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2017年03月11日

漫画『木根さんの1人でキネマ』1巻の感想とあらすじ

『木根さんの1人でキネマ』1巻の感想。


木根さんの1人でキネマ
著者:アサイ
掲載:ヤングアニマルDensi
1巻発売日:2015年12月25日

三十[バキューン]歳の木根真知子(きね まちこ)は、映画鑑賞と感想ブログを趣味に持つ独身OL女性。映画をこよなく愛する彼女の休日の過ごし方は、映画館かレンタルか有料チャンネルで映画を楽しみ、その感想を自らが持つブログ「1人でキネマ」にアップ&ツイートすること。
映画鑑賞が一般的な趣味ではあっても、真知子の好みは極端に偏ったディープなラインナップなため、迫害を恐れ会社では趣味を隠して頼れる課長という姿に擬態していた。映画談議をしたくても周りの子たちとは話を合わせられず、ネットで寂しさを紛らわせることも叶わず、これまでの出来事を思い返して「憎い」と連呼するが、それでも映画友達が欲しいと真知子。
そんなある日、映画三昧の優雅な休日を過ごそうとしていた真知子のもとに、雨でびしょ濡れの同期で入社した女性が訪ねてきて・・・。

映画愛が強すぎるあまりにこじらせちゃった独身三十代女性が、誰かと一緒に楽しみたいけどカミ合わないジレンマを抱きながら、突然部屋に転がり込んできた後輩女性や周囲の人たちを相手に悪戦苦闘する日々を描いた物語。
映画鑑賞を趣味に持つ女性の日常を描いたコメディ漫画。実際に存在する映画作品やジャンルに対して、あれこれウンチクを交えて登場人物が熱い談議を繰り広げる作品です。なんか面白い漫画ないかとネット巡りしてるときに見つけ、ちょっと話題になっていたので読んでみました。

映画には人それぞれ好きなジャンル、独自の楽しみ方があり、それに対しては本来他人がとやかく言うことでもない個人の領域。その人なりの譲れないこだわりがあったとしても、それを押し付けるのはただのエゴ・・・なんですが、どうしても黙っていられないこともありますね。
で、この作品、人の領域とかおかまいなく、良い年した大人気ない人たちがとにかく己の趣向や愛を声高々に叫び、独自の映画論を熱く語る作品。
まず、注意点なんですが、この作品は1つの映画作品に対して、深く掘り下げたり考察するような作品内容ではありません。独自の映画論や愛を語る三十代女性のフィルターを通して見る日常を描いた作品なので、そのあたりを期待されると肩透かしをくらってしまうと思います。

主人公・木根真知子、三十ウン歳独身、趣味が映画鑑賞と感想ブログ、ここまでならいたって普通のOL女性。仕事も出来て美人でスタイルも抜群ではあるんですが、映画好きをこじらせてしまったせいでちょっと鬱陶しい残念美人です。趣味を共有できる友達もいないことから、休日の過ごし方は映画館やレンタルを利用して1人で映画三昧の時間を送り、自身が運営するブログ「1人でキネマ」に感想を書くのが日課。
そんな木根の部屋に突如訪れてきたのが同期で既婚者の水城香澄。開口一番「夫が浮気して・・・」――いきなり重いな。浮気話を聞いてると映画の話題に移り、木根が思ういい映画『バッドボーイズ2バッド』を紹介。その映画でスカっとできたようで、夫と話し合いをするために帰ったんですが、「離婚してきた」と佐藤香澄になって再び登場。荷物を持って木根宅に転がり込んできたことで2人同居生活が始まりました。
映画好きでこじらせちゃった木根さんと、普段あまり映画を観ない佐藤さんの2人をメインに物語は進行していきます。

内容は1話完結型で、その都度題材となる『ターミネーター3』、『スターウォーズ』などの映画や、『ゾンビ映画』というジャンルに対して、木根さんが独自の映画論を主にやっと出来た友達の佐藤さんと語り合うだけ。映画好きならではのあるあるだけでなく、オタクレベルまで没頭できる対象がある人にも共感できる部分はあると思います。
もちろん彼女は既にそれなりの社会経験を積んできた身ですから、趣向なんて人それぞれだということも分かってます。しかし、つまんねー映画を他人に合わせて「面白い」と言うぐらいなら、「喉笛かっ切って死んでやる」とまで言い放つ木根さんです。客観的視点なんておかまいなく、感じ方は千差万別だと理解していても、自らの思いのたけを咆哮します。ほとんど独り語りか佐藤さん相手にですけど。そんなに深いことを語っているわけではありませんが、むしろそこが良く、自らが愛するモノに対して熱い想いをぶつける姿は素晴らしいと言いたいですね。

賛否両論真っ二つに割れそうな作品だと思います。世代が異なるので題材となった作品は半分ぐらいしか観たことありませんでしたが、それでも結構主人公に共感できることもあったので私は楽しめました。画力は高いので絵はみやすく、話はテンポよく進むので読みやすく、全体的にハイテンションなのも良かったです。そしてなんといっても、木根さんの語りが秀逸で面白い。
木根さんの状況に対してタイトルの「1人で」がちょっと皮肉めいてるのも面白い。木根さんには佐藤さんという友人兼同居人が出来きたにも関わらず、映画に関しては分かり合えないことが多く、楽しそうではあるけど口論も絶えません。この温度の差がまた面白く、木根さんの破壊力を引き上げてる要因にもなってますね。ただ、ときおり想いを共有できることもあり、感動しそうになるんですが、毎度絶妙なオチによって笑いに変えてくれました。
次はどんな映画を扱うのか楽しみですね。続きも読んでみようと思います。


