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2017年01月20日

【ピアノの森】マンガ 感想&あらすじ 想いが込められた演奏に心揺さぶられるヒューマンドラマ

ヤングマガジンアッパーズ→モーニング。1998年9号から2015年49号まで連載。全26巻
作者:一色まこと
他作品:花田少年史



あらすじ

森の中に捨て去られたピアノ、誰にも音を出せない壊れたピアノ、そのピアノを幼い頃から遊び場にしてきた少年、一ノ瀬海。

「森の端」と呼ばれるはぐれ者たちが集まる色街、そこで水商売をして生計を立てている母と2人で暮らしているカイ。店の雑用として働き、普通の子供らしく生きることは叶わない環境にいたカイは、いつまでもこの嫌な町から、そしてピアノの森からは離れられないと感じていた。

森にあるピアノの元の持ち主であり、かつて天才ピアニストと呼ばれた音楽教師の阿字野壮介は、もう聴けないと思っていた森のピアノを軽やかに弾くカイの姿を目の当たりにする。カイは阿字野から「一緒にピアノをやらないか」と誘われ、その場は断ったものの、どうしても弾けないショパンを弾けるようになるため、条件付きでピアノを学ぶことになった。

師との出会い、ライバルとの出会い、様々な人たちとの出会いがカイを大きく成長させ、その音色で多くの人たちをピアノの森へ誘っていく。

主要登場人物


主要人物紹介。
・一ノ瀬 海
主人公。通称「カイ」。母親似で女性にも間違われるほど綺麗な顔立ちをしている美少年。母の怜子と2人で「森の端」と呼ばれる色町で暮らしています。幼い頃から森に捨てられていた特殊なピアノを遊び場にしてきたことにより、天才的な才能と感性を自然に身に付けていました。大抵の曲は聴いただけで弾くことはできますが、当初は楽譜すら読めませんでした。当時音楽教師をしていた元天才ピアニストの阿字野壮介に才能を見出され、コンクールに出場したことがきっかけとなり、人に聴いてもらうことに喜びを感じるようになります。

・阿字野 壮介
カイの師。森のピアノの元持ち主。かつて国内の賞を総なめにし、世界的にも名を馳せたほどの天才ピアニスト。しかし、交通事故で左手の自由を失い、さらに婚約者を失ったことに強いショックを受け、ピアニストの道は捨て音楽教師として小学校で勤務していました。怪我で失ったはずの音を奏でるカイとの出会いに衝撃を受け、カイの師になることでピアノの世界に再び戻ることになりました。カイを世界に連れていくため、後ろ盾となり持ちうる技術を教え込みます。

・雨宮 修平
カイの親友兼ライバル。父親が国内で有名なピアニストであり、幼い頃からピアノの英詩教育を受けて育ってきました。小学生の時に短い間通っていた転校先でカイと出会い親しくなりました。他人と自分を比較してしまうことが多く、特にカイに対しては良くも悪くも強いライバル心を抱いています。全日本ピアノコンクールで優勝したものの、カイの演奏に敗北感を抱き、その才能を恐れた父親の薦めで海外留学しました。

・一ノ瀬 怜子
カイの美しい母親。生まれも育ちも色町の「森の端」であり、水商売で生計を立てています。15歳の若さでカイを出産(父親は不詳)。カイには深い愛情を注いでおり、森の端を出て欲しいとも願っており、カイのこれからを真剣に考えてくれる阿字野壮介に託すことを決めます。

・丸山 誉子
ピアニストを志している少女。裕福な家庭で生まれ育ち、常に白石という使用人が傍に控えています。第56回全日本ピアノコンクール・中部南地区予選でカイと出会い、その演奏を聴いたことで憧れを抱くようになりました。カイに会うためいくつものコンクールに出場し、その最中腱鞘炎を患うも、カイとの再会を果たし治療に専念することになりました。

・ジャン・ジャック・セロー
世界的なピアニストで指揮者。ショパン・コンクールに出場した若かりし頃の阿字野を唯一高く評価し、その折に他の審査員と揉めたことで以降コンクールとは袂を分かっています。事故にあった後も阿字野を気にかけ、日本語を覚えて励まし続けていました。カイの推薦者になり、阿字野と共に心強い後ろ盾になっています。



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感想・見所

森に捨てられていたピアノを弾いて育った少年が、ライバルや師との出会いをきっかけに世界の舞台へ羽ばたき成長する姿と、心揺さぶられる少年の奏でる演奏に深く影響を受けていく人たちとの人間ドラマを描いた物語。
数ある楽器のなかでもピアノをメインに扱い、それに携わるそれぞれの人間模様を描いたヒューマンドラマです。第12回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞受賞。2007年にはアニメーションで映画化もされ、上戸彩さんや神木隆之介さん等が主人公たちの声を担当しています。

