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2016年09月15日

漫画『大砲とスタンプ』1巻の感想とあらすじ

『大砲とスタンプ』1巻の感想。


大砲とスタンプ
著者:速水螺旋人
掲載:月刊モーニングtwo
1巻発売日:2011年12月22日

大公国軍に所属する新米軍人のマルチナ・M・マヤコフスカヤ。軍人といっても前線で銃を持って敵と戦うわけでもなければ鋼鉄の戦車を動かす操縦席に座っているわけでもない。彼女の手に握られているのは「ペン」。マルチナの所属する部署は物資の輸送や補給を管理する、あまり命の危険を伴わないデスクワーク中心の兵站軍。前線で戦う兵士たちからは「紙の兵隊」と揶揄されバカにされることはあるけど、仕事はミスを出さないようにきっちりしっかり信念を持ってこなしていく。

戦争を描いた漫画には前線で戦う兵士たちや、作戦を立てる指揮官などを描いたものなど種類は多岐におよびますが、本作はそのなかでも物資の補給や輸送などを受け持つ兵站軍に焦点をあてた作品です。
ドタバタコメディですね。戦争モノなので死人も出ることはありますが、かわいい絵柄とコミカルに進むストーリーであまり血生臭さは感じませんでした。爆発的な面白さがあるわけではなく、クスっと笑ってしまう地味に面白い作品でしたね。

本作の主人公は新米女性軍人のマルチナ。眼鏡をかけたベリーショートの髪型をした女性。汚れてない官僚って感じがしました。融通のきかない超真面目人間であり、不正や怠慢を一切許さない良くも悪くも規律第一の人。その真面目さは良い方向に進むこともあれば悪い方向に転がっていくこともあります。何か問題が起きると「責任問題ですよ」と嘆くのが口癖。好物の懐中汁粉という甘味物をかばん一杯に詰め込んでいます。どんなのか食べてみたいですね。

兵站について。
兵站(へいたん 英語: Military Logistics)は、戦闘地帯から後方の、軍の諸活動・機関・諸施設を総称したもの[1]。戦争において作戦を行う部隊の移動と支援を計画し、また、実施する活動を指す用語でもあり、例えば兵站には物資の配給や整備、兵員の展開や衛生、施設の構築や維持などが含まれる。                               (wikipediaより)
というのが兵站の役割のようで、どう考えても重要な役割です。まあ、私は軍事に詳しいわけでもないので、何にどれほどの重要度・優先度があるのかは分からないんですけど、単純に考えて兵站がしっかり機能しなければ戦線維持なんてできないと思うんですよね。
ですが、作中では他所属の兵士に兵站軍は馬鹿にされています。現実でも今はそんなことはないと思いますけど、昔は不思議なことにそういう傾向があったようです。

戦争が長期間に及ぶとどうしても物資・書類の不備や不正が生まれてしまいます。その問題にマルチナが「責任問題ですよ」と突撃していくわけです。横領、誤送、記者の接待、それから読み書きできない同僚女性の先生など、前線で戦っている兵士たちとは別の強敵とペンや書類で戦争します。
問題・事件は次から次へとマルチナを襲ってくるんですが、どんなに大変な状況でも彼女の規律・規則を守る厳格さは損なわれませんね。頭はガチガチに固められたような堅物人間でありながら、意外と柔軟な思考を持っており、規則から逸脱しない範囲内でうまく処理していきます。

ゆるい同僚ばかりいる部署なのでほのぼのしてる部分もありながら、戦場を舞台にしてることからシリアスな展開もちょいちょい挟むことにより、飽きさせない緩急のあるストーリーになっていたので面白かったです。
1話終わるごとにいろいろなメカ紹介が載っているいるのも面白い要素です。メカはかなりマニアックなので、作者さんはストーリーよりもこっちの方に力入ってるような気もしてしまいました。
ミリタリー系にありがちな読むのが面倒になるような説明・解説(私の勝手なイメージ)というのはあまりなく、無駄に細かい設定はしていながらコメディタッチで誰でも読みやすい作品になっていたと思います。キャラも可愛く魅力的のでとても好きになりました。


