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2017年10月30日

漫画『ぼくの素晴らしい人生』1巻の感想とあらすじ ディスレクシアの青年が自分の人生と向き合う物語

『ぼくの素晴らしい人生』1巻の感想。



ぼくの素晴らしい人生
著者:愛本 みずほ
掲載:BE・LOVE
1巻発売日:2017年6月13日


あらすじ・概要

ときどき考える。この世界は舞台で、今ぼくは文字を読めない役を演じているだけなんだ――。
昔から文字の読み書きが苦手だった青年・朝倉忍(あさくら しのぶ)。学校に通っていたときは、黒板や教科書に書いてあることもさっぱり分からず、ひらがなどころか自分の名前さえ書けないでいた。
そのうち出来るようになる、子供のころはそう思っていた。しかし、いくつ年を重ねても一向に改善されることはなく、勉強についていけないことから高校へ通うことも叶わず、せっかく採用されたバイトもすぐクビになってしまう。それは自分の頭が悪いからだとずっと思っていた忍。
そんなとき、履歴を書くためにたまたま立ち寄ったカフェのマスターから、「ディスレクシア」という読字障害ではないかと教えられることに。自分と同じ障害を抱えていながら前向きに生きてるマスターとの出会いが、そして自分を育ててくれたおばあちゃんが倒れたことをきっかけに、忍は自分も変わりたいと思い立ち・・・・。

生まれつき文字の読み書きが苦手なことで苦労していきた青年が、とあるカフェの障害を抱えるオーナーとの出会いから自分も同じ障害者であったことを知り、それをきっかけに自分の人生を良き方向へ変えようと努力する物語
ディスレクシアという学習障害をテーマにした漫画。帯での謳い文句は「誤字障害の青年の人生の物語」。女性向け漫画雑誌「BE・LOVE」2017年2号から連載開始。
作者は『だいすき!! ゆずの子育て日記』と続編『『ひまわり!! それからのだいすき』で知られる女性漫画家・愛本みずほ(あいもと みずほ)先生。

紹介・感想

ここ近年、漫画のジャンルやテーマの多様化が凄まじい。
紙媒体だけではなく漫画アプリも普及して、いつでも・どこでも・誰でも気軽に読むことは可能ですし、大人も普通に漫画読んでる時代ですから、読者層が拡大したことでニーズの多様化はさらに加速。
私なんかは毎日のように漫画読んでますけど、最近は斬新で珍しいテーマの作品も非常に多いので、マンネリを感じることなく漫画ライフを満喫できております。その分、財布が軽くなっていくスピードも加速してますけど・・・。
テーマが多いと作品を通して初めて知ることも必然的に多くなりました。ただ種類が増えてるだけではなく質も向上してるため、一層作品やテーマへの興味が深まりますね。

本日の一冊は、認知度があまり高くない障害をテーマに扱った『ぼくの素晴らしい人生』という漫画を紹介させていただきます。

まずは内容をざっくり説明。「ディスレクシア」という誤字障害を知ることなく育ったことから、生まれつき字の読み書きが苦手な自分は頭が悪いのだと思っていた主人公の青年。同じ障害を持つとあるカフェのオーナーと出会ったことでこれまでの認識が一変し、彼との巡り合いを活路に人生を良くするためがんばるお話。
>「障害者」と「人生」をテーマにした少女漫画です。作者の愛本みずほ先生は前作『だいすき!!』でも、知的障害を持つ女性の物語を描いた方でしたね。本作で扱っているのは、ディスレクシア(誤字障害)という字の読み書きに支障がある障害
少し前にハリウッドスターのトム・クルーズがこの障害持ちであることを公表しているので、名前だけなら聞いたことあるという人はいるかもしれませんね。とは言っても、日本国内での知名度は未だ低いことに変わりなく、私もこの作品を読むまでは詳しく知りませんでした。

「ディスレクシア」――学習障害の一種で発達障害のひとつ。文字・数字の読む・書くという行為に著しい困難を持ち、「難読症」「識字障害」「読み書き障害」とも呼ばれます。症状の一例は、文字が歪む・ぼやける・二重に見える、重なる、反転するなど。
知的能力は標準域にあり、日常会話も困難がないことから、幼少期は周囲どころか本人すら気づかず、それなりに識字能力が必要になってくる小中学校以降になって発覚するケースが多い。症状の程度も個人差が大きいため、大人になるまで気づかないことも少なくはありません。それによって、頭が悪い、怠けてると誤解を受けることも。