これまで読んできた中にも、『四月は君の嘘』、『BLUE GIANT』、『のだめカンタービレ』、『ましろのおと』など、音楽を題材とした人間ドラマを描いた素晴らしい作品はありますが、個人的にはこの『ピアノの森』は特に印象深い作品になってます。途中休載していたことも強く印象付けられた要因の1つですけどね。
引き込まれる音楽描写とストーリー展開、登場人物の人間関係と心理描写、そして何と言っても感動のフィナーレ、魅せられてしまう要素の多い作品です。

終始飽きさせず、記憶にも残る巧みなストーリー構成は素晴らしかったです。開始時点でのカイは小学5年生、成長した終盤では17歳の姿を描いています。物語を大きく分けると、カイの【少年時代編】と【思春期編もしくは準備期間編】、そして【ショパンコンクール編】の3編構成です。ちなみに、アニメーション映画はだいたい6巻の冒頭ぐらいまでの少年時代を映像化されています。
少年時代では、まだ楽譜すら読めず勝手気ままに遊びで弾いていたカイが、次第に誰かに聴いてもらえることに喜びを感じたことで、真剣にピアノへ向き合う決意をする過程を丁寧に描き、同時にカイの置かれている容易には抜け出せない過酷な環境についても語られています。そして、かけがえのない師となる阿字野、雨宮や誉子たち同年代のライバル、この先も物語に深く関わってくる人たちとの出会いの話もあります。
思春期編ではカイたちは高校生に成長しており、カイの置かれている状況の変化、阿字野によって着実に育てられている様子を伺うことができます。さらに、スランプに陥っていた雨宮がカイのピアノを聴き逃げずに向き合うことを決意する話、カイと岸上冴との恋愛、誉子の手首の故障の話など、本筋のテーマとは少し関わりの浅い話もありますね。ですが、それによって物語はより深みが増し、目標に向けての良いステップ段階を描かれていたと思います。
そして、ショパンコンクール編。見所は当然演奏。それぞれのピアニストたちの全てをこめた演奏、カイも冒頭からこれまでの人生を凝縮したかのような濃く深みある演奏を披露してくれます。そしてラストは・・・。

登場人物の心理描写を丁寧に語り、心情描写も巧みに表現されているので、1人1人に感情移入しやすくなっているのもこの作品の非常に優れているところですね。
楽しさや喜び、苦悩や挫折、そして葛藤と決意。登場人物の心の動きがとても分かりやすく、読んでいるとキャラクターと同様に苦しさや楽しさを感じることもあるので気持ちをもっていかれそうになりましたね。
そして、そんな心の内を吐き出すかのように様々情景を駆使した演奏シーンと、それを聴く人たちの心情描写が素晴らしく、「音」を読む人に伝えるという音楽漫画で最も難しいと思われる問題を巧みな描写で見事に表現していました。用いられている情景、奏者と観客の表情から音の強弱や曲の特徴は読み取りやすく、聴いたことのない曲であってもどんな曲か、どんな気持ちで奏でられているのかがとても伝わってきます。本来は聞こえないはずの演奏に圧倒され、感動を深く刻まれまた気分になりました。奏者の過去や経験を知っていると演奏の深みも増しますね。

正直言いますと、1巻だけを読んだ時点ではあまり強く惹かれませんでした。続き読むかも少し悩んだんですが、それだけで判断するのもどうかと思い、2巻、3巻と読み進めていくうちにどんどん面白くなり、今後の展開やカイの行く末が気になっていつの間にかどハマりしてましたね。最初のインパクトは強いけど終盤に向け尻すぼみになっていく作品が多いなか、ラストに向けどんどん盛り上がっていくステーリー展開は本当に素晴らしかったと思います。
この物語のフィナーレには完全にやられましたね。メインはカイという1人の天才の成長物語だと思っていたんですが、ラストを見てカイと阿字野2人の物語だということにやっと気づかされました。あそこまで気持ちよくシメてもらえると読者としても嬉しい限りです。
飲み込まれそうになる見事な演奏シーン、魅力ある登場人物が織り成す人間ドラマ、文句なくおすすめできる作品なのでよければ読んでみてください。
このマンガに出てきた楽曲を聴きながら読むのも良いかもしれませんね。ほんとに素晴らしい作品でした。



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posted by ハネ吉 at 19:02 | Comment(0) | TrackBack(0) | 音楽

2017年01月18日

【銀のスプーン】マンガ 感想&あらすじ 誰かと一緒に食卓を囲む楽しさに気づかせてくれる物語

Kiss。 2010年第15号から連載中。既刊15巻
作者:小沢真理
他作品:ほいくの王さま



あらすじ

大学受験を控えた高校3年生の早川律。父は既に他界しており、弟の調、妹の奏、母の恭子と4人で暮らしていた。

ある日、母・恭子が体調を崩したことで検査のため入院することになったのだが、1週間の予定は病が発覚したことにより長引くことになり、治療のあいだ弟妹たちの世話と家の家事は律が担当することに。

