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2016年11月25日

【3月のライオン】マンガ 感想&あらすじ 孤独の中にいた少年が人との繋がりによって成長していく物語。

ヤングアニマル。2007年14号より連載中。既刊12巻
作者:羽海野チカ
他作品:ハチミツとクローバー



あらすじ・概要

まだ高校生の身でありながら、プロ将棋の世界へ足を踏み込み、日々猛者たちとの真剣勝負に身を投じる若き棋士・桐山零。幼い頃に交通事故で家族を亡くし、父の友人であったプロ棋士の幸田に内弟子という形で引き取られる。これ以上迷惑を掛けまいと、早く自立するために一層将棋へ没頭し、弱冠15歳という若さでプロ棋士としての人生を歩み始めた。
幸田家を出て六月町で1人暮らしを始めた零。少し遅れて高校にも通い出したが、クラスメイトとは馴染めず孤独な時間を過ごし、心に負った傷も未だ癒えることなく零を苦しめていた。
ある日、無理に飲まされたことで酔い潰れていた零は、その店で働いていた1人女性に介抱される。翌朝、目を覚ました零の前に現れたのは、あかり・ひなた・モモの川本家3姉妹。
この出会いをきっかけに、零は三月町に住む川本家との交流を始めたことで、大切なモノを失った彼の孤独な心にも変化が起こることに。

主要登場人物

・桐山 零
主人公。高校1年生の17歳(開始時)。史上5人目の中学生棋士。黒縁眼鏡をかけた細身の体形の少年。小学生の時に交通事故で両親と幼い妹を失ってからは孤独の身となり、内弟子として引き取られた幸田家でも軋轢を生み、心を閉ざしていきました。その後1人暮らしを始め、山本家やプロ棋士仲間と交流を重ねる内、彼の心にも変化が表れ出します。棋士としては将来の名人候補と呼ばれ、棋風はオールラウンダー。

・川本あかり
川本家長女。20代女性。美人でスタイルがよく、温和な性格をした面倒見の良過ぎる女性。両親のいない川本家で母親代わりとなって妹たちの世話をし、家事をこなしています。昼は祖父の営む和菓子屋『三日月堂』を手伝い、夜は伯母が経営する店でホステスとして働き家計を支えています。ガリガリに痩せた人や動物を見つけると放っておけず、連れ帰ってふっくらさせたがる人です。

・川本ひなた
川本家次女。中学2年生(開始時)、その後3年生を経て零が通う駒橋高校へ進学。いつも明るい表情豊かな女の子。姉と共に家の家事、和菓子屋の手伝いをするしっかり者。姉妹の前では気丈に振舞っているが、本当は母親のいない生活を寂しく思っています。いじめられていた友達を庇ったことで、今度はひなた自身が標的にされることになるが、自分は間違ってないという姿勢を示し、そのことが零を救うきっかけにもなります。

・川本モモ
川本家三女。保育園児。純真無垢な甘えん坊。零のことを兄だと思っていたようです。二海堂が作中に出てくるアニメキャラクター「ポドロ」に似ていたことから彼に懐いています。

・川本 相米二
川本家の祖父。和菓子屋『三日月堂』を営む和菓子職人。孫娘たちのことを何よりも愛しており、特に末のモモに対しては甘々のデレデレ。若い身でありながらプロの世界で戦う零のことを認め、信頼しています。自身も将棋ファンであり、零の対局はよくチェックしているようです。

・二海堂晴信
プロ棋士、五段。幼い頃に零と対局したことをきっかけに、「終生のライバル」「心友」を自称しています。熱い心、根性と我慢強さの持ち主。ぷっくりふくよかな体形は、腎疾患を患っていることが原因。実家は裕福な家庭であり、常に執事の花岡が傍に控えています。



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感想

若くして将棋のプロ棋士となった孤独を抱えた高校生と、彼が出会った明るく優しい3人姉妹を中心に、様々な事情を抱えた人たちが、どこかに置いてきたもの、奪われたもの、失くしたものを、人とのふれ合いを通して取り戻していく物語。
『ハチミツとクローバー』の著者・羽海野チカ先生の作品。2016年にはアニメ化され、2017年には神木隆之介さん主演の実写映画も上映されます。
さらに、本編登場人物、日本将棋連盟会長・神宮寺崇徳の若き日を描いたスピンオフ作品『3月のライオン昭和異聞 灼熱の時代』も連載中。

