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2017年09月20日

【カードキャプターさくら】マンガ 感想&あらすじ 20年以上たった今尚多くの人に愛され続ける伝説の魔法少女作品

なかよし。1996年6月号から2000年8月号まで連載。全12巻
       [新編]2016年7月号から連載中。既刊2巻
作者:CLAMP



あらすじ

私立友枝小学校に通う4年生の木之本桜(きのもと さくら)は、母親を早くに亡くしているため、現在は父と兄の3人で暮らしている元気がとりえの女の子。

ある日、父の書庫で不思議なデザインをあしらわれた古い本を見つけたさくら。本を開いてみると、ぬいぐるみのような姿で大阪弁を話す封印の獣・ケルベロス(ケロちゃん)が現れ、中には魔術師クロウ・リードが創った魔力を持ったカードが封印されていたことを聞かされる。

だがしかし、ケルベロスはカードの守護者でありながらつい30年程居眠りしてしまい、その間に封印が解けてカードはあちこちに散らばってしまった。

「『クロウカード』――その封印が解かれるとき、この世に災いがおとずれる」

カードが災いをもたらす前に再び封印を施すため、魔法の素質を見込まれたさくらはケルベロスから「封印の鍵」を託され、勝手に「カードキャプター」を任されることに。

かくしてさくらは、ケルベロスともう1体の守護者・月(ユエ)、クロウの遠戚の少年・李小狼(リ・シャオラン)、そして親友の知世(ともよ)たちと共に、実体化したカードを全て回収するため様々な事件に立ち向かっていく。


主要登場人物

ネタバレも含まれているので注意


・木之本 桜(きのもと さくら)
主人公。私立友枝小学校4年生の女の子。チアリーディング部所属。運動神経が抜群に良く、特にバトンが得意。毎朝ローラーブレードを履いて登校。母・撫子(なでしこ)を早くに亡くしているため、現在は父・藤隆(ふじたか)と兄・桃矢(とうや)の3人で暮らしています。
明るいことがとりえの、とても素直で思いやりのある優しい性格。頑張り屋ではあるけど、天然且つ少々ドジな一面もあります。兄が原因でオカルト系が大の苦手。「はにゃ〜」や「ほえ〜」などが口癖。
元々魔法を使う素質があったことから、父親の書庫にあったクロウカードの本の封印を解いてしまい、目覚めた守護者・ケルベロスによってカードキャプターにされてしまいました。「なんとかなるよ、絶対だいじょうぶだよ」という無敵の呪文を持ちます。
小狼とは当初こそカードと雪兎のことでライバル関係にありましたが、協力してカードに立ち向かうなかで次第に親しくなり、告白を受けたことで彼への恋心を自覚しました。雪兎に憧れを抱いていましたが、それは恋愛感情ではなく父や兄に向けるような家族愛に近い。

・ケルベロス
クロウカードの守護者の1人で「選定者」。愛称「ケロちゃん」。本の封印を解いたさくらの魔法を使う素質を認め、了解を得ないままカードキャプターに選んでしまいました。長いこと本が大阪にあったことから、その影響を受けてすっかり大阪弁がうつってしまいました。たこやきと甘い物が好物。
本の護り役でありながらついつい長いこと居眠りしてしまい、そのせいでクロウカードが飛散する事態に。「太陽」をシンボルとする「炎」と「地」を司る守護獣であり、普段は羽の生えた小さなぬいぐるみのような姿ですが、さくらが「火」のカードを回収したことで真の姿(大きな白い翼が生えたライオン)に戻ることが可能になりました。

・大道寺 知世(だいどうじ ともよ)
さくらの同級生で親友。私立友枝小学校4年生。コーラス部所属。大企業「大道寺なんとかかんとかコーポレーション」社長の一人娘であり、ボディーガード付きの豪邸に住んでます。ですわ調のお嬢様口調。誰にでも物腰柔らかいおっとりした性格ながらも、年の割に冷静で思慮深く、その上さくらのことになると熱くなる一面もあり。歌と裁縫が得意。
とにかくさくらのことが大好きで、カードキャプターの活動への協力とかこつけて、自作したコスチュームを毎回着せてはビデオカメラで撮影し、それをコレクションして鑑賞することに喜びを感じています。親友以上の特別な好意を抱いていますが、さくらの幸せが第一であるスタンスを持つことから、小狼との関係を純粋に応援。
母・園美がさくらの母・撫子と「いとこ」同士であるため、2人は「はとこ」の関係。知世の長い黒髪は、撫子のことが大好きだった園美が彼女に似せたかったから。

・李 小狼(リ・シャオラン)
香港からクロウカードを回収しに来た転校生の少年。イギリス人と中国人の両親を持つクロウ・リードの、母方の実家である李家の出身。高い魔力と身体能力を持ち、武術も得意。
基本的にはクールな性格ですが、恥ずかしがり屋なところもあり、さらにさくらと同じぐらい純粋な心を持つため、ありえない嘘でも簡単に受け入れてしまう素直な一面もあります。
クロウカードの封印が解けたことを察し、それを回収するため日本に訪れて来ました。当初はさくらのライバルとしてカードの奪い合いをしていましたが、お互いのことを知るにつれ徐々に親しくなり、自身が回収するよりも彼女のサポートに徹することが増えていきます。さくらがクロウカードのマスターになってからも日本に留まり、以降はカードがないため剣と武術、そして護符を主体にした戦い方へ移行。この生活のなかでさくらへの恋心を抱くようになり、最終巻にて想いを告げました。
ちなみに、アニメ版では彼の従妹にあたる「李苺鈴(リ・メイリン)」というオリジナルキャラクターの女の子が登場。