今までまともに料理をやったことのなかった律だったが、自分の作った料理を食べた調と奏の「美味しい顔」にはまり、誰かのために食事を作ることが楽しくなっていた。そんな中、京都の大学を目指していた律は、突然受験をやめると言い出す。

さらに、調と奏に秘されていた律の出生が明らかにされ・・・。


以前書いた1巻の感想はこちら

主要登場人物

・早川 律
主人公。開始時は華麗台高校に通う高校3年生。後に1度は諦めた大学へ進学し、映研サークルに入会。容姿端麗、成績優秀、性格も優しく紳士的。早川家では「一族の至宝・奇跡」、学校では「プリンス」と呼ばれています。入院した母に代わって食事を作ったことで、料理好き王子になりました。実は早川家の血は継いでおらず、当時なかなか子供ができなかった恭子たちが養子として引き取りました。

・早川 調
律の弟。開始時は中学1年生。ヤンチャなところはありますが、素直で思いやりもある性格をしており、正義感も強い。妹の奏とはささいなことでもよく口論になります。中学ではバスケットボール部に所属しており、背が低いことを少し気にしています。後に高校へ進学。高校ではバンドを組み、髪も金糸猴(ゴールデンモンキー)のように金と青に染めています。食べ物の好き嫌いは多い方。

・早川 奏
律の妹。開始時は小学6年生。律のことが大好きなまだまだ甘えたがりな年頃の女の子。アイドル志望でレッスン教室にも通っており、毎朝鏡の自分に向かって「宇宙一(世界一)カワイイ」と言って出かけるのが日課。後に中学、そして高校へ進学。律や恭子の家事をよく手伝っています。

・早川 恭子
早川家の母。穏やかで優しい性格をしており、強く心の広いお母さん。子供たちを深く愛し、常に温かく見守っています。結婚後、調を妊娠するまでなかなか子供に恵まれず、律を施設から引き取り養子にしました。検査入院で癌が発覚しましたが、治療のかいあって約一月で退院。一時期真也から路加も引き取っています。

・倉科 夕子
律の高校での同級生。高校では漫画研究会に所属。地味で大人しい性格。律が家事を始めたばかりの頃に料理のアドバイスをし、そのことがきっかけとなり親しくなりました。卒業後は漫画家として活動し、子供向けまんが誌でデビューしています。律とは恋人関係になれたものの、漫画で芽が出ないことに焦り、完璧な律に自分はふさわしくないと卑屈になったことで別れを告げて去ってしまいました。

・雨宮 路加
律の実弟。真也と律に似た美少年。真也が路加の父親に去られたことで育児放棄になり、心配した律の提案によって早川家で引き取られることになりました。律にとても懐いており、早川家でも無邪気に明るく過ごしています。育児放棄されていたとはいえ、真也のことを心配する優しい子でもあります。彼女が取り戻しに来たときは、母を1人にはできないと一緒に帰っていきました。

・雨宮 真也
律の生みの親。14歳で律を出産したものの、当然育てられず施設へ預けました。再会した律には冷たい態度で突き放していましたが、本当は深い後悔を抱き続けていたようです。後に律とは和解し、ルカの母としても改心し、早川家にもよく訪れるようになります。恭子の優しさに触れてからは彼女のことを「お母さん」と呼び慕っていますが、親子というより仲の良い姉妹のような関係。



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感想・見所

入院した母に代わり家事を任されたことで料理に目覚めた青年と、家族や親しい人たちとの日常、それぞれの成長と変化を描いた物語。
楽しいとき、辛いとき、どんなときも温かな食卓が迎えてくれるハートフルホームドラマ。“家族の食卓”がメインテーマです。2015年には『明日もきっと、おいしいご飯〜銀のスプーン〜』というタイトルにてドラマ化され、「高杉真宙」主演で昼の時間帯に放送されました。

1人暮らしを始めてからは自炊をするように心がけてはいますが、誰かと一緒に食卓を囲むという機会はとんと減少しましたね。帰宅してから1人で作って、1人でテレビを観ながら食べて、そして1人で後片付けする、そんな毎日の繰り返しです。
この作品からは、昔は確かにあったけど当たり前すぎて気づかなかった誰かと食卓を囲む喜び、そして尊さに気づかせてもらえます。また、食事をする楽しさだけでなく作る楽しさも教えてくれますね。親しい人たちと一緒に料理を作ること、誰かを想いながら料理を作ること、その時間も楽しい一時であり、さらにその料理を美味しそうに食べてもらえたときの喜びも格別です。

