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2017年06月21日

【ひらけ駒!】マンガ 感想&あらすじ 将棋が繋げる母と息子の日常を描いたハートフルストーリー

モーニング。2011年6号から連載(現在休載中)→2017年秋から再開予定。既刊8巻
作者:南Q太
他作品:グランメゾンむらさきばし



あらすじ

将棋に夢中な小学4年生の少年・菊池宝(きくち たから)。他の事には目もくれず、暇さえあれば将棋の関連本を読み耽り、詰将棋に熱中していたことで、宝の部屋もいつの間にやら将棋一色。

棋士のイベントに参加して、足蹴なく通っているサロンやスクールで腕を磨き、めきめきと実力を上げていく将棋漬けの宝は、大会にも出場して活躍。

そんな将棋にどハマりした息子を持つちょっとミーハーな菊池ママ。最初はただ温かく見守っているだけだった彼女も、いつしか息子にあてられて将棋に興味を持つようになり、次第にその楽しさと喜びを知っていく

視線も感じ方もちょっとだけ異なる母と息子だけど、2人揃っで将棋の世界にどんどんのめり込んでしまう菊池親子だった。

――将棋によって深まる親子関係。

登場人物

ネタバレも若干含むので注意

・菊池 宝(きくち たから)
主人公。小学4年生(開始時)。好物の漬物の中でも特にきゅうりの一本漬けが好き。
優しく素直な性格のゆったりした子で、見た目もかわいいことから、同世代の女子や年上女性から人気があります。飽きっぽいところもありますが、これと決めた事に対する集中力は非常に高い。あと、気が弱いところが難点。
将棋にハマってからは将棋漬けの毎日を送り、自分の部屋も関連する本やグッズでいっぱい。学校の宿題そっちのけで暇さえあれば棋譜並べや詰将棋に打ち込み、足蹴なく通っている道場やスクールで腕を磨き、めきめきと上達していく中で目標も高くなっています。
最も得意とする戦法は四間飛車で、相手によって居飛車と振り飛車を使い分けて指します。小学5年生でアマ3段に昇段し、周囲の人たちから研修会(奨励会の下部組織)を勧められるようになり、アマ4段への昇段を期に入会を決意。研修会でC1になったら奨励会試験を受けることも告げています。勝利を確信すると頬が紅潮し、耳も真っ赤になります。

・菊池ママ
もう1人の主人公。宝の母親。名前は不明。ショートカットの髪型、容姿端麗、スタイル抜群の女性。お酒類が好き。
当初は将棋に熱中する息子・宝を見守っているだけでしたが、影響を受けてためしに始めてみたところ、将棋にハマってしまいました。ミーハー気質なところもあるため、将棋番組や本に登場したり、イベントに呼ばれていた棋士に憧れを持つことが多い。中でも特に阿久津主税のファンですが、目移りすることもしばしば。クールに見えてかなりの親バカで尚且つ負けず嫌い。
自分が観戦すると宝が意識し過ぎるのではないかと思い、対局は極力見ないようにしているが、実際は自分が緊張し過ぎて見ていられないからという理由。通い始めたやさしい将棋教室の講師・水嶋比呂介(奨励会3段)から誘われ、女子アマ団体戦に参加して初勝利を飾ってから、一層将棋にのめり込むようになります。水嶋先生が三段リーグに専念してからは、壇レイコ女流棋士のもとで習い始めました。

・樋口 涼(ひぐち りょう)
宝と同じ水嶋先生の将棋教室に通う少年。小学5年生。アマ初段。
サッカーも好きだけどそれ以上に将棋が好き。宝と他水島教室の生徒何人かでチームを組んで将棋教室対抗戦に出場し、棋力違いの中学生にボロ負けしたことで奮起し、次の対局では見事勝利をもぎ取りました。昇段が掛かった対局で敗北するも、相手が勝ちをゆずってくれたことで一度は昇段しましたが、後ろめたさと悔しさで後に返上し、一から再出発しました。

・花田 みずき(はなだ みずき)
小学2年生。ツインテールの少女。
一手0.5秒で指す天才少女。兄のひろきは研修会で5段、小学生王将戦では優勝するほどの実力者ですが、自分の方がお兄ちゃんより強いと断言。アマ女流プロに勝利したことで新聞にも天才少女として紹介されるようになりました。

・水嶋 比呂介(みずしま ひろすけ)
奨励会三段。イケメン棋士。宝と菊池ママが通うやさしい将棋教室の講師。
小1で将棋を始め、学校以外の時間はほとんど将棋にあて、小5で奨励会に入会。菊池ママを含んだ教室の生徒5人で「水嶋チルドレン」を結成し、女子アマ団体戦に参加。若干意地が悪い面もあり。愛煙家。

・壇 レイ子(だん レイこ)
女流棋士二段。LPSA所属。もっとやさしい将棋教室の講師。
水嶋先生が三段リーグに集中するため教室をやめた代わりに、菊池ママが習うことになった講師。教えているのは初心者のみ。実力のある女流棋士であるうえ、容姿端麗でもあるため、男女問わず熱烈なファンがかなり多い。普段はおっとりゆるふわな女性ですが、対局になるとSモードのレイ子になります。力戦好きの攻め将棋。
菊池ママのことを「ステキ」と言って気に入っているようで、将棋サロンやランチ、自身が出るマイナビ女子オープンの応援などに度々誘っています。自分は女流棋士を目指していたわけではなく、女流棋士という仕事が自分を選んだなんてことをさらりと豪語。