作品のジャンルは、家族、恋愛、将棋をテーマにした人間ドラマといったところでしょうか。零と川本3姉妹を中心にした擬似家族的なふれ合いや、彼らと関わる学校関係者やプロ棋士の人達との、人間ドラマが描かれています。零たちが出会うサブキャラを中心に描かれるエピソードもそれなりにあります。
この作品は将棋漫画でもありますけど、その辺りに難しいことは特になく、知識はなくても全く問題ありませんのでご安心を。あればあったで楽しめる要素が増えることも確かですが、将棋が分からないから話の展開まで分からなくなるなんてことはありません。
ちなみに、棋戦のタイトル名はいろいろな方面に配慮して、「名人」以外は架空の名称を用いています。

作品の主な舞台になるのは、東京の下町風情溢れる『三月町』と『六月町』。これらは主に零と川本3姉妹の日常風景が描かれている舞台です。
あと、零の主戦場となる将棋会館。内装なんかは実在する将棋会館を取材した上で再現して描いているそうです。

ハートフルな作品ではありますが、零の生い立ちや境遇のみならず、川本家の抱える家庭問題や学校での出来事など、切なくて重苦しくもあるシリアスな話が多くあります。そのため、人の優しさや温もりが一層際立つ効果を生み、問題を乗り越えた後は心がほっこりした心地良い気分にさせてもらえます。
物語の軸となっているのは、桐山零を中心にした様々な登場人物たちと織り成す人間ドラマ。そして、孤独にもがいて生きていた彼が周囲の人たちの助けや励み、包み込む優しさにふれることによって、生じる心の変化と成長です。

主人公は両親と妹を幼い頃に亡くし、本来頼れるはずの親族は跡目のことばかりで零を気にかけることもなく、小学生でありながら天涯孤独の身となってしまった少年。プロ棋士の内弟子として引き取られた先でも、幸田家の子供たちよりも将棋が強くなったことで軋轢を生み、逃げるように将棋へ没頭することでさらに孤独となっていきまいした。巣に紛れ込み他の雛を蹴落として成長していくカッコウと自分を重ね、この家を壊してしまう前に出ていこうと決意し、努力の末に中学生という若さでプロへの道に進みました。皮肉にもこの辛い境遇が彼に生きる術を持たせることになったんですね。

プロになり1人暮らしを始め、1年遅れで高校にも通い始めましたが、関わる人が増えても彼の心の孤独は和らぐことはありませんでした。そんな時に零の前に現れたのが、あかり、ひなた、モモの川本3姉妹。
賑やかで温かい食卓を囲み、家族のように迎えてもらえ、辛そうにしているときは優しく包み込んでくれる優しい姉妹たちです、助けられているだけではなく、時には頼られることもあり、この出会いが零の心に変化をもたらす大きなきっかけになります。次第に3姉妹のみならず、棋士仲間や学校の先生など、深く人と関わりを持てるにまで零の心は変化し、救われていきました。

そして、川本家に起こったある事件が零の転換期にもなります。この作品、印象の悪い人物はいてもどこか同情する余地があり、完全な悪者という存在はいませんでした。そこに、腐ってる口から生まれてきたかのような、性根の腐りきった人物が3姉妹の前に現れます。本当なら姉妹にとってかけがえのない存在なんですが、彼女たちを永く苦しめてきた人物であり、そして今現在の幸せな家庭を壊しにやってきやがった男。
しかし、そんな時にどこか頼りなく見えていた桐山零が力強く毅然と立ち塞がったんですね。どちらかというと支えられる側にいた零が、彼女たちの土台に、壁に、家となって守る存在になったエピソードでした。支えられるだけだった零から、支え合える存在になった零の、成長・変化した姿はぜひ見てもらいたいです。

登場人物の心理描写を丁寧に表現しているので、彼等へ感情移入しやすいと思います。人の持つ良い面だけではなく、悩みやトラウマなど陰鬱とした負の感情もうまく描き出せており、登場人物たちの抱えている想いに共感しながら読むことができます。当たり前の事ではありますが、良いところもあれば悪いところもあるのが人なんですよね(一部例外あり)。