物語は主役の律にまつわるエピソードを主軸に置き、弟、妹、母、友人それぞれ独自のエピソードも交えながら展開されていきます。
開始早々すでに他界していた父に代わり、一家の柱であった母が体調を崩して一時入院し、弟妹の食事を作るために律が初心者ながらも料理をはじめます。これが料理好きになっていくきっかけです。調と奏が自分の料理を笑顔で美味しそうに食べてくれることに喜びを感じたんですね。
母のレシピを参考にしたり、同級生の倉科夕子さんにアドバイスをもらったりしながら、弟と妹のお腹を満たして笑顔になってもらうことを考え、時には皆で仲良く一緒に料理を作っていきます。
ただ食卓を囲む光景を見るだけの料理マンガというわけではありません。この作品は料理を前面に押し出しているレシピ重視の漫画ではなく、ストーリー重視の構成です。登場人物の恋、進路、家族関係、出生、様々な展開が繰りひろろげられていく中に、その雰囲気を崩さない自然な流れで料理・食事シーンへ移行されていました。

非の打ち所のないイケメン設定を用いるのは少女マンガでは珍しくありませんが、そのどれと比べても完璧すぎる男、それが早川律です。そこいらにいるプリンスが霞んでしまうほど麗しく美しい端正な顔立ちと、スラっとした体系をしており、頭脳明晰で性格も優しく爽やかな紳士、さらに料理を筆頭に家事全般も得意、しかも家族思いで小さい子の世話まで苦もなくこなす完璧ぶり。ここまでくると欠点すら愛嬌になってしまいそうですね。それをひけらかすことは一切なく、嫌味も感じさせないので世の男はもうお手上げです。
しかし、その完璧なところがあだになる事態も起きてしまいます。大切に想っていた恋人・夕子に一緒にいるのが辛い、自分は律にふさわしくないと去られてしまいました。まあ、わからなくもないですね。律には何の非もありませんが、強く想っていても相手との釣り合いを考えてしまうことは少なからずあります。完璧な人の近くにいると自分の凡庸さに気づかされ、分かっていたことでも改めて自覚させられると結構辛いですから。特に自分の力で戦っていく道を選んだ夕子にとってはそれが重く圧し掛かり、状況も災いして自分を卑下してしまったんでしょうね。

律の恋はこの作品の中でも特に気になるところなんですが、別れて以降仏門にでも入ったかのように恋の気配はなく、友人も「草食通りこして仙人の域だ」と言うほど。律に想いを寄せる相手はいても律が振り向く相手は現れず。私としてはまた夕子と寄りを戻してほしんですけどね。漫画家デビューして人としてのレベルも上げ、多少自信も得たであろう彼女と再び手を取り合うことがあるのか、とても気になっています。
他にも奏や調、友人の斎木など、あちらこちらで気になる恋模様が展開中です。楽しいことばかりではないようですが、恋で悩めるだけでも羨ましい限りです。

ストーリー重視の漫画ではあるとはいえ、もちろん料理も見所の1つです。プロが調理するわけではないので基本的には家庭料理。誰しも簡単に作れるものだけでなく、少し手間隙かける料理もありますが、イラスト付きの解り易いレシピも添えられているのでやって出来ないことはないと思います。アレンジレシピもあるのは良かったですね。

多少ドロドロした人間関係はありますが、基本ほのぼのした心地よい気分にさせてくれる漫画。家族の食卓の温かさを伝えてはいても、「どうだ、家族っていいもんだろ!」というような押し付けがましさはなく、ほどよい味付けを加えられた何気ない日常の光景を写しているので、ほっこりしながら「良いな」と思わせてくれます。
やはり、今後の律の動向は1番気になりますね。何かと1人で抱えがちな律、彼に再び春が訪れるのか、いったい誰が仙人のように引き篭もった山から下界へ連れ戻すのか、とても気になります。
家族の関係、それぞれの恋、料理など、見所の多い内容になっていますので、よければ読んでみてください。おすすめさせていただきます。



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posted by ハネ吉 at 18:47 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日常

2017年01月17日

漫画『服を着るならこんなふうに』1巻の感想とあらすじ

『服を着るならこんなふうに』1巻の感想。


服を着るならこんなふうに
著者:縞野やえ
掲載:WebNewtype
1巻発売日:2015年12月10日

都内の中小企業で働いている営業マンの佐藤祐介。社内では真面目で爽やか、ちょっと抜けてるところは愛嬌があると評判の良い祐介だが、家では趣味のゲームに明け暮れ怠惰に過ごし、家事を一手に担うしっかり者の妹からは小言を言われる日々を送っていた。
ある日、ファッションに無頓着だった祐介は適当に見繕った服装に着替え、小学校の同窓会の打ち合わせをするために出掛けたのだが、久しぶりに再会した旧友たちがオシャレになっていたことに愕然とする。
帰宅した祐介が自分にはファッションセンスがないと落ち込んでいると、妹の環がそんな兄の姿を見かね、「私がお兄ちゃんにコーディネイトを教えてあげる」と力強く立ち上がった。

