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2017年05月31日

【アオアシ】マンガ 感想&あらすじ クラブユースを舞台にプロを目指す少年たちの熱き闘いを描いたサッカー漫画

ビッグコミックスピリッツ。2015年6号から連載中。既刊9巻
作者:小林有吾



あらすじ

愛媛にある公立中学でサッカーをしているFWの青井葦人(あおい あしと)。中学最後の大会で大活躍を見せるも、敵の挑発に乗ってしまったことで退場処分となり、チームも四国大会を目前に敗退し、決まりかけていた高校への推薦も頓挫してしまった。

しかし、そんなアシトがJリーグクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユース監督・福田達也(ふくだ たつや)の目に止まり、東京で開かれるユースのセレクションへの参加を勧められる。

家庭に金銭的な余裕がないことや、中学で一緒にプレイしたチームメイトのことで思い悩むアシトだったが、兄に背中を押されたことで決意を固め、セレクションに挑戦するため東京へ向かった。

今まで独りよがりなプレーしかして来なかったアシトだったが、この福田との出会いによって、そしてユースセレクションへの挑戦によって、彼のサッカーに対する姿勢は大きく変わり出し、少年の運命はここから急速に回り出していくことになる。

登場人物

・青井 葦人(あおい あしと)
主人公。東京シティ・エスペリオンユース所属のユース生。ポジション:FW→DF(サイドバック)。愛媛県出身。
短気だけどまっすぐな性格で情も深く、家族や仲間想いの少年。中学では地元にある公立中学のサッカー部でプレイし、高校へは推薦枠での進学を目指していましたが、試合中に騒動を起したことで取り消し。その後、Jリーグクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユース監督・福田に才能を見出され、勧められたユースセレクションに見事合格し、中学卒業を前に単身上京。プロになってお金を稼いで母ちゃんに楽をさせることがひとつの目標。
ちゃんとした指導を受けていないため技術も知識もまだ拙く、特に連携・チームプレーは苦手。だが、コート全体の動きを把握する類い稀な俯瞰力を持ち、仲間や監督・コーチの助言を受けながら様々なプレーを身につけ、元々高かった才能を開かせています。後にFWからDFのサイドバックにポジション変更。

・福田 達也(ふくだ たつや)
「東京シティ・エスペリオンFC」のユースチーム監督。34歳独身。元・日本代表MF。
東京のサッカー名門校を経て、J1の東京シティエスペリオンへ入団(18歳)し、各年代の代表にも招集。23歳にはスペイン1部のSCバルサで活躍を見せるも、シーズン最終戦で負った大怪我によって思うようにプレイできなくなり、その後はマイナーチームを転々として引退。
墓参りで帰郷した際に出会ったアシトの才能を見出し、自身が監督を務めユースチームの入団セレクションへ勧誘しました。育成という分野では一線級の評価を得ている指導者。世界を見据えた大きな野望を抱いています。

・一条 花(いちじょう はな)
福田の義理の妹。登場時はアシトと同じ中学3年生。
福田のことは「兄ィ(アニィ)」と呼んでいます。まだ中学生ですが、ボランティアでユースチームの手伝いをすることもあります。入団試験でアシトのプレーと想いに触れて興味を持ち、それ以降はサポートや助言を与えて応援し、自分が世界で最初の彼のファンだと公言しています。アシトを応援するのは憧れていた福田とアシトが似てるから。

・大友 栄作(おおとも えいさく)
東京シティ・エスペリオンユース所属のユース生。浅草大丸中学出身。
小心者で緊張すると胃に来るタイプですが、試合とそれ以外では態度が異なり、試合になると落ち着きと集中力を取り戻します。試合内外で周囲をよく観察していて、的確な判断力も下せ、ここぞという場面で活躍を見せる抜け目のない選手。要所で良い動きを見せることが多く、普段から観察していることで他選手の動きからその意図を読み取ることもでき、コーチ陣からの評価は高い。橘と一緒にアシトの練習に付き合ってくれることもよくあります。

・橘 総一郎(たちばな そういちろう)
東京シティ・エスペリオンユース所属のユース生。横山武蔵野蹴球団ジュニアユース出身。ポジション:FW。
出身の所属チームからユース昇格の話を受けるも、競争心が薄れて成長が止まっていることに危機感を覚えて断り、エスペリオンのセレクションを受けて合格。アシトが受けたセレクションは彼を獲るかどうかを決めるものと噂されるほどの実力者。仲間思いではありますが、自分のことになると1人で抱え込むタイプの人間で、ゴールをなかなかとれないことやかつてのチームのことで思い悩んでいました。

・冨樫 慶司(とがし けいじ)
東京シティ・エスペリオンユース所属のユース生。唯一のスカウト生。ポジション:MF(サイドハーフ)/DF(サイドバック)。
元暴走族の少年で、チームと縁を切ることを条件に入団。自己流で道を切り開いてきたタイプの選手。ジュニアユース上がりと違って型にハマらない動きをしますが、粗くても理にはかなっていて、しっかりとした基礎技術と非常に強いフィジカルを持つ。アカデミー育ちをヌルいと揶揄し、彼らのサッカーに対する姿勢をくだらないと吐き捨てています。
粗野な態度であまり馴れ合うことをしませんが、助言を与えたりアシトの練習に付き合ってくれる面倒見の良い一面も見せています。