・木之本桃矢(きのもと とうや)
さくらの兄。友枝小のすぐ隣にある私立星條高校の2年生。長身のイケメンで成績優秀・スポーツ万能なことから、親友の雪兎と共に女子人気が高い。
さくらのことを「怪獣」呼ばわりするなど意地悪なことばかりしてきますが、本当はいつも心配して気にかけている妹想いのお兄ちゃん。大切な妹に近づく小狼とは何かと衝突しがち。
守護者たちが認めるほどの強力な魔力の持ち主。さらに、母の魂を視認できる高い霊感を持ち、さくらは幼い頃から幽霊の話を聞かされていたせいでオカルト系が苦手になってしまいました。さくらがまだユエの存在を支えるほどには成長していなかったとき、消失の危機に陥っていた彼に「さくらも守って自分(雪兎)も守ってくれ」と告げ、全ての魔力を託しました。
さくらがカードキャプターであることには気づいていますが、自ら関わることはせず、素知らぬフリをして邪魔にならない距離で見守っています。

・月城雪兎(つきしろ ゆきと)/月(ゆえ)
桃矢のクラスメートで親友。私立星條高校の2年生。桃矢と同じく秀才でスポーツも抜群のセンスを見せ、やはり女子人気が高い。おっとりした柔和な性格で、いつも優しい笑顔を欠かさない銀髪メガネ男子。細身な見た目に似合わずかなりの大食い。さくらの憧れの人であり、小狼も好意を寄せていました。
実はクロウカードの守護者の1人である「審判者」であり、人間の雪兎は仮の姿。見た目は翼を背に持ち、銀髪を腰辺りまで伸ばした無表情の美青年。「月」をシンボルとし、「風」と「水」の属性を司る存在。元の主であるクロウを深く敬愛しているため、当初はさくらを認めようとしませんでしたが、彼女の優しい想いと力に触れたことで新たな主と認めました。雪兎はユエとしての記憶は持ちませんが、ユエは雪兎として活動してるときの記憶もあります。
月の性質上自ら魔力を作り出すことはできず、他者から魔力を供給する必要があるため、1度それが原因で消失しかけるも、桃矢から全ての魔力を託されたことで安定しました。

・柊沢エリオル(ひいらぎざわ エリオル)
さくらカード編から登場したイギリスからの転校生。年の割りに落ち着きのあるメガネをかけた柔和な少年。さくらとはすぐに打ち解け、そのことで彼女に惹かれ始めていた小狼から敵意を向けられるも、その感情にすらすぐ気づいて
さくら編で巻き起こる事件の黒幕であり、その正体はクロウ・リードの記憶と魔力を引き継いだ転生者。自身が創作したルビー・ムーン(月)とスピネル・サン(太陽)の従者を従え、さくら達には気づかれずに事件を起こしていました。そこに悪意はなく、「闇の力」を源にしていたクロウカードに対して、さくらが目覚めたのは「星の力」であったため、属性の違いからカードが力を完全に失う前に、さくらの魔力で「さくらカード」に創り変えるよう仕向けていました。
ちなみに、前世では強大過ぎる自身の力に悩んでいたことから、亡くなる前に魂を2つに分けていました。ひとつがエリオルとなり、もう片方を宿して産まれたのはなんとさくらの父・木之本藤隆です。


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感想・見どころ

ここ近年、かつて多くの読者を魅了した名作マンガの復活情報が続々舞い込んで来ます。まあ、大人の事情でしぶしぶなんていうケースも多いと思われ、この復活劇についてはファンの間でも様々な意見があるのでしょうけど、個人的には不安を抱きながらも、より激しく嬉しい感情が溢れてたりします。
『フルーツバスケット』が9年ぶりに新連載スタートしたときは本気で喜びましたね。あと、少し前になりますけど『魔法陣グルグル』の復活新連載にも歓喜させられました。
これから特に注目してるのは、やはり18年ぶりに復活と相成った『るろうに剣心』。既にスタートを切ったとはいえ、私のような単行本派にはまだまだおあずけ状態が続くことから、この手に届くまで首をおもいっきり長くして待つとします。

さて、今回紹介させていただくのは、傑作として名高い懐かしき魔法少女漫画『カードキャプターさくら』。新章がスタートし、2018年にはアニメも放送されるので、かなり今更ですけどその魅力を書いてみようと思います。

偉大な魔術師によって創作され、永き封印から解き放たれた魔法のカードを巡り、魔法少女となった小学生とその仲間たちが、巻き起こる数々の不思議事件に立ち向かっていく物語。
少女漫画に掲載されている魔法少女作品。コミック単行本は通常版[全12巻]・新装版[全12巻]・記念版[全9巻]が発行されています。漫画を原作としたアニメ(クロウカード編[全46話]/さくらカード編[24話])、映画[2作品]、ゲームなど、多方面でメディアミックスされている作品。
現在は約16年ぶりに復活を果たし、同誌で新章「クリアカード編」が連載中。さらに、2018年1月からの放送予定でテレビアニメ化も決定しています。
作者は『XXXHOLiC』や『魔法騎士レイアース』など多くの名作を生み続けている女性漫画家集団・CLAMP(クランプ)。現メンバーは大川七瀬(おおかわ ななせ)、いがらし寒月(さつき)、猫井椿(ねこい つばき)、もこな、4人の先生方。過去にも様々な漫画家が在籍されていたそうです。

『悪』なきやさしい世界観から生まれた愛され続ける魔法少女

1990年代中頃に連載開始され、その後に放送されたアニメの影響を受けるなどして、たちまち女の子だけではなく広い層から絶大な人気を集め、20年以上たった今尚愛され続ける伝説とも言える作品。
漫画からでもアニメからでも夢中になっていた人はとても多く、オタクを大量製造して世に解き放った作品としても有名ですね。しかも、それはメインターゲットだったちびっ子に留まらず、大きなお友達まで生み出すことになりました。なんという罪深さ・・・。