【eBookJapan】 木根さんの1人でキネマ


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2017年03月10日

【ちはやふる】マンガ 感想&あらすじ 小倉百人一首競技かるたに情熱をそそぐ少年少女たちの熱き青春ストーリー

BE・LOVE。2007年12月28日から連載中。既刊33巻
作者:末次由紀
他作品:エデンの花



あらすじ

まだ何の情熱も知らない小学6年生の女の子・綾瀬千早(あやせ ちはや)は、福井からの転校生・綿谷新(わたや あらた)と出会い、「競技かるた」という百人一首を用いた競技の存在を知る。

新から才能があると言われた千早は、かるたの世界に強く惹かれだし、幼馴染の真島太一(ましま たいち)も巻き込んで、どんどん競技かるたにのめり込んでいった。

――それから4年後。新は故郷の福井へ転校し、太一も名門中学へ進学したことで、3人は離れ離れになっていたが、千早と太一は進学した瑞沢高校で再会を果たす。

千早は新がかるたを辞めたと聞くも、かるたが嫌いになったわけではないと分かり、小学生の時に交わした「かるたを続けてたらまた会える」という約束を信じ、太一と一緒に強くなって新と再会することを誓い合った。

そして、千早と太一は部の設立のため、和服を愛する古典マニアの大江奏、学年2位の秀才・駒野勉、かるた経験者の西田優征の3人の勧誘に成功し、苦労の末に瑞沢高校かるた部を始動させた。

瑞沢高校かるた部の仲間たちと全国選手権を目指す千早。それと同時に、女性競技者の頂点であるクイーンへの想いも大きく膨らませていく。

主要登場人物

・綾瀬千早(あやせ ちはや)
主人公。小学6年生の時に出会った綿谷新から競技かるたを教わり、後に進学した瑞沢高校で太一と競技かるた部を設立。府中白波会所属のA級選手。天性の聴力による“感じ(聞き分け)”の良さというかるたにとって最も大事な才能を持ち、対戦中はその能力に起因する驚異的な反応速度、高い集中力を生かし、「攻めがるた」を得意としています。かるたへの情熱を燃やしすぎるあまりに周囲からは「かるたバカ」として扱われ、容姿端麗にも関わらず、行動と発言が全てを台無しにしてしまうことで「無駄美人」とも言われています。かるたの顧問になりたりという理由から、教師を目指し勉学にも励むようになります。

・綿谷新(わたや あらた)
小学生の時に千早の通う学校に転校してきた同級生。福井南雲会所属のA級選手。千早と太一が競技かるたを始めるきっかけとなった、眼鏡をかけた寡黙で温和な少年。永世名人・綿谷始を祖父に持ち、幼い頃から名人を夢見てかるた打ち込んできたことから、大会でも優勝する非凡な才能と実力があります。普段はクールで大人しい子ですが、元々負けず嫌いな性格のため、かるたが関わると熱くなります。かるたの試合では常に冷静沈着に流れを見極め、高い記憶力と正確無比の払い手を武器に対戦車を圧倒しています。

・真島太一(ましま たいち)
千早の幼馴染。府中白波会所属のA級選手。瑞沢高校かるた部部長。容姿端麗、文武両道、実家が裕福なうえに性格まで爽やかで優しい非の打ち所のない少年。女子からの人気も高く、才能や境遇に甘んじることなく隠れて努力をする人でもあります。しいて欠点を上げるなら、ここぞというときの運のなさ。かるたの試合では非凡な暗記力を駆使し、自陣・敵陣の札を把握して冷静に戦います。千早に恋心を抱いており、友人でライバルである新には対抗心を燃やしています。

・大江 奏(おおえ かなで)
瑞沢高校かるた部設立時からのメンバー。翠北かるた会所属のC級選手。礼儀正しく優しい少女。実家が「呉服の大江」を営む呉服屋の娘で、奏自身も和服をこよなく愛しています。古典オタクでもあり、百人一首や昔の和歌・歌人に対して深い造詣を持ってます。競技者としてよりも専任読手への憧れが強く、将来は千早のクイーン戦で読手を務めたいと思っています。

・西田 優征(にしだ ゆうせい)
瑞沢高校競技かるた部設立時からの部員。翠北かるた会所属のA級選手。太めの体型で、千早たちからは「肉まんくん」というあだ名で呼ばれています。かるた歴は部内で最も長く、小学生のときに千早、新、太一の「チームちはやふる」とかるた大会で対戦し、その縁で入部しました。幼い頃から培ってきた経験で身に付いた、「流れの読み」と呼ばれる札の読まれる順番を読むことが得意。太めの外見に反して意外と運動神経は高い。