・青井 紀子 (あおい のりこ)/青井 瞬 (あおい しゅん)
アシトの家族。紀子は女手ひとつで2人の子供を育ててきた母親。当初はセレクションへの挑戦に反対し、ユースチームへ入団することにも「サッカーにあんたを取られるみたいや」と複雑な思いを抱いていましたが、現在ではプロを目指すアシトを応援しています。
瞬は穏やかで優しい家族想いの兄。入団セレクションに誘われて悩んでいたアシトの背中を押し、余裕がない中で資金を工面してアシトに渡しました。


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感想・見所

愛媛で生まれ育った真っ直ぐな性格のサッカー少年が、東京に本拠地を構える強豪Jクラブのユースチームに入団し、監督・コーチ陣による指導の下でたゆまぬ努力を続けて様々なプレーを身に付け、後に日本サッカー界に革命をもたらす類い稀な才能とセンスを開花させていく様を描いた物語。
Jリーグクラブのユースチーム(高校生)にスポットを当てたサッカー漫画。2017年「マンガ大賞」において第4位を受賞した話題作。
作者は愛媛県出身の漫画家・小林有吾(こばやし ゆうご)さん。原案・取材協力にはスポーツライターで漫画原作者の上野直彦(うえの なおひこ)さん。

世界中に多くのファンを持つ『キャプテン翼』をはじめ、現在までに数多くのサッカー漫画が誕生してきました。特に近年ではその種類も方向性も多岐に及び、色々な楽しみ方が出来るようになったのはサッカーファンである私にとっては嬉しい限りです。
監督を主人公に据えた『GIANT KILLING(ジャイアント・キリング)』、独特のサッカー理論と視点で描かれた『フットボールネーション』、サポーターにスポットを当てた『サポルト! 木更津女子サポ応援記』、他にも女子サッカーや伝記モノ、将棋とコラボしたサッカー漫画まであります。このように多様化したことで楽しみ方も人それぞれになりましたが、だからこそ王道の面白さもまた引き立っているのだと思います。
今回紹介させていただく漫画は『アオアシ』。現在連載されてるサッカー漫画のなかでは個人的に『BE BLUES!〜青になれ〜』と並んで特にお気に入りの作品で、王道でありながら他とは異なるスポットの当て方をされています。

Jリーグのクラブユースを舞台にした異色でありながら正統派のサッカー漫画

サッカーを題材にした漫画は広く多様化されてはいても、やはり高校サッカーとプロサッカーを舞台にした作品が比較的多いわけですが、この作品はそのどちらでもないJリーグのクラブユースを舞台にした珍しい作品
内容は、クラブユースの内情に切り込むという珍しさを覗かせながら、入団した主人公をはじめとしたサッカー少年たちの成長を描いていくという王道であり正統派のサッカー漫画になってます。
ありそうですけど実はあまり扱われることのない題材だったりします。ユースとはJリーグクラブが持つ高校生年代の育成組織のこと。高校生が「ユース」、中学生が「ジュニアユース」、小学生が「ジュニア」です。
当然ながらチームには各地のエース級が集い、試合・大会で勝つという目標の向こうにプロを見据えている少年達ばかりなので、高校の強豪校を舞台にした作品もありますが、やはりユースにいる選手たちの意識はそれとは異なります。
ただ、優秀だろうと彼らがまだ未熟な子供であることも変わりなく、様々なことに思い悩む姿も多く描かれています。多くの悩みや葛藤を抱えながら、仲間たちと競い高め合い、ときには励ましあいながら成長していく少年たちの熱い漫画です。

物語が進むにつれ魅力を高めていく真っ直ぐな主人公

主人公に魅力があるかどうかはどんな作品でも重要な要素。この作品の主人公・青井葦人(あおい あしと)は、ちょっと変わった髪形してますけど熱い心と素直さを持つサッカーを愛する少年。
正直最初の頃は嫌いでもなければ好きでもないぐらいの主人公でした。しかし、その姿を見続けてる内にいつの間にか応援してる自分がいて、彼の不屈の精神と純粋さに強く引かれていましたね。
まだ技術も知識も拙いので足を引っ張ることも多く、周囲のことを考えない独りよがりのスタンドプレーに走ってしまうこともありますが、自分の未熟さと間違いに対しての指摘はしっかり受け止める素直さがあり、それを克服しようと人の何倍も練習に打ち込む負けん気の強さもあります。
素直である上に貪欲なので成長スピードは早く、これまでの自分を否定されるような決定を下されても折れない不屈の精神は熱くされること必至ですね。元々俯瞰して全体を把握できるという羨ましい視野の広さを持っていることから、彼の今後の成長が楽しみでなりません。また、家族想いなところも彼の大きな魅力。

派手な技なんて必要ない。組織と技術理論で魅せる近代サッカー

この作品には派手でありえないサッカー演出はありません。当然人を吹き飛ばしてゴールネットを突き破るような必殺シュートも皆無です。
選手の動きやボールコントロール、戦術においても現実的で、大切なポイントはしっかり抑えて見所も十分あり、サッカーにおいて本当に必要なことが書かれているので読めば知識を深めることもできます。
近代サッカーの傾向もしっかり作中のサッカー描写に反映されていて、アシトの突然のポジション変更は衝撃展開でしたが、あれも現代の流れを考えると案外納得の采配。むしろ、あの重要なポジションへの変更は他にない面白さがあるかと。
あと、テレビ中継なんかで試合を観てると、地味に思えるようなプレーや、フリーの選手がいるのにパスを出さなかったり、スペースが空いてるのに使わなかったりと、首を傾げるようなことも多々あるでしょうが、どうしてそんな動きをしているのかも読めば分かると思います。