人と人との繋がりの大切さを改めて教えてもらえる作品。1人で生きていくことも全てを1人で背負うことも困難。だからこそ、誰かに頼ることも時には必要であり、それによって人の繋がりは深まり、全てがそうとは言いませんけど幸福を生むきっかけにもなるんだと、この作品を読んで思わされました。
クセの強すぎるプロ棋士などの愉快なキャラ、日常描写で食卓に並べられる美味しそうなあかりさんの料理、それぞれのキャラに焦点をあてたエピソード、静かに激しく繰り広げられる将棋戦など、見所は多分に用意されている作品。その中でも私が強く押させてもらいたいのは、ありきたりですけど主人公・桐山零の成長と変化です。
全体的な雰囲気は華やかで明るいとは言えませんが、読み進めると心地良い温もりを感じられ、心に明かりが灯る作品だと思います。
シリアスの中にも良い塩梅でコメディ色を加えていたりと、意外と読みやすい作品ですので、よければ読んでみてください。自信を持って強くおすすめさせていただきます。



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2016年11月24日

漫画『アヴァルト』1巻の感想とあらすじ

『アヴァルト』1巻の感想。


アヴァルト
著者:光永 康則
掲載:シリウスKC
1巻発売日:2016年5月9日

この世界は、既に発狂している・・・。
異形の化け物が地上を徘徊している荒廃した世界。ひとたび奴らの襲撃を受ければ人間は成す術なく蹂躙され、家も街も破壊し、多くの命を奪っていく。
救いを求めた人々の前に降臨したのは謎の白き巨人<アヴァルト>。圧倒的な力によって化け物を駆逐していく存在に対し、人々は神と崇めて疑うことなくその者たちに盲従していた。神と同じ銀の髪というだけで母を殺された少年・タギは、同じ理由で神の無慈悲な審判を受けようとしていたが・・・。
この世界の遥か上空、雲を抜け、星さえも見下ろす位置に存在する施設で、一人の人間が長き眠りから目覚めた。その男の名前はロイド。眠っていた間に変わり果てていた世界の状況を確かめるため、アバターを介してその地に降り立ち、危機に陥っていた少年を背にしてアヴァルトの前に立ち塞がる。

長い冷凍睡眠から目覚めた男、母を神に殺され復讐を誓う少年、神から追放され人間サイズになった女神、彼らのアヴァルトたちとの戦いと世界の謎を解き明かす旅を描いた物語。
『怪物王女』『南Q阿伝』の著者・光永康則さんの新作。SF+ダークファンタジー作品。予想の斜め上を行く衝撃の展開ばかりのため、続きが気になって仕方ない面白さがあります。

物語は荒野を彷徨う少年・タギとその母親の2人、そして目の前に現れた「スパゲッティ」と呼ばれる怪物との遭遇から始まります。
「スパゲッティ」という異形の生物はその名の通り、グルグルに巻いたスパゲティの麺に複数の目をつけた姿をしている奇妙な怪物。名称も見た目もふざけてるようにしか思われないかもしれませんが、屈強な戦士もあっさりと惨殺してしまう凶悪な性質を持つ怪物です。
その場は熟練の戦士が助けに入ったことで何とか切り抜けられたものの、タギたちが目指していた街は大量に押し寄せた「スパゲッティ」によって壊滅の危機。そして、人々が恐怖し逃げ惑う中、タイミングを見計らったかのように降臨なされたのが、神と崇められている<アヴァルト>という謎の存在です。
いともたやすく怪物を殲滅したアヴァルトによって救われたかと思いきや、母の被っていたフードがはだけたことで神と同じ銀髪をさらけ出してしまい、人間と同じことに気分を害したアヴァルトの無慈悲な一振りによって斬り殺されてしまいました。「あ、このお母さん可愛いなぁ」と思った次の瞬間に両断されてしまったため、その描写にはちょっとだけショックを受けてしまいましたね。

さらにタギの身にも同様の危機が及び、その状況を端で見つめる謎のカエル男が出てきたところで、まさかの急展開。
「ん?え?は?」と前のページを何度かめくり返してしまいましたね。詳しい展開は伏せさせてもらいますが、最初はダークファンタジーの世界観を味わっていたと思いきや、別作品にでも変わったかのようにSFへと変貌を遂げます。