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感想・見所

大好きな将棋に毎日熱中して打ち込んでいる小学生の少年と、そんな息子を見守るうちに自分ものめり込むようになった母親の母子家庭を中心に、親と子の絆を将棋で深める日常での心温まるやりとりを描いた物語。
「親子」と「将棋」をテーマにしたエッセイ風の日常系漫画。キャッチコピーは「読むと元気に、成る」、「親子で将棋が楽しい」。
作者は『グランメゾンむらさきばし』の女性漫画家・南Q太さん。作者の息子さんが将棋にハマり、その熱に影響を受けて自身も将棋に興味を持つようになって勉強したことで、将棋の漫画を描いてみたいと思うようになったそうです。

今回紹介させていただく『ひらけ駒!』は、最新8巻が発売されてから既に約4年半ほど続刊が発行されることはなく、打ち切りは発表されませんでしたがずっと連載休止になっていた作品。
理由についてのはっきりとした説明はなく、それなりに信憑性が高そうな噂がささやかれていました。本作中でも取り上げているLPSA(日本女子プロ将棋協会)と日本将棋連盟の関係が悪化したことで、運営すら危ぶまれる事態になってしまったこと。一応の和解をしたときは再開を期待しましたけどそうはなりませんでしたね。
あと作品制作の助力を得ていたと思われる、作中のキャラ・水嶋比呂介のモデルにもなっていた元・奨励会三段の故・天野貴元さんの影響も大きいかと。
そんなこんなで正直なところ再開はほとんど諦めていたところ、モーニングで2017年秋に連載再開の情報が発表されたとのこと。私は雑誌を読んでいないので最初はガセかと思ったわけですが、サイトを覗いてみると確かに「再開」の二文字が。予定だとしても嬉し過ぎる発表。ただ、掲載はモーニングではなく電子雑誌「BABY!」のようです。
これはあくまで個人的な勘ぐりでしかありませんが、もしかしたらこの再開は最近噂の中学生棋士・藤井聡太四段の活躍も影響してるのかもしれませんね。今やらない手はないでしょうから。

「将棋愛」と「母子愛」溢れるハートフルストーリー

将棋というのは白黒はっきり分かれる勝負の世界。それゆえ、そこを主戦場とするプロ棋士たちの勝利に対する執念と熱意は凄まじいものです。だからか、将棋を題材に扱った漫画の多くは、スポ根以上に火花散る熱いバトルと奮闘を描いた熱血物語だったり、棋士たちの様々な感情渦巻く濃密で厳かな人間ドラマであることが多いと思います。もちろんそれはそれで面白い。

しかし、この作品はそういった側面をあまり見せず、母子愛を温かな空気で感じさせてくれる母と子の関係をメインに描きながら、2人の間を繋ぐ将棋の世界の楽しさや奥深さをファン目線から覗くことができる、将棋愛にもあふれた作品。

将棋に馴染みのない人でも楽しめる将棋漫画では『3月のライオン』が人気だと思います。でも、それともだいぶ異なる内容で、家庭の温かみを教えてくれるという点では似ているところもありますが、鬱屈感や緊迫感はほぼ皆無。
将棋に熱中する小学生の少年・菊池宝と、そんな息子の姿を見守りながら一緒にのめり込んでいく母親・菊池ママ。この母子の日常を主に親目線からエッセイ風に描いた心温まる物語です。
この着眼点は斬新で面白いですね。他の将棋漫画では目にすることがない見せ方で将棋の世界を描いています。「将棋=難しい」と思ってる人にこそ読んで欲しいと詠っているように、将棋全然知らない人でも楽しめるように作られています。

等身大のリアリティで描かれる将棋と親子

この作品における将棋描写と、ここで繰り広げられている母子のやりとりが実にリアル。読んでいて違和感をあまり感じることはなく、強いてあげるなら宝が可愛過ぎること、菊池ママがお美し過ぎるところ。
純粋に将棋を楽しみながらも勝負事には真剣な宝と、息子の影響を受けて将棋をミーハー感覚で楽しみならもどんどんハマっていく菊池ママ。愛しくて大切な息子が好きなものなら自分も理解したいと思う親心が生んだきっかけ。でも、一緒に楽しんではいるけどその楽しみ方はビミョーに異なる母と息子の様子を、何気ない日常のやりとりから覗くことができます。宝の対局で勝ったとき、負けたとき、それぞれの様子と心境もリアルでしたね。
やけにリアルに感じられるのは、作者・南Q太さんが似たような経験をされているところが大きいかと。実際に息子の将棋熱に当てられて興味を持つようになり、勉強してるうちにこの題材で漫画を描いてみたいと思って作られた作品が『ひらけ駒!』ですから。

また、作中で登場する風景、建物、書籍やグッズ、そしてプロ棋士は、実在するモノや人が多く描かれているところもリアリティを感じる大きな要因。
書籍には『プロへの道』『将棋の必殺ワザ』『聖の青春』、さらに『3月のライオン』『月下の棋士』『しおんの王』などなど。各巻の表紙イラストも実在する場所を背景に使ってることが多いですね。

将棋を取り巻く様々な登場人物たち

描かれているのは何も菊池親子のことだけではありません。菊池親子の日常を主軸にしながら、この作品では将棋に関わる様々な登場人物や親子にもスポットを当てたエピソードを挟み、若干ですけどオムニバス作品にも似た作風を見せています。
それは天才少女の物語だったり、女流棋士の物語だったり、ある親子の物語だったり、中年になって本気でやりたいモノを見つけた男性の物語だったりします。
その全てがどこかで宝や菊池ママたちと繋がっていく様子を見るのも面白い。個人的には、女流棋士に勝利した天才少女・みずきと、「今から本気で何かをしてみるのもいいかもな」という言葉が心に響いた中年男性・田嶋さんの話が結構好きですね。
様々な人間模様、様々な家族関係を覗けるところもこの作品の面白いところ。

