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2016年11月15日

漫画『ウチの使い魔がすみません』1巻の感想とあらすじ

『ウチの使い魔がすみません』1巻の感想。


ウチの使い魔がすみません
著者:櫓刃鉄火
掲載:good!アフタヌーン
1巻発売日:2016年9月7日

舞台は悪魔や魔物が蠢く魔界。周囲の悪魔たちが使い魔を従えていくなか、弱い魔物すら捕まえられず一向に使い魔を使役できずにいた落ちこぼれ悪魔・パティ。他の悪魔からはバカにされ、嘲笑され、しかたなく彼女が選び契約を結んだ相手は・・・人間(おっさん)。
特殊な力など持たないただの人間。しかし、彼はただの人間であっても普通ではなかった。「俺はノーマン=ボルカネロ。『魔物研究家』だ」。
魔物や悪魔に異常な愛着を示し、大興奮しながら研究するマッドで変態な研究家。人間のくせに意外と強く、悪魔以上に怖い顔、そんなノーマンに振り回される主人のパティ。凸凹な2人の主従がパティの父を探すため、別々の思惑を抱き旅立つ。

落ちこぼれ悪魔パティ、悪魔すら恐れる顔と巨躯を持つ人間ノーマン、おかしな主従関係にある2人の魔界を旅する珍道中記。
最弱少女悪魔(主人)×最凶オッサン・人間(使い魔)のドタバタコメディ漫画です。

舞台となるのは悪魔や魔物が暮らす魔界。悪魔たちには力を誇示しようとする荒らさは多少ありますが、殺伐とした雰囲気はあまりなく、楽しく比較的平和に暮らしていますね。
物語もシリアスな展開はなく、明るい雰囲気で話は進んでいきます。
悪魔が魔物を『使い魔』として使役しており、どんな使い魔を従えているかが悪魔にとってのステータスになっているようです。

魔界を舞台にしていながら、最も強烈なキャラが『魔物研究家』を自称する人間のノーマン。人間にしては高い身体能力と体躯、悪魔が恐れ怯む顔面、悪魔・魔物への異常な執着心からくる探究心、個性立ちすぎてる人間のおっさんですね。研究対象は魔界にいるありとあらゆる生物であり、主人であるパティもその例外ではありません。というより、彼女は何の種族か判然としていないため興味津々といった感じです。表情はほとんど変化しないにもかかわらず、調査・研究したいという願望が文字通り顔に出てしまう人。

そのノーマンの主人が悪魔のパティです。気弱で脆弱なうえにトロく、天使のような優しさと笑顔を持つ、天界ならまだしも魔界では落ちこぼれと見なされる少女悪魔。無表情なノーマンとは対照的に表情がコロコロ変わる可愛い女の子です。同年代の悪魔からはバカにされたりもしていたんですが、嫌われていたというわけではなく、むしろ旅立つことにショックを受けていたので好意の裏返しからちょっかい出されていたようです。。旅立つ理由となったのは、借金取りに見つかり置手紙だけを残して逃げた父親を捜すためです。しかもその父はなぜか指名手配中という状況。

ノーマンは魔物を見つけては意気揚々と猛進して研究を始め、制御できない彼にパティが振り回されあたふたするという構図。振り回されてるのはパティだけではなく、彼によって蹂躙されていく魔界の生物全般ですね。
人間なんかが悪魔や魔物と相対しながら生きていけるのか、という不安は微塵も生まれません。人間とは思えないほどの高い身体能力と強靭な体とメンタルを持ち、さらに溢れる知的好奇心から見境なく研究してきたことによる魔物・悪魔についての豊富な知識、弱点も知られているためねじ伏せられてしまうといったように、魔界の住人にとってはまさに最凶に迷惑なおっさん。ねこじゃらしを装備してのカーバンクルとの戦闘はなかなか面白かったですね。
パティは種族不明という設定からして、何かしらレアな存在だったという流れになるのかな?もう「牛」でもいいと思いますけど。