主要となるキャラはロイド(ネッド)、タギ、シノアの3人。
ロイドは1万年の長い眠りから目覚めた人間の男。魔法で封印されていた存在が長き眠りから解き放たれたといったファンタジー設定ではなく、科学の力によって眠っていた人です。経緯を書くと上述で伏せた意味がないので書きませんが、表紙の中央で剣を掲げて跳ねているカエルさん、それがロイドです。見た目はカエルなんですけどとにかくかっこいい。
タギは母の病を治すために親子で旅をしてきた少年。その母を理不尽過ぎる理由によってアヴァルトのマーシュに殺され、「オレは、母さんの仇を討ちたい!」と復讐を誓いロイド等と旅をすることを決めました。
シノアはマーシュと共に現れたアヴァルトの女神です。マーシュに異を唱えたことで神から追放され、人間サイズの女性に落とされてしまいました。剥奪されたにも関わらず神の力を使おうとして「・・・」と何も起こらず立ち尽くすなど、ちょっとかわいいところもある美女。とりあえず一行は、シノアさんの案内で気になる場所へと旅立ちます。

相変わらずこの著者先生が描く人間の動作は違和感ある作画をしていましたが、ストーリー作りに関しては脱帽。最初はありがちなストーリー、ありがちな設定、それでも面白ければ問題ないと読み進めてみれば、予想を裏切る展開の連続でした。
世界設定もさることながら、メインになりそうだったキャラがあっさりと殺されてしまうこともあり、主人公のはずのロイドもなんか危険な状態。人が結構簡単に殺されていくので、そういった作品が苦手な人は避けた方がいいかもしれません。
1巻時点では始まったばかりなのでまだ謎だらけ、さらにラストも急展開を見せ、続きが非常に気になっています。現状はインパクトの強さと、謎だらけな設定に興味を引かれている段階のため、面白いかどうかは何とも言えませんが、続きを読まずにはいられないことは確かです。


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2016年11月23日

【東京自転車少女。】マンガ 感想&あらすじ 女の子たちが練馬の街中をのんびりポタリングする作品

コミック アース・スター。2011年3月から2016年2月まで連載。全11巻
作者:わだぺん。
他作品:℃りけい。



あらすじ・概要

東京の匂い、色、忙しなく進む時間、窮屈なこの街の全てを嫌い、少しでも遠くへ行きたいという理由からロードバイクに乗る少女、加藤さん。高校からは寮生活を始め、準備がてら周囲を自転車で散策した帰り道、大きな風呂敷を背負いふらふら歩いている少女・島野いるかと出会う。東京に強い憧れを抱いて離島から上京してきた彼女は、見るもの全てに目を輝かせ、加藤さんとは違う反応をこの街に示す。その場を後にした加藤さんだったが、寮の部屋に向かうと、そこにはルームメイトになった先ほど出会い別れた少女がいた。
ひょんなことから2人は東京を自転車でぷらぷらすだけの部「自転車天使部」へ入部し、2人の先輩たちと一緒にまだ見ぬステキを探しに自転車を走らせる。

主要登場人物

・島野いるか
主人公。立豊珠高校に通う1年生。ポニーテールでまとめた髪と小柄な体型が特徴。天真爛漫で明るく、いつもハイテンションな元気娘。語尾に「〜でしょ」を付ける口癖をしています。オシャレな東京ガールに憧れ、生まれ育った離島を離れ上京。愛車はママチャリの「ワカマツ号」。ところどころを改造してオシャチャリ化させ乗っています。加藤さんのことが大好き。

・加藤さん
豊珠高校に通う1年生。いるかのルームメイトであり、彼女の憧れの対象。黒髪ロングストレートのクールな絶世の美少女。加藤さんを見た練馬のお年寄りたちは、彼女のことを「照姫」と呼びます。校内でも「豊高の照姫」というあだ名をつけられます。愛車のロードバイクを大切にしており、当初は誰にも触らせようとしませんでした。

・川越彩果
豊珠高校に通う2年生。ショートカットの髪形をした、粋でいなせな江戸っ子娘。行きつけの自転車店「サイクルショップ源」や、商店街にあるいくつもの店にツケを貯め込んでいます。愛車は改造されたミニベロ。

・松竹梅雪見
豊珠高校に通う3年生。自転車天使部部長。ウェーブのかかった薄い茶髪にヘアバンドをした少女。実家は古くから続く和菓子屋を営んでいます。いつも微笑みをたたえる穏やかな性格をしていますが、洞察力は鋭い。溢れる母性の持ち主でもあり、いるかは小動物と化し甘えています。頼れる存在ではありますが、極度の方向音痴。愛車はクロスバイク

・上様
自転車天使部の部費を出資してくれる謎の人物。部費を出す代わりに、練馬区にある史跡の調査を指令。指令は動物に持たせたり、目のつく場所に設置したり、矢文を際どい場所に射るなどの方法で出されます。作中で姿を見せることはなかったため、素顔は不明。