最後に

そんなこんなで、異色とも正統派とも捉えられるサッカー漫画『アオアシ』でした。主人公・アシトを中心に、プロを目指すサッカー少年たちの熱き戦いと成長が描かれています。
画力が高い漫画家さんなので試合風景は迫力があり、丁寧な描写で動きも分かりやすいです。主人公を筆頭に登場するキャラクターたちは個性派揃いで面白く、サッカーだけではなくそこにある人間ドラマもあるので見所は多く用意されていました。
戦術や技術でサッカー用語が出てきますが、解りやすく解説もされているのでサッカー初心者にも優しい内容ですので、サッカー好きだけではなく、それほど詳しくない人でも楽しめると思います。
面白いのでよければ読んでみてください。自信を持って強くおすすめさせていただきます。



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2017年05月29日

漫画『兄の嫁と暮らしています。』1巻の感想とあらすじ

『兄の嫁と暮らしています。』1巻の感想。


兄の嫁と暮らしています。
著者:くずしろ
掲載:月刊コミック@バンチ
1巻発売日:2016年7月25日

あらすじ・概要

高校に通う17歳の少女・岸辺志乃(きしべ しの)。ずっと昔に両親を交通事故で失い、唯一の家族だった兄も半年前に風邪をこじらせてこの世を去ってしまった。
肉親をみんな失った志乃のことを、友人たちも教師もみんな気にかけてくれる。しかし、天涯孤独になったはずの彼女には、家に帰れば「おかえり志乃ちゃん」と温かく迎えてくれる人がいた。それは、結婚していた「兄の嫁」である希さん。そう、17歳の志乃は、今は兄の嫁と2人で暮らしている。
大切な人を失ったことで、心に傷を負った志乃と希さん。不器用でどうしてもまだお互い気を使うこともあるけど、一緒にいてくれることに心地良さを感じ、ちょっとしたことから幸せに気づきながら、2人は共同生活を送っていく。
両親を失い、兄も半年前にこの世を去り、今は兄の嫁と暮らしている女子高生。これは、ただそれだけの話――。

両親を事故で失った上に唯一の肉親であった兄まで亡くした女子高生が、兄の嫁と2人で暮らすことになり、お互いちょっと不器用でぎごちないながらも、家族として心を通わせ、ふれあっていく温かな日常を描いた物語。
「他人だけど家族」として暮らす女子高生と兄の嫁の2人が織り成す日常センシティブストーリー。百合っぽくも見えますけど百合作品ではないと思います。
作者は『姫のためなら死ねる』、『千早さんはそのままでいい』、あとアニメ化もされた『犬神さんと猫山さん』などで知られる女性漫画家・「くずしろ」さん。ちなみに、少年誌で連載されるときは「葛城 一(かつらぎ はじめ)」という別名義を使用することもあるようです。

感想・紹介

自ら望んで結婚するわけでも恋人として同居するわけでもなく、突然血の繋がりもない相手や見ず知らずの相手と一緒に暮らすことになったら、戸惑ってしまうどころの話ではありませんね。ただ、そういったことは決してありえない話でもなく、様々なケースはありますが、特に家族に不幸が生じた場合に起こりうる事態ではないかと思われます。
また、そういったテーマで描かれた作品も多く、代表的なところでは『うさぎドロップ』。他にも以前紹介した『おはようとかおやすみとか』や、ちょっと方向性は違いますけど『親父の愛人と暮らす俺』という作品もありますね。

今回紹介させていただく『兄の嫁と暮らしています』は、兄を亡くした女子高生の妹と、その兄の嫁である義姉との暮らしを描いた作品。大切な人を失った切なさと共に、人の温もりを強く感じさせてくれるハートフルな内容になっています。

あらすじにも書いた通り、主人公の少女・岸辺志乃(きしべ しの)はまだ高校に通う17歳の身でありながら、両親はずっと昔に交通事故で他界しており、唯一の家族であった兄も半年前に風邪をこじらせてこの世を去ってしまいました。この不幸な出来事によって肉親が誰一人いない天涯孤独の身に・・・なってしまったわけですが、結婚していた兄の嫁・希さんが家に残ってくれることになり、現在は2人で暮らしているという状況。
主人公の女子高生「岸辺志乃(きしべ しの)」。兄(故人)の嫁で小学校教師の「希」。本作はこの2人で一緒に暮らす義姉妹の日常が描かれています。
仲良く同居生活を送りつつもたどたどしさは抜け切れず、『他人だけど家族』という微妙な距離感を覗かせる2人の姿は、見てるとやきもきさせられてしまいます。ただ、ちゃんと相手のこを思い遣ってる2人なので、本当にゆっくりですけど一歩一歩距離を詰め、じっくり家族としての絆を深めようとしている光景は、温かくもあり、そして可愛くもありますね。