最後に

というわけで、親の目線から母と子の日常を描くと同時に、ファン目線から将棋の世界を描いた漫画『ひらけ駒!』の紹介でした。
将棋漫画は多く存在しますが、ある意味ではそのどれよりも将棋の「楽しい」と「嬉しい」を純粋に描いていた作品内容だったと思います。温かなストーリー、愛着が湧くキャラクター、心地よい雰囲気、とにかく素晴らしいの一言。
気になるのは今後の宝くんの先が読めない動向。プロを目指して棋士の道を歩み出すのか、はたまた厳しい現実と壁によって断念するのか。通常なら前者でしょうが、この作品の場合後者も十分ありえます。まあでも、どうなったとしても将棋が繋げる母と子の温かさに包まれた日常はブレることなく続いていくでしょうね。
将棋ファンも将棋を知らない人も心をほっこりさせながら楽しめる作品なので、よければ読んでみてください。自信を持って強くおすすめさせていただきます。

ひらけ駒!(1) (モーニング KC)

ひらけ駒!(1) (モーニング KC)

  • 作者:南 Q太
  • 出版社:講談社
  • 発売日: 2011-03-23


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posted by ハネ吉 at 19:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日常

2017年06月19日

漫画『舞妓さんちのまかないさん』1巻の感想とあらすじ

『舞妓さんちのまかないさん』1巻の感想。


舞妓さんちのまかないさん
著者:小山 愛子
掲載:週刊少年サンデー
1巻発売日:2017年4月12日

あらすじ・概要

日本有数の観光地として世界にもその名を知られる古都・京都。この都の真ん中にある花街(かがい)で夜ごと華やかに舞う舞妓さんたちは、お仕事を終え、共同生活を営むおうち「屋形(やかた)」に帰れば、どこにでもいる普通の女の子に戻る。
とある屋形で縁あって「まかないさん」として働いているのは、まだ年若い16歳の少女・キヨさん。毎日温かいご飯を用意して、みんなに今夜も元気に“舞妓さん”でいてもらえるようにお手伝いすること、それがキヨさんのお仕事。
華やかに街を彩る舞妓さんたちの元気を支えているのは、ふつうの少女のふつうだけど特別な温かいご飯。キヨさんは今日も変わらずみんなのお腹と心をいっぱいに満たしていく。

千年の都・京都のど真ん中にある花街を舞台に、華やかな舞と所作で多くの人たちを魅了する可憐な舞妓さんたちの裏側で、彼女たちをお腹と心から支えている「まかないさん」として働く16歳の少女の日常を描いた物語。
料理を軸にまかないさんと舞妓さんの毎日を綴る日常漫画。
作者は『ちろり』を代表作に持つ女性漫画家・小山 愛子(こやま あいこ)さん。普段から着物を着ることが多いレトロ趣味の持ち主のようです。

感想

京都、長い休みでもとれたら行きたいですね。修学旅行では定番とされる訪問地のひとつなので、日本人なら訪れたことある人は多いと思います。もちろん、日本に来てくれた外国人からも人気の観光地。春夏秋冬どの季節にもそれぞれの見どころがあり、古き良き日本の風情を感じられる場所ともあって、私も大人になってから休養と観光目的で何度か訪れています(ひとりぼっちで)。
日本人にとっては和の心が息づいた特別な場所であることから、京都をロケーション地とした作品も多く存在します。漫画なら『いなり、こんこん、恋いろは。』、小説なら『鴨川ホルモー』やアニメ化もされている『有頂天家族』辺りが個人的には面白かったです。
今回紹介させていただく『舞妓さんちのまかないさん』も京都が舞台の漫画。京都の象徴とも言える舞妓さんについても描きつつ、そんな舞妓さんたちの共同住宅「屋形」で働いている「まかないさん」の日常にメインスポットを当てた作品です。

京都の「花街」という馴染みのない人にとってはちょっと特殊な世界を背景にしていますが、「舞妓さん」に関してはその外見や仕事内容、どういった存在なのかはぼんやり程度でも知っている人は多いと思います。ただ、表に出てくるのは主に舞妓さんとしての華やかな面が多く、彼女たちの普段の生活や、彼女たちを支えている人については知らない事の方が多いかと。
この作品は、舞妓さんたちが暮らす屋形で「まかないさん」として働いている主人公の少女・キヨさんの料理と日々の姿をメインに描きながら、彼女の視点から舞妓さんたちの普通の生活や、花街の日常を覗くことができる内容になってます。
料理を軸にしてはいますが、グルメ漫画というよりほのぼのした日常系漫画という感じで、週刊少年誌のサンデーではあまり見ない落ち着きのある優しい雰囲気の作品。

物語の主人公・キヨさんは、舞妓さんの共同住居・屋形で「まかないさん」として働くまだ弱冠16歳の女の子。彼女は元々、地元にやって来た舞妓さんに憧れて、15歳のときに幼馴染のすーちゃんと一緒に故郷の青森から京都に出てきました。しかし、おっとりキヨさんは稽古よりも他の舞妓さんに見惚れてボーっとしてしまうことが多く、ついにおかあさんから「おとめ(=稽古の指し止め)」を言い渡されることに。ただ、彼女の場合どうも舞妓さんになりたいというより、舞妓さんを眺めていたいという気持ちの方が強いようです。
同じ時期、まかないのおばちゃんが腰を痛めて辞めることになり、毎日続く代わり映えのない弁当生活に舞妓さんたちも限界。そんな様子に、祖母から家事一通りを仕込まれていたキヨさんがささっと親子丼を作って振舞ったのですが、これが絶品!・・・ではなく、なんとも普通の味。でもそれが良かったようで、げんなりしていた舞妓さんたちもほっとする味に安心することができ、キヨさんは実家へ帰ることなくそのまま屋形のまかないさんとして働くことになりました。
まだあどけなさが残る16歳という若さで、どこか抜けてるおっちょこちょいな子なのに、彼女の醸し出す安心感は見ていて心地よいですね。