1話の試し読みから気になって読んでみた作品。予想以上に面白かったです。好奇心から暴走しがちなノーマン、使い魔に振り回される不憫なパティ、魔物のデザインもかわいく、明るい雰囲気でシリアスな展開もないため気楽に読めました。
パティにも父親にも何か秘密がありそうですし、この先出てくる魔物や悪魔にノーマンがどう対応していくのかなど、今後の展開がとても楽しみですね。2巻以降も読んでいこうと思います。


【eBookJapan】 ウチの使い魔がすみません
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2016年11月14日

【CLANNAD-クラナド-/AFTER STORY】アニメ 感想&あらすじ 家族、友、恋人、人と人との絆を描いた作品


CLANNAD-クラナド-/AFTER STORY
1期 2007年10月からTBS系列にて放送
2期 2008年10月からTBS系列にて放送
監督:石原立也
原作:Key / ビジュアルアーツ
脚本:志茂文彦
岡崎朋也の声:中村悠一
古河 渚の声:中原麻衣

あらすじ・概要

バスケットの特待生として進学校に入学したものの、ケガをしたことで部活を辞め、その後周りからは不良と見られながら無気力な毎日を過ごしていた岡崎智也。
遅刻の常習犯だった智也は、いつものように時間も気にせずのんびり登校していると、学校へ続く坂道で1人の少女に出会う。坂道で独り言をつぶやいていたその少女の名前は古川渚。病弱な彼女は出席日数が足りず留年し、顔見知りは皆卒業していたため1人取り残されていた。渚には演劇部復活という夢があり、それを知った智也はその夢をを手助けながら様々な少女達と出会い、彼女達の抱える問題を解決するため積極的に関わっていくことになる。

主要登場人物

・岡崎朋也
主人公。進学校にスポーツ特待生として入った高校3年生。肩のケガが原因で退部。日々を無気力に過ごし、遅刻の常習犯になっていたため、周囲からは浮いた存在になっていました。悪友の春原陽平とよく一緒にいます。根は明るく真面目な上、意外と世話焼き。父子家庭で育ったが、父親とは不仲。

・古河 渚
同じ高校に通う3年生。病弱で休みがちなため留年しており、同級生でも朋也より1つ年上。実家は両親が「古河パン」というパン屋を営んでいます。気弱で人見知りな性格、顔見知りは卒業していたことから学校では孤独に過ごしていました。演劇部を復活をさせたいという思いがあり、朋也の協力のもと文化祭での上演を目指します。

・藤林 杏
朋也の隣のクラスの委員長。椋とは双子の姉妹。男勝りで勝気な性格をしており、妹を困らせる者には制裁を下す姉。不良と噂される朋也たちとも気兼ねなく話しかけてくるおせっかいな子。バイク通学してます。

・藤林 椋
朋也のクラスの委員長。杏の双子の妹。姉とは正反対におしとやかで大人しく、女の子らしい性格。朋也に想いを寄せています。占いが好き。

・伊吹風子
教室で1人木彫りのヒトデを削っている女の子。削り終えた木彫りのヒトデを周りの人たちに配り回っている変な子です。外見は高校生のわりには幼く、性格も子供っぽい。ヒトデのことを考えてるときは恍惚状態に陥ります。

・坂上智代
朋也たちの学校に転入してきた2年生。恐ろしく喧嘩が強く、不良たちにとっては畏怖の対象。成績優秀、運動神経抜群、規則を重んじ不良に怯まない頼もしさもあるため、学校での人気は高い。完全無欠のように見える彼女ですが、精神面での弱さ未熟さがあります。朋也たちに接っするときは先輩のような態度。

・一ノ瀬ことみ
高校3年生。学校内はおろか、全国でもトップクラスの天才少女。授業を受けずに図書室で独学しているが、学校側からは黙認されています。おっとした性格をしており、不思議な言動・行動をとる天然娘。幼い頃に朋也とは面識があります。「〜いじめっ子?」が口癖。