この作品の主人公はそんなディスレクシアである青年・朝倉忍(あさくら しのぶ)。幼い頃から文字の読み書きに苦労するも、それ以外はいたって普通だったことで誰からの指摘も受けず、自分がディスレクシアであることを知らないまま成人になっています。高校進学も断念しているので最終学歴は中卒。
文字は歪んで見え、書いてあることを理解するだけでも一苦労。書くという行為も同様に難しく、バイト先ではパソコン画面をスマホで撮影して確認するなど自分なりに工夫する知恵を見せるも、それを遊んでいると勘違いされて辞める羽目になる始末。
会話は全く問題なく、見た目もいたって普通であるため、とても障害を抱えているようには見えません。それ故、周囲の人たちには余計理解され辛く、本人も自分は頭が悪いと考えていることもあって、何をやるにも長続きさせることが出来ずに悩んでいました。

そんなちょっと卑屈になっていた忍がたまたま立ち寄ったカフェで、彼の人生を一変させることになるイケメンマスター・遥(はるか)と出会います
実は遥もディスレクシアであり、履歴書に苦労してる忍の様子から、「もしかしてきみ、ディスレクシア?」と聞かれたことで、忍はそういう障害があることを知ると共に、自分が障害者だったことに気づくことになりました。
その後、他界した母に代わって育ててくれたおばあちゃんが倒れるなどして、「ぼくは変わりたい」と強く思うようになった忍。再びカフェを訪ねて遥のもとで働くことになり、彼が所属している劇団にも関わっていくようになります。

ということで、ディスレクシア(誤字障害)を持つ青年が自分の殻を破り、人生を素晴らしくするため頑張る姿を描いた漫画『ぼくの素晴らしい人生』1巻の紹介でした。
非常に興味深い漫画ですね。1巻は何も知らなかった主人公が「ディスレクシア」という障害を知り、そのうえでどう生きていくかを考える・教わるといった感じの内容。
全体的に大きな波はなく、ストーリーも淡々と展開されていきますが、とてもメッセージ性の高い作品だと思います。ディスレクシアの解りやすい説明や、障害のことを始めて知った時の忍やおばあちゃんの反応、周囲に気づいてもらえないことへの苦悩など、そのあたりもしっかり描かれていました。
変わろうと頑張る姿勢を見せる忍応援しながらも、彼から勇気と生きる力を貰えますね。あと印象深いのは、「人間持って生まれたカードで勝負するしかないんだよ」という遥のセリフ。これは誰にでも当てはまることですから、私の心にも深く突き刺さりました。
今ある物の中で生き、今ある物を武器として生きることを知った忍が、これから自分や社会、ディスレクシアとどう向き合い、どのように歩んでいくことになるのか、とても楽しみです。ディスレクシアという障害のことや、障害者が抱える苦悩をを知る良い機会にもなると思います。
それから、この1巻には「ひまわり!!」の番外編も収録されています。

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2017年10月29日

【紹介した作品の新刊発売情報】約束のネバーランド 第6巻 他9作品

2017年10月30日〜11月5日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。


猫のお寺の知恩さん 第5巻 2017年10月30日発売

猫のお寺の知恩さんの過去記事



くーねるまるた 第13巻 2017年10月30日発売

くーねるまるたの過去記事



アオアシ 第11巻 2017年10月30日発売

アオアシの過去記事



スローモーションをもう一度 第5巻 2017年10月30日発売

スローモーションをもう一度の過去記事



憂国のモリアーティ 第4巻 2017年11月2日発売

憂国のモリアーティの過去記事



火ノ丸相撲 第17巻 2017年11月2日発売

火ノ丸相撲の過去記事



約束のネバーランド 第6巻 2017年11月2日発売

約束のネバーランドの過去記事



おにでか! 第5巻 2017年11月4日発売

おにでか!の過去記事




試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。


ショート・ピース 第01巻
著者:小林有吾
掲載:月刊!スピリッツ
2017年10月30日発売


鎌倉文化高校の映画研究部で監督・脚本をつとめる少年・恩田キヨハル(おんだ きよはる)。
映像へのこだわりが強い「映画バカ」の変人ではあるものの、映画界では有名なコンクールで最高賞を最年少で受賞した逸材。
ただまっすぐに、撮るべきものと、正面から向かい合い、伝えるべきメッセージを映像に収めていくキヨハル。
撮影に携わった者たちの心を強く揺さぶり、その映像を観た者たちを魅了していく。魂を熱く燃やし、青くも美しい涙が溢れる青春がここに――。