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2016年09月14日

【軍靴のバルツァー】マンガ 感想&あらすじ 架空の世界で近代戦争を描いた本格戦記作品

月刊コミック@バンチ。2011年3月号から連載中。既刊8巻
著者:中島三千恒



あらすじ・概要

第一次ノルデントラーデ戦役に従軍し卓越した手腕で作戦立案にも関与したベルント・バルツァーは、戦後の論功により通常より3年早い佐官へと昇進し順風満帆な出世コースに乗るかと思われたが、彼に言い渡された次の任務は学校のせんせい。同盟を結んでいるバーゼルラント邦国の士官学校に軍事顧問として派遣されることになった。しかし、バーゼルラントに到着したヴァルツァーは、今の時代にはそぐわない前時代的な戦闘訓練風景と、平和に慣れ古く甘い考えを持った教官と生徒たちを目にして戸惑う。バルツァーは近代的な軍事知識や戦闘理論を四苦八苦しながらも生徒たちに教え信頼を得ていくが、王室の人間との繋がりを得たことでバーゼルラント王室内のいざこざにも巻き込まれていくことに。

主要登場人物

・ベルント・バルツァー
主人公。ヴァイセン王国の陸軍特務少佐。幅広い軍事知識を持ち、指揮官としても個人としても高い戦闘能力を持ちます。苦労人です。適格で素早い判断力を持ち、思考の切り替えも早い人。「非常時において人格を切り離し、理に従う」を体現する軍国教育の成功例と言われています。

・ライナー・アウグスト・ビンケルフェルト
バーゼルラントの第二王子。自信が設立した王立士官学校の訓練長も務めています。性格は傲岸で短気なため、バルツァーに間違いを指摘されると怒りを隠さず表します。一方で自身のやり方の間違いや軍の遅れを直視するとそれを認め改善しようとする姿勢も見せます。

・ヘルムート・マルクス・フォン・バッベル
王立士官学校の生徒。騎兵科の3年兵で主席。人一倍の努力家。強い正義感と使命感があり、そのことから好戦的になってしまうこともあります。美しい容貌から「お嬢様(フロイライン)」と揶揄されることもあります。ヘルムートには家の事情で偽っていることがあります。

・ディーター・シュトルンツ
士官学校の生徒。砲兵科の二年兵。無邪気で天真爛漫、好奇心旺盛で子供っぽいです。毒のない子。実家が「シュトルンツ鉄鋼」を経営しているため、機械いじりは得意。

・ルドルフ・フォン・リープクネヒト
元ヴァイセン王国陸軍第二近衛連隊長。バルツァーの大学時代の友人。クーデターを試みたが失敗し逃亡。その際に片目を失っています。現在はエルツライヒ帝国陸軍大佐となり、同国の命令でバーゼルラント王室に入り込み第一王子の裏で暗躍しています。

感想

19世紀後半ヨーロッパをモデルにした世界と、帝国主義全盛期の激動の時代にある仮想の国々が主な舞台。だいたい第一次世界大戦前ぐらいのドイツみたいな国です。軍事大国ヴァイセンから小国バーゼルラントへ送られてきた1人の将校と彼の教え子たちの奮闘と、大国に挟まれたバーゼルラントの動乱を描いた壮大な歴史漫画。綿密な調査のもと作られたことがよく分かりますね。なんか今までずっと存在を知りながら読まずにいたんですけど、友人に1巻だけ貸してもらって読んでみたらスルーしてたことを後悔するほど面白かったです。

土台となる世界観が細部まで作り込まれていました。鉄道や電信技術の発達により世界は広がり、軍事では単発のマスケット銃から連射可能なライフル銃へ移ろうなど、近代兵器が登場し戦場の様相も変わりだした時代です。建築物や文化・歴史もモデルになったであろう国と地域についてよく調べ描かれており、19世紀ヨーロッパのような仮想の世界を見事に作り上げています。描き込まれた武器や服装、建物などの背景からは作者の強いこだわりが見えますね。
バーゼルラントなんかはさすがに使ってる兵器古すぎないか?と思いましたけど、軍事後進国という設定を分かり易く見せるための措置だったんでしょうね。単純に伝統を重んじてるお国柄、平和すぎて更新する必要がなかったからなのかもしれませんけど。

戦争モノとして、迫力ある戦闘描写は見事でした。それに、互いの思惑と策略がぶつかりあう様は、読む人を釘付けにしてしまう面白さがあります。堅実な戦略、奇抜な戦略、苦し紛れの戦略、次になにが来るかとドキドキワクワクさせてくれると思いますよ。ただ、残酷な描写も当然あるので、そういったものが苦手な人は作品自体避けるか話を飛ばすかした方がいいです。