カードキャプターとなった小学生の少女・さくらが、封印から解き放たれてしまったクローカードを、仲間たちと協力しながら回収していくというのが本筋の流れ。

この実体化するクローカードの設定が面白い要素のひとつでして、1枚1枚にしっかりとした個性があるうえ、ただ回収して終わるのではなく、それ以降の魔法バトルにも適材適所で活かされています。なので、毎回事件が起きて解決するまでの大まかなパターンは同じても、今度はどんな魔法が飛び出すのかというワクワク感がありました。どちらかと言うとアニメ版の方が顕著にその傾向は現れていたと思います。
単純にカードを集めていくという行為自体が良いアイデアでしたね。

大きな特徴として、事件を起こすカードたちにも、事件を裏で企てている者にも、そしてさくら達が関わっていく様々なキャラクターの中にも、「悪意がない」という点が挙げられます。プリキュアのような正義vs悪というわかり易い構図はなく、敵は現れても真の意味での悪者は存在しません
まさに「理想」を象ったやさしい綺麗な世界とも言え、これを長所とするか、短所とするかは、それぞれで判断すれば良いと思います。

あと、この手の作品で「変身しない魔法少女」というのは意外と珍しく、わざわざ毎回異なるコスチュームに着替えて事件に臨むなど、非現実の中に多少のリアリティを織り交ぜている点も魅力と言えましょう。

魅力溢れるキャラクターたちが織り成す人間関係

子供だった頃に読んでいたときにはそれほど気にしてませんでしたが、改めて観察してみると人間関係、特に恋愛事情がカオス過ぎる作品でしたね。

過去と現在、両思い・片思い・三角関係、BL(ボーイズラブ)にGL(ガールズラブ)、教師と生徒(小学生)、シスコン、ロリ・・・etc。
忘れてはいけない。これは少女向けマンガ雑誌「なかよし」掲載ということを。

昼ドラも真っ青な濃い要素がこれでもかと詰め込まれています。普通の作品なら同性愛ひとつとっても、重いテーマとしてドロドロな話になりがちです。
にも関わらず、CCさくらの世界ではあまりにも自然な形で見せられるため、ノーマルな私の認識が変なのではと思ってしまうからおかしい。

というより、この物語は全てがノーマルとでも言えましょうか、「好き」という感情に余計な飾り付けをしてないようにも思え、愛に制限や差別がありません。さくらに恋する知世、桃矢に恋する雪兎、その姿がとても自然体であるからすんなり入ってきます。
この人間関係に最初は困惑してしまうかもしれませんけど、何冊か読み進めていくと、拒否反応強い人でも受け入れてしまう自分に出会えるかも。

大人になった今ではこの辺りの要素も楽しめるようになっていたので、魅力の幅が一層広がりました。

可愛いは正義!

上記でいろいろ書いたことだけではなく、魅力ポイントをあげるとキリがない作品なのですけど、結局のところ最終的には「すごい可愛い!」という所に落ち着きます。

特に主人公・さくらは、見た目、内面、言動、どこをとっても可愛すぎました。元気で明るくて人懐っこく、家族や友達が大好きな女の子。
「ほえええええ」や「はにゃあああん」という口癖も、オタクたちの心を鷲づかみにした大きな要因ですね。狙いすぎな気もしなくはないです。ただ、さくらはいつだって自分を飾ることはせず、誰に対しても分け隔てなく自然体で接っしていることから、それがマイナスに働くことは全くありませんでした。

さらに、普通の魔法少女モノなら変身後の衣装はだいたい決まっていますが、CCさくらは違います。もともと変身という要素自体を省いてるため、そこは好きなように出来るという利点があります。
そこで活躍するのがさくらの親友である知世。彼女はお手製のコスチュームをさくらに着せて撮影することが趣味なので、毎回違うさくらの可愛いコスチューム姿を見ることができ、それが人気にも繋がっていたと思います。

その知世自身もさくらに負けず劣らず可愛い女の子だったので、知世ファンもかなりの割合を占めていましたね。かくゆう私も、この作品を読んでいた子供の頃は知世にかなり惹かれていました。

というより、結局のところ登場キャラクターみんな可愛いんですよね。男も女も、大人も子供も、そしてケロちゃんとスピネルも、みんな愛すべきキャラクターでした。

最後に

ではこんなところで、20年たっても色褪せることなく多くの人たちに愛されている作品『カードキャプターさくら』の紹介でした。
いかがだったでしょうか?

「萌え」が先行してますけど、漫画もアニメも結構真面目に製作され、こと「愛」についは別段真剣に向き合っていた作品でしたね。家族、友情、恋、色んな愛の形を偏見なく自然な姿で描かれています。
もちろん、そんな深く考える必要なく「可愛い」ってだけで十分魅力的な作品なので、ライトにあっさり楽しめるのも良いところです。

絵に関してはさすがCLANPといった感じで、乱れもなく安定した作画で最後まで綺麗に描かれていました。魔法の表現はとても美しく、構成も見事な出来栄えだったと思われ、全体的な完成度が非常に高いレベルでしたね。

性別も年代も関係なく、幅広い層の読者に楽しんでもらえる内容だと思いますので、よければ読んでみてください。自信を持って強くおすすめさせていただきます。

あと、現在連載中の「クリアカード編」の動向も気になるところ。2018年冬から始まるアニメ共々楽しみで仕方ないす。

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2017年09月18日

漫画『微熱空間』1巻の感想とあらすじ 家族になった同い年の高校生男女が織り成す姉弟ラブコメディ

『微熱空間』1巻の感想。



微熱空間
著者:蒼樹うめ
掲載:楽園 Le Paradis(ル パラディ)
1巻発売日:2016年4月28日


あらすじ・概要

再婚する父親から「弟が出来るぞ」と聞かされ、思春期の貧困な発想から可愛い男の子を期待していた高2女子の中ノ瀬亜麻音(なかそね あまね)。
再婚する母親から「お姉ちゃんが出来るわよ」と聞かされ、思春期の貧困な発想から包容力ある大人女性を期待していた高2男子の赤瀬川直耶(あかせがわ なおや)。
期待を(勝手に)膨らませて対面するも、実は僅か3日の違いしかない同い年の姉弟であったため、少しだけ落胆してしまう亜麻音と直耶。年齢も変わらない異性と同じ屋根の下で暮らすことに戸惑いながらも、姉弟として距離を縮めようとするが、2人の内に芽生え出した感情はいったい・・・・。