映画バカの男子高校生と彼の撮影に携わる人達が織り成す映画撮影譚。
作者は人気サッカー漫画『アオアシ』で知られる漫画家・小林有吾(こばやし ゆうご)先生。

アオアシ連載より一年前に同誌で読み切りとして掲載された作品。2014年2月号に1作目、2014年7・8月号に2作目の前後編、そして最新話となる「ショート・ピースIII 静動レフレックス前編」が3年ぶりに2017年9月号に、後編が10月号に掲載されました。
1巻はその3話ぶんを収録されてるそうです。

自主映画を製作している高校の映画研究部が舞台のヒューマンドラマです。

主人公は男子高校生の恩田キヨハル(おんだ きよはる)。
映研では監督・脚本を担当。掴みどころのない性格をした変人であり、映画の撮影に入ると破天荒な振る舞いも目立つ「映画バカ」。
ただのバカというわけではなく、映画界の登竜門とされる「水戸短編映画祭」において、映研部を史上最年少での最高賞受賞へ導いた天才でもあります。
キヨハルは人を見抜く力にも優れ、彼の一見ハチャメチャに思える行動と言葉は、傷を抱えた人たちの心を揺さぶる熱さがあります。

1話には、映研部にPV撮影を依頼しに来たとあるバンドが登場。その中でもボーカルを担当している月子という女性をメインに展開されます。
自分たちが聴いて欲しい歌と、要求されてる歌が異なることに葛藤を抱き、やりたいことを曲げようとしてる中でも、なんとか自分たちを残そうともがいています。最初は金を値切れるからという理由で高校生のキヨハルたちに依頼したのですが、好きなことに全力で無邪気にまっすぐ臨む彼等の真剣な姿勢から、自分たちが失いかけていた熱さを感じた月子。県下のバンド界に影響力ある社長に映研部をバカにされたことにプッツンしてしまい、これでバンドとしての道も断たれたかと覚悟するも、キヨハルたちが作り上げたPV映像によって・・・。

キヨハル等映研部のもとに、各エピソードごとにゲストキャラクターが登場する形なのかな?2話、3話読んでないので確かではありませんが、読み切りなので短編として楽しめるクオリティの高い作品。

作者さんの表情から見せる感情表現は相変わらず上手く、傷を抱えたキャラクターの心の機微を巧みに描き出されていたと思います。
何よりキヨハルというキャラクターがとても魅力的で、本質を突いてくる彼の言葉と行動は関わった人たちだけではなく、読者も一緒に魅了されてしまう不思議な力がありますね。

この熱さと爽やかな青さは感涙してしまうのも頷けます。個人的にはかなり好きな内容でしたので、是非とも早く続きを読みたいものです。

試し読みはビッグコミックBROS.NETさんの公式サイトに掲載されています。(こちら




BLACK TIGER 第01巻
著者:秋本 治
掲載:グランドジャンプ
2017年11月2日発売


南北戦争終結直後のアメリカ。
戦争による混乱は治まらず、南部の治安は急激に悪化していた。この事態に対応するため、北政府は賞金稼ぎのブラックリストから凄腕を選出し、その者たちに「殺しの許可証」を与えて治安維持を図る。
その中の1人、全身黒い衣服に身を包んだクールな女ガンマン――その名は「ブラック・ティガー」。
殺人・強盗を繰り返す無法者たちが蔓延る危険な荒野。ティガーは愛馬に跨り、銃を携え、荒野を闇に染める凶悪な敵を撃ち抜いていく。

美しき女ガンマンが荒野の闇に立ち向かう痛快ガンアクション。
作者は言わずと知れた『こちら葛飾区亀有公園前派出所』で広く知られる大物漫画家・秋本治(あきもと おさむ)先生。

4誌で不定期連載されている作品のひとつですね。こち亀の印象が強かったので、コメディ要素がないゴリゴリのハードボイルド系ガンアクションにちょっと驚き。
正直言いますと、人気漫画を描いてた方でも次が全く振るわなかった漫画家さんを山ほど見てきたので、期待よりも不安の方が若干高かったです。こち亀が偉大だっただけに尚更ね。
ところがどっこい、そんな不安な気持ちはあっさり吹き飛ばしていただけて、改めて秋本先生は凄い漫画家さんなんだなと思い知らされました。