個性あるキャラがこの作品の魅力を引き出してます。
まずはなんといっても主人公のバルツァーです。平時では陽気で明るく振る舞い、ちょっとお調子者っぽい親しみやすさがあります。一方で出世欲も高く、功績を立てて上にのし上がってやろうという気概も伺えました。凝り固まったバーゼルラントの中では彼のような時代を先行く考えは異端的なものであり、周囲から煙たがられたりもするんですが、その状況すら楽しんでいるかのように突飛に見えて理にかなったアイデアで切り開いていきます。実に爽快な気分にさせてくれる男です。主人公がしっかり光る作品ってのはいいですね。
バルツァーの教え子たちもそれぞれキャラ立ちしていて面白いです。美少年騎士として登場したヘルムートは、結構早い段階で明かされた事実なので言ってしまいますが、実は男装した女の子だったという衝撃。だったんですけど、その後その設定は特に何もなく、あくまで1人の生徒として話は進むんでこの作品ヒロインという存在が一向に出てこなかったんですよね。どこを見ても男ですから、私個人は男同士の甘酸っぱさなんて求めてませんし。でも、作者さんか編集者さんかは分かりませんけど、やっぱりヒロインっぽい存在は欲しかったんでしょうね。詳しくは書きませんけど、第6巻で’ついに″彼女″の可愛さが花開きました。ここまで爽やかさは強くあったものの、泥と汗と血にまみれた男ばかりだったんで、まさに戦場に咲く一輪の花として潤いを与えてくれました。彼女に心を撃ち抜かれた読者は多いでしょうね。
他の生徒たちも負けず劣らず特長的で、皆悩みを抱えて葛藤していたりもしますし、いかにも黒幕っぽい眼帯の男もいるので各キャラが物語りをより盛り上げていました。

世界観とキャラの魅力を引き出しているのは、丁寧に美しく描きこまれた作者さんの絵ですね。服装や兵器、1コマ1コマの建築物や自然の背景が緻密で美しいです。国同士の戦争や国内の政争など重い話ではあるんですけど、主に登場するキャラをかっこよく、かわいく、美しく、親しみやすく描くことでその重さを和らげてくれています。

多くの見方があり、魅力に溢れた作品でした。各登場人物の思惑、各国の思惑が交差してどんどん面白くなっていくので読み応えあります。これ熱く迫力ある作品なので男性が楽しめるのはもちろんなんですけど、間違いなく腐向けでもあるんでしょうね。そっち系好きな人も楽しめる作品だと思います。数々の伏線もありますので今後も一層盛り上がっていきそうです。



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posted by ハネ吉 at 18:20 | Comment(0) | TrackBack(0) | 歴史

2016年09月13日

漫画『亜人ちゃんは語りたい』1巻の感想とあらすじ アニメ化決定

『亜人ちゃんは語りたい』1巻の感想。


亜人ちゃんは語りたい
著者:ペトス
掲載:ヤンマガKCスペシャル
1巻発売日:2015年3月6日

亜人に対して強い興味を持つ高校で生物教師を勤める高橋鉄男。学生時代には亜人についての卒業論文を執筆しようとするなど、いつか会って話してみたいという願望を持っていたが、絶対数の少ない亜人と出会う機会はこれまでずっと訪れなかった。しかし、亜人と出会えない自分の半生をしみじみ振り返っていた矢先、その願いはあっけなく叶うことに。
ある日、サキュバスの新任教師が同じ学校に赴任してきたこをきっかけに、いたずら好きのヴァンパイア、世界に3体しかいないデュラハン、自身の体質に悩む雪女といった亜人たちとたった1日の内に出会う。今まで悩んでいたことが嘘かのように、突然亜人に囲まれる生活が始まったことで鉄男は思った―−−「亜人(デミちゃん)と語りたい」。

亜人に興味津々な高校教師・高橋鉄男が、普通の人間の中で生活する亜人の女子生徒たちが抱いた悩みを分かち合い、彼女たちに寄り添い共に考えるなかで絆を深めていく物語。
作中では亜人のことを「デミ(Demi-Human)」と呼んでいます。主に女子高生など若いコの間では、「あじん」という響きがカワイくないからという理由だそうです。