・駒野 勉(こまの つとむ)
瑞沢高校競技かるた部設立時からの部員。翠北かるた会所属のB級選手。試験では太一にこそ及ばなかったものの、学年2位の秀才。机にかじりついて勉強してる姿から、「机くん」と呼ばれています。勧誘を拒否していましたが、強引な千早の行動、太一の熱い説得で心を動かされ、入部を決めました。勤勉で真面目な性格から、対戦記録の詳細なデータを収集しており、そのデータを試合でも生かし、部員たちに適格なアドバイスも与えてくれます。かなちゃんのことが好き。

・若宮 詩暢(わかみや しのぶ)
京都出身の現クイーン。小学4年生でA級に昇格し、史上最年少15歳でクイーン位をおさめています。千早同様整った顔立ちをした美少女ですが、ファッションセンスも千早と同じくかなりダサい。ただ、かるたのタイプは千早とは正反対の「守りがるた」。独特な感性の持ち主で、かるたから愛されてるかのような札との深い?つながり”があると評されています。札を払う動作は正確無比で鋭いにも関わらず、恐ろしく丁寧で滑らか。新とはかるたを通した昔馴染みではあるが、1度も勝てたことがないため強く意識しています。



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感想・見所

競技かるたにおける女流最高位のクイーンを目指す少女が、部活の仲間たちと全国優勝に向けて日々の練習に励みながら、ライバルたちと切磋琢磨し、友情を育み、ときに恋に悩んで、熱い青春を駆け抜けていく物語。
「小倉百人一首競技かるた」を題材にした作品。少年少女のかるたに打ち込む姿と、友情、恋愛を描いた青春ストーリー。
いろいろあって漫画家活動休止していた末次由紀さんの、再開後初となる連載作品にして、著者最大のヒット作です。「マンガ大賞2009」大賞、「このマンガがすごい!2010」オンナ編第1位、2011年第35回講談社漫画賞少女部門受賞。
2011年にはアニメ化され、2013年にはアニメ2期も放送されました。2015年に実写映画化が発表され、女優の広瀬すずが主演で、2016年に『ちはやふる -上の句-』、『ちはやふる -下の句-』が公開。さらに、映画の続編製作も決定しています。あと、中学時代を描いた小説もあります。

昨今、マイナーな競技や文化を題材にした青春漫画、スポーツ漫画が目覚しい活躍をみせるようになりましたね。薙刀に打ち込む少女たちの姿を描いた『あさひなぐ』、高校生が伝統楽器である筝(こと)に青春を燃やす『この音止まれ!』など、メジャー級の人気競技に負けず劣らずの熱さと華々しさを読者に届けています。
そして、今回紹介させていただく『ちはやふる』は、そんなマイナー競技を扱った漫画の中では、今や代表的な作品の1つとして高い人気を誇っています。上記でタイトル名を上げた作品が好きな方なら楽しめるのではないかと思います。
それ以外では『青空エール』なんかも部活、友情、恋愛、を描いた青春ストーリーですので、本作にも通じるところがありますね。まあ、こちらの方が『ちはやふる』より甘酸っぱい恋愛してますけど。

まず、タイトル名にもなっている「ちはやふる」というのは、在原業平の和歌に出てくる枕詞です。以前紹介した「応天の門」の主人公ですね。
“ちはやふる 神代も聞かず 竜田川 からくれないに 水くくるとは”
漢字だと「千早振る」になります。一見すると風景を表現している歌のように見えますが、これは平安時代のプレイボーイである在原業平が、恋愛関係にあった女性に送った恋の歌らしいです。清和天皇に輿入れしたことにより手の届かなくなった藤原高子に、暗にほのめかしていまだ忘れえぬ想いを込めて詠ったという説があります。

読手が読み上げる百人一首の上の句を聞き、対戦相手よりも早く下の句を書かれた札を取る、それがこの作品のメインテーマでもある「競技かるた」というスポーツ。実際の映像を見てもらえれば分かると思いますが、非常に激しく、「畳の上の格闘技」とも言われる競技です。

『ちはやふる』は、そんな競技かるたに情熱をそそぐ女子高生・綾瀬千早を中心に、部活の仲間やライバルたちなど、周囲の人たちとの友情、恋愛、そして競技かるたに励む姿を描いた漫画です。
そもそもは女性向け漫画雑誌に掲載されている少女漫画。ただ、この作品は千早たちを取り巻く恋愛要素も見所のひとつではありますが、あくまでメインは「競技かるた」。恋愛よりも仲間やライバルたちとの友情、それぞれの家族関係、そして競技者として、ひとりの人間としての成長により重きを置いたストーリー構成になってます。少女漫画的なキラキラした恋愛も見せながら、今ではむしろ少年漫画でも珍しくなった友情・努力・勝利を体現した王道青春漫画とも言える内容。
そのあたりが少女漫画でありながら、男性にも好まれ、広く親しまれている要因にもなっていると思われます。