西部劇です。南北戦争直後の混乱続くアメリカ南部が舞台。

戦争終結直後ともあって、南部では強盗・殺人・強姦など、凶悪事件が頻発。そんな無法者たちの対処に政府がとった手段は、毒を持って毒を制す。
賞金稼ぎのBL(ブラックリスト)から選ばれた凄腕数名が、政府から殺しの許可証を与えられて合法的に犯罪者を断罪し、「BLACK MENBER」と呼ばれて恐れられています。報酬はなんと通常の10倍。

主人公はそのブラックメンバーの一人、女ガンマン「ブラック・ティガー」。全身黒い衣服を身に纏い、黒い愛馬に跨り、バラの絵をあしらった銃を携えた黒髪美女。
強い、カッコイイ、セクシー、クール、美人でボインなティガー姐さんは魅力に溢れ過ぎ。

とにかくバンバン人が死んでいきます。まあそのほとんどはティガーに喧嘩売った犯罪者たちです。冒頭からブラック・ティガーを撃ち取ろうと集まった20人があっさり物言わぬ屍になりましたから。死体もゴロゴロ転がっていますけど、引くほど酷いグロさはありませんのでご安心を。

コミカルなこち亀に慣れてる人は違和感を抱くかもしれませんが、派手なアクションシーンと美しいティガー姐さんは必見の価値ありだと思います。
絵に関してはもちろん問題なく上手く、ストーリーも面白くなりそうですし、今後他のブラックメンバーも登場すてくるでしょうからその辺りも楽しみにしてます。出来るならティガー姐さんとはまた異なる魅力を感じさせてくれる美女だったら嬉しい、とか思ったり。

試し読みはグランドジャンプさんの公式サイトに掲載されています。(こちら

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2017年10月27日

漫画『迷宮ブラックカンパニー』1巻の感想とあらすじ ニートから社畜に転落した主人公の成り上がりを描いた異世界ファンタジー

『迷宮ブラックカンパニー』1巻の感想。


迷宮ブラックカンパニー
著者:安村洋平
掲載:MAGCOMI
1巻発売日:2017年5月10日


あらすじ・概要

働かないで怠惰に暮らしたい・・・その一心で努力を重ねてきた24歳の男性・二ノ宮キンジ(にのみや きんじ)。働かずして収入を得られる土台を築き、都内に三つのマンションを建て、最強のセレブプロニートとして優雅な生活を満喫していた。
これからは死ぬまで怠惰に暮らせる――そのはずだったのだが・・・キンジは突如異世界へ飲み込まれてしまったことで、ニート生活はあっさり終焉を迎える。
彼が飛ばされた先は、亜人たちが住まうファンタジーな世界「アムリア」。あの忌まわしき転移から4ヶ月がたった現在、キンジは多額の借金を背負いながら、かつてダンジョンだった採掘場で1日16時間の肉体労働に勤しむ毎日を送っていた。雀の涙ほどしか貰えない低賃金では、どれだけ働いても借金を返すことすら困難な状況。
そんな最中、ひょんなことからダンジョン奥へ通じる隠し通路を発見する。ワニベという同僚を仲間に引き入れたキンジは、高い金になる優れた魔石を掘るためにダンジョンへ潜ると、そこに巨大なモンスターが出現し、さらにそのモンスターの中からリムと名乗る少女が出てきて・・・。

異世界に転移したことでセレブニートから社畜に転落してしまった男性が、迷宮採掘場でのブラックな労働環境にもめげることなく、野心とズル賢い知恵を持って成り上がろうともがく姿を描いた物語。
異世界転移した男の社畜ダンジョンファンタジー。帯での謳い文句は「異世界×ブラック企業。生き残れ、社畜戦士」。Webマンガサイト「MAGCOMI」にて2016年12月5日から連載開始。
作者は『対魔導学園35試験小隊』のコミカライズを担当した漫画家・安村洋平(やすむら ようへい)先生。