多くのの亜人が出てくる漫画と違って、この作品に出てくる亜人はちょっと普通の人とは違う個性を持つ人間という感じに見えました。遺伝によって亜人の親から亜人の子が生まれてくるケースよりも、普通の人間家庭に突然変異として生まれてくるケースの方が多いようです。
亜人たちは人間社会で正体をバレることなく潜むように暮らしているわけではなく、その存在は社会全体で認知されているので普通に暮らしています。ですが、やはりその特性上どうしてもうまくいかないこと、苦労することや悩みも生まれてしまうようで、そういった悩みを受け止めてくれる懐と体の大きい高橋先生や友人たちと交流することで、絆を深めていきます。

出てきたデミちゃんは4人です。
その中でも中心的な子は小鳥遊ひかりというバンパイアの少女。吸血に関しては、国から支給される血液パックと普段の食事で十分事足りるようですが、血を吸いたいという欲求自体はあります。お調子者でいたずら好きの彼女が照れた表情はとってもキュート。いじるのは好きだけどいじられるのは苦手なようですね。
デュラハンの町京子は個人的に1番気に入ったキャラ。頭と胴体が別れてるデミで、高橋先生に頭を抱きしめてもらうことが大好きな女の子。体は大きいけど寂しがりやで甘えん坊なところが可愛すぎます。
雪女の日下部雪は自分の体質に思い悩み、人と接することを怖がっている子です。体から肌寒い程度の冷気を放ち、涙は氷の粒になって落ちます。暑い日はひかりに抱きつかれているようです。
サキュバスの佐藤先生はいつもジャージを着ている見た目が地味な女性。地味に見せているのは、サキュバスの特性で人を魅了しないためです。魅了してしまう特性は基本自制できるようですが、睡眠時はそれが効かないことで他者にエッチな夢を見せてしまうとのことです。恋愛でも社会で生きることも4人の中では最も大変そうに見えます。ただ、見ていて一番面白いのは彼女ですね。

高橋先生は最初亜人に執着し過ぎて少し危ない人かなとか思ってしまいました。ですが、全然そんなことはなく、興味からひかりたちに質問することはあっても、どこまで踏み込んでいいのかを弁えてるデリカシーある人で、生徒を真剣に思いやれる良き先生です。悩みも特性も受け入れてくれる大きな懐の持ち主なので惚れるのもわかりますね。

一見ゆるい日常のように見えますが、結構深みのある作品でしたね。相手の個性を尊重することの大切さを強く伝えている内容。周りとは異なる面を持つ人への偏見を亜人という分かり易い形にして描いているんだと思います。日本の学校教育の個性を潰しがちなところは改善すべきところだと思いますが、協調性がとても大事なことであることは理解してるのでなかなか難しいですね。
ギャグとシリアスをいい塩梅で混ぜ合わせ、ストーリーも変に引き伸ばしたりしないのでテンポはよく、強いメッセージ性もある良作。そして、なんといってもデミの子達がとても可愛く、それだけでも私は十分満足できてしまいました。面白かったので続きも読んでみようと思います。


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2016年09月12日

【スクラップド・プリンセス】アニメ 感想&あらすじ 家族の絆と愛を描いたファンタジー作品



スクラップド・プリンセス
2003年4月8日、WOWOWにて放送
監督:増井壮一
原作:榊一郎
脚本:土屋理敬、名田寛、吉田玲子、大和田暁
パシフィカの声:折笠富美子
シャノンの声:三木眞一郎
ラクウェルの声:大原さやか

あらすじ・概要

『その者、生まれ出てより十と六の歳月を経た運命の日、世界を滅ぼす者なり。世界の秩序を打ち砕き、混沌をもたらす猛毒なり。』
<聖グレンデルの托宣>により生まれながらにして世界の脅威とされ葬られるはずだった王女は、王妃の手引きによって秘密裏に保護され、カスール家の娘として生きていくことに。「廃棄王女」という忌み名だけが世間に広がり、時間と共にその存在は人々の中から薄れていった。
それから15年の月日が流れ、すくすくと育ったパシフィカと名付けられた少女は、義兄シャノンと義姉ラクウェルと共に平和な日常を過ごしていた。しかし、王女が生きていたことを知られてしまったことで運命の歯車は動き出し、廃棄王女の命を狙う暗殺者の魔手から逃れるため、パシフィカはシャノン達と故郷の村を出て旅に出るのだった。