特に事件らしいことは何も起こらず、濃密な人間ドラマを描いているわけでもなく、ここにあるのはキヨさんと舞妓さんたちの「普通」の日常。
作中に登場するキヨさんが作るご飯も、プロ顔負けの料理や特別に用意されたレシピではなく、どこかの家庭で作られているような「普通ごはん」。もちろんご飯を食べたら背後に壮大な情景が広がったり、衣服が弾けるような過剰演出はありません。
そんなキヨさんの素朴で普通だけど安心出来るご飯を通して、舞妓さんたちの普通も見えてきます。昼間は稽古、夜はお座敷、帰宅は深夜の1時2時。おにぎりは紅を落とさないように一口サイズ、家庭を思わせる匂いを避けるためにカレーは御法度。情報量はそれほど多くはなく、こういった舞妓さんたちの事情を話の合間にやんわりと挟んで教えてくれます。もちろん化粧を落とした普通の女の子としての彼女たちの姿も覗くことが出来ます。

落ち着いた雰囲気と普通の日常の心地よさに浸かれる『舞妓さんちのまかないさん』、とても良い味わいある漫画でした。大きな事件や強烈なインパクトある演出を用いることなく、読者を作品世界に引き込ませる雰囲気作りは見事だったと思います。
作画レベルが高いところも漫画としての質を高めている要因ですね。ひとつひとつの料理はもちろんのこと、舞妓さんの着物や飾りも細かくて綺麗で、背景の描き込み具合も素晴らしい。文字での情報量は少ないですが、絵と雰囲気で語られていることがよくあるので、なんとなくでも何かを感じ取れることはあるかと。
キヨさんは可愛く、京都の静かな雰囲気を感じられ、非常に読後感の良い作品だったので、和やかな気分にさせてもらえました。肩肘張らずに一息つきながら読める漫画、とても良かったです。


【eBookJapan】 舞妓さんちのまかないさん
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2017年06月18日

【紹介した作品の新刊発売情報】宇宙兄弟 第31巻 他13作品

2017年6月19日〜6月25日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。

  
潔癖男子!青山くん 第8巻・第9巻 2017年6月19日発売

潔癖男子! 青山くんの過去記事はこちら



秘密のレプタイルズ 第3巻 2017年6月19日発売

秘密のレプタイルズの過去記事はこちら



おはようとかおやすみとか 第5巻 2017年6月20日発売

おはようとかおやすみとかの過去記事はこちら



賭ケグルイ 第7巻 2017年6月22日発売

賭ケグルイの過去記事はこちら



賭ケグルイ双 第4巻 2017年6月22日発売


賭ケグルイ(仮) 第1巻 2017年6月22日発売

ボールルームへようこそ(9) (講談社コミックス月刊マガジン)

2017年6月23日発売

ボールルームへようこその過去記事はこちら



宇宙兄弟 第31巻 2017年6月23日発売

宇宙兄弟の過去記事はこちら



将国のアルタイル 第19巻 2017年6月23日発売

将国のアルタイルの過去記事はこちら



将国のアルタイル嵬伝/嶌国のスバル 第2巻 2017年6月23日発売


ソフトメタルヴァンパイア 第2巻 2017年6月23日発売

ソフトメタルヴァンパイアの過去記事はこちら



試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。


Pop Life 第01巻
著者:南Q太
掲載:ふんわりジャンプ
2017年6月19日発売


北野さくら、47歳、職業は漫画家。40代のシングルマザーとして、通信制高校に通う一人息子のかえで(16)と暮らしているが、同じ家で一緒に暮らしているのは血の繋がった息子だけではなかった。
千葉明美、47歳、職業はイベント会社勤務。9歳の息子・たいち、8歳の娘・るる、2人の子供を育てるシングルマザー。
明美が子供の手を引いてさくらの家に転がり込んできてから3年、2つの家族の1つ屋根の下でのシェア生活。子供たちと遊んで、一緒にごはんを食べて、2人でまったり晩酌を交わす日々。
平凡な生活だけど、「ずっと続くといいな」――そんな風に思える5人の家族の物語。

40代シングルマザー同士の、それぞれの子供たちと一緒に一つ屋根の下で暮らす同居生活の様子を描いた話。
作者は女性漫画家の南Q太さん。『ひらけ駒!』はもう諦めた方がいいのかなと思いながら調べてみたら、2017年秋に再開予定という情報を発見。予定だとしても嬉しすぎて小躍りしそうになりました。

2つの家族が1つ屋根の下で暮らす同居生活を描いた話。しかも互いにシングルマザー。
北野親子:47歳の母・さくら(漫画家)、16歳の息子・かえで。
千葉親子:47歳の母・明美(イベント会社)、9歳の息子・たいち、8歳の娘・るる。

特殊ではあるけどこういう家族の形もありだなと思わせてくれましたね。
家事を担っている半休業中のさくらは、明美が外でバリバリ働いているあいだ、まだ幼い彼女の子供たちの世話もしています。子供たちも今の生活に馴染んでいて、お互い出来ることをしながら助け合い、男親はいなくても上手く家族として回っているように見えました。
さくらも明美も1人では怖いことは多いと思いますが、助け合える人がいることでだいぶ救われているのではないかと思います。