今でこそ高い人気を誇っていますが、競技人口は少なく、メディア露出もごく僅か、世間の認知度も低めという、いわゆるマイナー競技である「競技かるた」なだけに、これをテーマにするというだけでも挑戦的だったのではないかと思います。百人一首なら授業に取り入れている学校は結構あるのでそれなりに馴染まれているのでしょうが、競技かるたとなるとちょっと変わってきますね。
しかし、この作品を読むと競技かるたのルールや概要だけでなく、その凄さ、面白さ、カッコよさが激しく伝わってきます。1枚の札をとるために全神経を研ぎ澄ませる競技者、緊張感に包まれた静寂が広がる会場、そこに読手の声が響き渡り、上の句が詠まれると同時に場の空気は一変し、さながら戦場のような激しさを見せます。
その試合描写が作者・末次由紀の高い画力によって描かれているため、かるたの魅力は何倍にも引き上げられています。速く、激しく、熱く、時に泥臭く、またあるときには見惚れてしまうほどの美しさがあり、それらを見事に表現されていました。激しい動作はもちろんのことですが、個人的には札が詠まれる前の静けさの表現が素晴らしいと感じています。
心理描写も巧みで、相手との駆け引き、その時の体調や状態、抱えている悩みや葛藤なども垣間見ることができるので、単に迫力があるだけではなく、内容が非常に濃い見応えある試合を演出していました。

競技かるたがメインとはいえ、やはり千早たちの恋愛も非常に気になる要素。肝心の主人公である千早がそっち方面に免疫がない疎い子なので、なかなか大きな変化は見せませんでしたが、この頃ようやく太一、新の両名にも動きがあり、鈍感な千早も恋に悩む様子を見せるようになりました。
これまでの何とも言えないもどかしさも良かったんですが、この三角関係がどう変化し、どのような決着を見せるのかは楽しみですね。
他にも机くんやかなちゃんなど、ちらほらと恋の香りが漂っているので、メインの子たち以外のキャラにも注目。

競技かるたに着目した斬新さ、青春漫画としての王道な展開を見せるストーリー、登場人物が多いにも関わらず一人一人が個性的で魅力に溢れるキャラクター、作品内容にマッチした高い画力で描かれている絵、ほとんど悪い点が見られず、まだ完結してないですけど全体的に質の高い名作だと思っています。
現実の競技かるたにも強い影響を及ぼしているようで、メディアで取り上げられる機会も増え、かるたの大会に訪れる観客も増加し、確実に知名度アップへ貢献されていますね。
友情、恋愛、成長、千早たちの熱い想いとひたむきな姿は読む者の心を揺さぶる面白さがあり、同時に百人一首、競技かるたの奥深さと魅力も伝えてくれる作品。男性でも女性でも幅広い層の人たちに楽しんでもらえると思うので、よければ詠んでみてください。自信をもっておすすめさせていただきます。



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2017年03月07日

漫画『とんがり帽子のアトリエ』1巻の感想とあらすじ

『とんがり帽子のアトリエ』1巻の感想。


とんがり帽子のアトリエ
著者:白浜 鴎
掲載:月刊モーニング・ツー
1巻発売日:2017年1月23日

この世界には魔法が溢れ、それは人々の生活を豊かにする、なくてはならない便利な奇跡。多くの人間はその恵みを享受することしかできず、どれほど強く望もうとも、魔法をかけることができるのは「魔法使い」だけだった。
とある小さな村で仕立て屋を営む母と2人で暮らしている少女・ココは、幼い頃から魔法に強いあこがれを抱いていた。生まれた時から使えない人が魔法使いになることは無理だと聞かされていたが、どうしても諦めきれずにいたココ。
ある日、ココは村に訪れた魔法使いのキーフリーと出会い、魔法をかける瞬間を目撃したことで、秘されていた魔法の使い方を知ってしまう。高まる好奇心を抑えられずに魔法を試し、使えたことに大喜びするココだったが、いろいろ試すなかで発動した魔法が家全体を包んでしまい、母親もそれに巻き込まれてしまった。
キーフリーの申し出により弟子として迎えられたココは、母にかけてしまった魔法を解くため、魔法使いとしての修業の日々を始めることになった。

魔法使いに強いあこがれを抱き、その秘密を知ってしまった少女の、魔法を試してしまったことで訪れる絶望、そして手にした希望にふれる姿を描いた物語。
王道魔法ファンタジー漫画。『エニデヴィ』の著者である白浜鴎さんの新作です。以前試し読み1話の感想をちょろっと書いてからずっと気になっていた作品ということで、この度読み終えた1巻が面白すぎたので改めて感想書かせていただきます。
『魔法使いの嫁』の著者・ヤマザキコレさんも絶賛と聞いたら否応なく期待は膨らんでしまいます。

早速個人的評価を言ってしますと、かなり控えめに言っても「最高」。子供の頃に児童文学などを読んで夢見ていたファンタジーの世界に出会えた気分。『ハリー・ポッター』を始めて読んだときの感動にも近いかもしれません。
年甲斐もなく「魔法」というモノにワクワクしながら読んでしまいました。タイトルにもある“とんがり帽子”、魔法使いを表すトレードマークのようなモノだとずっと思っていましたが、思い返してみると近年の漫画、小説、ゲームに登場する魔法使いで被ってるキャラクターはほとんど見なくなりましたね。これだけでもちょっとテンションが上がります。