主要登場人物

・パシフィカ・カスール
カスール家の次女で廃棄王女と呼ばれる少女。過酷な運命を背負わされているものの、明るく表情が豊かで人を思いやれる優しい子です。かなりのお兄ちゃん子で、シャノンに対しては憎まれ口をたたきながら甘えています。卵料理が大好物。

・シャノン・カスール
カスール家の長男。ラクウェルの双子の弟(姉主張)。面倒くさがりではあるんですが、文句を言いながら一番働いてます。剣の達人で愛用している武器は大刀。妹を何よりも大切に想っていて、彼女の危機にはその身も省みず敵に立ち向かいます。

・ラクウェル・カスール
カスール家の長女。シャノンの双子の姉(姉主張)。天然のおっとりさん。優れた魔法の才能は母譲りで、魔法オタク。どんなことにも魔法を使いたがる困ったところがあります。普段はニコニコして穏やかですが、妹のためなら非情な行為も厭いません。

・ゼフィリス
パシフィカ達の前に現れる謎の少女。その正体はドラグーンと呼ばれる竜の姿をした兵器。普段は少女の姿をしています。当初は無口で表情もなく機械のようでしたが、シャノンと共にいる内に感情を取り戻していきます。


感想

託宣により世界の災いとされてしまった「廃棄王女」と呼ばれる少女が、義理の兄姉に守られながら旅をし、王国の刺客や神の御使いと崇められているピースメーカーたちと戦う逃亡の日々を描いた物語。
原作は通称「すてプリ」と呼ばれている榊一郎さんのファンタジー小説で、シリーズ累計100万部を超えているベストセラー作品です。小説の方は最近読み始めたのでまだ途中なんですが、アニメでは描かれてなかった話もあるので面白いです。WOWOWの無料放送時間(だったかな?)に流れていて、子供の頃夕方リアルタイムで夢中になって見ていた記憶があります。

世界観が素晴らしく、遥か昔に創世戦争で神と悪魔が戦い、神が勝利し現在では「マウゼル教」として崇められてる世界。
国があり統治する王様もいるんですが、実際世界の調整を行っているのは神と呼ばれる人とは異なる存在であり、その姿はマウゼル教の極々一部の人間しか認識していません。
詳しく説明するとネタバレすぎるので言いませんが、ファンタジーではあるんですけどSF要素も混じってます。中世ヨーロッパ風の建築物が並び、剣と魔法の文明と機械文明が混在しているファンタジーな世界観を形成しています。

主人公は「廃棄王女」として命を狙われているパシフィカという少女。彼女は剣も魔法も使えないので基本守られているだけで戦闘にはほぼ関与しません。無力感に覆われ剣や魔法の修練をするわけでもないので、最初シャノンが主人公だと思ってました。でも、彼女の強さは腕っ節とは別のところにあり、家族が捕まったときは一切の迷いなく自らの腕を差し出そうとしていたところは名シーンだと思います。それに、自分が世界を滅ぼすのではと悩むことは当然あっても、それでもパシフィカは歪むことなく優しいお転婆娘でい続けてくれました。あれだけ憎しみを向けられ続けたら普通逃げ出すか憎しみを返しそうなものですが、彼女は自分に出来る彼女なりの戦いをしていましたね。鬱陶しいところも魅力だったりすると思います。
シャノンとラクウェルも良いキャラしてます。子供の頃に観てたときはシャノンの強さとかっこよさに憧れ、ラクウェルの美しさと天然入ったお姉さんの魅力に心を撃ち抜かれてました。シャノンは普段眠たそうな覇気のない顔をしているのに、いざ戦うときはキリッとした顔になって刀を振るう姿は本当にカッコイイです。ラクウェルは「あらあらうふふ」といった感じのお姉さんだけど予想通り怒らせてはいけないタイプの人でもありましたね。今でも私にとっては憧れのお姉さんです。