服にお金かけるくらいならゲームを買った方がマシだと豪語する兄に、見かねた妹がコーディネイトの手ほどきをし、少しずつファッションセンスを磨きながら兄妹でおしゃれを楽しむ話。
現役ファッションバイヤーのMB氏監修によるファッション漫画。友人に強く薦められたので読んでみました。もしかしたら、おしゃれに無縁だった私に気を使ってくれたのかも・・・。とりあえず友人に感謝です。

私は最低限見苦しくない程度には気を使っているつもりではいましたが、ファッションへの感心はかなり薄く、読み終えた後気になってチェックしてみると、持っている服は似たようなデザインのものばかりでした。趣味にお金かけたいからという理由はもちろんありますが、正直自分にオシャレは無理かなという諦めもないとは言えませんね。ただ、やはり周囲からの視線が全く気にならないというわけではなく、オシャレな人を羨む気持ちは多少持っていました。
なので、この作品を紹介してもらったことには素直に感謝です。まだ導入の1巻ということもあって、ファッション苦手な初心者にも解り易く、基礎を理論的に教えてくれるのもありがたい。漫画を使って楽しく学べるのも良いですね。

まず、ちょいダサな主人公に強く共感できるというのは喜ばしいことではありませんが、同じ目線と立場で読み進められるという点は物語にも入り込みやすくて良かったです。
佐藤祐介はそこそこ大人の社会人、家ではぐーたら趣味三昧、ファッションには無頓着、気に入った同じ服を何着も買い、オシャレに関しては妙にネガティブシンキングになってしまう男性。こんな主人公を見て思ったこと、「あれ?まんま俺じゃね?」でした。祐介のファッションに対しての偏見、思い違い、やりがちな失敗、嫌になるほど共感できてしまいましたね。
この雄介にコーディネイトをご教授してくれる先生が、良く出来たかわいい妹の環です。兄とは違いファッションが趣味というだけあってその知識はかなり深く、尚且つ説明もわかりやすい便りになる存在。私にとっても良き先生。

「そもそもファッションセンスなんてない」、「趣味を大事にしたいからお金もあまりかけられない」という私の言い訳、ばっさり切られてしまいました。極端に言ってしまうと、“ファッションにはセンスもお金も必要ない”と説いてくれます。
かっこよく見えるのには一定の法則があり、それにはセンスはさほど重要ではなく、簡単な理論さえ踏まえていればオシャレは難しいことではないと理解させてくれます。
最初の買い物がユニクロから始まるので、あまりお金を掛けない誰にでも始められるオシャレを学べます。昔に比べたらユニクロも少し価格は上がってはいても、他と比べたらまだ安いですからね。私にとって専門ショップは敷居が高くて入り辛いという難点もあるため、このチョイスは優しさを感じました。高い服、派手な服を揃えればオシャレになれるわけではなく、大切なのはドレスとカジュアルのバランス。
こういったことを具体的な例を挙げて解説してくれるので、理論的思考の男性にはとても解り易い内容になってます。

また、作中では実際に売られている服を使ってコーディネイトの手ほどきをされているので、気に入ったモノがあれば入手して自身のファッションに取り入れることも可能です。

面白いだけでなく非常にタメになった1冊でした。漫画としても兄妹のやりとり、ファッションに疎い人のあるあるネタなどで楽しく読め、何より一緒に楽しんでくれる環が非常に可愛い。「よく似合ってるよお兄ちゃん」、この一言だけで十分ですね。
理論といっても難しいことは全くなく、誰にでも実践できる簡単な基礎を学べるので初心者にうってつけの内容です。ファッションに限らずどんなことにでも言えることですが、基礎を踏まえていると自分なりにも楽しめるようになるので、こういったきっかけを作ってくれる作品というのはありがたいです。
ファッションに興味ない人、諦めていた人、いろいろこじらせてる人、そんな人におすすめしたい作品ですね。


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2017年01月16日

【有頂天家族】アニメ 感想&あらすじ 京都を舞台にタヌキと天狗と人の暮らしを描いたハートフルコメディ


有頂天家族
2013年7月放送
全13話
監督:吉原正行
原作:森見登美彦
脚本:大川久男、梅野かおる
下鴨矢三郎の声:櫻井孝宏、能登麻美子
下鴨矢一郎の声:諏訪部順一

あらすじ

京都には人間だけでなく、その社会に紛れるように狸や天狗が人に化けて暮らしている。

下鴨神社・糺ノ森に住む狸界の有名一家、下鴨家。皆の尊敬を集める偉大なタヌキ、父・総一郎が金曜倶楽部で狸鍋にされ、母と4匹の息子たちを遺しこの世を去ってしまった。

偉大な「阿呆の血を継ぐ」四兄弟の三男・矢三郎は、女の子の姿に化けるなどして、今では空を飛ぶこともできなくなった師匠でもある大天狗・赤玉先生の世話をしたり、父を狸鍋にした金曜倶楽部のメンバーであり同じ弟子でもある弁天に振り回されながらも、父の残した「面白きことは良きことなり」を信条に家族と愉快に暮らしていた。