紹介・感想

異世界転生・転移モノは今でも飽きずに読んでるんですけど、最近はとりあえず転生させといて、チート入手で即俺tueeeeからのハーレム完成というテンプレ構図ばかり。まあ、需要があってよく使われてるからテンプなんでしょうし、別にそれが悪いというわけではないんですけどね。
ただ、中には目的・目標どころか意味すらない転生も多く、仕舞には「もうそれ転生じゃなくてもいいよね」、と言いたくなる作品もちらほら見受けられるようになりました。せめて何がどうなって転生するハメになったのか、何のために転生するのか、或いは飛ばされた世界で何をしたいのかという明確な目的、このいずれかのひとつぐらいは欲しいところ。
さらによくばるなら、俺tueeeであってもパーティメンバーにはしっかり必要性を与えて、出来れば空気にはしないであげて欲しいと思っております。その辺り『転生したらスライムだった件』は設定もストーリーも上手いこと練られているので面白いですね。

こんな愚痴はこの辺にしておいて、本日は『迷宮ブラックカンパニー』という異世界転移系の漫画を紹介させていただきます。

内容をざっくり説明しますと、現代日本でセレブニート生活を満喫していた主人公の男性が、異世界に飛ばされて迷宮が職場の過酷な労働環境で働く社畜にまで落ちぶれ、どうにかこの悪環境から抜け出すために野心とエゴ全開で成りあがろうとするお話。
「異世界転移」と近年問題になってる「ブラック企業」を合わせたファンタジー物語。これまでにない斬新なテーマをファンタジーに融合させた異色作ですね。
チート能力で無双するわけでもなく、可愛い女の子とキャッキャウフフすることもなく、胸躍る冒険要素すらないのですけど、機転の回るズル賢い主人公が次は何をやらかすのかというワクワク感がある作品。

主人公は24歳の男性・二ノ宮キンジ(にのみや きんじ)。元いた現実世界での彼は、「働きたくない!」という強い想いを胸に努力を重ねた結果、不労所得で優雅な生活を送れるにまで至っていたセレブプロニート。
そんなセレブな生活を満喫している最中、突如床に開いたブラックホール的な何かに飲み込まれ、亜人たちの住む異世界「アムリア」へ飛ばされてしまいました。とりあえず金を稼ぐために人騙して商売したら2000万の借金を背負うことになり、今では元ダンジョン「デトモルト魔鉱遺跡」でつるはし持って1日16時間の肉体労働をする毎日です。

長時間労働、超低賃金、劣悪な労働環境によって疲弊していたところ、ひょんなことから迷宮の奥に繋がる隠し扉を発見。キンジは同じ職場で働くリザードマンのワニベを仲間に引き入れ、「出張(ダンジョン地下に潜って魔石を掘ること)」を試みます。
この世界は迷宮から採掘される魔石がエネルギー源。ダンジョンは地下へ行けば行くほど危険度も上がっていきますが、その代わり純度の高い魔石を採掘できます。それに目をつけたキンジは準備を整えてさっそくワニベと共に出発。楽々地下へ潜ることに成功し、純度の高い魔石をこれでもかと採掘。
しかし、ローリスクでハイなリターンを得られるはずが、そこへ腹を空かせた巨大なモンスターが出現。戦ってどうにか出来る相手ではなかったものの、相手は言葉を話せるモンスター。キンジは自分たちの護衛をしてくれるなら美味いモノを腹いっぱい食べさせてやると取引を持ちかけ、モンスターはそれを面白いと受諾。すると、リムと名乗るモンスターはーいきなり可愛らしい少女の姿に変身しました

見どころはやはり、野心とエゴの塊である主人公のキンジが、異世界に飛ばされてどう成り上がるのかという生き様でしょうね。
人としては誉められそうにないゲスな性格ではあるものの、知恵も機転もよく回るスペックの高い頭脳を持つキンジ。メンタルも強く、どうにかこの悪環境から抜け出すために頭を巡らせ、なるべく自分は楽に、周囲を使って成り上がりを図ります。ただ、彼はちょっとお調子者でもあったりします。その場は上手く立ち回れても、巡り巡って最後には決まってオチが付いてくるという残念な主人公なのです。
このように何かを企てては失敗を繰り返すコメディをこのまま延々と続けていく作品なのかと思っていたところ、ラストで展開に大きな変化がありました。
実はタイトルの『迷宮ブラックカンパニー』は、主人公が働いてる会社のことを指していたんじゃなかったんです。ずっとクズでバカな姿を見せられていたので、これはちょっと予想から外してました。一気に作品への興味が深まった上手い引きでしたね。