このカスール3姉兄妹の家族愛が一番の魅力でしょうね。世界を滅ぼすと言われる妹を守ることに多少の迷いはあっても躊躇は一切ないシャノンとラクウェル。そして、戦う力はなくても2人を助けるためなら自らを差し出すパシフィカ。「家族愛」はこの作品のテーマにもなっていたと思うので終始その様子が描かれていて、人によってはくどいかもしれないですけど良く描かれていたと思います。もし本当に世界を滅ぼす存在だった場合、「そのときはお兄ちゃんの手で私を殺して」というパシフィカと、その覚悟を持つシャノンからは悲しくも深い愛情を感じました。
「選択」もテーマになっていたと思います。流されるだけではなく、決められていることを漠然と受け入れるだけでもなく、自ら考え自ら責任を持って選択することの大切さを伝えていました。ラストでの展開が特にそれを物語った演出で、それ以外えもメインキャラだけでなくサブキャラも含め、終始誰かが何かしらの選択に迫られていました。

特徴といえば予告ですね。1話は普通の予告だったんですけど回を重ねるごとにセリフが増えていき、中盤からはすっごい早口になってます。どんどん増えるセリフ量を短い尺の中にしっかり収めていく大原さやかさんの予告は必見です。

子供の頃にハマったこともあって今でも大好きな作品で、たまに見返してもいます。あのOP「Little Wing」が流れた途端にすてプリの世界へ引き込まれてしまい、EDの「大地のla-li-la」には癒してもらえるので今でもよく聞いてます。
メインの3人だけでなくサブキャラも魅力ある人達ばかりで、特にゼフィリスなんかは身悶える可愛さがありますね。敵側にも魅力を感じられるところもこのアニメを気に入っている理由のひとつです。スィンには泣かされました・・・。
ストーリーの構成も素晴らしい。テーマの家族愛につていは深く揺るぎない愛を感じられ、物語の謎も解き明かされた後半では変化が乏しくなってきますが、良いタイミングで視聴者を引き付ける演出を加えてくるので飽きることなく観続けることができました。
3姉兄妹の深い絆と愛を感じられるアニメ。自信を持っておすすめできますので、よければご覧になってみてください。

スクラップド・プリンセス Blu-rayBOX
by カエレバ


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posted by ハネ吉 at 18:22 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ

2016年09月11日

【紹介した作品の新刊発売情報】はんだくん 第7巻 他5作品

2016年9月12日〜9月18日発売予定の新刊。



はんだくん 第7巻(完) 2016年9月12日発売
「はんだくん」本編完結後に描かれた番外編3本に加え、月刊「少年ガンガン」にのみ掲載されていたカラー4コマ漫画や単行本発売時の描き下ろし特典イラストなどを一挙収録。
さらに作者ヨシノサツキによる解説コラムも掲載。これが正真正銘「はんだくん」最終巻!!


はんだくんの過去記事はこちら


はんだ本 はんだくんコンプリートブック (ガンガンコミックス)

はんだ本 はんだくんコンプリートブック 2016年9月12日発売
はんだくん、遂に完結…!!
2年半の連載中に描かれたカラーイラストの全て、製作されたグッズの全て、幻の没ネームの全て…など、他では見られない「はんだくんの全て」を完全収録! さらにロングインタビューでは作者ヨシノサツキが「はんだくん」を語り尽くし、描き下ろし漫画「半田軍と一宮軍」も収録!
単行本全7巻+この1冊で「はんだくん」をコンプリート!




勇者が死んだ! 第6巻 2016年9月12日発売
新・旧勇者がタッグを組む!!!!!
勇者を殺してしまった村人・トウカは、死体に精神を移され、勇者として旅立つことに!
魔物の能力でゾンビにされた仲間・ユナを救うべく、屍術師軍団のボス・ディエゴと戦う勇者パーティ。しかし、勇者は瀕死状態に追い込まれ、窮地に立たされる仲間たち――!!そんな最中、勇者は精神世界で目を覚まし旧・勇者シオンと再会する!!


勇者が死んだ!の過去記事はこちら




推しが武道館いってくれたら死ぬ 第2巻 2016年9月13日発売
岡山県で活動するマイナー地下アイドル【ChamJam】の、内気で人見知りな人気最下位メンバー【舞菜】に人生すべてを捧げて応援する熱狂的ファンがいる。
収入は推しに貢ぐので、自分は高校時代の赤ジャージ。
愛しすぎてライブ中に鼻血ブーする……伝説の女【えりぴよ】さん!
舞菜が武道館のステージに立つ日まで…えりぴよの全身全霊傾けたドルヲタ活動は続くっ???