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感想

東京に憧れを抱く田舎育ちの少女と生まれ育った東京を嫌う少女が、高校の自転車天使部へ入部し、そこで出会った2人の先輩と一緒に東京の様々な場所を楽しんで探索する話。
東京(練馬)+自転車+少女を題材とした自転車漫画です。少女たちが練馬の街を自転車でツーリングする部活モノ。溢れる自転車への愛、東京への愛を、少女たちの姿から強く感じられる作品でした。

ロードレースに挑む熱きスポ魂漫画『弱虫ペダル』、ロングライドを楽しむ少女たちの姿を描いた『ろんぐらいだぁす!』、他にも『のりりん』や『かもめチャンス』など、自転車漫画といってももその種類・特徴は様々にありますね。今回紹介させてもらう『東京自転車少女』は、レースとは関係ない『ポタリング』を題材にした作品です。
ポタリングを簡単に一言で言ってしまうと、自転車でぶらぶらすることです。「Potter(ぶらつく)」の語源のまま、目的地を定めるも定めないも自由に、のんびりと気楽にサイクリングを楽しむ。ポタリングという言葉を意識していないだけで、結構多くの人が普通にやってることですね。使用される自転車もママチャリからロードバイクまで様々。

自転車漫画の中ではあまり見かけない珍しさある作品。ポタリングを題材として扱っているということだけでも言えることですね。
まったくの素人がひょんなことから興味を持った世界の魅力に惹かれ、ハマっていくというポイントはお馴染みな展開。ただ、エピソードごとの目的はあるものの、物語全体を通しての明確な目標・夢というものはなく、街中をぶらぶらしてその過程で様々な物事を発見するという、ほのぼの日常系のような雰囲気ある作品です。あえて物語の目標や目的を定めるなら「楽しむ」ですね。

さらに、物語の舞台を東京都練馬区に限定しているというのも特徴の1つ。舞台を1つの場所に限定しているため結構掘り下げも深いです。
私は東京に住んでいるわけではないので確かなことは分かりませんが、東京の中では都会の喧騒から外れた静かな田舎らしさある場所という印象。作品読む前に持ってた練馬の印象・知識といったらこんな程度でしたね。他にあるといったら畑が多いぐらいです。
ぽたぽたリングで練馬にある実在する史跡や神社などを巡ることがメイン。巡る場所の認知度はおそらくそれほど高くなく、ひっそりとしすぎて気づくことすら困難な場所もちらほらありました。知らなかった場所、気づかなかった事、それに気づかせてくれる面白さといのはこういった作品の醍醐味と言えると思います。

そしてなんといってもキャラクターの可愛らしさ、これに尽きます。ノリなんかは『けいおん』ぽいかな。生い立ち異なる2人の主人公を軸に話が進んでいくので感情移入しやすいのも良いです。
天真爛漫な天然少女、島野いるか。オシャレな東京ガールに憧れを持つ地方の田舎で生まれ育った少女であるため、見るもの聞くもの全てに新鮮な反応を示し、素直で子供っぽい性格から体全体で感動を表現するので見ていて楽しい。作者さんは地方から練馬に上京してアニメーターになったという経歴をしているので、性格はともあれいるかの視点は作者さん自身にあるのかもしれませんね。
もう1人は東京で生まれ育った少女、加藤さん。東京を嫌い、東京の悪い部分しか目に入っていなかった彼女が、純粋に感動するいるかに手を引かれ、視線を変えることで見慣れていたはずの街の中に新たな色を発見していきます。最初はツンツンしていたクールな彼女が物語を通してどんどん変わっていく様、いるかに懐かれて照れるている表情、可愛すぎますね。
地方や田舎にいる人ならいるかに、東京・都会で生まれ育った人なら加藤さんに、異なる2つの視点によって感情移入して読むことができ、片方の新鮮な反応を楽しみながら読むこともできますね。

白熱したレースを展開する自転車漫画も面白いですけど、こういったのんびりと自転車を走らせ、その中でいろいろな物事を発見しながら楽しむほのぼの自転車漫画も良いですね。
可愛い絵で描かれた少女たちは個性豊かで魅力に溢れ、分かりやすいストーリーはテンポよく進み読みやすく、のんびりしながら読むには最適な漫画だと思います。
ロードレースとは違い身近にある楽しみ方でもあるので、ちょっと自転車に乗って出かけてみれば、彼女たちの感じた感動を味わえるかもしれません。よければ読んでみてください。