てな感じで、異世界に飛ばされた元ニートセレブの主人公が、失敗にもめげずに成り上がりを企てる漫画『迷宮ブラックカンパニ』1巻の紹介でした。
ラストを見る限りでは、1巻丸々序章だったと言っても差し支えないかもしれません。ファンタジーなのに冒険のワクワクがないのは残念に思っていたところ、まさか異世界で組織を立ち上げてブラック企業を乗っ取ろうとする流れになるとは・・・。別のワクワク感が湧いてきましたね。
難点を上げるなら、ヒロイン不足。なぜそんなにモテるのか分からないハーレムは別に求めていなくとも、女の子キャラのリムにもう少し魅力が欲しいところ。今のところはただの腹ペコ怪獣ですから。まあ、これはこれでカワイイっちゃカワイイんですけど、ヒロインとしてはどうなんだろ・・・。もしかして他にいるのでしょうか?
異世界転生・転移モノは好きだけど、少し食傷気味だなと感じてる人にもってこいの作品だと思います。斬新な設定によってしっかり差別化もされていて、全体的に安定した面白さがある漫画でした。

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2017年10月23日

漫画『白星のギャロップ』1巻の感想とあらすじ 強い想いを抱いてジョッキーを目指す少年たちの青春ストーリー

『白星のギャロップ』1巻の感想。


白星のギャロップ
著者:西 連助
掲載:裏サンデー/マンガワン
1巻発売日:2017年8月18日


あらすじ・概要

馬が大好きな中学2年生の少年・森颯太(もり はやた)。巧みに馬を操る技術と才能を持ち、乗馬苑でも将来を期待されて騎手学校を薦めれるも、ある事情から本人にその道へ進む意思は皆無だった。
ずっと母と2人で暮らしてきた颯太。しかし、その母は2年前にパート先で倒れて以来、うつを患って精神を病んでしまい、家を出ることすらなくなり、毎週食い入るようにブツブツ呟きながら競馬中継を見るばかり。そんな光景を目の当たりにしてきたことから、颯太は競馬を激しく嫌うにようになっていた。そんなある日、突然母が帰らぬ人となってしまい、深く気を落としていた颯太だったが、祖父から父親が騎手だという衝撃の事実を聞かされる。
生前の母がうつ状態でも応援し続けていたトップジョッキー・藤宮将二。彼が父親なのではないかと疑った颯太は、騎手学校への進学を決心し、藤宮将二をトップの座から引きずり落とすことを誓うのだった。

馬は好きでも競馬は大嫌いな少年が、陰を落としながらも強い信念と目的を抱いて競馬学校へ進学し、そこで出会った少年少女たちと切磋琢磨しながらジョッキーを目指す物語。
ジョッキーを目指す少年少女たちが織り成す青春群像劇。帯での謳い文句は「どんな手を使ってでも勝ち上がる。」。コミックアプリ「マンガワン」にて2016年8月16日から連載開始。
作者は新人漫画家の西連助(にし れんすけ)先生。

感想

みなさんは競馬やったことありますか?私はギャンブルの類をやらないので、馬は好きでも競馬経験はナシ。ただ、最近なんか競馬のイメージが変わってきたのでちょっと興味を持ち始めてはいます。
若手俳優4人による競馬場での一時と、木村カエラさんの歌が印象深いJRAのCM。テレビでもよく流れてるあの影響を見事に受けております。
どうも競馬ファンにはかなり不評のようですけど、去年のはともかく今年のCMは結構好きです。競馬場すら行ったことがない私には楽しそうに見えましたから。まあ、脚色はそれなりにあるのでしょうけれども、機会があったら行ってみたいですね。

そんなこんなの流れで、今回は『白星のギャロップ』という競馬漫画を紹介させていただきます。

まずはざっくり内容を説明。馬好きでありながら苛烈に競馬を憎んでいる少年が、精神を病んでいた母の死をきっかけに父親がジョッキーであることを知ります。父と思われる人物をトップから引き摺り下ろすことを目的に、騎手学校へ進学してライバルたちと競い合いながらジョッキーを目指すお話。
ブラックな主人公を中心に描かれる騎手学校での青春物語。学園スポーツ漫画といった感じの雰囲気で、展開自体は王道の成長譚的な流れになっていくと思います。
競馬漫画と言ってもギャンブル要素は全然ありません。騎手学校でのジョッキーを目指して日々訓練に励む少年たちの姿を描いた内容であるため、競馬ファンはもちろんのこと、競馬まったくやらない人でも楽しめる作品です。