再婚夫婦の連れ子同士で姉弟になった2人の少年少女が、家族としての絆を深めようと生活を共にするなかで、打ち解けつつもちょっぴり甘酸っぱい思春期ならではの悩ましい姿を描いた物語。
家族になった同い年の少年少女による義姉弟ラブコメ。帯での謳い文句は「今日から姉弟(きょーだい)」。女性向け漫画雑誌「楽園 Le Paradis(ル パラディ)」にて2014年発刊の14号から連載開始。
作者はアニメ化もされた人気漫画『ひだまりスケッチ』や、キャラクター原案を担当した『魔法少女まどか☆マギカ』で広く知られる女性漫画家・蒼樹うめ(あおき うめ)先生。

感想

「思春期」っていうのは誰しもに訪れるものですが、いつ始まって何があってどう終わるのかは曖昧なところ。大人とも子供とも言い難く、身体的な変化にとまどい、心が不安定になる微妙なお年頃ですね。自分自身の感情にも、変化する環境にも何かと振り回されがちになります。
この時期は様々な問題に直面するもので、それによって多くの物語が生まれることから、必然的に創作物のテーマとして扱われやすく、この思春期の少年少女を描いた作品は今も昔も変わらず高い人気を誇っています。例を挙げたらキリがないんですけど、漫画なら『富士山さんは思春期』、小説なら『西の魔女が死んだ』、アニメなら『あぃまぃみぃ!ストロベリー・エッグ』辺りが個人的にはおすすめ。
今回紹介させていただく漫画『微熱空間』も、まさに思春期真っ只中の男女2人を描いた作品になってます。

表紙の少しツンとしながら上目遣いで見つめる少女と、その向けられた視線にちょっと困惑してる少年のかわいいイラストに惹かれました。
内容をざっくり説明すると、高校生という多感な時期に親の再婚で姉弟になった同い年の主人公とヒロイン。一つ屋根の下でぎこちないながらも少しずつ打ち解けていくが、果たして芽生えた感情は家族愛?それとも・・・といった感じのお話。
同居型の王道ラブコメディ。うめ先生はどうにも「ひだまり」の印象が強過ぎるため、百合チックなアットホームコメディの印象しか持ってなかったんですけど、むしろこの作品のようなベタベタなラブコメこそ本領発揮する漫画家さんなのかもしれませんね。と言っても、ラブの方向性についてはまだ不透明ではあります。

メインを張る2人がとにかく可愛い。これに尽きます。
弟が出来ると聞いて無邪気で愛くるしい小さな男の子を(勝手に)期待していた女子高生・中ノ瀬亜麻音(なかそね あまね)と、姉が出来ると聞いて「うふふ」な大人女性を(勝手に)期待していた男子高生・赤瀬川直耶(あかせがわ なおや)の2人です。実際対面すると同い年だったわけですけど。
亜麻音はそのせいで最初ちょっとぶーたれてましたが、それでもまだ妄想してた光景を諦めきれないのか、3日違いしかない直耶に「お姉ちゃんって呼んでみない?」なんてことを提案。実際そう呼ばせてたいそう喜んでいながら、いざ自分の手番で弟を呼び捨てにしてみると、顔を真っ赤に染めて逃げちゃうとかね。しかも、自分の部屋で弟の名前を呼ぶ練習に励む亜麻音・・・。もう可愛くて微笑ましいにも程があります。

どちらかというと直耶の方が亜麻音を異性として意識してる部分が大きく、彼女との何気ないやりとりのなかでもドキドキ胸を高鳴らせている場面はちょくちょくあります。
ただ、突然可愛い女の子と同居生活が始まったという状況ですので、年頃の男の子ならいたって健全と言えるでしょうね。

2人ともこの再婚自体は素直に祝っているため、まだ家族になったばかりで上手く相手との距離感を掴めないながらも、お互い家族として親交を深めようと努力してる印象は受けました。変に糸が複雑に絡まってドロドロな展開になることはなく、そこはうめ先生らしいアットホームな心地よい雰囲気が醸し出されていたと思います。
今のところは安心して見守れる関係を築いています。ただ、どうしてもこういう形の関係だとラブの部分を期待せずにはいられないもので、そこは直耶だけでなく亜麻音もたまに相手を異性として意識してしまう描写があり、それが良いアクセントになってゲスな私を盛り上げてくれました。

とても良いとは言ってもこれだけだといたって普通のラブコメ。ですが、やっぱり含まれた百合成分によって、物語はさらに面白い展開へ突入であります。
亜麻音の親友として登場した九条郁乃(くじょう いくの)。黒髪のちょっとキツそうな印象を受ける彼女は、ガチで亜麻音に恋愛感情を抱く百合っ子少女でした。
直耶から弟ではなく男の部分を感じ、亜麻音は自分のものだとでも言いたげに牽制してくる様子は、はっきり言って面白すぎます。かませポジションでしかないのかもしれませんけど、彼女の存在によって、微妙な距離感にあった姉弟の関係は、さらに微妙な距離感で形成された三角関係へと変形され、今後の展開への期待を一層膨らませてくれることになりました。