希さんは最愛の夫を、志乃は両親も兄も失っているという重い設定なだけに、シリアス重視の内容かと思いきや、蓋を開けてみたら結構明るい雰囲気で物語は進行していました。
志乃は勉強は得意じゃないけど色々なことに一生懸命な子で、少し悩みごとを1人で抱えがちなところはありますが、気遣ってくれる仲の良い友達もいますし、捨てられた猫を拾ってきちゃうなど、ふつうの可愛い女の子です。
希さんはほんわかした優しい人で、子供っぽさもあるけどしっかり志乃の面倒も見ていて、ちょっと天然なところも可愛い女性。
2人で仲良く一緒にごはんを食べ、買い物に出掛け、希さんに見ててもらいながら志乃が勉強して、まさかのギャルゲーをチョイスして深夜までゲームなんかしながら日々を過ごしています。

ただ、一見何の問題もないように見えますが、お互い気を遣い過ぎているのでまだ家族にはなりきれず、もっと頼られたいけど自分から頼ることはなかなか出来ないというもどかしさが伺えます。
さらに、2人の距離が縮むほどに彼女たちが抱える心の内に秘めていたモノが見えだし、実は若干依存とも言える関係にあったことが分かりますね。志乃は、兄がこの世にいないのに希さんを自分が縛ってはいけない、もう1人になってもいいと告げなければいけないと思いながらも、独りになりたくないという思いからその優しさに甘えてることに思い悩んでいます。
それに対して希さんは、志乃をひとりになんて出来ない、自分が側にいて守ってあげなくては・・・という建前で、志乃を通してその向こうにいる夫・大志の姿を追いかけ、守っているようで助けられている自分をずるい人間だと思っています。
2人とも良い子だからこそ余計にこじれてる感じがしますね。1巻では軽くでも2人が衝突することは1度もなく、上手く行き過ぎているとも取れそうで、それはまだ相手に自分の心をさらけ出せてはいないからかもしれません。2人の状況からして傷を負うことが怖いのは当然ですが、それでもぶつかって本当の姉妹になって欲しい、幸せになって欲しいと思います。

といった感じで、一緒に暮らしてはいても血の繋がりのない2人が少しずつ家族になっていく漫画『兄の嫁と暮らしています。』の紹介でした。
最後は少し暗めになってしまいましたけど、全体的には明るい雰囲気ですし、登場人物の繊細な心情を巧みな演出で描いている作品です。
綺麗で優しいタッチで描かれてる絵がこれまた良く、読みやすいうえにキャラクターの表情の変化から感情を読み取りやすく、作品の旨味を一層引き立てていたと思います。
これから2人はどう絆を深めて家族になっていくのか、そもそもこの先もずっと一緒に暮らしていくのか、今後の展開が非常に気になる1巻でしたね。人付き合いにちょっと悩みを持ってる人には特に良い作品かもしれません。


【eBookJapan】 兄の嫁と暮らしています。
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2017年05月28日

【紹介した作品の新刊発売情報】あさひなぐ 第23巻 他4作品

2017年5月29日〜6月4日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。


あさひなぐ 第23巻 2017年5月30日発売

あさひなぐの過去記事はこちら



くーねるまるた 第12巻 2017年5月30日発売

くーねるまるたの過去記事はこちら



火ノ丸相撲 第15巻 2017年6月2日発売

火ノ丸相撲の過去記事はこちら



試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。


私は君を泣かせたい 第01巻
著者:文尾文
掲載:ヤングアニマル
2017年5月29日発売


周囲の人たちには自分の心の内を開かさず、仮面優等生として学校生活を送っている女子高生・相沢羊(あいざわ よう)。嫌々ではなくてもさすがに四六時中演じていると疲れることもあり、そんなときはお客があまり来ない映画館でのんびり過ごしていた。
そんな彼女がいつもの映画館で出会ったのは、学校でヤンキーと噂される同じクラスの虎島ハナ(とらじま はな)。羊は気づかれないように振舞うが、映画を観ながら大粒の涙を流すハナの姿に目にし、その綺麗な光景に思わず見惚れてしまった。この日の出来事がきっかけで、ハナのことを泣かせたくて仕方がない思いに駆られてしまう羊なのであった。
私にだけ、涙を見せて――。

百合作品ですね。仮面を被った優等生と有りのままで生きる不良少女。そんな2人を「涙」が繋げる優しいガールズストーリー。
作者は『三番目の月』の文尾文さん。

主人公は2人の少女。
ひとりは学校で優等生として振舞っている高校1年生の相沢羊(あいざわ よう)。薄い茶色い髪をショートカットにしてる女の子。優等生でいることは別に仕方なくやっているわけではなく、ゲームのようにやったぶんがしっかり自分に返ってくるからという理由です。誰に対しても基本的に人当たりは良いのですが、本音や本性を晒すことは好まず、一定の距離以上には踏み込むことも踏みこませることもしないような子ですね。

もうひとりは、学校でヤンキーとして有名な羊と同じクラスの虎島ハナ(とらじま はな)。ロングストレートの黒髪と龍の刺繍が施されたジャケットが特徴の女の子。周囲から怖がられている不良ではありますが、羊とは反対に自分を偽ることはしない子。好き嫌いの温度差は激しそうで、気を許してる相手にはなんか犬っころみたいで可愛かったです。