矢三郎の兄・矢一郎が次期「偽右衛門」選挙に挑むことになり、宿敵である夷川家と争う中で様々な騒動が巻き起こり、同時に父の死の真相も明らかになっていく。

主要登場人物

・下鴨矢三郎
主人公。下鴨家三男の狸。四兄弟の中で偉大な父の「阿呆の血」を最も色濃く受け継いでいます。自由奔放な性格をしており、周囲を困らせることもしばしば。変化の能力に秀でており、普段の大学生男子の姿に始まり、女子高生、達磨、傘など様々なものに化けることができます。

・下鴨矢一郎
下鴨家長男の狸。偉大な父の跡を継ぐため、次期「偽右衛門」選挙に立候補しています。奔放な矢三郎とは対照的に生真面目な性格だが、融通の利かないところもあります。あと急なトラブルには慌ててしまうなど、土壇場に弱い。

・下鴨矢二郎
下鴨家次男の狸。暢気な性格をしたやる気のない怠け者。ある理由から現在はカエルの姿に化けて井戸の底に引きこもっています。井戸の底で訪れて来る様々な人や狸や天狗の悩みを耳にしているようです。

・下鴨矢四郎
下鴨家末子の狸。素直で純粋な心根をした子ですが、気が弱く、臆病なところもあります。びっくり驚くようなことが起こると変化を維持できず解けてしまうなど、まだまだ未熟な弟です。

・母
家族を深く愛する下鴨家の母。宝塚に心酔しており、宝塚風の衣装に身を包んでビリヤード場に良く出没しています。雷が鳴り響くと変化が解け、動けなくなってしまうほど苦手。

・下鴨総一郎
下鴨家の今は亡き父。狸界の頭領「偽右衛門」として尊敬を集めていた偉大なる狸。変化の術に長けており、その人柄と相まって、天狗からも一目置かれていた存在。ある者の罠に嵌り、「金曜倶楽部」によって狸鍋にされこの世を去りました。

・弁天
人間の女性。「金曜倶楽部」のメンバー。天狗である赤玉先生に術を教え込まれて神通力を身に付けています。天狗以上に怖い妖艶な美女。下鴨家にとっては父の仇ではあるが、矢三郎のことを結構気に入ってる様子。

感想

人間の社会に紛れ込み、人の姿や様々なものに化けて京都で暮らす狸と天狗たちの暮らしと、人との関わりを描いた奇想天外な物語。
狸+天狗+人+京都=ドタバタ。様々な登場人物による群像劇の様相をした、家族愛溢れるハートフルコメディドラマです。原作は幻冬舎から刊行されている著者・森見登美彦さんの和風ファンタジー小説。2013年にアニメ化され、2017年4月から小説2巻目の『二代目の帰朝』がアニメ2期として放送開始されます。

本作は京都の市内を主な舞台としており、主人公たちがねぐらにしている下鴨神社をはじめ、鴨川に架かる出町橋、金曜倶楽部の集まりに使われているすき焼き屋の三嶋亭など、実在する建築物や街並みを再現しているのも特徴ですね。
どこか懐かしさを感じられる和の特徴強い京都の街からは、人ではない怪異の存在を匂わせる不思議な雰囲気もあり、人と人ならざるモノ、和と洋など、様々なモノが入り混じったとても魅力的な世界を築いていますね。化け狸や天狗といったファンタジーな存在も違和感なく溶け込んでおり、京都ならではの独特な雰囲気が許容している部分もあるのだと思います。

「人間は街に暮し、狸は地を這い、天狗は天空を飛行する。平安遷都この方続く人間とタヌキと天狗の三つ巴。それがこの街の大きな車輪をぐるぐる回している。」
この口上通り、本作は人間だけの物語ではありません。むしろメインになっているのは人間社会に紛れ込んでいるタヌキたちの暮らし。主人公の矢三郎はタヌキであり、天狗の赤松先生やヒロインのような人間の弁天は深く関わってくるものの、物語を盛り立てている多くはタヌキです。しかも本作のタヌキは古くから各地に伝わる民話や伝承に出てくる化け狸。
タヌキからしたら人間は自分たちの存在を脅かす恐れの対象であり、捕まれば殺処分、この作中では狸鍋にされ食べられてしまうというのに、それでも人間社会から離れることはしないあたり、暢気なのかただの阿呆なのかと呆れもしますが、彼等の楽しく珍しい物事への好奇心はそれほど強いということでしょう。
人間、それに人間の上位にいる天狗に比べたらとても弱い生き物、でも時にはそれらすらも化かして面白おかしくしてしまうという愉快なタヌキたちはこの作品の魅力ですね。