そんなこんなで、突然家族になった思春期の少年と少女が織り成すラブコメ漫画『微熱空間』1巻の紹介でした。気持ち悪いと自覚してはいても、顔の緩みは抑えられず終始ニヤニヤされっぱなし。
キャラクターの造詣、内面、仕草、やりとり、全てが可愛かったです。特に私の中では亜麻音の可愛さが頭ひとつ抜けていまして、お姉ちゃんらしさを見せようとする姿が微笑ましく、そこへ不意打ちで撃ち込まれる“甘え”がたまらな過ぎる愛らしさを演出していました。
あと、うめ先生は女性漫画家でありながら、思春期の少女だけではなく、少年の悩ましい葛藤もしっかり描き出せていたと思います。どちらも描ける漫画家さんは貴重ですね。
さてさて、いったいどうなるのでしょうね。このまま家族愛を貫くのか、それとも恋愛へとシフトされるのか、そして百合っ子がどう絡んでくるのか。タイトルには「微熱」と書いてありますので、それほど激しく目まぐるしい展開にはならず、このままゆるふわなラブコメ模様が続くのかもしれませんね。
とにかく気になる要素は多く含まれていますから、2巻も楽しみで仕方ありません。

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2017年09月17日

【紹介した作品の新刊発売情報】鬼灯の冷徹 第25巻 他8作品

2017年9月18日〜9月24日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。



干物妹!うまるちゃん 第11巻 2017年9月19日発売

干物妹!うまるちゃんの過去記事



贄姫と獣の王 第5巻 2017年9月20日発売

贄姫と獣の王の過去記事



ぼくは地球と歌う 「ぼく地球」次世代編U 第3巻 2017年9月20日発売

ぼくの地球を守っての過去記事



フルーツバスケットanother 第2巻 2017年9月20日発売

フルーツバスケットanotherの過去記事



鬼灯の冷徹 第25巻 2017年9月22日発売

鬼灯の冷徹の過去記事



CITY 第3巻 2017年9月22日発売

CITYの過去記事



波よ聞いてくれ 第4巻 2017年9月22日発売

波よ聞いてくれの過去記事




試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。


貧民、聖櫃、大富豪 第01巻
著者:高橋 慶太郎
掲載:月刊サンデーGX
2017年9月19日発売


裕福ではなくても漫画家の母親と幸せな日々を送っていたしっかり者の女子高生・信楽聖夜(しがらき せいや)。母の描く漫画はいつか絶対世間から評価されると信じ、早くお金を稼いでそんな母を支えたいと考えていた。
ある日、幼馴染のフワちゃんとの通学途中、突然体が動かなくなった聖夜はそのまま階段から転落するも、次の瞬間にはケガひとつ無く異なる場所へ飛ばされていた。そこに現れたのは、自らを「箱」の御使いと称するアウレリア・デ・メディチという名の金髪少女。
事情もまだ完全には把握できずにいた聖夜だったが、さらにそこへ謎の2人組が現れ、いきなり戦闘に巻き込まれ・・・。

「裏」と「表」と「カネ」を巡るアクションファンタジー。
作者は『デストロ246』やアニメ化もされた『ヨルムンガント』で知られる漫画家・高橋慶太郎(たかはし けいたろう)先生。

バイオレンス、ガンアクションの名手によるマネー・アクションファンタジーです。これまでの作品とは違って、血や弾丸の雨ではなく「カネの雨」が降る漫画。

主人公は漫画家の母を持つ女子高生の信楽聖夜(しがらき せいや)。母の描く漫画は絶対評価されると信じ、執筆作業や家事を手伝い、早くお金を稼いで支えたいと考えてるしっかり者。あと、結構冷静に物事を見極めて判断できる子のようにも見えました。
そんな聖夜があらすじに書いた感じで突然異世界へ飛ばされると、そこで「箱」の御使いと称する杖を持った金髪の美少女・アウレリア・デ・メディチと出会います。
さらにそこへ、スーツ男と十字をあしらった鎧に身を包んだ騎士のコンビが現れ、戦闘に突入。

別世界でのバディファイトですね。飛ばされた先の風景は神奈川の「海の見える丘公園」でしたが、状況から見て現実世界とは異なる次元に存在する世界であると思われます。「箱(アーク)」の管理する世界かな?
現実世界の人間が「主」となって、「御使い」と呼ばれる存在とバディを組んで戦うようです。戦闘時は攻撃をするにも防御をするにも主が現在所持している「カネ」が消費され、相手の攻撃を体で受けると血ではなく金貨が噴出します。

1話に登場したのは主人公組を含めた3組。
聖夜のバディはアウレリア・デ・メディチ。かの有名なルネサンス期のフィレンツェを実質統治していたメディチ家の当主・「ロレンツォ・デ・メディチ」の姉だそうです。ちょっと調べた限りでは出てこなかったので、架空なのか実在していたのかは私には分かりません。
2組目はスーツ男と彼からモレーと呼ばれていた騎士。この御使いはモレーという名と十字をあしらった兜と鎧の風貌から人物はだいたい予想できました。テンプル騎士団最後の総長「ジャック・ド・モレー」かと思われます。
3組目はメガネ美女と彼女にパラちゃんと呼ばれていた猫(?)耳娘。私の浅い知識と拙い観察力では、御使いが何者なのか全く分かりませんでした。気になるワードをぶっこんで検索したら「パラケルスス」という錬金術師・悪魔使いが出てきましたけど・・・・たぶん違いますね。

バトルで勝利すれば大金かそれ相応の恩恵を受けられるのでしょうが、なら所持金がゼロになったらどうなってしまうのか。単純に無一文で退場させられるだけなのか、それ以上のペナルティが待っているのか、とても気になります。
そもそも何者が何の目的でこんなことをしているのかが不明。御使いは誰しも生前「金」絡みで何かあった人物だと思われるので、そこらへんと関係してそうです。