この本来だったら関わりを持ちそうにない不良と優等生という正反対な2人が、お互いにしか見せない顔で接していくなかで、次第に心惹かれていくという流れかな。
相手を泣かせたいと思っているのが不良ではなくて優等生の少女という点はいいですね。ハナは不良ですけどなんかいじり甲斐がありそうな子で、いろいろな表情を引き出してみたいですね。
優等生の羊がまたいい感じのキャラクターで、ハナを泣かせてみたいという人でなしな面もありながら、1人でいる彼女をなんだかなんだで放っておけない優しさもあります。ハナだけではなく、羊も彼女によって仮面を外したいろいろな表情を見せてくれそうなので、それも楽しみなところ。

優等生と不良の組み合わせは特に珍しくもありませんが、性格も立場も正反対な2人の関係性は面白く、ハナを見てると私も羊と同様に何かに目覚めそうになりましたね。
導入としては興味を引かれる良い1話+2話でした。この雰囲気は個人的に好きです。

試し読みはヤングアニマルDensiさんの公式サイトで現在は1話+2話を配信しています。(こちら



終極エンゲージ 第01巻
著者:三輪ヨシユキ、江藤俊司
掲載:ジャンプ+
2017年6月2日発売


地球が宇宙の中心になっている遥か未来。絶対の加護とされる「宇宙の卵」を宿した地球人の王は“地球王”と呼ばれ、絶大な権力と影響力のもとで全宇宙を支配下に置いていた。
そんな地球王の妃≠ニなる条件は、この広い宇宙において最強の女であること。それは、地球王が宇宙を束ねる支配者として、宇宙最強と交配することでその遺伝子の「強度」を向上させるという目的があった。
ここに、次代の地球王である王子の妃を決める一大戦闘トーナメント「地球女王決定戦」を制するべく、あまねく宇宙から選りすぐりの猛者たちが集結する。
そんな中、当事者である王子も自身の目的のため、ある計画を実行に移そうと密かに動き始めていた。

宇宙の支配者として君臨する地球王。その次代の王である王子の妃になるべく全宇宙から集結してきた強者たちが、戦闘トーナメントで最強をかけて戦いを繰り広げるSFバトルアクション。
原作は江藤俊司さん、漫画は『THE NEW GATE』の三輪ヨシユキさん。

1話はエピソード0といった感じの内容。始まって数ページは特に捻りのない話だなと思っていたところ、まさかの展開に突入したことで一気に興味を引かれましたね。
内容はその眼で直にご覧になって欲しいので、詳しい展開とキャラクター紹介は伏せときます。

宇宙を支配しているのは「地球王」と呼ばれる地球出身の王家の人間。初代地球王が妃を決める際に「宇宙最強であること」を唯一の条件としたことがきっかで、バトルトーナメント「女王決定戦」が開催されることになり、その伝統が脈々と受け継がれているようです。
つまりこの作品で戦いを繰り広げるのは「女性」。それも、全宇宙から集ってきた彼女たちは姿形から特徴・能力まで多種多様。かなりバリエーション豊かなバトルが繰り広げられそうです。

最初はありきたりな長ったらしいトーナメント戦にでもなるのかなと不安に思ったのですが、1話はかなりびっくりな展開を見せ、今後も単純で単調なバトルモノにはなりそうにないので期待は膨らみました。それに加え、主人公がこれまた良い感じにぶっとんでるキャラクターだったのも面白いところですね。
この作品がジャンプで発表された頃は何か連続で新連載作品が登場してましたが、個人的にはそのなかでも特に面白かった作品です。

試し読みはジャンプ+さんの公式サイトで配信しています。(こちら

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2017年05月26日

漫画『おもたせしました。』1巻の感想とあらすじ

『おもたせしました。』1巻の感想。


おもたせしました。
著者:うめ
掲載:月刊コミック@バンチ
1巻発売日:2017年4月8日

あらすじ・概要

叔母「さくら」の指示を受けて仕事で取引先や知人を訪ねる機会が多い眼鏡を掛けた和服女性・轟寅子(とどろき とらこ)。取引先との資料の受け渡しや挨拶回りをする毎日を送っていた寅子は、訪問先へは必ず自分が選んだ手土産を持参して、なぜか「おもたせしました」と訪ねていく。
叔母から挨拶したらすぐに帰ってくるようにと注意を受け、自分でも気をつけなければと思いつつも、お腹はどうしてもごまかせない寅子。訪ねた先々で手土産を一緒に食べさせてもらい、お酒まで付いてくる。
寅子が選ぶ手土産はとても美味しいものばかり。だけど、手土産を選ぶ際に彼女が大切にしていることは、自分が食べたいと思うことだった――。

仕事で取引先など様々な人の所へ訪問する機会の多い眼鏡を掛けた和服女性が、訪ねる際は必ず自分で選んたオシャレで美味しい手土産を持参し、行く先々で「おもたせですが」と彼女も一緒にご相伴にあずかる姿を描いた話。
「手土産」を題材にしたコミュニケーショングルメ漫画。
作者は『大東京トイボックス』『STEVES(スティーブス)』で有名な、夫婦ユニットで漫画家活動をしている「うめ」先生。ゲーム業界漫画や、Appleを作った2人のスティーブをメインに据えた伝記的な漫画を描いた「うめ」先生の次なる作品は、まさかのグルメ漫画。かなり意外でした。