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posted by ハネ吉 at 18:25 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日常

2016年11月22日

漫画『星野、目をつぶって。』1巻の感想とあらすじ

『星野、目をつぶって。』1巻の感想。


星野、目をつぶって。
著者:永椎 晃平
掲載:コミックZERO-SUM
1巻発売日:2016年7月15日

根暗で冴えない美術部員の小早川は、休み時間になると寝たフリをするなど、周囲とはなるべく関わらないように過ごす日陰者。そのため、クラスメイトにすら名前を憶えてもらえず、リア充に対しては口悪く悪態をつくばかり。さらに、ギャル系クラスメイトの星野海咲に辛辣な言葉を投げかけられると、怒りを爆発させながら一心不乱に「ムカつく奴の似顔絵」を描くというストレス解消法を実行する小早川だった。
ある日の夕暮れ時、小早川は水で化粧が落ちてしまった星野の素顔を目撃したことで、彼女の誰にも知られたくない秘密を知ることになる。その出来事がきっかけとなり、なぜかメイクが苦手な星野さんの化粧を小早川が担うことになり、彼女の秘密を守るための奮闘が始まった。

ギャルメイクを落とすと素朴な素顔になってしまうクラスメートの秘密を知ってしまった少年が、不器用な彼女に代わってメイクをすることになり、秘密を守るために奮闘する中で少しずつ距離を縮めていく話。
化粧を軸としたラブコメ漫画です。絵が得意な少年が化粧下手な少女のメイクを担当するという特殊な設定でありながら、話の流れ自体は王道でベタなラブコメ。試し読みの1話が面白かったので1巻読んでみました。

タイトルと冒頭での「星野、目をつぶって」というセリフから、甘酸っぱい光景を想像してましたが、メイクをするから目を瞑ってという意味だったんですね。見事に騙されてしまったわけですが、最初に想像した展開も将来的には十分ありえるのではないかと思っております。

星野さんはメイク有り無しでの振り幅が非常に大きく、顔だけ比べると同一人物には見えない全く別人のような容貌になってしまいます。メイク有りではイケイケのギャル風女子、メイク無しでは素朴な親しみやすい女の子。本人はすっぴんを嫌がりますけど、どちらも可愛いことに変わりはなく、それぞれ違った魅力があるので、これは好みの問題でしょうね。むしろ、このギャップにハートを鷲掴みされそうです。
なぜ星野さんが小早川にメイクをしてもらうことになったのかというと、これまでは年の離れた幼馴染のお姉さん・弓削先生が彼女のメイクを毎日やってくれていたんですが、多忙になったことで誰かの化粧にまで手が回らなくなったため、星野さんの秘密を知る人物であり、尚且つ器用な小早川に白羽の矢が刺さったというのが経緯です。
「そもそも自分でやりなよ。」と思われるかもしれませんが、彼女のメイク技術はちょっと苦手とかいうレベルではなく、練習を重ねても壊滅的な不器用は改善されず、その出来栄えは見る者に叫びたくなるほどの恐怖を与える酷さ。完全にホラーでしたね・・・。

小早川はリア充グループにいる星野とは正反対。人と馴れ合うことはせず、クラスメートの呼びかけにも寝たふりでスルーするなど、同類のスラスメイト以外とは言葉を交わすことさえしない根暗キャラ。秘密を知ったとは言え本来なら星野さんは最も苦手としているタイプではありますが、彼女の必死な思いと覚悟を聞いたことでメイク担当を承諾しました。
手先が器用で絵は非常に上手いものの、小早川自身にメイクの経験もスキルもなく、当然ながら失敗ばかり。ですが、最初はあれほど嫌がっていたにも関わらず、律儀にも自宅でメイクの練習を積んでいるようです。この辺りはさすが主人公というべきか、話しが進むにつれ好感度を増してきますね。

作品の全体的な雰囲気は明るめですが、星野さんのメイクなしで友人と接することへの不安や、今後メインキャラになっていくと思われる松方さんのいじめ問題など、結構重いシリアスな話も含まれています。
特に面白いのは星野さんと小早川のやりとりですね。なかなか上手くできない小早川のヘンテコなメイク、それにつっこむ星野さん。単純なやりとりだけど笑えました。
星野さんの正義感溢れる行動、メイク顔と素顔を使い分けてピンチを乗り越える展開も面白いです。メイクを落とせば友人にすらバレないという特性を生かし、松方さんをいじめグループから助けに行ったり、自分のピンチを素顔でごますなど、彼女の起こす行動一つ一つが魅力的で面白い。1度素顔になってしまうと元に戻せなくなり、さらに困った状況に陥ってしまうところも笑えました。今後、小早川のメイク技術が上達したらさらに面白くなりそうですね。