主人公が普通の女子高生の割りに冷静で身体能力高すぎやしないかと思ってしまいましたが、母親想いなところは好感持てますし、なにより可愛いから普通にアリ。
血が流れないバイオレンス度薄めの作品なので、これまでの同作者先生の作品に比べたら読み手をあまり選ばないのではないかと。その辺りの持ち味が薄れてはいても、「カネ」が関わってくるため濃い人間模様を拝めるのではないかという期待はあります。
まだまだ謎な部分が多いので全貌は見えていませんが、設定・世界観・キャラクターは興味深く、なかなかそそられる1話でした。

試し読みは小学館サンデーGXさんの公式サイトで公開されています。(こちら



僕は何度でも、きみに初めての恋をする。 第01巻
原作:沖田円 / 作画:西崎りいち
掲載:ガンガンONLINE
2017年9月22日発売


わたしの世界は、きみと出会ってはじまった――。
両親の不仲に悩む高校1年生の少女・セイ。放課後になっても特に何の予定もないセイは、気まぐれから公園に立ち寄ると、そこでカメラを持った同じ年頃の少年・ハナと出会う。
初対面にも関わらず親しげに話しかけてくるハナに戸惑いながらも、自分とは全く違う目で世界を見ている彼に興味を持ったセイ。後日、両親のケンカから逃げるように家を飛び出したセイは、再びあの公園を訪れると、変わらずカメラで写真を撮っていたハナと再会する。
しかし、どうにもハナとの会話に何か違和感を感じたセイ。すると、そのセイの口から「僕の記憶一日しかもたないんだ」と聞かされ・・・。

累計24万部を売り上げた人気小説をコミカライズ化した、せつなさと優しさに満ち溢れた青春ストーリー。
原作者は『一瞬の永遠を、きみと』や『春となりを待つきみへ』の小説家・沖田円(おきた えん)先生。作画担当は新人漫画家・西崎りいち先生。

メインキャラは2人。
高校1年生の女の子・セイ。顔を合わせる度にケンカを始める不仲な両親に悩み、そのせいか世界も色あせて見えていました。
そんな彼女が出会ったのは、常にカメラを持ち歩いているセイと同年代の、病気か怪我の影響によって記憶が24時間でリセットしてしまう少年・ハナ。見るもの経験すること全てを零さず残そうとする彼は、世界を素直な目で捉えています。

記憶リセットという似たテーマを扱っている作品といえば『一週間フレンズ』が有名。ただ、2つは1日と1週間の期間だけではなく、症状の重さもだいぶ異なり、こちらの方が切なさや悲しさはだいぶ濃い内容。けれど、同時にとてもあたたかく美しい話でもあります。
大きな盛り上がりは特にない作品ですが、引き込まれる世界観と素敵な高校生の恋愛模様は、心地良い気持ちにもさせてくれると思います。

小説の長さからして、たぶん漫画は全2巻ぐらいで完結するのではないかと。漫画になってる分こちらの方がだいぶ読みやすくなっていたように感じました。

試し読みはガンガンONLINEさんの公式サイトで公開しています。(こちら

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2017年09月15日

漫画『終極エンゲージ』1巻の感想とあらすじ 全宇宙を巻き込んだ最強の花嫁決定バトル

『終極エンゲージ』1巻の感想。


終極エンゲージ
原作:江藤俊司 / 作画:三輪ヨシユキ
掲載:少年ジャンプ+
1巻発売日:2017年6月2日


あらすじ・概要

地球が宇宙の中心になっている超未来。あまねく宇宙を統べる地球の王は、「宇宙の卵」と呼ばれる加護のもと、何人も決して傷つけられぬ絶対の存在として君臨していた。
その加護を身に宿した王の嫡子が16歳になったとき、妃≠ニなるべく宇宙の星々から様々な種族の女達が集ってくる。妃となる条件「最強」である証を示すため、『女王決定戦』の覇者を目指す女達が。
3日後に女王決定戦を控えた13代王位継承者のルス=ユガは、散歩中にたまたま1人の妃候補と出会い、生まれて初めて恋をした。トーナメントが始まり、ルスはその子に勝利を手にして欲しいと願うが――。
それから20年後。ルスと優勝者との間に生まれた14代王位継承者であるクリシュナは、自らの目的を果たすため、父にも母にも秘密のある計画を実行に移そうとしていた。

最強であることが王の妃になる条件とされた世界で、自らの才能を信じてやまない王位継承者の少年が、自らの女性クローンを作り出し、宇宙最強の花嫁に仕立てあげようと旅をする物語。
サイエンスバトルファンタジー。帯での謳い文句は「巨弾SFバトルアクション!最強花嫁決定戦開幕!!」。無料で読めるWEBマンガ雑誌「少年ジャンプ+」にて2017年3月12日から連載開始。
原作はライトノベル『飛行迷宮学園ダンゲロス?『蠍座の名探偵』?』で原案・執筆協力をされていた江藤俊司(えとう しゅんじ)先生。作画はライトノベル『THE NEW GATE』の漫画版を担当された三輪ヨシユキ(みわ よしゆき)先生。

感想

漫画でもアニメでも導入部は重要ですよね。どれだけ後々の展開が秀逸だとしても、ここの出来が悪いと読者はなかなかついて来てませんから。丁寧に作られているだけではなく、予想もしてなかった展開を見せてもらえるとよりワクワクしてしまいます。もちろん息切れ早すぎてガッカリなんてことも珍しくはありませんけど。
私が衝撃を受けた1話なり1巻なりの導入部があった作品と言えば、
『幽遊白書』
『テラフォーマー』
『がっこうぐらし』
『約束のネバーランド』
『ファイアパンチ』
他にもあると思いますけどパっと思い浮かぶのはこの辺りですね。特に『がっこうぐらし』の世界観すら一遍させた衝撃展開は今も忘れられません。ゴキバトルは迷走気味ですけど、今はとりあえず作者先生のお体の方が気掛かり。

