日返上でPR。しかし、かつて賑わっていたこの場所も、今では楓の倒したピンの音だけが虚しく響いている有様。
そんな楓がトキワボウルで出会ったのは、プレーするわけでもなく、彼女のプレーを見るわけでもなく、ただじっと座ってるだけの不思議な少年・朝比奈トキオ(あさひな ときお)。8年前、父親によく連れて来てもらったこの場所を懐かしみながら、楓のプレーから響く音を静かに聞いていた。
楓とトキオ、この2人の出会いによって、ボウリングが紡ぐ新たな青春物語の幕が開ける。

ボールが転がり、ピンの音が響く、ボウリングが織り成す青春ストーリー。
作者は青春バスケット漫画『DEAR BOYS』で知られる漫画家・八神ひろき(やがみ ひろき)先生。

八神先生と言えば、DEAR BOYS無印の連載を1989年から始め、中学時代編を挟んで、ACT2、3へと移行し、最後に後日談のOVER TIMEへと続いて今年の1月に堂々完結させましたね。これだけの長期連載だったことから、次回作は少し時間を置くかと思っていたんですけど、意外と早かったですね。

その新連載はなんとボウリング漫画。このチョイスはさすがに予想外でしたけど、前作に引き続き青春スポーツモノで、作者特有の色っぽいキャラデザも健在。

北澤学園高校に通う2年生の女子生徒・常磐楓(ときわ かえで)がたぶん本作のヒロイン。潰れかけのボウリング場「トキワボウル」経営者の娘で、兄である3年生の常盤樹(ときわ いつき)が部長を務めるボウリング部に在籍していますが、部員はその兄と楓のたった2名という有様。
部員獲得のために休日返上でPR活動していたところ、ガラーンとしたボウリング場で1人ジッと座ってるだけの主人公・朝比奈トキオ(あさひな ときお)と出会いました。幼い頃によくトキワボウルに来ていたようですが、父親がいなくなったことで行き方が分からなくなり、ボウリングからも離れていたようです。友人曰く、トキオはどんなことでもちょっとやるだけで誰よりも上手く出来てしまい、張り合う相手もいないことからすぐに冷めてしまう質だそう。いわゆる天才系主人公ですね。
後日、トキオは楓も通う高校の一学年下の後輩であることが分かり、再会した2人はボウリングで一人一投一発勝負をすることになりました。

1話の流れはこんな感じ。主人公のトキオは天才系で左利きという哀川和彦と似たところもありますが、性格はちょっとミステリアスなところもあって魅力的。ヒロインに関しては期待通り可愛いですし、やはりこの方の描くキャラクターは女の人も男の人もどこかしらに色気があって良いですね。

重要なスポーツの動きに関しても素晴らしい出来。ただ目の前のピンを倒すことだけに全神経を集中させるボウリングという競技。前作のスピーディな息もつかせぬ目まぐるしい攻防とは打って変わりましたけど、その辺のシーンはさすが八神先生と言いましょうか、心理描写やキャラが纏う空気感、そしてカットを巧みに用いて緻密な絵で描かれていました。
あれですね、バスケで言うところのフリースローに通じるところがあるので、動きに違和感がないように思えます。

不安があるとするなら、ボウリングの特性上どうしても動きが単調になってしまうという点。その辺りの見せ方をどう工夫してくるのかは気になるところ。あるいは濃厚な人間ドラマなどを描いたストーリー重視の内容になる可能性もありますね。

とは言っても、私の中での期待値はとても高く、不安以上にどんなストーリーに仕上がってくるのか非常に楽しみであります。

試し読みは月刊少年マガジン・講談社コミックプラスさんの公式サイトに掲載されています。(こちら



五等分の花嫁 第01巻
著者:春場ねぎ
掲載:週刊少年マガジン
2017年10月17日発売


貧乏高校生の上杉風太郎(うえすぎ ふうたろう)。成績はテストで常に満点を取るほど優秀なのだが、家が貧乏なうえに根暗で友達も無く、周囲からは浮いた存在として噂になっていた。
そんな風太郎のもとに舞い込んできた好条件の家庭教師アルバイト。ところが、相手は食堂で一悶着あって嫌われたであろう転校生の少女・中野五月(なかの いつき)だったことから、この話が頓挫しないように彼女との関係修復を図る。しかし、五月が一人になるタイミングを狙うも、毎回彼女の側にいる女の子たちの邪魔が入るため、話しかけることすら叶わないでいた。
意を決して突撃した風太郎は家庭教師の件を彼女に告げると、ショックを受けながら「こんな人が・・・私“たち”の家庭教師だなんて」と妙なことを言い漏らす五月。実は、家庭教師の相手は同級生の五月だけではなく、彼女の姉妹たち・・・それも五つ子姉妹全員が相手だった。

問題児ばかりの五つ子姉妹と、彼女たちの家庭教師をすることになった同級生の少年が織り成す五人五色ラブストーリー。
作者は『煉獄のカルマ』で作画を担当していた漫画家・春場ねぎ(はるば ねぎ)先生。