感想

「グルメ漫画」ブームが始まってもう何年も経ちましたが、未だ衰えを感じさせないほど高い人気を保っていますね。扱うテーマの多様化・細分化も留まるところを知らず、ちょっと目を離している間にも次々と新しいグルメ漫画が登場しています。誰得なんだろうかと疑問に思う作品もありますけどね。
『食戟のソーマ』などのグルメバトル漫画や、『孤独のグルメ』のような実際に存在する店舗を食べ歩く1人飯漫画、それから『忘却のサチコ』のように女性を主人公にしたコメディ要素強めの作品も増えていますね。他にもうんちく系、ギャグ系、ハートフル系、日常系などその種類は多岐に及び、なかにはゲテモノ料理や餌付け漫画まで存在します。いったいどこまで広がっていくことやら・・・。
今回紹介させていただく『おもたせしました。』は、「手土産」というこれまでにない新たな切り口で描かれた作品。さらに文学話も交え、その向こうに人間模様も伺える内容になっています。テーマは斬新でも内容は結構王道的かも。

良さ気な表紙と作者名に釣られて何の事前情報無く手に取った作品でしたが、個人的には当たり棒を引いた気分でかなり満足。
この作品のメインテーマは普通の食事とは若干異なる美味しい「手土産」。それに加え、「お酒」と「文学」も結構重要な要素になっています。ありそうでなかった面白い着眼点ですね。
表紙に描かれている眼鏡をかけた和服女性が主人公の轟寅子(とどろき とらこ)。なぜか何の職業に就いている人なのかは1巻読んでもぼんやりしていてハッキリしない女性。かつては小説家を目指していたようですが、現在はこれまた謎の女である叔母「さくら」の指示を受け、クライアントか何かと資料の受け渡しをする仕事をしています。背景を小出しにしてることで、主人公にも作品にも興味を深めさせてくれますね。

エピソードごとの流れは毎回同じです。取引先だけではなくてたくさんの友人知人もいる寅子は、毎日誰かしらのもとへ訪問しているわけですが、その際には必ず自分で選んだ手土産を持参します。それも自分が食べたいと思った美味しいグルメ的な手土産を持参し、寅子が「おもたせしました」と訪ね、お腹を「ぎゅ〜〜」と鳴らして一緒にご相伴になるという流れ。
これ、寅子が訪問するときに「おもたせしました」と言うのはちょっとおかしなことなんですけど、それが面白いところでもあります。
本来「おもたせ」というのは、訪問客が持参した手土産を受け取った側が、そのお客をもてなすために受け取った食べ物をその場に出すときに「おもたせで失礼ですが(恐縮ですが)」と言葉を添えるもの。確かに近年では、お客が「これをおもたせに」と言うケースも増えてはいるようですが、本来は持参した側が口にする言葉ではありません。寅子の場合は自分が食べたい物を持参しているため、食いしん坊の心の声がダダ漏れしてるようにしか見えませんね。

寅子が持参する手土産はどれも美味しそうなものばかりで、見てるとお腹が減ってくるのは困りどころ。しかも、作中で登場する美味しい手土産の数々は、実在するお店で実際テイクアウトできる名物グルメを紹介しているので、手を出せるだけに余計気になってしまいます。
さらに、その手土産と物語に絡めて文学も一緒に紹介されているのも特徴のひとつ。紹介された文学によって歴史も垣間見えたりするので、エピソード毎に登場するゲストキャラクターの人間模様や手土産品の味わいも深まります。美味しいグルメ×文学でお酒も一層美味しくなりますね。

手土産としてのグルメに特化した漫画『おもたせしました。』でした。作品内容・雰囲気はどちらも心地良いものの、お腹は減ってくるわお酒は飲みたくなるわで困ってしまうところもある作品。
グルメはどれも美味しそうに描かれ、背景もしっかり描きこんであり、1巻通してくずれることなく安定した絵でとても見やすかったです。
グルメに文学を掛け合わせると、作品自体の味わいも深めてくれるので個人的にはとても好きな組み合わせ。この作品はそのチョイスからセンスの良さも感じられ、紹介された手土産グルメと併せ、文学にも興味を拡げさせてもらうことができました。
ちなみに、『大東京トイボックス』を読んだことある人には嬉しいちょっとしたサプライズもありますので、よければ読んで確かめてみてください。


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2017年05月24日

【BIRDMEN(バードメン)】マンガ 感想&あらすじ SFを織り交ぜて子供の苦悩と成長を描いた青春ジュブナイル

週刊少年サンデー。2013年33号から連載中。既刊9巻
作者:田辺イエロウ
他作品:結界師



あらすじ

変わらない日常、何一つ思い通りにならない人生、煩わしい人間関係、なにもかもに不満を抱きながら陰鬱とした毎日を送っていた中学3年生の烏丸英司。

ある日、唯一の友人である鴨田樹真と学校をサボって公園に行くと、そこで2人は都市伝説として有名な“鳥男”を探していた海野つばめと鷺沢怜に出会った。

その帰り、4人を乗せたバスが転落事故を起こし、命に関わる大怪我を負ってしまう。助けも望めない絶望的な死への恐怖のなか、烏丸たちの前に黒い翼を生やした1人の“鳥男”が現れ――「死にたいか・・・生きたいか・・・どっちだ?」と問われた4人は「生きたい」と望んだことで、彼の助けによって奇跡的に生還を遂げる。