感想

無気力に日々を過ごしていた少年が1人の少女と出会い、そこから繋がりを広げ様々な悩みを抱える少女達と交流し、彼女たちの問題を共に乗り越えながら成長していく物語。
テーマは人と人との『絆』、そして『家族』ですね。『AIR』を制作した『Key』が手掛けた恋愛アドベンチャーゲームを原作とし、アニメは1期『CLANNAD -クラナド-』、約1年後に第2期となる『CLANNAD ?AFTER STORY?』が放送されました。更に劇場版にもなっていますが、今回の感想はTV版についてです。ちなみに私は原作ゲーム未プレイです。

評判の高さは知ってたんですけど観る機会がなく、放送されてから5年くらいたってようやく観賞できた作品。「CLANNADは人生」という言葉を目にし「大袈裟だな、ハハハ・・・」と思いながら観た結果、涙腺はあっけなく崩壊し、恥ずかしながらガチ泣きしてました。人前に晒せる顔ではなかったですね。

シナリオの構成は各ヒロインごとの話を3〜5話程度で描き、AFTER中盤以降は渚と家族の話に進んでいきます。
1期は朋也とヒロインたちの学園生活。学校前にある坂道での朋也と渚との出会いから、彼女の演劇部復活の夢を協力し学園祭で上演するまでを描いています。その過程には、ことみや風子等ヒロインたちとのエピソードが織り交ぜられ、無気力だった少年と孤独だった少女に繋がりが広がり、次第に協力者も増やしていくという展開ですね。
2期のASでは、序盤は引き続き学園を舞台とし、中盤からは卒業した朋也と渚の家族の話。1期でも度々泣かされましたが、本格的に涙の決壊を防いでいた堰を破壊しにくるのはこの2期中盤からでしたね。

深いストーリーとうまく組み立てられていた構成が素晴らしくて涙を誘ってきますね。
各ヒロインにスポットを当てていながら、ごちゃごちゃしたり破綻することもなくうまくまとまっていたと思います。ヒロインの個性や過去の背景、様々な出来事から抱えることになった悩みやトラウマ、それらを丁寧に描きつつ本ルートにあたる渚へと繋げていきます。
個性や背景を丁寧に描いていることでヒロインの想いや苦しみが理解しやすく、そうなるともう彼女たちの感情がダイレクトで流れ込んでくるため涙を押し止めることも叶わずホロリ。
さらに卑怯なのが待ってましたと言わんばかりに流れだすBGM。切なさのある澄んだ音色、感情をあおるかのように膨れる曲調、生憎私はこれに抗う統べを持ち合わせていなかったためあえなく陥落。

この作品他の人のレビュー見てみると19話以降の評価はあまりよろしくないんですよね。19話が最終回と言っている人も少なくないです。その気持ち分からなくはないどころか頷けもでき、19話が1番感動できたのも確かなんですが、私は原作知らないながらも勝手に解釈して観ていたので最終話も結構好きなんですよね。理解し難い部分もありますけどキーワードになる会話も多く散りばめられていましたので、光の玉、幻想世界、少女とロボットなどについてもなんとなく理解はできました。
ただ、原作をプレイしていればより楽しめたでしょうし、未プレイの解釈では予想の範囲を抜け出せないのも確かです。これ、序盤のサブヒロインをOVAとかにして、その空いた部分でもっと詳しく描いておけばよかったんじゃないですかね。

難点がある作品ではあるけど自分の中では名作であることに変わりはありません。所々泣けるという作品はよくありますが、全体にわたって泣けるというのは珍しいですね。
このブランドのキャラデザは相変わらずちょっとクセがありましたね。まあそれも3、4話見れば慣れますので大した問題ではなかったです。ちなみに、私が一番好きなのはヒロイン勢では一ノ瀬ことみ。全キャラ中では当然早苗さんです。
感動に繋がるストーリー、個性立つキャラクター、それらを彩る引き込まれるような美しい背景、作品全体を引き立てる音楽、魅力溢れるアニメ作品でした。



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posted by ハネ吉 at 18:51 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2016年11月13日

【紹介した作品の新刊発売情報】猫絵十兵衛〜御伽草紙〜 第17巻 他5作品

2016年11月14日〜11月20日発売予定の新刊。
このブログで紹介した作品や関連作品の新刊情報と、試し読みした作品の感想。



猫絵十兵衛〜御伽草紙〜 第17巻 2016年11月14日発売
鼠除け猫絵を描く絵師・十兵衛と人間語を解する不思議な力を持つ猫又・ニタの名コンビが織りなすにゃんとも粋な猫情話最新刊!今回も江戸文化は勿論、不思議な事件が目白押し!     (少年画報社より引用)