『とんがり帽子のアトリエ』の世界には魔法が溢れ、特別なモノではあっても人々を助けるためになくてはならない便利な奇跡として、あることが当然とされています。ただ、その仕組み自体は解っておらず、魔法を使えるのも生まれながらに素養を持つ「魔法使い」だけ、普通の人が使うことは叶わない奇跡・・・というのが常識。
しかし、それは魔法使いたちが魔法の秘密を隠すために広げた偽りの事実。実際は特殊なインクとペン、そして決められた図形の組み合わせさえ知っていれば、素養も何も関係なく誰でも使うことが可能。魔法陣の出来栄えの良さが、そのまま魔法の強さや効果にも直結されます。つまり、この世界の魔法はかけるものではなく「描くもの」、ということです。図形の組み合わせなどについては、巻末に「魔法陣入門」が記載されています。

読んでると、主人公のココが感じてる溢れるワクワク感が伝染してくるようです。金髪の可憐な少女であるココは、魔法に強い憧れを抱いていることを除けばどこにでもいる普通の女の子。魔法のことを考えるだけで「はわわん」とキラキラし、魔法のかかった道具を見れば目を輝かせて大興奮。
そんなココが秘密を知り、はじめてその手で魔法を発動させることに成功すると、「きゃー、きゃー・・・」と部屋の中を駆けずり回って大はしゃぎ、でも本当は見てはいけない魔法を見てしまったことに頭を抱え、しかし溢れる好奇心は抑えきれず「もう1回・・・」とのめり込む。はじめての体験はどんなことでもワクワクするものですけど、ココの場合はそれだけではなく、無理だと言われてもずっと諦め切れなかった夢ですから、その喜びが体全体に現れるのも当然ですね。まあ、その後に知らないことが原因で彼女に絶望が襲ってくるわけですけど、同時に大きな希望も手にすることになります。

高い画力によって描かれた絵からもファンタジーが溢れています。1枚1枚が絵本の挿絵のような味わいがあるので、絵だけでも楽しめ、膨らむ想像が止められません。
作品内容にマッチした精緻な絵は美しく世界を彩り、幻想劇な風景、個性的なキャラクター、1コマごとの背景絵も丁寧に描かれています。キャラクターの表情もコロコロ変わるので感情の変化や起伏が分かりやすいのも良かったですね。ファンタジー作品における絵の重要性はかなり大きいと思いますが、この作品に関しては「素晴らしい」の一言です。

昔懐かしい王道ファンタジーですね。ここ最近読んだ中では文句なしでナンバーワンと絶賛できる作品。ストーリー、キャラクター、世界観、絵、どの要素も大好きです。若い子はもちろんのこと、大人にこそ読んでもらいたいと思わせてくれるワクワク感がありました。
魔法使いの世界に足を踏み入れたココ、師匠を得て、共に魔法を学ぶ3人の見習い仲間も出来、これから魔法によって様々な物事に関わっていくのですが、1巻ラストでいきなり降りかかる困難。ココが幼い頃に出会い、再び目の前に現れた謎の仮面の魔法使いは、敵か味方か何が目的なのか、とても気になります。
とんがり帽子をかぶったカワイイ魔法使いの物語、2巻以降も期待しています。


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2017年03月06日

【クジラの子らは砂上に歌う】マンガ 感想&あらすじ 独特な世界観で描かれる“感情”が運命を動かすファンタジー作品

ミステリーボニータ。2013年7月号から連載中。既刊8巻
著者:梅田阿比
他作品:幻仔譚じゃのめ



あらすじ

砂刑歴93年。果てのない砂の海が延々と広がる世界。生命の息吹さえ感じられない砂の海には、「泥クジラ」と呼ばれる島のような漂泊船に乗り、あてもなくただ漂流し続ける民族がいた。

泥クジラの上で暮らす人間の9割は、感情を発動源とされる「情念動(サイミア)」を操る能力者であり、彼らは普通の人間よりも遥かに短命だった。

閉ざされた世界で短い一生を終える運命のなか、記録係を務める14歳の少年・チャクロ。
ある日、泥クジラのように砂上を漂流する漂泊船を見つけ、偵察隊に同行したチャクロはその船の中で、生まれて初めて外界の人間――少女・リコス――と出会う。

当初は冷淡だったリコスは船の住人と過ごすにつれ心を通わせていくのだが、突如泥クジラは謎の来訪者の襲撃を受け、泥クジラは戦禍に飲まれていくことになる。

止まっていた泥クジラの時間は動き出し、チャクロはその全てを日記に記していく。

登場人物

・チャクロ
主人公。印の少年、14歳。物語りの語り部。泥クジラでの役割は記録係。印であってもサイミアの操作が苦手なことで、周囲から「デストロイヤー」と呼ばれています。どんなことも記録せずにはいられない「過書の病(ハイパーグラフィア)」を患っています。リコスに出会ったことで外の世界に興味を持つようになり、泥クジラやこの世界の秘密を知っていくことになります。サイミアの操作は苦手とはいえ、チャクロの念紋の大きさから高い能力を秘めている可能性があります。