あの事故で鳥男に命を助けられたことがキッカケで、自分の身体まで鳥男のような変化が現れ出した烏丸。同じ状態に陥っていた3人と共に、彼らの運命は予期せぬ方向へと向かっていく。
変わるはずのなかった日常。しかし、少年たちは手に入れた。世界を、運命をも変える手段を――。

主要登場人物

・烏丸 英司(からすま えいし)
主人公で語り部。区立天空台中学校の3年生。目つきが悪い少し小柄な男子。何の変哲もない日常に不満を抱き、世の中に対して冷めた態度をとっていました。ネガティブな思考に陥りがちな根暗ですが、気が強くて超負けず嫌い。頭の回転は非常に速く、思慮深さと同時に思い切りの良い判断力も併せ持っています。
バス事故で命の危険に晒されていたところを鳥男(鷹山)に救われたことがきっかけで、鴨田・海野・鷺沢たちと共に鳥男と同様の体質に変化。チームの司令塔的ポジション。名前バレ防止のためにつけたコードネームは「ブラック」。「先導者(ベルウェザー)」の能力に覚醒。
自分たちの未来のために世界を変えることを決意し、仲間たちと日本を飛び出して世界へ。

・鷹山 崇(たかやま そう)
もう1人の主人公。未だ謎多いキーキャラクター。区立天空台中学校の3年生。ツンツン頭が特徴の男子。バス事故に遭い危険な状態だった烏丸たちを救った鳥男。言葉足らずで表情の変化が乏しく、リアクションも薄いのでいろいろ分かりづらい。
幼い頃に海外旅行へ出かけた際に乗っていた飛行機が事故に遭い、そこで謎の女に救われ鳥男になりました。普段から鳥男として人助けをしており、人の役にたつことに執心している所があります。コードネームは「レッド」。覚醒していないにも関わらず「繋げる者(リンカー)」としての能力を持ち、将来「超越者(トランセンダー)」になりうる資質を持つ。

・鴨田 樹真(かもだ みきさだ)
烏丸にとって数少ない友人。区立天空台中学校の3年生。高身長でスキンヘッドが特徴の男子。強面の見た目とケンカの強さから不良と思われていますが、実際は根がポジティブで行動力もある人の良い単純バカ。元々は烏丸をいじめてたグループにいましたが、ターゲットが自分に移った際に彼に助けられたことで友人になりました。烏丸は鴨田にとって憧れのヒーロー的存在。
コードネームは「グリーン」。「不死者(ライフスティーラー)」の能力に覚醒。考えることが苦手なうえに基本は能力によって不死なので、誰よりも前に出て戦うことが多い。

・海野 つばめ(うみの - )
烏丸たちとは別の中学へ通う女の子。人懐っこい明るい性格で、誰に対しても分け隔てなく接する子。母と小学生の弟、そして治療中の父親がいます。鷺沢とは小学校のとき通っていた熟が同じで仲良くなりましたが、恋人ではありあません。鷹山に仄かな恋心を抱いています。
コードネームは「ブルー」。父親が危篤に陥ったことで人間とセラフを繋げる「繋ぐ者(リンカー)」の能力に覚醒。

・鷺沢 怜(さぎさわ れい)
区立天空台中学校の3年生。裕福な家庭で育った爽やかイケメン。掴み所のない性格。人当たりが良く誰にでも優しく見えるが、周囲の人たちをよく観察して合わせてるところがあり、あまり本音は出しません。芸術家を目指していた兄が自殺した過去を持つ。烏丸たちと一緒にいることは新しい兄弟が出来たみたいで楽しいと思っています。
コードネームは「ホワイト」。人の真意を見抜く「詐欺師(トリックスター)」の能力に覚醒。

・龍目直之(たつめ なおゆき)
東都大理工学部生物学科準教授。進化生物学者。42歳。専門知識のある信用できる協力者を探していた烏丸たちが抜擢した学者。戦隊ヒーローモノで言うところの“ハカセ役”。以前、深夜のホテル街で女に刺されて倒れていたところを鷹山に助けられた経緯を持つ。鷹山曰く、問題行動が多くてやたら大人げなくてとにかくしつこくて諦め悪いけど良い人。烏丸たちの以来を快く受諾し、研究と共に彼等の良き相談相手となりました。マッドなところもありますが、研究よりも烏丸たちの安全を優先する良識人。

・アダム・フォックス
巨大科学機関「EDEN」のエージェント。22歳。EDEN内でも上位に入る頭脳を持った天才。実はEDENが作ったデザイナーベビーADAMU型のクローン人間で、クローンであるがゆえに寿命が短い。本名「AU−G−1153」。自分の内に数人の人格を有しています。目的のためなら手段を選ばない非常な面を持つが、セラフを通して「次の世界」を見たいという願望を持っていて、それを叶えてくれそうな烏丸たちを守るためにEDENを抜けました。



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感想・見所

青春の苦悩を抱えながら何の変哲もない日常を過ごしていた少年少女たちが、ある出来事を通じて世界すらも変えうる力を手に入れたことで、否応なく変わり行く非日常の世界で求める世界を掴もうとする姿を描いた物語。
少年少女の苦悩・成長・変化を描いた青春ジュブナイル巨編。他にも、「SF」や「バトルアクション」や「変身ヒーロー」など、複数の要素を併せ持った作品。
作者はアニメ化もされた人気漫画『結界師』で有名な女性漫画家・田辺イエロウ。作品の内容からしてずっと男性だと思ってたんですけど、女性だったんですね。