1話だけでは評価材料がまだ少ないのでなんとも言えませんが、この家族の光景をもっと見てみたいと思わせてくれる面白さと、今後への期待感は持たせてもらえました。

試し読みはぷんわりジャンプさんの公式サイトで配信しています。(こちら



恋はネタ作りの後で 第01巻
著者:寺岡 さこ
掲載:マンガワン
2017年6月19日発売


きっかけはささいなことだった――。幼い頃に前歯が出ていることをからかわれて落ち込んでいたとき、TVの中でコンプレックスを笑いに変えていた漫才コンビの姿に勇気づけられ、自分もお笑い芸人を目指すことを決めた築山かおる(つきやま かおる)。
それから15年。かおるは女ピン芸人としてお客さんの前でネタを披露する日々を送っていたが、舞台の上では全く笑いを取ることができず、いつまでたっても売れない現状に思い悩んでいた。
そんな時、女芸人友達から合コンの誘いを受け、タダ飯に有りつけると喜び勇んで参加したかおるは、そこで運命の相方と出会うことに・・・。

売れない女芸人とイケメン外資系リーマンの異色のお笑いコンビが繰り広げるステップアップ漫才ラブコメ。
作者は寺岡さこ。漢女子やぽっちゃり女子など、ちょっとクセの強い女主人公を据えた作品を多く描いている漫画家。

主人公は女ピン芸人の築山かおる(つきやま かおる)。芸名は「デル子」。
幼い頃、前歯が出てることにコンプレックスを感じていましたが、TVの中の芸人コンビが自分の顔をネタにして笑いをとっていたことに勇気づけられ、お笑い芸人を目指しました。
現状は、鳴かず飛ばずの売れない女ピン芸人。全く笑いをとれずに舞台を冷え込ませてしまう有様で、お客の感想は酷評ばかり、支配人からは戦力外通告。このまま何も残せないまま終わってしまうのかと悩んでいます。

そんな彼女が友人に誘われて参加した合コンで、空野晴己(そらのはるみ)というツッコミ所ありすぎな一般女性と出会い、合コン中でのやりとりで運命を感じたデル子は彼女にコンビを申し込むんですが・・・。実は女性ではなく、どういう訳か女装して合コンに参加していた男性。しかも、いつも劇場最前列でデル子のネタを鋭い眼光で見ていて、厳しいコメント感想を残していく人物。

1話ではコンビを組むところまでは行かないのですが、作品の紹介文を読む限りでは、この売れない女ピン芸人・デル子とイケメンリーマン・空野晴己がお笑いコンビを結成するようです。
2人の芸人としての歩みを描いていく中で、タイトルに「恋」が含まれていることからも、少女漫画風の恋愛模様も同時に繰り広げていくという流れになりそうですね。

漫才・芸人を題材にした漫画はこれまで1度も読んだことがないので確かなことは言えませんが、音楽漫画と同様に文字や絵の見せ方だけで漫才での笑いを演出するのは困難だということは分かります。ギャグコメ漫画の笑いとはだいぶ違うでしょうから、どう描かれているのかはかなり気になります。

面白くなるかは今後の展開・演出・設定次第なのは当たり前のことではありますが、とにかく早く続きを読みたいと思わせてくれる1話でした。
注目はやはり「実際の漫才」、「漫才師としての成長」、「恋愛模様」、この辺りですね。漫才での笑いと熱さ、恋愛での甘酸っぱさを上手くストーリーの中で調理できたら面白くなりそうですね。

個人的にかなり期待しています。何度もしつこいですけど続きが読みたい。

試し読みは裏サンデーさんの公式サイトで配信しています。(こちら

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2017年06月16日

漫画『あつまれ!ふしぎ研究部』1巻の感想とあらすじ

『あつまれ!ふしぎ研究部』1巻の感想。


あつまれ!ふしぎ研究部
著者:安部真弘
掲載:週刊少年チャンピオン
1巻発売日:2017年4月7日

あらすじ・概要

南湘高校に通う1年生の五領大祐(ごりょう・だいすけ)は、これといってやりこともない男子高校生。大輔が部活を決めてかねていると先生から荷物を運ぶよう頼まれ、倉庫らしい建物を見つけて入ってみたのだが、そこは3人の女子生徒が集まってふしぎなことを研究している「ふしぎ研究部」だった。
オカルト研究担当の二宮鈴(にのみや すず)、マジック研究担当の神田千晶(かんだ ちあき)、催眠術研究担当の大原ことね(おおはら ことね)。部室にも彼女たちにも一貫性なんてものは何もなく、それぞれが思い思いの研究をするために寄せ集まって出来た部活動。
部員不足で廃部危機という現状を知り、あまり関わるまいと大輔は出て行こうとしたのが、ことねの催眠術にあっさり堕ちて入部させられることに・・・。
退路はないと察してとりあえず部活に残った大輔。3人の少女たちに振り回されっぱなしの賑やかな日々が始まった。

「ふしぎ」なことを研究している珍妙な3人の女の子が寄せ集まって出来た部活動に、不本意ながらも入部させられた平凡で健全な1人の男子高校生が、彼女たちの研究に振り回されるドタバタな日常の様子を描いた話。
高校の部活動をストーリーの中心にした、日常系学園ハーレムコメディ。略称は「ふし研」。
作者は、昨年9年の長期連載に幕を閉じたヒット作『侵略!イカ娘』を代表作に持つ、漫画家・安部真弘(あんべ まさひろ)さん。イカ娘でやれなかった学園物、お色気、男主人公など、興味を持った物を詰め込んで出来た作品とのこと。