有頂天家族の中で一番に上げられるテーマ、それは間違いなく「家族愛」でしょう。多くの作品に用いられている普遍的なテーマであり、だからこそ扱い方を間違えれば途端に駄作になりえる危険性も秘めている思います。
この作品は全然奇をてらった見せ方はしていませんね。もちろんタヌキの一家という特殊な形はしていますが、純粋にこうありたいと思える温かい家族の姿を描いていました。
偉大な父・夫への心からの強い尊敬、なにがあっても子を信じる母の深く優しい愛、性格はバラバラでも何かあれば一丸となって支えあう兄弟愛。普段それぞれが自由にお気楽に過ごしていても、家族のことになると忙しなく真面目になるなど、深い家族愛を伺える描写が随所に散りばめられています。

タヌキたちを阿呆とは言いましたが、実は阿呆らしい行動は意外と少ない。特に主人公は人と天狗とタヌキの間を冷静にうまく立ち回っており、金閣銀閣という阿呆タヌキや早雲という極悪タヌキもいるにはいますが、他の兄弟や母も結構常識ある良心的なタヌキたちでした。むしろ破天荒な人や天狗のダメさが目立ってるようにも思えましたね。まあ弁天は例外中の例外でしょうけど。

また、映像美も素晴らしい。あの幻想的で美しい映像を生み出した『凪のあすから』も手がけた制作会社「P.A.WORKS Co.,Ltd.」だけあり、見せ方はさすがとしか言いようがない出来栄え。
古都京都の街並み、夜のライトアップされた紅葉の中を歩く弁天、静かに酒を酌み交わす描写あたりが特に印象深いですね。キャラデザ、背景、色彩、どれも申し分なく、全体的にも最後まで安定していたと思います。

なんとも不思議で独特な味わいを楽しめる面白い作品でした。シリアスとギャグ、人と天狗とタヌキ、背景と人物、絶妙とも珍妙とも言える不思議なバランスで描かれており、作品世界へ引き込まれる忘れられない1作になっています。
もちろん何もかも絶賛というわけではなく、最後まで腑に落ちない点、引っかかりが取れなかった疑問も残されていましたが、それでも素晴らしいと言える世界観と家族愛を見せてもらえたので結構満足しています。
2期も放送されることなので、1期では分からなかったことも明らかになってくるかもしれないので、今から楽しみで仕方ないですね。製作会社も監督も変更はないようなので、より期待が持てます。
1つ1つの言葉が深く心に残る家族愛溢れる作品、とても面白いのでよければ観てください。おすすめさせていただきます。




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2017年01月15日

【紹介した作品の新刊発売情報】将国のアルタイル 第18巻 他8作品

2017年1月16日〜1月22日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。



将国のアルタイル 第18巻 2017年1月17日発売

将国のアルタイルの過去記事はこちら




将国のアルタイル嵬伝/嶌国のスバル 第1巻 2017年1月17日発売





らんま1/2 第8巻 2017年1月18日発売

らんま1/2の過去記事はこちら


ぎんぎつね 13 (ヤングジャンプコミックス)

ぎんぎつね 第13巻 2017年1月19日発売

ぎんぎつねの過去記事はこちら



にじいろコンプレックス 第2巻 2017年1月20日発売

にじいろコンプレックスの過去記事はこちら



ワカコ酒 第8巻 2017年1月20日発売

ワカコ酒の過去記事はこちら



アルテ 第6巻 2017年1月20日発売

アルテの過去記事はこちら



試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。



不滅のあなたへ 第01巻
著者:大今良時
掲載:週刊少年マガジン
2017年1月17日発売


それははじめ“球”だった。
何者かによって星に投下されたその“球”は、あらゆる物の姿・形を写し取り、変化することができる。まず石になったそれは、コケを写し、レッシオオカミの姿になり、意識を獲得し、雪の冷たさや傷の痛みなど初めて受ける感覚を覚えながらあてもなく歩き続け、1人の少年に出会った。
果てなく雪原が広がる銀色の世界、その少年は荒廃した集落に1人で暮らしていた。楽園へ行くために住んでいた家を出た少年は、怪我を負いながらも先に旅立った人たちが残した矢印を頼りに先へ進むのだが、その先で見つけたのは多くの墓らしきものと、矢印の上に×と書かれた石。元の家に帰ってきた少年は、次第に傷が悪化し、動くこともままならくなり、ついに息を引き取ってしまった。そして、最初“球”だったそれは、人間の姿を獲得し、また歩き出す。

映画化もされたヒットマンガ『聲の形』の著者・大今良時さんの新作。

どういう物語か、・・・1話からだと確かなことは言えませんね。謎です。未知です。ただ、非常に引き込まれる内容でした。
謎ばかりの1話はプロローグなのでまだ何とも言い辛いんですが、試し読みだということも忘れてじっくり読んでしまいました。