ジュブナイル―「少年期の」「少年少女の」という意味を持つ英語。本来は10代を対象にした小説ジャンルなわけですが、青春時代ならではの苦悩や葛藤が描かれていて、大人が見ても考えさせられたりちょっと切ない気持ちになる印象がありますね。
ジュブナイル作品をあげるとしたら、私がまず思い浮かぶのは映画『スタンド・バイ・ミー』。それから児童文学の『トム・ソーヤの冒険』や、『ドラエモン
今回紹介させていただく『BIRDMEN』は筒井康隆さんの『時をかける少女』と同様に、ジュブナイルにSF要素を加えた作品で、少年漫画でありながら大人でも楽しめる内容になっています。

変わるはずのなかった世界で「翼」を手に入れた主人公と仲間たち

何一つ思い通りにならない日常に対し、自分はどこへも行けないし変えることもできないと思い込んでいた主人公・烏丸英司。世間に対して冷めた態度をとっていますが、其の実ため込んだ苛立ちと不満を心の内で叫びまくっています。
あまりいないタイプの主人公ですね。極端にひねくれてる主人公は最近ちょくちょく見受けられますが、斜に構えたひねくれ者だけど根っこの部分はそうでもなく、友達はほとんどいないけど別に嫌われてるわけでも疎まれてるわけでもない。頭の回転は速く、客観的に物事を捉えることもでき、仲間思いでちょっと可愛いところもある周囲からいじられがちな男子中学生です。
他の子たちも、漠然とした不安や焦燥感、何も変えられない閉塞感、向き合えずにいた過去の出来事、家族との関係など、一概には括れない青春の苦悩を抱えながら日々を過ごしています。そして、どうすることもできないと思いながらも、自分の世界を変えてくれる確かな形もない”何か”を求めていたりしますね。
そんな彼らが生への渇望と共に手に入れたのが「翼」。自分の力で「飛ぶ」手段を手に入れたことで、彼らの見る世界は大きく変わっていきます。これは、主人公を含めたタイプの異なる5人の、そしてまだ殻を破れずにいる子たちの成長譚が描かれています。

少しずつ解き明かされていく“鳥男”の秘密

しっかり作り込まれた設定も魅力のひとつ。なかなか壮大ではありますけど説明はそれほど難しくないので理解はしやすいかと。
本作一番の謎はもちろん「鳥男(バードマンorセラフ)」。主人公たちに力を授けた鷹山ですらほとんど何も分かっていなかったことから、最初はみんなで試しながら少しずつ理解していくという手探り状態でした。まあでも、鳥男に関しては未だ謎だらけで完全には解明されていないほど複雑なので、このように読み手が登場人物たちと同じように理解を深められるのはありがたく、そして何より楽しいです。
5人は「鳥部」なるものを結成して実験を繰り返し、戦隊ヒーローもので言うところのハカセ役に当たる龍目准教授も仲間に引き入れ、さらに接触を図ってきたEDEN関係者を利用するなどして、少しずつ鳥男の謎や自分たちが置かれている状況の全容に近づいていきます。
主人公の能力「先導者(ベルウェザー)」をはじめ、他の「繋ぐ者(リンカー)」や「不死者(ライフスティーラー)」など、謎の解明だけではなく様々な能力を見れるのもワクワクさせてくれる要素ですね。

非日常へ変わりゆく中で鳥男(女)へ成長していく少年少女たち

ジュブナイル作品といっても色々ありますが、私の印象では子供から大人へと成長する段階で抱えている苦悩や葛藤に対して、子供たちがどう向き合うのかを描いてる作品が多いと思います。この作品でも「子供たちの成長」はメインテーマと言っても差し支えないですね。しかし、ここで描かれていのは大人への成長ではなく、「人類を超えた新たな存在」への成長。
ただし、決して理解できないものではありません。確かに直面する問題は私なんかでは計り知れない巨大なものばかりですが、強さを手に入れる過程と何かを変えたいと思う姿、大人や社会への反発、自らの成長に対しての葛藤など、それは子供が大人へと成長するなかで誰しもが抱いてきたものばかり。このような共感が生まれるからこそ、大人にも好まれる作品になっているところが大きいと思います。
また、鳥男たちは「テレパシー」で繋がっているのですが、この結び付きが強まるほど既存の人間社会から離れていく様子も伺え、このことから他者や社会との繋がりについても結構考えさせられます。

最後に

というわけで、子供が人間から人を超えた存在になる成長譚を描いた『BIRDMEN』でした。内容は大人でも楽しめるというより、大人向けの少年漫画でしたね。ストーリー、絵、キャラクター、演出、どれも素晴らしいのですが、惜しいのは月1連載なので続きが気になるのにコミックだとなかなか読めないことですね。
かつて多くの人が1度は思ったであろう「空を自由に飛んでみたい」、「ここではないどこかへ行ってみたい」、「なんか力が欲しい」といった願望や、漠然とした将来への不安。それらを見事に組み込んである内容と展開を覗かせ、あの頃を思い起こさせてくれるノスタルジーな気分にも浸かれる作品だったと思います。
謎の解明やこれから物語がどう展開されていくのか、そして主人公たちは何を選択していくのか、非常に面白い作品ですので、よければ読んでみてください。自信を持っておすすめさせていただきます。



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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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