猫絵十兵衛〜御伽草紙〜の過去記事はこちら


干物妹! うまるちゃん 9 (ヤングジャンプコミックス)

干物妹!うまるちゃん 第9巻 2016年11月18日発売
容姿端麗!文武両道!誰もが羨む美妹(びもうと)には、ある秘密があった…。
妹に手厚いYJが新たな妹像の創出に挑む!新解釈・兄妹コメディ?
内弁慶の外美人!チグハグギャップな妹ライフ此処に開幕ッ!!!      (週刊ヤングジャンプ公式サイトより引用)


干物妹!うまるちゃんの過去記事はこちら


秋田妹! えびなちゃん 1 (ヤングジャンプコミックス)

秋田妹!えびなちゃん 第1巻 2016年11月18日発売
「干物妹!うまるちゃん」の大人気キャラ・海老名菜々ちゃんが主人公!!
方言あり、グルメあり、恋愛要素までありの海老名ちゃんスピンオフ!!
本編では、うまる達と八王子の荒矢田高校で過ごす、海老名ちゃん。
高校入学をきっかけに東京にやってくる前、秋田で暮らしていた日々も描かれる!?     (となりのヤングジャンプより引用)




ひゃくにちかん!! 2 (ヤングジャンプコミックス)

ひゃくにちかん!! 第2巻 2016年11月18日発売
低体温男子、ミーツ…??
お互いの両親が海外勤務につき、一緒に住むことになった秀人(しゅうと)とちほ。
慣れない共同生活、得体の知れない女の子。問題は山積み! でも3か月間のがまん…!?     (となりのヤングジャンプより引用)


ひゃくにちかん!!の過去記事はこちら


試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。


とりの、いそじさん。 第01巻
著者:鷲尾美枝
掲載:ポラリスCOMICS
2016年11月15日発売

「ワタクシの名は、五十里五十滋(いかりいそじ)」
オカメインコの“いそじ"さんは、本日も飼い主の八重おじょうさまといっしょ。忙しそうな八重さんの家事や仕事を「お手伝いしましょう」とはりきるいそじさん。褒めてもらえるとうれしい、羽づくろいしてもらえるとキモチイイ、大好きな八重おじょうさまと一緒にいられることが幸せ。少女マンガ家の八重さんと、ふわふわな体、凛々しい頭のはね、赤いほっぺをした肩に乗る小さないそじさんとのバディ、1人と1羽のゆったりとしたふわふわ幸せライフ。
オカメインコのいそじさんと、少女マンガ家の八重さんとのゆったりした日常を描いた話。ほんとにそれだけの漫画です。大きな事件も何もなく、淡々とインコと人との暮らしが語られてるだけです。
基本的にはインコであるいそじさんの語りで話は展開していきます。一応人語での語りにはなっていますが、八重さんと言葉が通じてるわけではありません。
可愛いすぎますね。八重さんの役に立とうと仕事の手伝いをしようとし、逆に原稿をダメにしてしまったのに一仕事終えたかのようなやり遂げた感。めんぼうの噛み心地がお気に入りのようで、「もっきゅ、もっきゅ」と嘴でつまんでいる姿の愛らしさに心を射抜かれました。あと、ホメられると少し調子に乗ってしまう性格。
役に立とうとする素振りは八重さんからはかまってアピールに見えてるんですね。結局遊んでもらう形になるという、そのあたりの噛み合ってない感じも微笑ましくて良かったです。
試し読みはCOMICポラリスさんのサイトで1話と他数話配信してます。