読み切り作品として掲載されたところ高い反響を受け、アンケート投票の結果連載を勝ち取ったようです。

主人公は三百眼と変なアホ毛が特徴の男子高校生・上杉風太郎(うえすぎ ふうたろう)。学業成績は優秀だけど根暗で人付き合いは苦手そうな少年。らいはという名のキュートな妹がいます。
上記のあらすじに書いた通り、ひょんなことから姉妹揃っておバカな五つ子姉妹の家庭教師をはじめることになりました。

最大の特徴はもちろん可愛い過ぎるヒロインたちですね。一花(いちか)、二乃(にの)、三玖(みく)、四葉(よつば)、五月(いつき)の中野家五つ子姉妹。
五つ子というだけあって顔の造形はそっくりで髪色も同じですが、性格は一人一人しっかりした個性が立っていて5人共に異なる魅力を感じられ、服装や装飾にもそれぞれの特徴が現れていて可愛かったです。

今後の流れはベッタベタな王道ラブコメの展開を踏んで行きそうです。ただ、そうであっても五つ子姉妹全員がヒロインという独特な設定は面白く、何よりこの作品のキモとも言える冒頭に描かれてした主人公とヒロインの結婚式は興味を引かれますね。
主人公が五つ子の内だれかとゴールインすることは決定事項。ただ、顔は同じなのでウェディングドレス姿の彼女が誰なのかは当然不明。なので、もし人気が出たらそれぞれのファンによる場外戦が起こってしまうかも?兎にも角にも、いったい誰と結ばれることになるのか、目が放せそうにないです。

それにしても、『ランウェイで笑って』、『星野、目をつぶって。』、『ドメスティックな彼女』など、最近のマガジンは恋愛系の面白い作品が揃っていてよろしいですね。ここに来てハーレム成分も注入されたことで、このジャンルに関しては頭ひとつ抜けてる感じも受けます。

試し読みはマガメガMAGAMEGAさんの公式サイトに掲載されています。(こちら

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2017年10月13日

漫画『魔入りました!入間くん』1巻の感想とあらすじ 悪魔の孫になった人間の少年が魔界で繰り広げるドタバタコメディ

『魔入りました!入間くん』1巻の感想。



魔入りました!入間くん
著者:西修
掲載:週刊少年チャンピオン
1巻発売日:2017年7月7日


あらすじ・概要

金・権力・恋・・・人の欲深さは底知れないものだが、欲無くして人間は生きていけないもの。「醜悪な欲」とはいわゆる、「悪魔に魂を売る」にも等しい所業のことを指す。
そんな醜悪極まりない欲にまみれた両親に育てられた14歳の少年・鈴木入間(すずき いるま)。頼みごとも、頼まれないことも、どんなに非常識且つ理不尽なことも、なんでも受けれてしまう超お人好しの彼は、ある日とつぜん血の繋がった両親の金欲によって、魂を悪魔に売られてしまった・・・。
孫が欲しかったサリバンという老悪魔に気に入られ、彼が理事長を務める魔界の学校へ人間であることを隠して通うことになった入間くん。
こうして、ありえない出来事に戸惑いながらも結局受け入れていまう入間くんの、悪魔たちとのクレイジーなドタバタ生活が始まったのであった。

両親の金欲よって悪魔に売れられてしまった少年が、孫の欲しかった老悪魔の熱烈な歓迎を受けて魔界の学校へ通うことになり、そこでクセの強い悪魔たちとトラブルだらけの日常を繰り広げる物語。
悪魔ひしめく魔界で健気に頑張る人間の少年による学園ファンタジー。帯での謳い文句は「ようこそ楽しい魔界へ!!!!!!!!逃げ場ナシ!!」。週刊少年漫画雑誌「週刊少年チャンピオン」の2017年3月刊行14号にて連載開始。
作者は『ホテルヘルヘイム』を手掛けた漫画家・西修(にし おさむ)先生。

感想

みなさんは「トキワ荘プロジェクト」なるものをご存知ですか?「トキワ荘」と言えば、手塚治虫を始め、藤子不二雄や赤塚不二夫など、漫画界のレジェンドたちが日々切磋琢磨しながら生活を送っていた木造アパート。
で、その当時の漫画家たちの生活をもとにし、本気で漫画家を目指す若者たちを支援するプロジェクトが、NPO法人NEWVERYによって運営されている「トキワ荘プロジェクト」です。
開始された2006年から現在までに、80名の卒業生がプロ漫画家としてデビューされているとのこと。以前紹介させていただいた『潔癖男子!青山くん』の坂本拓先生も卒業生のようですね。
既に漫画道を歩き始めてる人はもちろん、これから本気で歩み始めようと考えてる人は、ちょっと調べてみるのもいいかもしれません。