推しが武道館いってくれたら死ぬの過去記事はこちら


試し読みをして気になった作品もふたつ紹介します。



古見さんは、コミュ症です。 第01巻
著者:オダ トモヒト
掲載:少年サンデーコミックス
2016年9月16日発売

県内でも有名な進学校・私立伊旦高校。この学校に入学できた只野仁人のクラスには古見硝子という名の女生徒がいる。彼女は道を歩けば誰もが振り返り、その一挙手一投足に視線が集まる美貌の持ち主。だけどそんな彼女にはある悩みがあった。古見さんは人付き合いが苦手なコミュ症で、話そうとすると声は上ずり心拍数は高鳴り体は震えてしまう。でも友達が欲しい古見さん。それも100人。小心者だけど人気持ちの機微に聡い只野仁人の協力のもと、古見さんの困難だらけの友達作りが始まる。
コミュ症女子である古見さんの友達作りを普通人間只野の語りのもとで描かれたコメディ漫画ですね。ただ、1話ラストでこの友達作りが非常に困難になることが伺えました。学校名からして「伊旦(いたん)」というこから察せられるように、どうやらアクの強い個性者揃いの学校のようです。合格基準が「個性」。
古見硝子はタイトルの通りコミュ症です。誰かに話しけられると「ドドドドドドド」といったハーレーのエンジン音のような心音を出します。話そうとしても声が上ずって上手く喋れないんですけど、黒板などを使った筆談でなら会話が成り立ちます。容姿端麗で一つ一つの所作も綺麗なので普段の凛とした姿も美しいんですが、照れて真っ赤にしている表情は可愛すぎて心を射抜かれました。コミュ症といっても苦手なだけで関わりを持ちたくないわけではありません。友達を100人作ることを目標としています。
只野仁人は小心者の普通人間なので、学校の合格基準をどこで満たしたのか気になります。普通過ぎるところが個性なのか、人の気持ちを理解する能力が私の思ってる以上に高いのか、合格してる以上何かはあるんでしょう。
試し読みの時点で今後どんな人達が出てくるのかは分かりました。あがり症、ヤンデレ、ナルシスト、中二病、タダモノじゃない人、コミュを必要としない人などなど、確実に愉快で賑やかな作品になるでしょうね。
試し読みは少年サンデーさんのサイトで1話のみ配信しています。




桐谷さん ちょっそれ食うんすか!? 第01巻
著者:ぽんとごたんだ
掲載:月刊アクション
2016年9月12日発売

美しい容姿から男女問わずとても人気がある女子高生の桐谷翔子さんには、普通の人と比べて少し変わったところがある。彼女は雑食。小さいころから食への好奇心が溢れている子で、その興味の対象は見境なかった。学校で飼育しているわいいうさぎや鳥を見ながらよだれを垂らす桐谷さん。そんな彼女の姿を知っているのは昔からの知り合いで学校の教師をしている柳先生。桐谷さんは柳先生を巻き込んでカエルやマムシ、さらにサソリといったゲテモノを自ら調理し食欲を満たす。
好奇心旺盛な女子高生がゲテモノ食材を自ら調理し食す漫画です。昨今グルメ漫画も様々なテーマを扱い細分化されてきましたけど、ついにゲテモノにまで辿り着いてしまったようです。調理するのも食べるのも女子高生です。しかも自ら進んで。グルメ漫画好きなので新作はそれなりに読んでるんですけど、ゲテモノっていうのはサバイバル漫画に出てきたりはしますけど、専門にした作品は知らないですね。試し読みではカエル料理とマムシ料理が出てきましたが、この2つならまだなんとか食べられるレベルです。でも、わざわざ調理方法まで載せなくても・・・。1巻では他にサソリとか豚の睾丸が出てくるようです。サソリはちょっと無理ですけど、それ以外は比較的軽めなのかな?まあどこまで許容できるかは人によるのでその辺はなんとも。食材よりもなんでも食に結び付けてしまう桐谷さんを見て楽しむ作品だと思います。
主に登場するのは好奇心旺盛で男気がある美少女の桐谷さんと、そんな桐谷さんを見守る女子力高い柳先生の2人です。料理だけでなくこの2人の笑える日常のやり取りも見所でしょうね。どれだけ需要あるんだろう?とか思いましたけど、漫画としては面白いので気になってる作品でです。
試し読みは月刊アクションさんのサイトで1話、ニコニコ漫画さんのサイトで1話、2話、最新話を配信しています。

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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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