博多弁の女の子はかわいいと思いませんか?(1): チャンピオンREDコミックス

博多弁の女の子はかわいいと思いませんか? 第01巻
著者:新島秋一
掲載:チャンピオンREDコミックス
2016年11月18日発売

幼稚園の時に福岡から東京に引っ越してきた少年・東京(あずまみやこ)が通う高校に、幼い頃親しかった幼馴染の女の子・博多乃どん子が偶然転校してきた。京は久しぶりに再会したどん子に話しかけると、彼女もまた自分のことを覚えていてくれたのだが、話す言葉はバリバリの博多弁だった。他の人に対しては怖がられるかもと標準語で話すどん子は、信頼している京には安心して博多弁で話す。標準語で育ってきた京には理解できない言葉も多いが、久しぶりに話したことで改めて思うことがあった。方言ってかわいい、どん子は可愛いということを。
タイトルの通り、博多弁を話す女の子はかわいいでしょ?どうよ?どうなの?とでも訴えかけてくるかのような漫画。
確かに博多弁を話す女の子は良いですね。「ばり、好いとー」なんて言われたら、たとえ狙って方言使っていることを分かっていたとしてもドキッとしてしまうかもしれません。
どん子本人は博多弁抜きにしても十分すぎるほど可愛い女の子でした。その時々の感情のままに表情をコロコロ変え、明るく素直な性格をしていると思います。方言を控えていたのは最初だけでしたね。東京に対するイメージは壊滅的にひどかったりと、いろいろ盛大に勘違いしがちな面白い子でした。
素直なのはむしろ幼馴染の東京(あずまみやこ)かな。方言の可愛さ、どん子本人の可愛さに心射抜かれてる少年です。方言をもっと喋って欲しくてうずうずしていたかと思ったら直接頼み、あげく「好いとーとって」を懇願。気持ちは分からなくもないんですけどね。
もう1人、クラスメイトの下町子さんも可愛い。荒い言葉遣いと雰囲気から少し怖そうに見えるけど優しい子。態度大きめ背はちっちゃい。
方言で話す女子と周囲の人たちとの日常。可愛いどん子たちに悶え、クスっと笑えるキャラ同士のやり取りを楽しむ漫画。なかなか良かったです。
試し読みはチャンピオンクロスさんのサイトで1話とほか数話配信してます。

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2016年11月12日

漫画『おはようとかおやすみとか』1巻の感想とあらすじ

『おはようとかおやすみとか』1巻の感想。


おはようとかおやすみとか
著者:まちた
掲載:ゼノンコミックス
1巻発売日:2014年10月20日

長ら実家で父親と2人暮らしをしていたが、余生は放浪しながら絵を描くと言い残て父が旅立ったことで、古民家から離れて念願の新築マンションでの1人暮らしを始めていた男性・日向和平(27)。
ある日、仕事を終えて自分の城へ帰宅する途中で、自分が住んでいるマンションを探していた3姉妹と出会う。しかも、マンションまで案内した彼女たちが尋ねようとしていたのは他でもない和平自身。そのことに気づいた3姉妹は彼を「お兄ちゃん」と呼びながら抱きつき、更に和平の家に自分たちを置いて欲しいと願い出てきた。
君の妹だという衝撃の事実を父の手紙で知らされた和平は、行く場所を失った姉妹を仕方なくマンションに連れて行き、夢に見た1人暮らしのために手に入れたマンションで一緒に暮らすことになった。

念願の1人暮らしを新築マンションで満喫しようしていた男性の目の前に、突然腹違いの妹が3人現れて一緒に暮らすことになり、不満を抱きながらも妹たちと過ごす中で家族や愛情を知っていく・・・という話です。
謳い文句は、『「ただいま」から「いってきます」までの物語』。表紙から伝わってくる印象通りの温かい話でした。

一応血は繋がっていますが、この場合もいわゆる擬似家族ものになるのかな?3人の妹は和平の父親と内縁の妻との間に生まれていた子たちですが、和平本人には今の今まで一切知らされていなかったようです。
和平の父親は母親とは離婚、内縁の妻という関係も既に解消しており、決めるだけ決めて自分では責任を持たず姉妹の世話は息子に丸投げ。自由奔放というより自分勝手。
穂高たち3姉妹の母親に関してはもう親とは言えませんね。再婚するにあたり「子供がいると不都合」などという理由から子を捨て彼女たちから居場所を奪った人。

