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2016年09月30日

【ニコイチ】マンガ 感想&あらすじ 会社では男、家庭では母として生きる二重生活ラブコメディ

ヤングガンガン。2004年12月から2012年1月まで連載中。全10巻
著者:金田一蓮十郎
他作品:ライアー×ライアー



あらすじ・概要

モデルのようなスラッとした体系をしている美人ママの須田真琴、そんなお母さんが大好きな11歳の息子の須田崇、父親はいないけど幸せな普通の家族のように見えるこの家庭にはある秘密があった。息子に愛されてる美人ママの正体は、なんと29歳の冴えないサラリーマンだった。真琴は事故で亡くなった恋人の息子を引き取り、以後8年間「母」として、さらに実の親子ではないことも隠しながら崇を育ててきた。会社では男として、家庭では女として、慣れたとはいえ苦労が絶えない二重生活。いつかは崇に本当のことを伝えなければと思いながらも女装し続けていた日々だったが、気になっていた女性を痴漢から助けたことをきっかけとして、この生活にさらなる波乱が訪れることに・・・。

主要登場人物

・須田真琴
主人公。29歳の丸井紡績株式会社に勤めるサラリーマン。交通事故で亡くなってしまった恋人の息子・崇(当時2歳)を引き取り、女装しながら母親として育てます。性同一性障害でも、同性愛者でもありません。普段は冴えない容貌をしていますが、女装した姿はモデルのように美しくなります。女装時の名前は戸田須真子。

・須田崇
真琴が引き取った恋人・成美の11歳の息子。真琴と血がつながっていないこと、女装していることは本人知りません。成美のことをお父さんだと勘違いしています。お母さんのことが大好きでかなりのマザコン。思いやりのある優しい子です。

・藤本菜摘
真琴の同僚女性社員。想いを寄せている女性でもあります。痴漢されていたところを真琴が助けたことをきっかけに、2人の距離が急接近します。過去の経験から男性不信。男の真琴には辛辣気味だけど、助けてくれた須真子には好意を寄せています。


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感想

会社では冴えないサラリーマン(男)として、家庭では美人なママ(女)として二重生活をおくる主人公と、お母さん大好きな最愛の息子がねじれた家庭環境の中で織り成す家族物語。親子愛と主人公・真琴の恋愛を描いたラブコメディです。笑いあり、シリアスありで、テーマと扱うネタから重く暗くなりそうな話に進展しそうなところを、ギャグや軽いノリで笑いに変えてしまうところがありますね。同作者さんが現在手掛けている「ライアー×ライアー」という漫画を読んだことをきっかけに、この作品と巡り合うことができました。この作者さんは二重生活が好きなんでしょうか?「ライアー×ライアー」でも主人公の女子大生が恋人と姉を使い分けた生活を送っていましたからね。

設定がおもしろいですね。会社では普通のサラリーマンとして過ごしていて、家庭では女に変装しながら母親として暮らしているなんて、他にはないという点からしてインパクトは強烈、ありえなさすぎるところが面白くもあります。しかも息子にはその事実を8年もの間隠し通せていることからして、最初はこの主人公どれだけ苦労してきたんだろうと哀れんでしまったのと同時に、どれだけアホなんだろうなんて思ってしまいました。まあ、祟を想うあまりに起こした行動だったので、しかたなかった?という面はあったんですけどね。それに苦労以上に、血は繋がっていなくても自分の子の成長を見守ることへの幸福は強く感じてましたね。もちろん母として。

この主人公の女装したときの姿が、作中で登場したどの女性よりも美しかったというのがまた面白いところです。呆れてもいましたけどね。女装した姿で人前にも普通に出ていながら、子供だけでなく周囲の大人にも余裕でバレずにいられるなんてこと、容姿だけでなく仕草も声も完璧でなければ無理でしょうから。実際見てても口調や人への接し方に違和感ありませんでした。女装趣味があるわけでもないのにここまでの出来に仕上げた努力、呆れたとは言いましたけど、祟のためにそこまでのことをしてきたことには感心させられましたね。

想いを寄せる菜摘さんと(女バージョンで)親しくなっていくことで生じる出来事にもクスっとしてしまいました。男のときの自分を見てほしいと思って会社ではがんばって話しかけてはいるんですけど、親しくなるのは女で母親のときの須真子ばかり。しかも、女装してることはバレまいと違う方向へ努力の指針をとった結果、さらに女子力を高めて女に磨きがかかってしまうというおかしなことにも。男だとバレるまでの2人のやりとり、男だとバレてからの2人のやりとり、どちらにしろごたごためんどくさいことになることは変わらないので面白いですよ。