・リコス
ヒロイン(?)。印、14歳。泥クジラに漂着した廃墟船に1人でいた褐色の肌を持つ少女。帝国の感情を持たない「人形兵士(アパトイア)」で、服にリコスと刺繍してあったことからチャクロたちにそう呼ばれるようになりました。当初は帝国の施術により感情を失っていましたが、チャクロたちと過ごすうちに少しずつ感情を取り戻し、次第にチャクロに対しても特別な感情を抱くようになります。実は帝国のアパトイアを率いる軍団長官オルカの妹ですが、帝国と、そして兄と決別し、泥クジラの皆と生きることを決意しました。

・スオウ
無印、17歳。女性と見紛うほど美しい容姿を持つ青年。優しい穏やかな性格で、「印」達の短命にも嘆いています。次期首長候補と期待されていたことから、首長のタイシャが帝国の襲撃によって命を落としたことで、覚悟を決め正式な首長に就任。泥クジラの秘密を知ったことで、印たちを救うために船を捨てる決意をしました。

・オウニ
印、16歳。問題児集団「体内モグラ」のリーダーであり、泥クジラ随一のサイミア使いでもあります。帝国の兵士からは「悪霊(デモナス)」と呼ばれ恐れられています。外界へ出たいと望んでいたのは、本当は好きな泥クジラに何者か分からない自分のことを否定されたくないという思いから、必死に外へ逃げようとしていました。名前と年齢意外は不明ですが、「ヌースから生まれた化け物」と言われました。

・ネリとエマ
チャクロの前に現れる謎の少女。人ならぬ存在であり、ネリは心優しく平和を望み、エマは対照的に争いを望んでいます。ネリはファレナを守るために姿を消し、時を同じくして入れ替わるようにエマが現れました。エマはチャクロに泥クジラの舵を渡しました。

・オルカ
リコスの兄。連合帝国の「人形兵士(アパトイア)」を率いる軍団長官。泥クジラ住民の殲滅作戦を指揮するも失敗。その時、帝国に8つしかない「ヌース」と戦艦「スキロス」を失うが、詭弁により処罰は免れています。泥クジラのヌースとデモナスの力を入手し、その力で皇帝からもヌースを奪い至上の世界を造ることを目的としています。



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感想・見所

砂に覆われた世界を舞台に、砂上に浮かぶ島のような船の上で暮らす人々の過酷な運命を、あらゆることを記録し続ける少年の手記をもとに語られる物語。
少女漫画雑誌で連載されている、砂に覆われた独特の世界観で描かれる異世界ファンタジー漫画。「このマンガがすごい!2015」において、オンナ編の10位にランクインしています。
著者は『フルセット!』、『ブルーイッシュ』、『幻仔譚じゃのめ』を代表作に持つ女性漫画家の梅田阿比さん。2016年春にはこの作品を原作とした2.5次元の舞台も上演され、さらに2017年1月にアニメ化も発表されました。
最初は特に事前情報なく、この作品の美麗な表紙イラストに引かれてなんとなく読み始めた作品だったんですが、予想を遥かに超える重厚さに脱帽。

少女マンガらしからぬ内容に見えたので、当初は少年マンガ雑誌に掲載されていてもおかしくない作品だなと思ってました。ですが読み進めてみると、世界観こそ少女マンガでは珍しい壮大さで描かれていますが、展開の仕方や心理描写などを見てると「あぁ、少女マンガだな」といった感じになりました。
あくまで私的な意見ですが、比較的少年マンガはシリアスを強調した作品であっても、立ちふさがる敵や困難、そういったものと衝突し、挫折を味わおうとも再び立ち上がって努力により打ち破る、そうして読者は達成感やら満足感、充足感を得ていくものだと思います。困難や敵も読者が認識できる確かな形があり、勧善懲悪といったように話もわかり易い。
ただこの作品、確かに困難な状況を打破し、ひと時の安らぎを得て、登場人物たちは明日への希望も抱いてはいますが、壁を乗り越えて勝利を得ても、残るのは悲しみや言いようのない漠然とした不安の色が濃いと思います。進展するほど影は大きくなり、全体的にも少し暗い雰囲気。彼等の境遇や丁寧な心理描写を見てると、応援したい気持ちよりも同情の部分が大きくなってきますね。

この作品は、砂の海に浮かぶ「泥クジラ」と呼ばれる大型船の上で暮らし、その中だけでほぼ一生を終えていく人々の姿を描いた物語です。彼等の日常風景と共に襲い繰る帝国との激しい戦闘描写もあり、様々な出来事を経て、世界や泥クジラの謎が少しずつ解き明かされていきます。
そして、起こった出来事の全てを日記に記し続ける少年・チャクロの物語でもありますね。ちなみに、「泥クジラ」で生まれた子らの名前は、チャクロ(茶黒)スオウ(蘇芳)オウニ(黄丹)といったように、色がモチーフになっているようです。
骨太なストーリーで暗いシリアス面が強調されていますが、泥クジラに住むキャラクターの明るさが少し緩衝材になり、読む側にとってもそれが救い。ほのぼのした日常を壊すように残酷な戦闘が巻き起こり、物語が進展するにつれ運命の過酷さは深まりますが、そんな中でも新たな仲間、そして明日への希望も生まれます。絶望の中にも希望を感じられ、しかし不穏な影は常に付き纏っているという絶妙な空気感は見事ですね。