さて、本日紹介させていただく漫画は『魔入りました!入間くん』。トキワ荘プロジェクトの卒業生でもある西修先生による週刊連載作品です。

内容をざっくり説明しますと、金に目が眩んだ腐れ外道な両親によって悪魔に売られてしまった少年が、契約先の老悪魔から孫として溺愛され、その悪魔が理事長を努める魔界の学校でデンジャラスなドタバタ生活を送るお話。
ファンタジー系のコメディ漫画です。絵にも内容にも真新しさはあまりなく、逆にちょっとだけ古臭さを感じはしますけど、むしろそこも含めて面白いと言える作品だと思います。

舞台となるのは数多の悪魔が跋扈する魔界。物語は主人公がいきなり両親によって悪魔に売られてその魔界へ連れて来られたところから始まります。

主人公は14歳の少年・鈴木入間(すずき いるま)。とにかく彼の両親が非常識且つ規格外過なクズ。1歳で初めて立った入間くんの姿を目にした父親から、「じゃあ今日から『自立』だな」と言われてマグロ漁へ出発・・・。その後もトラブルの英才教育を受け続けた結果、どんなことでも受け入れてしまう超お人好し人間が出来上がってしまいました。
そして、その両親が悪魔を呼び出して、お金と引き換えに実の息子をあっさり悪魔へ売るというあんぐりな行動へ。にも関わらず、入間くんはそんな両親に次会ったら「『コラ』って言います」という人の好さです。

悪魔というのは人間を食べ物程度にしか捉えていない存在。ところが、入間くんを買ったサリバンという老悪魔の望みはまさかの、「我輩の孫になってくれないか?」でした。
ずっと独り身で孫に憧れていたサリバン。友達の孫自慢が羨ましく、でろっでろに甘やかすからと人間の入間くんに懇願。拒否権はあると言われたものの、「ALL YES」な人生を歩んで来た入間くんが涙ながらの願いを断れるわけもなく、契約を交わし悪魔の孫になって魔界での暮らしを始め、彼のありがた迷惑な厚意から悪魔の学校へ通うことになりました。

正体バレたら即悪魔の食卓へ直行という状況であることから、入間くんはなるべく目立たず学園生活を送ろうとするも、サリバンによる孫特別扱いによってその目論見は即効で瓦解。さらに、偶然と周囲の誤解の積み重ねによって入学早々最注目の存在になってます。
その要因のひとつは、彼の不幸な境遇が生んだ「圧倒的危機回避能力」。攻撃力はゼロにも等しい入間くんですが、防御力は無限というチートぶりなため、魔法を扱う悪魔の攻撃も一切通用しません。ただ、チートであっても嫌味は全然なく、その辺はやはり入間くんの人柄の好さが大きいと思われ、健気にがんばる姿と思いやりの精神にはホッコリです。しかも、見た目に反して意外と勇気もあるから応援したくなりますね。
学校へ通った経験のなかった入間くんなので、危険ではあっても「友達」が出来ることはとっても嬉しい様子。入間くんに負けて以来彼に心酔しまくりなエリート悪魔のアスモデウス。あることから入間くんに懐くようになった色々やりたい放題の不思議ちゃん娘・クララ。あと、魔王を目指す男気溢れるサブノックや、入間くんの使い魔になってしまった教師のナベリウスなど、愉快なキャラクターも続々登場。この辺りも本作の大きな魅力でして、ヒロインかどうかは不明ですけどクララはアホ可愛く、私の一押しであるアスモデウスも面白い。今後もまだまだ色々な悪魔や魔物が出てくると思いますので、そこはとても楽しみですね。

こんな感じで、悪魔の孫になってしまった人間の少年が魔界の学校でハチャメチャな日常を繰り広げる漫画『魔入りました!入間くん』1巻の紹介でした。
斬新さはなくとも、安定の面白さがある漫画だったと思います。コミカルなやりとりは素直に笑わせてもらえ、肩の力抜いて気楽に読めましたね。ファンタジー、悪魔、学園コメディ、誤解による成り上がり、魔王モノなどなど、お楽しみ要素が多いのもこの作品の特徴。
でも、やはり一番の魅力はキャラクターですね。上記であげたキャラクターたちを筆頭に、入間くんは悪魔の中でも問題児ばかりのクラスに入れられたことから、ひと癖もふた癖もあるキャラクターがまだまだ登場することでしょう。気になるのは私の一押しであるアスモデウスの名前がアリスというところ。もしかしての展開も無くは無いかも。
主人公の断れない性格からも予想できるように、基本は巻き込まれ系のドタバタ劇。その中で、上記でも書いたように偶然と誤解が重なって、何やら入間くんが本人の意思関係なく魔王への道を歩み始めかねない雰囲気。様々な要素がそれを後押ししていることから、彼に安寧の日々が訪れることは当分ないと思われます。
人間関係・・・もとい、悪魔関係がどんどん広がっていく入間くんは、彼の想いとは裏腹に、トラブルの規模もどんどん増して大変そう。でも読者としては彼に悪いですけど面白く、今後どんな展開を見せるのかは非常に楽しみです。今後の入間くんの活躍と成長に期待してます。

魔入りました!入間くん 1 (少年チャンピオン・コミックス)

西修 秋田書店 2017-07-07
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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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