考えると腹立たしいので姉妹の母のことは横に置いておきましょう。前述にも書いたようにこれは家族の温かい話です。正確にはこれから家族になっていく段階ですね。
主人公の和平は建築関係の職に就いている27歳のサラリーマン。古民家から解放されて念願の1人暮らしを満喫しようとした矢先、突然3姉妹が転がり込んで来たことで夢は泡と消えました。このあたりは少し同情。
どんな事情があるにせよ、たとえ血の繋がっている妹だとしても、今までその存在も知らされていなかったわけですから、可哀想であっても彼にとっては迷惑でしかないんですよね。最初の頃の冷徹にも見える彼の態度は決してありえないことではないですし、自分に置き換えたら同じような反応を示してしまうと思います。

とはいえ、転がりこんできた妹たちは可愛い。こんな状況なのに明るく振舞い、和平のことも気遣う優しい子達でした。
家事が得意な妹たちを支えるしっかり者の長女・穂高、無邪気で人懐っこい天真爛漫な双子姉妹・千世(ちせ)と千苗(ちな)。

和平にとっては迷惑でしかない話。でもこの出来事は彼にとっても妹達にとっても良い巡り合いになりましたね。
妹達は住む家だけではなく頼るべき親も同時に失い、身の置き場所のない状況にいました。妹たちはお互いを心の拠り所にはしているものの、まだ幼い彼女たちにはその心を大きく包んでくれるものがないというのは不安でしかなかったと思います。
和平は嫌っていたはずの実家が綺麗さっぱりなくなっている光景を見て、場所ではなく『家』を失ったのだということを実感します。「住む場所はあるけど、帰る家はもうないんだ」というセリフは印象的。
最初はぎこちない関係、でも一緒に暮らしているうちに心境にも変化が現れてきます。妹達はわがままを言えるまでに心を開くことができましたし、騒がしくはあるけど家の中は明るくなりましたね。
和平は生活面でも心の面でも妹たちに頼られる存在。でも、誰かに甘えることや家庭の温かさを知らずに育ってきた和平にこそ、この生活は救いになっているんじゃないかと思えます。
和平にも妹たちにも『家』ができつつあり、お互いの心の中にも居場所ができようとしています。

おかえり、ただいま、おやすみ、おはよう、何気ない言葉、でもそこには温かさがあり、これこそが家族の証のように思えました。この言葉が当たり前になり、毎日繰り返していくことで、和平たちは家族になっていくんでしょうね。
帰る場所があることや、そこには迎えてくれる誰かがいてくれること、その大切さを思い起こさせてくれる作品でした。

おはようとかおやすみとか 1 (ゼノンコミックス)

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2016年11月11日

【スキップ・ビート!】マンガ 感想&あらすじ 芸能界へ足を踏み入れた少女の成長と恋を描いた物語

花とゆめ。2002年3号より連載中。既刊39巻
作者:仲村佳樹
他作品:東京クレイジーパラダイス



あらすじ・概要

中学卒業後すぐに幼馴染と一緒に上京し、高校に通うこともなく、年頃の女の子のようにお洒落を楽しむでもなく、バイトに明け暮れる日々を送っていた最上キョーコ。同居してる幼馴染のミュージシャン・不破尚を支えるため、健気に尽くして青春の全てを彼に捧げていた。

ある日、尚ちゃんに会うためテレビ局に潜り込んだキョーコは、彼の口からショッキングな話を聞かされ、奈落の底へ突き落とされれてしまう。
自分はただの家政婦として連れてこられたことを知ったキョーコは、尚に言い寄るもあっさり捨てられてしまい、健気で純朴だった少女の心は復讐で真っ黒に染まることに。

復讐の鬼と化したキョーコは芸能界入りを決意し、大手プロダクションLMEのオーディションに挑む。執念と根性で二次審査へ進出したキョーコだったが、お題とされた「愛する心と愛されたいと思う心」が理解できず、無念の落選。
しかし、秘めた才能を見抜いた社長によってキョーコは見い出され、欠けてる心を補う目的で発足された「ラブミー部」への所属が決まる。