私が思う最たる魅力は独特な世界観と設定ですね。まず最初に知っておくべきは、この作品は「ハイパーグラフィア(過書の病)」と呼ばれる、なんでも記録せずにはいられない主人公の少年・チャクロの記した記録と手記を、第三者の「うめだ(作者)」という人物が見つけ、それを元に漫画を描いているという体裁がなさた懐古本的な作風
果て無き砂の海が広がる世界、そこに浮かぶ島のような巨大船「泥クジラ」。この泥クジラの住人のうち約9割は“印”と呼ばれ、「情念動(サイミア)」という念じることで器物を操る力を持つ能力者たちです。ただ、印たちは動力源として泥クジラの心臓部「魂形(ヌース)」に命を吸われているため、寿命は約30年と短命。それ故、住人の1割であるサイミアを使えないかわりに長命な“無印”たちが指導者としての役割を担っています。
外界はディストピア的な世界で船の中も絶望的に思われるかもしれませんが、当の印たちに暗さはなく、明るくのびのび生きてるので閉ざされたユートピアにも見えます。彼らにとってそれは生まれたときからの必然であり、その死を幾度も見ていることから受け入れています。むしろ、無印たちの方がそのことを憂いていますね。
泥クジラに彼らが乗っている理由を知るとやはり辛い気持ちになってしまいますが、儚いからこそ彼等の姿は眩しく強い輝きを放っているようにも思えます。住人がこの循環から抜け出せるのかというのも、本作の大きな見所ですね。

キーとなるのは「感情」だと思います。上述で泥クジラのヌースは命を吸っていると書きましたが、他のヌースが吸っているのは命ではなく「感情」。当初リコスが感情を失っていたように、この世界には感情の“ある”人間と、感情の“ない”人間”がいます。詳しくは避けますが、その感情が争いを生む要因にもなってきます。
この作品を読んでると、感情がいかに人間にとって必要なものなのかが身に染みますね。一応人間とは言いますが、作中の感情を喰われている人たちは、操られている人形のように機械的に動く存在。何も感じない彼らには悲しみも辛い感情もない変わり、そこに人間らしさはなく、人間の形をしていても生きていると言っていいのかは疑問。
時に私も何も逃げ出したくなりますが、リコスの変化を見てると、人間にはなくてはならないものだなと思わされますね。彼女からチャクロに対して特別な感情を伺えたときは嬉しくも感じました。

読み始めると一気に引き込まれる世界観、気になり過ぎて困る骨太なストーリー、そして愛しい気持ちを抱かせてくれるキャラクター、どの要素も素晴らしく、戦闘も残酷ではあるけど迫力があって見応えはありました。暗さが目立ってはいますが、新天地を目指す冒険心をくすぐるワクワク感も少しあり、秘された多くの謎や伏線が少しずつ解き明かされていく展開の仕方も見事ですね。
この世界を儚くもより美しく見せている要因のひとつは、作者・梅田阿比さんの絵の力ですね。女性作家さんらしい繊細なタッチで描かれる背景や人物は美しく、素晴らしいファンタジー世界を生み出しています。単行本の表紙からして素敵なイラストなので、目も心も奪われてしまった気分。
暗い結末を予感させる雰囲気もありますが、できるなら泥クジラの人々が幸福な地へ辿り付いてほしいと願わずにはいられません。
まとめる力がないのでいつもより少し長くなってしまいましたが、よければ『クジラの子ら』を読んでみてください。強くおすすめさせていただきます。



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2017年03月05日

【紹介した作品の新刊発売情報】魔法使いの嫁 第7巻 他12作品

2017年3月6日〜3月12日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。


AIの遺電子 第5巻 2017年3月8日発売

AIの遺電子の過去記事はこちら



金のタマゴ 第2巻 2017年3月9日発売

金のタマゴの過去記事はこちら



BUSTER DRESS 第2巻 2017年3月9日発売

BUSTER DRESSの過去記事はこちら



アヴァルト 第4巻 2017年3月9日発売

アヴァルトの過去記事はこちら



山と食欲と私 第4巻 2017年3月9日発売

山と食欲と私の過去記事はこちら



恋は雨上がりのように 第7巻 2017年3月10日発売

恋は雨上がりのようにの過去記事はこちら



BLUE GIANT 第10巻 2017年3月10日発売

BLUE GIANTの過去記事はこちら



BLUE GIANT SUPREME 第1巻 2017年3月10日発売





魔法使いの嫁 第7巻 2017年3月10日発売

魔法使いの嫁の過去記事はこちら



ARIA 完全版 ARIA The MASTERPIECE 第5巻 2017年3月10日発売

ARIAの過去記事はこちら



がっこうぐらし! 第9巻 2017年3月11日発売

がっこうぐらしの過去記事はこちら



試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。



三成さんは京都を許さない 第01巻
著者:さかな こうじ
掲載:くらげパンチ
2017年3月9日発売


戦国時代、「近江を制する者は天下を制す」とまで言わしめ、数多の武将が手中に収めるべく争った京へ続く要所の地、近江―――現在、「滋賀県」。かつては歴史に名を刻む武将たちの取り合いになった激戦地であった近江(滋賀)も、現在では都道府県別魅力度ランキングで毎年下位争いを繰り広げる有様。
そんな滋賀の現状を憂いた知事が県を盛り上げるべく特別秘書官に任命したのは、なんと戦国武将・石田光成だった。何の因果か現代へタイムスリップしてきた知将・石田光成は、滋賀が地味扱いされる原因は全て「京都府」にあるとし、今こそ京都をボッコボコにして下克上を成すため、天下分け目の戦いを始めようとしていた。