まあそんなこんなで、今回は『終極エンゲージ』1巻の紹介をさせていただきます。
1話から度肝抜かされたうえに盤面までひっくり返された気分になりました。

宇宙を支配する王の嫡子で超ナルシストの主人公が、自身の妃最強の女≠決めるバトルトーナメントにおいて、自身の女性クローンを作って最強の嫁にしようとするお話。
異種嫁候補SFバトルアクション。ヒロインだと思ってた子があっさり首をはねられてちょっと呆然としていたら、主人公だと思っていた少年すらただの脇役だったことにはビックリ。ただ、個人的にこういうのは嫌いじゃない。
このミスリードもさることながら、よく練られている設定も面白く、なによりキャラ立ちがしっかりしてる登場人物、特にラスボスっぽく見えてしまうクセが強烈な主人公の魅力が大きかったです。

舞台は宇宙の中心が地球になっているという超未来。地球の王は「宇宙の卵」と呼ばれる絶対防御的な加護を宿し、あまねく宇宙を支配下に置いています。初代地球王からの流れによって、王の妃はその時代において「宇宙最強」であることが条件とされ、王位継承者が16歳になると各星々から嫁候補が集い、バトルトーナメント「女王決定戦」が開催されます。
つまりこの作品は、王の座を巡る男たちの戦いではなく、妃の座を巡る女たちの闘いです。この設定だけでもちょっと珍しくて面白そうだと思っていたところ、1話に少年と少女のロマンスありのバトルファンタジー路線を匂わせといて、さらに捻りを入れて別方向へターンしていきました。
最強の女との婚姻は、その交配によって王族の遺伝子強度を高めていくため。あと、王族が宿す「宇宙の卵」の加護には序列があるようで、より高い者へ危害を加えることは出来ない仕様。

主人公は王位継承者のクリシュナ・ユガ(通称「クリス」)。頭脳も身体能力もズバ抜けて高い超天才(あるいは天災)なのですが、この男はとんでもなくクレイジーなオツムを持った主人公だったわけであります。
自分が最強であることを信じて疑わない超ナルシストのクリスが思い至った計画は、自分の最強遺伝子から女性型クローンを作り、その子に優勝させて結婚してしまおうというもの。性別違うだけでほぼ100%自分。それってつまり、自分と結婚するようなものですから、それを不敵な笑みを浮かべて実行する彼はクレイジー以外の何者でもありません。

ただ、そんな天才ナルシスト王子にまさかの誤算があったときには、つい拍手して「やったぜ」と喜びそうになりました。ヒロインはクリスの女性型クローンであるカルキ。クリスは彼女が優勝したら当然結婚するつもりでいたわけですが、カルキに目標を尋ねてみると、その返答は「『宇宙の卵』の加護を得たその瞬間にご主人様を殺してしまう事」。クリスは自分のことを好き過ぎるあまり、当然そのクローンである彼女も自分のことが好きだと勝手に思っていたところ、引き気味に「全然好きじゃない」というまさかの一刀両断。
その理由がとても納得できるから面白い。好奇心の塊であるクリスが王になった場合、93%の高確率で宇宙が大変なことになってしまうから。なので、危険分子でしかないクリスを排除し、その後は自分が統治した方が良いという見事な判断。まあ、そんな目標を突き付けられておきながら、それすらもクリスは楽しんでしまってるわけですけどね。
このことからクリスはカルキを最強の嫁にするだけではなく、トーナネント開催までの1年間で心変わりをさせるという勝負まで始まりました。

こんな感じで、今回は宇宙という巨大な舞台すら霞みそうなぶっ飛び過ぎてる主人公が魅力の漫画『終極エンゲージ』1巻の紹介でした。
驚きの展開が多く、終始飽きることなく楽しませてもらえました。主人公よりもヒロインの目標達成を願いたくなり、ミムラという2人に振り回されっぱなしのお供キャラを応援したくなります。主人公のヤバさが目立ちまくってるため、今後どんな敵や悪役が登場したとしても、クリシュナの陰に隠れてしまいそう。彼がどんなよからぬことを企てていくのかに注目したいところです。
あと気になるのは、果たしてカルキがクリスを好きになる可能性が微塵でもあるのかどうか。そもそも好きになって結婚できた場合・・・自分と・・・子作り・・・。もう、なんかね、いろいろすごいです。
まあ、面白かったことは確か。女の子たちもみんな可愛いですし、個人的にはクリスの母・ディアナも嫌いじゃないです。怖そうではあっても結構不憫な人にも見えるので。
今後の展開が実に楽しみ。いろんな意味で目が離せなくなりそうな漫画でした。

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2017年09月12日

漫画『ギャルごはん』1巻の感想とあらすじ ピュアなギャルとマジメな教師の料理が繋げるラブコメディ

『ギャルごはん』1巻の感想。


ギャルごはん
著者:太陽まりい
掲載:ヤングアニマル
1巻発売日:2017年6月29日


あらすじ・概要

少し冴えないけど真面目な家庭科教師の矢部真司(やべ しんじ)。現在勤めている学校に赴任してから3ヶ月、家庭科の授業自体が少ないことから生徒たちと交流する機会は乏しく、あまり馴染めていない現状に悩みながら教師生活を送っていた。
そんな理想とのギャップに物足りなさを感じていた矢部の前に現れたのは、“学校イチのギャル”として有名な女子生徒・岡崎くみ(おかざき くみ)。何度補講を受けても赤点から抜け出せないことに校長すら根を上げ、みくは提示された進学するためのある条件を果たすため、家庭科教師である矢部を頼ってお菓子作りを習いに来た。
このときの出来事がきっかけになり、2人っきりで「料理研究部」を立ち上げることになった矢部とみく。かくして、ギャルと教師の美味しいが繋げる交流が始まるのだった。