かくして、ピンクつなぎから始まるキョーコの芸能生活の幕が今上がった。

主要登場人物

・最上キョーコ
主人公。LME芸能プロダクション所属のタレント。芸名「京子」。自分を都合よく使い捨てした不破尚への憎しみから芸能界入りしました。すっぴんは地味だけど化粧映えする顔立ち。純粋で決めたことには一生懸命取り組み、彼女の努力と根性には狂気を感じるほど凄まじい。女優としての才能を発揮し、演技の楽しさに目覚めていきます。妖精を本気で信じ、プリンセスに憧れを持つメルヘン思考の持ち主。

・敦賀蓮
LME芸能プロダクション俳優部所属。端正な顔立ち、恵まれたスタイル、優れた演技力を持つ芸能界一の人気俳優。当初は復讐という理由で芸能界に入ってきたキョーコに冷たく接していたが、彼女の真剣な姿勢に惹かれ、少しずつ認めていくようになります。仕事を愛し、プロ意識は高いが、食に関しては絶望的に無頓着。実は幼い頃のキョーコと面識あり。

・不破尚
アカトキエージェンシー所属のビジュアル系歌手。本名「不破松太郎」。実家は京都の老舗旅館。容姿端麗、音楽センス抜群、派手好きのナルシスト。キョーコとは幼馴染の間柄であり、家出同然に上京する際家政婦として彼女を連れ出しました。芸能人としてもキョーコのことに対しても、敦賀蓮をライバル視しています。

・琴南奏江
LME芸能プロダクション所属の女優。あだ名「モー子さん」。キョーコと同じオーディションを受けた女優志望の少女。黒髪ロングヘアーが特徴的なクールな大人びた美しい容姿。キョーコ同様愛の欠落を見抜かれ「ラブミー部員2号」へ。本人は否定しているが、キョーコの親友。

・ローリィ宝田
LMEプロダクション社長。常にハイテンションに振る舞い、派手なコスプレ衣装を着飾ることも多い騒がしい人。一見ふざけてるだけの人物にも見えるが、勘は鋭く、人を良く見ているため、キョーコとモー子さんの才能や蓮の弱点にも逸早く気づくなど、人の本質を見抜く確かな眼を持っています。



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感想

上京した幼馴染のミュージシャンを支えるため献身的に尽くすも、酷い裏切りを受けた健気な少女。復讐のために足を踏み入れた芸能界で様々な人や仕事と出会った彼女の、演技の魅力に目覚めて女優として奮闘しながら成長していく姿と、少女の恋模様を描いた物語。
芸能界へ飛び込んだ少女の華麗なるSHOW-BIZチャレンジ漫画。2002年から連載開始され、今現在も続いている長期連載ということもあり、刊行数はかなりのボリューム。2008年には全25話でアニメ化にもなった作品です。確か台湾で実写ドラマ化もされていましたね。

男女間での裏切り・復讐とありますが、決してドロドロした人間関係を描いたシリアス重視の物語ではありませんのでご安心を。
芸能や演技を題材にした作品と言えば『ガラスの仮面』が代表的ですが、本作はあの作品よりもキャラクターや日常パートをコミカルに描いている内容です。少女マンガですので当然恋愛もあり、登場人物それぞれの過去や人間関係からくる葛藤・トラウマを描いたシリアスな展開もあり、演技に情熱を燃やして立ち塞がる壁を根性と熱血で乗り越えるスポ根的な面白さもありました。