現代へタイムスリップしてきた石田光成が、なんかパッとしない地味な県扱いされる滋賀を立ち直らせるため、打倒・京都を成すべく奮闘する姿を描いた物語。
滋賀県のご当地ネタ満載のご当地マンガ。滋賀県出身・在住の漫画家である「さかなこうじ」さんの連載作。

当然ながら滋賀県あるあるネタが中心の内容。
・電話で滋賀と名乗ってもしょっちゅう千葉や佐賀に間違えられる。
・延暦寺が境内の2割が京都へ跨いでることから京都の名所として紹介されがち。
・琵琶湖の水を提供していることから京都の植民地と呼ばれることもしばしば。
などなど・・・。
もちろん滋賀の良いところも紹介しています。なんかいろいろ全国1位が多いことや、寺院の数では京都より上であることなど、全く知らなかった滋賀の魅力(?)も知ることができます。

あと、京都のあるあるネタも交えながら結構ひどくディスってます。言葉のはじめに「なにもない」がついたら「帰れ」という意味、京都は100年以上住んでなければ「よそさん」など、そうだったのかと学べること多いですね。
石田光成曰く「都があっただけで選民意識甚だしい高慢な京都」←あくまで作中の表現であって私の考えではありません。
作者さんは京都で暮らした経験もあるらしく、京都民のあれこれも結構詳しそうです。

全体的にハイテンションでテンポよいギャグとノリで展開され、滋賀県民でもそうでない人でも楽しめる内容だと思います。滋賀県民なら「あるある」と笑ったり、涙したりしながら、県民以外なら滋賀を知るよい機会になるのではないかと。
あと、2話から名将・大谷吉継も登場するわけですが、詳しくはここでは避けますけどなんか残念な人になってました。結構好きな武将なだけに、イメージが・・・。

試し読みはくらげバンチさんの公式サイトで1話、他数話を配信しています。(こちら



ふくねこ(1) (アクションコミックス(月刊アクション))

ふくねこ 第01巻
著者:松沢 まり
掲載:月刊アクション
2017年3月11日発売

家庭の事情により急遽住み慣れた町を離れ、都内から電車一本離れたちょっと田舎の町に引っ越してきた中学2年生の女の子・海子(あこ)。両親は7年前に突然失踪してしまい今現在どうなっているのかは分からず、少女漫画家の姉・月(るな)、小学生の弟・陽太の3人姉弟は、亡くなった曾おばあちゃんの家を家賃ナシで提供してもらえることになった。
とても良い条件とはいえ、都会から離れ、友達とも会えなくなったことで寂しい思いを募らせていた海子。そんな海子のもとにどこからか小さな可愛い女の子・・・ではなく、女の子に見えるネコのフクが現れ、妙に懐かれてしまった。そのときから、フクが小躍りした後には、なぜか海子のまわりで良いことが起こるように・・・。

都会から微妙な田舎に引っ越してきた中2女子と、女の子に見えるかわいい猫とのほっこり幸せ田舎暮らし。ちょっと不思議な癒し系日常マンガですね。
『最近、妹のようすがちょっとおかしいんだが。』の著者・松沢まりさんの新連載作品。

あまりにも可愛すぎて萌え死にそうになりました。この可愛さはちょっと反則気味だと思います。

開始いきなり、両親が7年前に突然失踪して生きてるか死んでるかも分からないというとんでも設定から始まるわけですが、それほど不幸な様子はありませんね。無邪気で元気いっぱいな弟の陽太と、若くして漫画家をしながら一家の生活費を稼いでいる姉の月、そして主人公のちょっとだけ人付き合いが不器用そうな海子の3人姉弟が、たまに口喧嘩もしながら仲良く田舎の町で暮らしています。

そんな海子たちのもとに現れたのがネコのフク。設定としては大福神から力を授かった「ふくねこ」で、ほとんどの人の目には普通のネコにしか見えておらず、憑かれた人間や霊感のある人間には小さな女の子や男の子の姿に見えるようです。そして、憑いた相手に福をもたらしてくれるありがたい存在とのこと。
こんな可愛い生き物が膝の上にちょこんと座ってる光景だけでもノックダウン気味になりました。しかし、それにとどまらず、大福を「もち、もち」と食べ、「こい、こい」と手招きしながら小躍りし、ふとんの中に潜り込んでくるなど、「可愛い」の波状攻撃によって私は難なく撃沈。

是非とも、実際にその目で見てほしいです。ほっこりと癒してもらえるので、ネコが好きな方、心も体も疲れ気味の方にはもってこいの漫画だと思います。

試し読みはニコニコ静画さんのサイトで現在は1話から5話まで配信しています。(こちら

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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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