一番の特徴はやはり主人公の森颯太(もり はやた)ですね。クールで冷静、乗馬の才能に恵まれ、容姿もイケメンに分類されそうな少年。しかし、心の中には激しい憎しみの感情を抱いており、現在の彼を動かす原動力になっているのは「復讐心」

母子家庭で母一人子一人で暮らしていた颯太。母は仕事先で倒れてから鬱状態になってしまい、それからは家に篭って競馬中継だけをジっ見るばかり。それ故、颯太は馬と乗馬は好きでも競馬に関しては大嫌い。
そんなある日、母が突然帰らぬ人に・・・。気を落としていた颯太は、葬儀の日に祖父から父親がジョッキーであるこを聞かされます。母には大ファンの騎手がいたこと、死の間際まで競馬に執着していたこと、その時にこぼした「・・・お願い・・・将二さんの・・・」という言葉を思い出し、トップジョッキーとして名を馳せていた藤宮将二(ふじみや しょうじ)を父親と考えました。
そして、影を宿した表情のまま決意します。騎手になって藤宮将二をトップジョッキーの座から引き摺り下ろすと。そんなこんなで、舞台は騎手を養成する競馬学校へ移行。

競馬学校では颯太と同じく、様々な目的を持ってジョッキーになるべく集まってきた少年たちと出会います。騎手2世、厩務員(きゅうむいん)の息子、女性騎手を目指す少女など。
青春ストーリーには欠かせない友情・ライバル要素もしっかり抑え、キャラクター一人一人に何かしら抱えているものが透けて見えたことから、これから先はよりドラマ性に富んだ展開を期待できそうです。
特に気になるのは颯太の父親は本当に藤宮騎手なのかという点。颯太はそうとしか思い込んでいないようですけど、確証となるモノは何もなく、ストーリー展開的に考えてもその線は怪しい。ただ、母の執心ぶりを見てるとその線も全くないとは言い難く、その辺りは今後の展開に要注目ですね。

競馬学校という閉鎖空間での生活を覗けるというのも興味深い。全寮制での生活から練習風景まで、普通は見ることなんてなかなか出来ない光景が描かれているため、競馬ファンなら特に興味をそそられるのではないかと思われます。
それに、舞台が学校であり、素人も含んだ授業であるため、専門的な知識であっても基本的なところから教えてもらえます。競馬に馴染みのない私みたいな人間にとってはありがたいですね。

ではではこんな感じで、競馬大嫌いな主人公を中心に、ジョッキーを目指す少年たちの爽やかな青春劇を描いた漫画『白星のギャロップ』1巻の紹介でした。
乗馬シーンには若干の堅さが見られたものの、絵自体は結構上手いと思います。もう少し疾走感や躍動感、滑らかさを持たせられたらもっと良くなりそうです。
主人公も良かったですね。今はダークサイドに片足突っ込んでる状況とは言え、うつの母を嫌な顔せず支えていた姿からも、根が良い子なのは最初から伺えていたこと。冷たいことを言ってはいてもなんだかんだで手助けしたり、馬の前でだけは素直になって柔らかい表情を見せるところも悪くないです。今の彼を動かしている「憎しみ」「復讐」という感情が、この生活の中でどう変化し、どのように浄化されていくかは気になります。
競馬ファンなら普段見れないジョッキーの裏側や育成風景を見て楽しめるかと。競馬に疎い私のような素人でも青春物語として読むことができ、さらに初めての世界に触れることが出来る楽しみもありました。予想以上に面白かったので、これからにも期待しています。