家庭科担当の真面目な新任男性教師と、おバカな学校イチのギャル娘の2人が、料理研究部の活動としての一環で、一緒に料理をしたり美味しいごはんを食べながら交流を深める物語。
ギャル×男性教師の美味しいラブコメ。帯での謳い文句は「先生、アタシと手料理どっちが食べたい?・・・なーんちゃって?」。2016年12月発売の「ヤングアニマル1号」にて連載開始。
作者は2012年に「黄金の酔拳士」で連載デビューを果たした女性漫画家・太陽まりい(たいよう まりい)先生。

感想

最近はギャル系ヒロインが流行りなんですかね。現在テレビアニメでも『はじめてのギャル』という作品が放送されていますし、それ系統の漫画も増加傾向にあるような感じを受けます。
私がこれまで読んできたゴリゴリのギャル系漫画といえば『ゴクジョッ。〜極楽院女子高寮物語〜』ぐらい。さすがにこれと比べるつもりは毛頭ありませんが、ものは試しにアニメを観てみると、これは確かに人気が出るのも頷けるほど可愛い。オタクの妄想願望が詰め込まれ過ぎてるギャルイメージとはいえ、その魅力にちょっとやられそうになってます。
そんな流れで、今回は『ギャルごはん』という漫画を紹介させていただきます。

ギャルと教師が料理を通じて交流を重ねるグルメ漫画を期待して読んでみたところ、どうも私が思っていた方向性とは若干異なる作品だったようです。
見た目バリバリのギャルだけど実は純情乙女な女子生徒と、真面目で鈍感な家庭科教師の男性が、料理研究部での活動を通してちょっとずつイイ感じに距離を縮めていくお話。
グルメ漫画ではなくラブコメ漫画でした。料理はあくまでイチャコラするためのきっかけとして、スパイス的なものとして捉えた方がよさようです。私の予想とはちょっとズレてましたけど、ヒロインがとにかくカワイイのでこれはこれで良い漫画と言えるでしょう。
ヤングアニマルのアンケートでも上位の人気を誇っているようです。

主人公は家庭科教師として現在の学校へ赴任してきたばかりの男性・矢部真司(やべ しんじ)。家庭科の授業自体が少ないことから、もっと生徒たちとの交流を増やしたいと望んでいる真面目な先生。
ヒロインは女子高生の岡崎くみ(おかざき くみ)。表紙の通り金髪に日焼けした褐色肌の典型的(?)なギャルの風貌。ノリが軽く、補講を何度受けても赤点だらけのすこぶるおバカな子です。
ついにはそんなみくに白旗振った校長から、お菓子を手作りして先生方に振舞えば進学させてあげるとまで言われる始末。そんなわけで、みくは主人公である家庭科教師のやべっち(矢部)を頼ってお菓子作りを習い、この時の出来事がきっかけになって、とりあえずは2人っきりの部活動「料理研究部」を発足したというのがことの経緯です。

魅力は何と言っても“岡崎みくの可愛さ”。そして、みくと振り回され気味のやべっちとのやりとり。
当初はグルメ漫画の予想が外れてしまったので、ならばギャルのお色気を前面に押し出してるだけの漫画かと改めて予想。それはそれで決して外れてるわけではなく、作中にはギャル特有の無防備さや軽いノリからくるサービスシーンは多分に盛り込まれています。
この要素も素晴らしいことに間違いはありません。

しかし、最たる魅力は別のところにあるとはっきり言えましょう。それは、みくの根っこにある“ピュア”な心
彼女は確かに赤点ばかりの成績不良者なのですが、実はとってもがんばり屋な女の子。ただ、勉強でも理解しようとする姿勢を見せているにも関わらず、最初からムリと判断している先生方からは見放され、「やらなくてもいい」とあしらわれ続けて心に傷を負っていました。出来るまで見守ってくれる人がいなかったんですね。
お菓子作りの際、やべっちからも悪意なくそんな素振りを向けられるも、彼はみくの表情から自分の間違いに気づき、何が必要かを察してくれます。「大丈夫、出来るまで俺がついてる。」と言ってもらえたみくはウルっと表情を崩し、失敗しながらも無事お菓子を完成させました。
これ以降のみくはやべっちを異性として意識していることは明白。普段は軽いギャルのノリであっても、気になる人の前では純情乙女になってしまう姿は可愛すぎます。やべっちがみくのギャル友達から過剰なスキンシップを受けてる姿に嫉妬したり、部員が増えて欲しいやべっちに対してこのまま2人っきりでもいいなんて言ってみたりと、なかなか威力が凄まじい爆弾を連続で投下してきやがります。もちろん、よけることなく体全体で受け止めにいきましたけどね。

こんな感じでいかがだったでしょうか?ピュアなギャルと真面目な教師が料理しながらキャッキャウフフするラブコメ漫画『ギャルごはん』1巻の紹介でした。
作者先生の妄想が派手に爆発してる内容とは言え、近年稀に見るピュアで可愛いヒロインに心は鷲づかみ。このギャップ的可愛さから逃れることはできないでしょうね。どうやら好きなものを好きなように描いたそうです。
「飯」の要素は薄味ですけど特に問題ありません。はっきり言ってみくの可愛さを引き立てる道具として、そして2人がイチャイチャするためのスパイスになってくれさえすればそれでいいと言えますから。ただ、みくの料理の腕がもうちょっとでも上がったらさらに魅力が増すのではとも思ってます。
ストレスなくヒロインの可愛さとラブコメ展開を楽しめる作品、とても良かったです。是非とも2巻を早く読みたい。

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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
プロフィール
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