この作品1番の魅力はなんといっても主人公・最上キョーコというキャラクターにあると思います。
天使と悪魔が共存する女です。物語冒頭で登場したときのキョーコは好きな子のために一生懸命がんばる地味だけど健気な少女だったんですが、自分が裏切られていたことを知った彼女は涙し落ち込む・・・・なんてことにはならず、「おーほっほっほ」と不気味な笑いと憎しみの炎を燃やす復讐の鬼へと変貌を遂げました。
この時キョーコのパンドラの箱(?)が開かれ、この先多くの被害者を出すことになる「怨霊キョーコ」が解き放たれてしまいます。怒りや憎しみが湧きあがると出現する怨霊です。(「怨霊キョーコ」効果:金縛り、時々物理攻撃。ある人物を除いてほぼ無敵な存在。)
復讐心から入った芸能界での仕事ぶりはいたって真面目。元来の粘り強さと集中力の高さ、そして素直な性格もあり、どんな困難にぶちあたっても努力と根性と狂気じみた執念で乗り越え、その姿を見た共演者やスタッフからの印象・評価も高い。たまに恐れ戦く人もいますけどね。
最高なのが彼女の変身っぷりです。黒髪から茶髪に染めてからも地味な印象は拭えずにいたんですが、女優業でメイクさんに化粧してもらい、演じる役の衣装に着替えた彼女は「あなた誰?」と言いたくなるほどの変身を遂げます。もはや別人。CMで天使を演じた時の彼女の息を呑む美しさ、あれは忘れられませんね。
怨念放ちまくってるくせに、17歳になった今でも妖精の存在を本気で信じてるメルヘン思考も爆発させてます。

個人的には芸能界での仕事の話が特に好きです。1つの題材としてさわり程度に芸能や演技についての描写があるわけではなく、メインと言っても差し支えないほどがっつり描かれてます。『ガラスの仮面』ほどではないにしろ、それに近しいものはあるんじゃないでしょうか。
キョーコが役者モードに入り、役柄のスイッチが入ったときの演技は鳥肌もの。天才的な演技者としての才能を花開かせていく様は気持ちよく、熱くさせられ、次はなにをやるのかというワクワク感もありましたね。
ドラマやバラエティでキョーコが共演する役者やアイドルも多く登場し、ライバル心を燃やしてる人や、彼女の仕事ぶりに惹かれていく人、彼女の演技に飲まれてしまう人など、様々な展開があり面白いです。

登場人物たちの成長や心の葛藤について重点を置いているためか、恋愛面での展開は少しゆっくりめです。キョーコの恋愛不信やその方面に対しての鈍感さも原因になっていると思われます。
恋愛面ではキョーコ、蓮、尚の三角関係をメインに展開していき、なかなか進まずモヤモヤすることもあるんですが、ゆっくりなゆえか、ささいなやりとりや少しの変化や進展からでもドキッとさせられる甘酸っぱさがありますね。終始イチャイチャしている甘すぎる恋愛漫画が苦手な人にはこのぐらいが調度いいかもしれません。

蓮と尚、どちらとくっつくことになるのかも今後の大きな見所ですね。
今のところ蓮の方が先を走ってる感じでしょうか。同じプロダクションに所属していることからも、キョーコにとって仕事面での大きな支えになっており、さらに蓮の過去を知ったことで距離をどんどん縮めてるように見えます。ちなみに、彼は怨霊キョーコを浄化してしまう唯一の人です。私的にはこの人とくっついてほしいなと思っています。
尚に関しては、なくしてから大切さに気づくというあれですね。物心つく頃から一緒にいたせいもあるんでしょうけど、一度傍から消えたことで、さらに他の男(蓮)と一緒にいるところを度々目撃したこと、仕事場での今まで見たことのない彼女の姿を目にしたことで異性として意識していくことになります。自覚してからは結構面倒くさい人になってる気がするんですけど、蓮にはない無謀さや真っ直ぐな正直さもあり、長く一緒にいたからこそちょっとした変化にも気づくなど、まだまだどうなるかは分かりませんね。

少女漫画の中では特に好きな作品の1つになってます。魅力溢れるキョーコを見てると元気を貰えるので何度も読み返してしまいますね。
キョーコや蓮、尚以外にも個性的で面白いキャラクターが揃っているのも魅力の1つです。特にプロダクションの社長・ローリィ宝田のインパクトの強さはメインを喰う勢いと濃さがあります。
キョーコが女優として今後どんな役を演じ、どう成長していくのか、そして彼女に想いを寄せる2人の男性との結末はどこへ着地することになるのか、とても気になります。
少女漫画ではありますけど、男女問わず楽しめる内容と展開をみせてくれるので、よければ読んでみてください。自信を持って強くおすすめさせていただきます。


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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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