キャラ同士の掛け合いは面白く、テンポよく進む話は読みやすいです。絵も綺麗で見やすい。小早川の特殊なヘンテlコメイクには笑わせてもらえ、星野さんの見た目と性格のギャップは可愛いかったですね。
ありのままの女性の方が素敵だと思っていましたが、大変でしょうけど時間をかけて施したメイクや着飾った格好からは勇気や自信も感じられ、素顔とは違った魅力があるのだと改めて教えてもらえました。


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2016年11月21日

【LAST EXILE】アニメ 感想&あらすじ 壮大な世界観と飛行艇の魅力溢れるSFファンタジー作品


LAST EXILE(ラストエグザイル)
2003年4月からテレビ東京ほかにて放送
監督:千明孝一
原作:GONZO
脚本:千明孝一、冨岡淳広ほか
クラウス・ヴァルカの声:浅野まゆみ
ラヴィ・ヘッドの声:斎藤千和

あらすじ・概要

環境悪化により人類の地球での生存が困難になったため建造された人口惑星「プレステール」。プレステールに存在する2大国の一つ「アナトレー」の辺境に暮らすクラウスとラヴィは、パイロットとナビだった2人の父が残した小型飛行艇ヴァンシップに乗り、空の運び屋を営みながら父達が果たせなかったグランドストリームを越えることを夢見ていた。
ある日、2人はヴァンシップレース・ノルキア杯に参加してる途中、アルと呼ばれる謎の少女と出会い、傷を負ったヴァンシップ乗りから彼女を空中戦艦シルヴァーナに送り届ける任務を頼まれる。クラウスはラヴィの反対を押し切り任務を引き継ついだことで、2人はこの世界に関わる戦いに巻き込まれていく。

主要登場人物

・クラウス・ヴァルカ
主人公。15歳。父の残したヴァンシップでパイロットとして空の配達人を営む少年。一見頼りなく見えるが、大人にも負けない卓越した操舵技術の持ち主。のんびりで朝に弱く、ラヴィからはねぼすけとよく言われています。ラヴィとクラウスの父達が果たせなかったグランドストリームを越えるという夢を持つ。意外と頑固。

・ラヴィ・ヘッド
クラウスの幼馴染の少女。15歳。ヴァンシップのナビ・メンテを担当し、クラウスと一緒に空の配達人の仕事をしています。元気で明るく、のんびりなクラウスを引っ張り、彼の身の回りの世話までこなすしっかり者。情に厚く頑固なクラウスに振り回されることもよくある少女です。クラウスと同じ夢を持つ。

・アルヴィス・E・ハミルトン
ギルド四大家系の一つ、ハミルトン家の娘。11歳。愛称「アル」。クラウスたちがシルヴァーナに送り届けることになった少女です。彼女自身がエグザイルに繋がる重要なキー。乳母・ギータと執事・グラフと共に森で隠れ住んでいたが、ギルドに見つかったことで、世界一安全な場所とされるシルヴァーナへ向かっていました。

・アレックス・ロウ
空中戦艦シルヴァーナの艦長。28歳。階級「大佐」。常に冷静沈着、寡黙で無表情だが、船員からの人望・信頼は厚い男性。輝かしい数々の戦功を上げているが軍には属さず、独自の判断と目的で動いています。婚約者ユーリスを失っており、その原因となったデルフィーネ・エラクレアへ強い復讐心を持つ。

・ディーオ・エラクレア
ギルドの最高権力者の弟。ギルド四大家系エラクレア家の次期党首候補。新しい物、自分を楽しませてくれるものに目がなく、縛られることを嫌う自由な少年。クラウスの非凡な操縦技術を目にしたことで興味を持ち、以来彼のことを「インメルマン」と呼ぶようになります。『ラストエグザイル-銀翼のファム-』にも登場。