舞台はおそらく地球だと思います。地球外の何者かが星を観察するために投げ込まれたのが、上述のあらすじにも書いた“球”です。「刺激」を受けるという獲得条件を満たすと、あらゆるものの姿を写し、変化することができるようです。
観察している者は「それ」が感じたものを共有しているような描写があることから、見ているだけでなく感覚もリンクしているのではないかと思われます。ただ、観察者と「それ」が同一なのかと言うと、どうも違うような気もしますね。宇宙人的な存在なのか、神的な存在なのか、「それ」と観察者が何者であるのか非常に気になります。

「それ」はオオカミの形態になり意識を得たことで、人間の少年を通して様々なことを学び、感情を芽生えさせていきます。出会った存在から刺激を受けることで、「それ」の個を形作る感情などの様々なものを得て、「自分」が出来ていくということなんだと思います。
少しずつ成長する話になるんでしょうが、不滅の存在である「それ」の終着点、物語の結末はどこになるんでしょうかね。観察者が神様という1つの予想を立てていたものの、これでは「それ」が神様にでもなってしまいそうな気もします。どう展開されるのか気になって仕方ないです。

セリフはそれほど多い内容ではないにも関わらず、読ませる作品。高い画力によって、状況の変化、感情の機微を巧みに表現されています。特に見開きの少年の亡骸を背にして「それ」が歩みだした描写は震えましたね。1話が特殊なのかもしれませんが、少ないセリフと絵から多くを読み取ることができると思います。

とても想像を掻き立てられる素晴らしい導入に、壮大な物語の幕開けを予見させられました。かなり期待を持てる作品です。

試し読みはマガメガMAGAMEGAさんのサイトで1話を配信しています。(こちら)


五百年目のマリオン 第01巻
著者:日笠優
掲載:ゼノンコミックス
2017年1月20日発売


1940年、舞台は花の都・パリ。
子供たちを率いて窃盗団まがいのことを繰り返し、日々の糧を得ていた子猫と呼ばれる孤児の少女・マリオン。仕事を終え、1人になったマリオンは歌を歌っていると、そこに現れた1人の男性に突然ジャンヌ・ダルクになって欲しいと頼まれる。音楽監督をしているらしいアーロンは、新しい舞台の公演を間近に控えていたが、適役が見つからず途方に暮れていた。そんな時に偶然聞こえてきた歌声に誘われ、運命的な出会いを果たしたマリオンとアーロン。逃げ惑うマリオンは、アーロンに歌手として舞台に立って欲しいと誘われることに――。
大戦の火種が燻る時代、マリオンは激動の運命を歩み始める。

時代に振り回されながらも夢に向かって歩み続ける少女の物語。

第二次世界大戦最中の1940年、ドイツ軍のフランス侵攻が始まろうとしているその年のパリが舞台。この地域でこの年代というだけで、もう波乱に満ちた物語になるであろうことは予想に難くないですね。

画力は結構高いです。キャラクターは少し『ジゼル・アラン』ぽいのかな。背景も細かく書き込んでおり、服装、装飾、建物も当時の姿を丁寧に再現されていると思います。

主人公のマリオンは歌うことが好きな強く美しい少女ですが、住む家を持たない孤児。似たような境遇の子供たちを束ね、窃盗を生業としながら日々精一杯生きていました。このような暮らしになるまでの生い立ちからして悲惨。元々は孤児院でシスターたちと暮らしていたんですが、歌手を探しているという男に騙され、連れてこられたパリで娼館へ売り飛ばされてしまいました。その場は警察のガサ入れにより難を逃れたものの、帰る事ができず、現在に至っているようです。
綺麗に着飾っていなくても目を奪われてしまう美しさと、力強さを感じる瞳が魅力的な少女ですね。

アーロンは純粋にマリオンの歌声に可能性を見て勧誘したのかと思ったら、どうやらそれだけではない様子。アーロンと仲間たちには店を守るための陰謀めいた思惑があるようで、またしてもマリオンはその夢を利用されようとしているのかもしれません。
以前騙されたことにより人に対しての不信感は強く、特に男性に対しては恐怖を抱くようになっています。それでも、温かく見送ってくれた孤児院のシスターの言葉を思い出し、勇気を振り絞って申し出を受けたマリオンにまた辛い追い討ちをかけられるとしたら、それはかなり酷な話ですね。やっと近況を孤児院の皆に伝えられると涙するマリオンと、なんとも言えない影を落としたアーロンの姿が印象的。

時代と人の思惑に振り回されるマリオンに明るい未来は訪れるのか、彼女はどのようにして夢を掴むのか、今後の展開がとても楽しみです。

試し読みはWEBコミックぜにょんさんのサイトで数話配信しています(こちら)

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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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