感想

いきなりネガティブなこと言いますが、高い人気を誇ったヒット作を生み出した漫画家さんでも、新連載の次回作までヒットさせるのはなかなか難しいですね。最初から読者のハードルが高くなっていることや、担当者の意見をあまり交えず作者が好きなように描ける土台が出来あがっていることも大きく、むしろ売れないことの方が圧倒的多い印象があります。
ただ、中には連続で何作もヒットを生み出し続けている力のある漫画家さんも多くいます。代表的な方を上げるなら、『うる星やつら』『らんま1/2』『境界のRINNE』の高橋留美子さん。それから、『鋼の錬金術師』『獣神演武』『銀の匙』の荒川弘さんなどなど。実力のある漫画家さんはジンクスだのプレッシャーだのは跳ね返してしまうんでしょうね。
さて、こんな前置きなんかの後になんですが、今回紹介させていただく作品は『あつまれ!ふしぎ研究部』。人気漫画『侵略!イカ娘』を生み出した安部真弘さんの新連載とのことで、特に前作ファンから注目されている作品。正直、私は期待と共に不安も大きかったわけですが、設定や展開は定番ながらも読んでみるとこれがなかなか面白い。

メインの舞台は高等学校の部活動。その部活動はと言うと、3人の女子生徒が部室に使っている旧倉庫で不思議を研究している「ふしぎ研究部」。実際は、それぞれやりたいことがあったけど部員が集まらず、仕方なく寄せ集まって「不思議」を研究するという名目でなんとか立ち上げることができた部活動です。
そして、そこに迷い込んで来たのが入る部活を決めかねていた人畜無害そうな冴えない男子高校生・五領大祐。部員不足に悩んでいた彼女たちにとって格好の獲物でしかない大輔は、催眠術による勧誘(?)によって半ば強制的に入部させられ、ヘンテコなふしぎ研究に付き合わされていくことになります。
イカちゃんとは打って変わってお色気若干強めの学園コメディ。海と水着と女キャラが多かった割にお色気要素が少なかった前作とは異なり、コメディを基調とした上でラッキースケベなどのサービスシーンも少し多めに描かれております。作品の雰囲気がそう見せてるのかもしれませんが、直接的であっても下品さや不潔さはなく、いっそ清々しいとさえ思えてしまう見せ方でしたね。

研究と言いながらただ単に好き勝手やってるようにしか見えない肝心のヒロインたちは、3人とも文句なしに可愛いです。
1巻の表紙を飾っているのは、「催眠術研究担当」の3年生・大原ことね。いつも白衣を羽織っている胸の大きなお姉さんで、その武器を自ら堂々と利用してきます。おふざけにしか見えない部の中で唯一ガチな催眠術を使え、飄々とした佇まいからして最も敵には回したくない人物。
「マジック研究担当」の2年生・神田千晶。彼女のマジックには確かに種も仕掛けもありません。とりあえず「力技」と「気合い」でなんとかしようとしますから、そもそもマジックにすらなっていないという現実。とにかく全体的にアホで残念な子でした。
大輔の同級生で「オカルト研究担当」の二宮鈴。オカルト好き特有のいかにもな雰囲気を持った子ではなく、むしろオカルトが関わるとキラッキラと生き生きした表情を見せます。大輔にオカルトグッズをためそうとする困った子ですね。

そんなタイプの異なる3人の少女に大輔は振り回されていくことになります。男1人に女3人というハーレム様相で送られているわけですが、ラッキースケベと一緒に災難まで降り注いでいますから、羨ましいやら羨ましくないやら何とも言い難い部活動風景。
藁人形のダメージがもろにフィードバックしたり、催眠術のせいで下半身を晒す羽目になったりと、大輔にとっては苦難のオンパレードです。
でも、なんだかんだで災難を帳消しにするどころかおまけまで付いてくるような美味しい思いもしてますから、決して同情はできしませんし、本音を言えばやっぱり羨ましい。

どうしてもイカ娘と比べながら読んでしまいましたが、前作の作者らしい良いところも残したうえで、これまで出来なかった要素をたくさん盛り込んで上手くまとめていました。定番というかありがちな設定をしていながらも、それを巧みに調理して読者を引き込ませる構成とセリフ回しは面白く、最初に抱いていた不安は見事に吹き飛んでしまいました。私は特にイカ娘から変わらないなんとも言えない話のオチが好きです。
どのエピソードも安定しているので安心して読めるのもありがたい。最近は面白いけど難解で疲れる凝った作品が非常に多いので、こういう毒素が全くないコメディ作品は是非長く続いて欲しいですね。
巻末に大輔の妹ちゃんもちらっと登場してまた賑やかになりそうなので、2巻以降も(ちょっぴりエッチなところも含め)ふしぎ研究部の活躍に期待させていただきます。


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2017年06月14日

【あやかしこ】マンガ 感想&あらすじ 人間と妖(あやかし)の交流を微笑ましく描いた日常系ハートフルストーリー

月刊コミックアライブ。2015年5月号から連載中。既刊3巻
作者:ヒジキ



あらすじ

妖たちが共同で住まう古い民家、通称「あやかし荘」。通常は人の目には見えず、古くから畏れの対象とされてきた妖という存在だが、此処にいる彼女たちには怖さのカケラもなかった。

あやかし荘の住人は、座敷わらしのきぃ、妖狐の玖雨狐(くうこ)、雪女の雪芽(ゆきめ)。そして、ここを管理している唯一の人間である宮塚真帆路(みやつか まほろ)は、妖たちとふれあうことができる不思議な力を持った16歳の女の子。
これまで管理していた祖母が亡くなったことで真帆路があやかし荘を引き取り、生活能力に欠ける妖たちのお世話をしながら学校へ通っていた。