感想

空の運び屋として小型飛空艇ヴァンシップに乗る2人の少年少女が、謎の少女に出会ったことで世界を揺るがす戦いに巻き込まれていき、世界を救うため父親達が果たせなかった夢に挑む激動と波乱の物語。
SFファンタジーかな。2003年に制作されたとは思えないほどハイクオリティの作画で描かれているアニメ作品。2011年には続編となる『ラストエグザイル-銀翼のファム-』も放送され、さらに全2巻からなる『ラストエグザイル-砂時計の旅人-』というクラウス、ラヴィ、アル達のその後を描いたコミックも出てます。

この作品の魅力は何と言っても独特の雰囲気ある壮大な世界観、そして大空を駆け巡るヴァンシップですね。
人類が地球で生存することが困難になったことから、脱出するため、そして自然浄化を待つために建造された一時避難先、それが物語の舞台となる人口惑星「プレステール」です。「エグザイル」というのは地球とプレステールを繋ぐ星間移民船のことですね。
プレステールに存在する2つの大国「アナトレー」と「デュシス」がそれぞれの思惑と思想の違いから対立している情勢。この2大国の上にはさらに「ギルド」というプレステールを管理する組織が存在し、調停役を担いながら争いを利用して世界の調整を行っていました。2大国がギルドの掌の上でいいように踊らされてる世界ですね。

はっきり申しまして、ストーリーの出来は普通より少し良い程度の評価しか持てませんでした。破綻もなければつまらないというわけでもなく、序盤や中盤から最終話にかけての話は面白いと感じましたが、いかんせん説明不足が目立ちます。なんだかあっさりと幕を閉じた感も否めません。
ただ、群像劇的な面白さはありましたね。主人公たちが全体の流れを作って物語を動かしていく作品ではありません。様々な人に焦点をあてることでキャラを掘り下げ、視点を変えることで多面的な面白さを生み出せていたと思います。広げてしまったことで深さが足りなかったようには感じました。
難はあっても私なんかは最初から特に世界観とヴァンシップに魅了され、あと音楽・キャラクターを気に入ったことで楽しめましたけどね。

巨大な空中飛行戦艦による迫力ある砲撃戦は見応え満点でした。安っぽいCGではなく、高いクオリティで生み出されたかっこいい戦艦、その戦艦同士の激しい戦闘描写は圧倒的な迫力があります。
空中戦艦より気に入ったのが小型飛行艇ヴァンシップです。スピード感、躍動感溢れる軽快なヴァンシップの動き、空を飛んでいるという浮遊感ある見せ方、大空を猛スピードで走る爽快感、戦艦とはまた違った迫力ある姿を見せてくれましたね。
レースやドッグファイトでの縦横無尽な動き、渓谷を駆け抜ける姿、空の配達人という仕事、空へのロマンも溢れています。もういっそ世界がどうとかは忘れて、配達人としての仕事とレースをメインに描いたアニメ作品にしてしまえばいいのに、なんて思ってしまったこともありました。
蒸気流れるレトロでクラシックなメカデザインも味があって素晴らしいので、メカ好きの人も楽しめるんじゃないですかね。

女性キャラ男性キャラ共に個性溢れる魅力的な人達ばかりですね。その中で一番好きになったのはクラウスのナビであるラヴィですね。しっかり者で気の強い面もある一方、年頃の少女らしい純粋さと可愛らしさもあり、ヴァンシップへの愛はクラウスよりも彼女の方から強く感じられました。
戦闘に参加しどんどん才能を伸ばしていくクラウスから離れ、ヴァンシップからも降り、整備士に転向したことによって物語上での影を薄めていったんですよね。もうサポートのみの登場になるのかなと残念に思っていたところ、2人の共通の夢であるグランドストリームへ挑むことに。あの場面のシナリオは良かったですね。やっぱり夢に挑むなら2人で、そしてクラウスの後ろにはラヴィという図が一番しっくりきました。

マイナスポイントもあれど、それを差し引いても「素晴らしい!」と言える作品。大空を駆け巡るロマン溢れる世界観、美しく迫力ある映像の力、魅力的なキャラクター、高いクオリティを維持して最後まで作られていましたね。
音楽がこれまた素晴らしく、映像やキャラクターの心情を一層深みあるものに押し上げ、世界に引き込ませる力もあったと思います。OPが苦手という人もいますけど私は重みがあって結構好きでした。
壮大な世界観、冒険や群像劇、それと素晴らしい映像美を味わいたい人におすすめの作品です。よければ観賞してみてください。



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posted by ハネ吉 at 18:41 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ
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とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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