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2017年10月22日

【紹介した作品の新刊発売情報】木根さんの1人でキネマ 第4巻 他7作品

2017年10月23日〜10月29日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。


眼鏡橋華子の見立て 第2巻 2017年10月23日発売

眼鏡橋華子の見立ての過去記事



終電ちゃん 第4巻 2017年10月23日発売

終電ちゃんの過去記事



群青にサイレン 第6巻 2017年10月18日発売

群青にサイレンの過去記事



八雲さんは餌づけがしたい。 第4巻 2017年10月25日発売

八雲さんは餌づけがしたい。の過去記事



のみじょし 第4巻 2017年10月27日発売

のみじょしの過去記事



木根さんの1人でキネマ 第4巻 2017年10月27日発売

木根さんの1人でキネマの過去記事



ギャルごはん 第2巻 2017年10月27日発売

ギャルごはんの過去記事



試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。


ダダダ 第01巻
著者:あみだむく
掲載:マンガPark
2017年10月27日発売


ボクシング日本ミドル級タイトルマッチで無名ながら見事な健闘を見せるも、惜しくも敗れてしまった青年・相瀬佑(あいぜ ゆう)。さらに不幸は重なり、敗戦直後に父親が事故にあった報せを聞き、急ぎ病院に駆けつけるも、着いた時には既に息を引き取った後だった。
確執があった元・日本チャンピオンの父親に強くなった自分を認めてもらう――ただそれだけを思ってボクシングをやり続けていた佑。しかし、その父親が他界したことでボクシングをやる意味すら分からなくなり、ジムのオーナーに辞めることを告げて引退を決意する。
家族を失い、目標も失い、自分には何も残らなかったと失意のどん底に居た佑だったが、そこへとつぜん実の妹を名乗る幼い少女・ゆめが現れて・・・。

孤独だった兄妹2人が織り成す家族の再生と戦いの物語。
作者は『めしぬま』で知られる漫画家・あみだむく先生。

あの知る人ぞ知るちょっと特殊(?)なグルメ漫画『めしぬま』を描いているあみだむく先生の新作漫画。いったいどんな漫画を描いたのかちょっと気になって1話だけ読んでみたところ、特に変態的なところもなく、結構良さげだったので軽く紹介します。

最初はボクシングを題材にした普通のスポーツ漫画的な始まり方をしたのですが、どうやら家族の再生物語も合わせて描かれていくようです。
ずっと孤独の中で生きていた青年のもとに、突如妹を名乗る少女がやって来たという感じで、設定自体はそれなりによくあるネタ。
ただ、主人公のバックボーンがなかなか重く、トラウマや葛藤など闇を抱えている雰囲気は興味をそそられましたね。さらに、シリアス全開だったところにいきなり雰囲気和ませる可愛い少女が登場したときは、ちょっと意表を突かれました。

主人公はプロボクサーの青年・相瀬佑(あいぜ ゆう)。試合に敗れたとは言え、日本タイトルマッチの対戦相手に選ばれ、チャンピオンと互角に渡り合っているので実力は相当高いと思われます。
父親は元・日本チャンピオン。ただ、世界の壁を越えることは叶わず、視力の低下によって戦績も振るわなくなってからは荒れ出し、子供だった佑は虐待を受ける日々をずっと送っていました。母親はその暴力に耐えかね、赤ん坊だった妹だけを連れて、佑を置いて出ていったようです。

自分が弱いから嫌われた。強くなれば認めてもらえる。そんなふうに思うようになってからは、ただ父親に認めてもらうためだけにボクシングを続けていました。
しかし、その父親が事故によって急死。佑はボクシングをやる目的を失ってやめることを決意し、自分がやってきたことは全部無駄だったと思い落胆。残ったのは父親がこさえた借金のみ・・・・。
そんな失意の中にいた彼の前に突如現れたのは、ずっと昔母が出て行くときに連れていった妹のゆめ。どういうわけか、今日から兄のもとで一緒に住むように言われて訪ねてきたようです。

1話はそんな内容です。飯沼さんに(めしぬま主人公)顔が似ていたので、食事シーンをちょっとだけ期待してしまいました。見た目は飯沼さんから眉毛と眼鏡をとって、ダークサイドに落ちた輝きのない眼にした感じ。

画力はそこそこ高いですね。ただ、ボクシングの動きは少しぎこちなく見えました。まだ新人の漫画家さんですので、その辺りは今後の成長に期待。

これからはどうなるのかな。やっぱりボクサーとして復帰する道が濃厚ですかね。妹を養うためにも、借金を返済するためにもお金は必要。正直、ボクシング以外の生き方を知ってるようには見えない主人公ですので。そもそもジャンルが「アクション・バトル/スポーツ」であることからして、それ以外ないでしょう。

ボクサーとしてどこまで上り詰めるかという点だけではなく、家族の温かさを知ることなく育った佑が、これからどう妹のゆめと接していくことになるのかはもっと気になります。
たぶん兄と妹の家族再生ドラマをメインにもってくると思いますので、熱いアクションと共に、ハートフルな展開も期待したいです。

試し読みはマンガParkさんの公式サイトで配信されています。(こちら

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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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