ある日、真帆路たちは猫又になったばかりの新米あやかし・ネネと出会う。戸惑っていた彼女に自分たちと一緒に暮らすことを提案し、あやかし荘には新たな住人が、そして家族が増えることに―。

本来は相容れることのない人間とあやかし。でも、あやかしたちの喜ぶ姿を見られることが嬉しい真帆路。自由気ままなあやかしたちに振り回されることは日常茶飯事だけど、なんだかんだで毎日が賑やかで楽しい――そんな妖のいる日常がここに。

登場人物

ネタバレも若干含むので注意

・宮塚 真帆路(みやつか まほろ)
主人公。人間。黒髪ロングストレイートの女の子。16歳。「あやかし荘」の管理人。
あやかし荘を管理していた祖母が他界し、取り壊されそうになっていたところを彼女が引き取りました。管理人になったのは、生まれつき高い霊能力を持っていたことで幼い頃から妖を見て、触れて、会話することができた真帆路が、妖たちに居場所を作ろうとした祖母の優しさに共感したから。妖たちは家事能力が低いためあやかし荘の家事全般を一手に担っています。
カツカツの家計をやりくりしているためお金には細かい。ネコ大好きだけど猫アレルギー持ちなので普通のネコは触るとくしゃみと喘息が発生しますが、ネネだけは問題ないのでよく撫でてます。学校では人を寄せ付けないミステリアスクールビューティとして男女年齢問わず大人気。実際はただの人見知りで、本人は普通に過ごしたいと思っています。

・きぃ
妖・座敷童子(ざしきわらし)。あやかし荘の住人。容姿は幼い子供。
幼いのは見た目だけではなく、言動も振る舞いも無邪気な子供で甘えん坊。真帆路と一緒にいるときは傍目に見ると完全に母と子の関係。非常に食いしん坊でもあり、しょっちゅう真帆路におやつや食事をねだっていますが、パセリやニンジンなど野菜はちょっと苦手。きぃの機嫌が悪くなると座敷童子の特性によって地味な災いが頻発。エミからは最初「化け狸」と勘違いされて激怒しました。玖雨狐たちとは違い外から来たのではなく、あやかし荘と呼ばれる以前からこの家に住み着いていた妖。

・玖雨狐(くうこ)
妖・妖狐(ようこ)。あやかし荘の住人。キツネの耳とポニーテールが特徴。妖術が使える。
「肉食動物」「残像」など、様々な文字がプリントされた変なTシャツをいつも着ています。テレビ番組などで様々な情報を取り入れては、誰かを実験台にして遊んでいるあやかし荘のイタズラ好きなムードメーカー。キツネの耳と尻尾にはさして意味はなく、普段から出しているのはあると落ち着くからという理由。きぃと同じくかなり食い意地が張っている狐。とある稲荷神社に祀られているアキとクキの双子の稲荷姉妹からは、誤解(?)から「ニート狐」「クソ狐」と呼ばれ恐れられています。

・雪芽(ゆきめ)
妖・雪女(ゆきおんな)。あやかし荘の住人。ショートカットにした青い髪が特徴。強い日差しが苦手。
ほんわかした冷暗所でないとぐっすり眠れないらしく、冷蔵庫の中で眠ることもあります。家事の手伝いをしようとするなど一見しっかり者のように見えますが、その実かなりのドジっ娘で結果として真帆路の仕事を増やすこともあるポンコツ。感情が昂ぶると周囲の水分を凍らせてしまう癖を持っています。冷たいものを摂取すればするだけ霊力が増加し、高まり過ぎると家中を凍らせてしまうため、カキ氷は1日1杯までと決められました。

・ネネ
妖・猫又(ねこまた)。あやかし荘の住人。髪はロングストレートの黒髪で、ネコの耳と尻尾が特徴。変化したばかりの新米あやかし。
ネネが猫又になったばかりで戸惑っていたところに出くわし、ひとりぼっちで困っていた彼女を真帆路があやかし荘に誘ったことで新しい住人になりました。ネコの習慣・特性はそのままなので、頭や顎の下を撫でられると「ゴロゴロ」と喉を鳴らします。真帆路が子猫やエミと仲良くしているとジェラシーを感じてしまうツンデレさんでもあります。ネコまんまはなんかしっくりくるらしい。

・高梨 エミ(たかなし えみ)
大阪から真帆路のクラスに転校して来た女の子で始めての友達。人間。母がドイツ人のハーフだけどドイツ語は話せません。長い金髪と碧眼、それと関西弁が特徴。
妖怪とお友達になりたいちょっと変わった明るいコミュ力の高い子。真帆路が妖たちと会話していた現場を目撃し、自分も友達になりたいと接近。霊感はあるけどハッキリとは見えず、彼女の目には靄がかかったように映っています。玖雨狐の助けもあって、真帆路が近くにいるときだけは普通にふれあうことが出来るようになりました。真帆路からはコミュ力の高さを尊敬されています。キモかわいいものが大好き。


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感想・見所

忙しい日が続くとなかなか疲れが抜切らないもので、体の疲労だけなら色々やりようはあるのですが、精神的な疲れは心の持ちようかもしれませんけど時間がとれないと結構きつい。
そんなときにはほのぼのした癒し系作品がもってこいですね。ゆったり優しい空気に包まれると体の力も抜くことができますし、同時に心もほぐしてもらえるため、私もちょっと空いた時間や就寝前にはよく助けてもらってます。
今回紹介させていただく作品も疲れた心に癒しをもたらしてくれる漫画『あやかしこ』。ふらっと書店に立ち寄った際、表紙のブックデザインと雰囲気が『のんのんびより』と似ていたことに引かれて手に取った作品。というより、店頭に並んでいたこの作品を見つけた時は、知らない内に『のんのんびより』の新刊でも出てたのかと勘違いしました。

妖たちが共同生活をしている一軒の古民家を舞台に、その家を引き取って管理している16歳の女の子(人間)と、気ままで賑やかな住人達(妖怪)との、ちょっと不思議で温かな妖がいる日常を描いた物語。
共同生活している人間と妖(あやかし)が織り成す癒しの日常系ハートフルストーリー。『のんのんびより』の作者・あっと先生もなごみ中とのことです。
作者は漫画家・ヒジキ先生。『干物妹!うまるちゃん』のスピンオフ作品『ひもうと!うまるちゃんSS』で作画担当されています。

のんびりまったりとした妖がいる日常

下町情緒が残る東京・浅草に建てられた一軒の風情ある古い屋敷――通称「あやかし荘」が主な舞台。管理人をしている主人公の少女・宮塚真帆路を除けば、ここで暮らす住人たちはみんな妖(あやかし)
以前の管理人である真帆路の祖母が、妖たちに居候としてではなく住人として暮らしてもらうため、表札を改めたのが「あやかし荘」です。そして、この場所を受け継いだ真帆路は、妖の存在をなんとなくでしか感じ取れなかった祖母とは違い、異常なほど高い霊能力でバッチリハッキリ見て、さわって、会話もできるので、彼女たちのお世話をしながら高校へ通い、大変だけど賑やかで楽しい日々を送っているという話。

これは、迷える妖たちのための共同住宅を舞台にした、人間と妖の交流を描いた作品です。

妖怪というファンタジーな設定ではありますが、怖さは欠片もなく、大事件が起こることもなく、終始ほのぼのまったりとした優しい日常が描かれています。急展開や突拍子もない余計な演出を挟むこともないので、身構えることなく安心して読むことができ、ただただ作品の優しい空気に身を預けておけばいい内容が延々続きます。「可愛い」、「まったり癒される」、それだけと言えばそれだけなんですが、それで十分とも言える作品です。
とってもカワイイ気ままな妖怪娘たち

魅力はもちろん癒される可愛いキャラクター。妖怪と言ってもオドロオドロシイ姿形をしているわけではなく、見た目は可愛い女の子。まあ、女の子という年齢ではないんでしょうけど。
真帆路が管理しているあやかし荘の住人は、天真爛漫な食いしん坊のちっこい座敷童子・きぃ、ケモミミ生やしたイタズラ好きの妖狐・玖雨狐、おっとりしたドジっ娘の雪女・雪芽、変化したばかりのツンデレな猫又・ネネ。
みんな文句の付けようがない可愛さで描かれ、どの娘にもしっかりスポットを当てた展開を見せ、あやかし荘でのそれぞれのポジションもほぼ確立されています。
妖怪としての特性をそれとなく発揮しながら、食べて、遊んで、寝て、毎日を気ままに暮らしています。・・・ニートとか言わないように。
あと、住人ではないのですが、浅草のとある稲荷神社に祀られている双子の稲荷姉妹も登場。妖怪ではなく一応神様に分類されますが、きぃと同じ2頭身キャラで言動・行動も子供っぽい可愛くて微笑ましい子達です。

学校ではクールビューティ、あやかし荘ではお母さん的な主人公・真帆路

そんな気ままな妖たちをお世話しながらあやかし荘を管理しているのが、主人公の宮塚真帆路。妖怪娘たちに負けず劣らず可愛くて魅力的な女の子です。
あやかし荘では食っちゃ寝ばかりで生活能力に欠ける妖たちに変わって、カツカツの家計をやりくりしながら家事全てをこなし、じゃれついてくるきぃの相手をするなど、その姿はさながら一家の“お母さん”的存在。
家族の笑顔を見られることが嬉しい優しくて明るい女の子なんですが、学校では全く別の顔を見せます。子供の頃は霊能力が原因で誤解を受けることが多かったようで、隙を作らないようにし、周囲の人とも距離を取っていたことで極度の人見知りに。しかし、高校ではいじめとか迫害を受けているなんてことはなく、人を寄せ付けない彼女の雰囲気によって、むしろミステリアスクールビューティとして男女問わず高い人気を誇っています。
ずっと人間の友達がいないことには若干の寂しさを感じていたわけですが、妖を通してエミという友達が出来たことで、いつも学校ではぼっちだった真帆路もクラスメイトと一緒にご飯を食べられるようになりました。その辺の真帆路の変化も見所のひとつでしょうね。
ただ、個人的にはあくまでメインはあやかし荘での人と妖怪の交流であって欲しいとは思ってますけど。

最後に

ということで、疲れた心をまったり癒してくれる作品『あやかしこ』の紹介でした。まったりし過ぎて物足りないと感じる人もいるかもしれませんが、余計なことを考えずに肩の力を抜いて気楽に読めるので、癒しをメインにした日常系としては良作だと思ってます。
とにかくキャラクターが可愛く、イラストも内容にマッチした優しいタッチで描かれ、作品全体から安心が伝わってくるところが良いですね。多少百合風味もあるので、その辺が好きな人にもいいかも。
癒し系日常系が好きな人、まったりしたい人なら特に楽しめると思いますので、よければ読んでみてください。自信をもっておすすめさせていただきます。



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posted by ハネ吉 at 19:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日常
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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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