読者には見所、真琴には最大の難関となるのが祟へのカミングアウトですね。お母さん大好きな子ですから、素直で優しい祟でもそんな簡単に事は済みません。祟にとって父親はもういない存在であり、自分には母親しかいなかったわけですから、いきなりその母親がいなくなって知らない父親が出てきたら戸惑うどころの話じゃないですよね。化粧とったら別人ですから。告白した真琴自身も当然傷つくんですけど、この話では2人の愛情を深く感じることが出来ました。成り行きはこの漫画らしいなと思うようなところに着地しましたね。

この作者さん毎回引きがうまいんで、次は?次は?と気になってしかたないです。1つの話を変に引き延ばさないところも好感持てます。悪い人がいなくても、次から次へと発生する問題事にドキドキハラハラさせてもらえ、飽きることなく読むことができます。優しい人たちばかりの愛が溢れている作品、1つもうやむやにさせることなく、最後も綺麗にすっきりまとまって気分よく読み終えることが出来ました。自信を持っておすすめできる素晴らしい作品です。



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2016年09月29日

漫画『ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部-』1巻の感想とあらすじ

『ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部-』1巻の感想。


ブルーサーマル-青凪大学体育会航空部-
著者:小沢 かな
掲載:BUNCH COMICS
1巻発売日:2015年9月9日 既刊3巻

高校まではバリバリの体育会系女子として、バレーボールに明け暮れる日々を送っていた都留たまき(つる たまき)。大学では普通の女子として生きるため、脱体育会系を誓い、バラ色のキャンパスライフを送ろうと決意していた。
たまきは出会いを求め、きらびやかな妄想を膨らませながら、テニスサークル体験に訪れたのだが、打ち返したボールが原因でグライダーの翼を破損させてしまった。修理費はとても払える額ではなかったため、雑用係として「体育会航空部」へ入部し、働いて返すことに・・・。
このグライダーとの出会いは、たまき19歳にして、新たな世界の扉を開かせることになるのだった。

青春を謳歌するきらびやかな大学生活を夢見ていた少女が、とある事故が原因で強制的に入部させられた航空部で、彼女の運命を変えるグライダーと出会い、「とうせやるなら1番とったるけん」と大会で優勝することを目指して奮闘する物語。
大学の航空部を舞台とした少年少女の青春ドラマ。近年流行りのマイナースポーツ漫画ですね。事前情報なく、青く爽やかな空の表紙に惹かれて手に取った作品。
本作で扱っている題材は、一般的には馴染み薄な「グライダー」です。ただ、、諸々の解説は初心者にもわかり易く、マイナーながら誰でも楽しめる青春作品になってます。

主人公は大学1年生の都留たまき(19)。小柄な体型とショートボブの髪型が特徴の、表情豊かなカワイイ女の子です。高校では体育会系女子として部活に明け暮れる日々を送っていましたが、告白した初恋相手が運動部女子のことを、「大きい声出しててバカじゃねーの。恥ずかしい。」と話していた場面に遭遇し、強いショックを受けることに。そんな出来事が原因になって、大学では今までの自分を変えて恋をすることを決意していました。しかし・・・。

グライダーについては全く知識ありませんでしたが、この作品を通していろいろ知ることができたので興味は深まり、そして楽しくもありましたね。「まるでメーヴェみたいなやつ」というたまきのセリフのとおり、私も始めて映像で実物を見たときはナウシカを思い浮かべました。
ちなみに「ブルーサーマル」というのは、サーマル(上昇気流)が発生しても雲ができず青い空になる状態を指したパラグライダー用語です。
見所の1つはこのグライダーが飛んでる光景ですね。大地から風に乗ってふわりと機体が浮かび上がり、果てしなく広がる青い空に1機の白いグライダーが飛翔する姿は、とても美しい光景なのでこちらまで魅了されてしまいました。たまきが空を飛んだときのトキメキは読んでるこちらにも強く伝わってくるので、彼女が空とグライダーに恋してしまう気持ちはよく分かります。

マイナースポーツを題材として取り扱ってはいても、話は王道なので比較的読者を選ばない作品だと思います。仲間たちと協力して部活動に日々励み、そのなかで恋が芽生えるという展開を見せ、マイナー競技繋がりで「ちはやふる」的な王道さもありましたね。
もちろん爽やかさだけの作品ではありません。主人公たまきは家族関係に問題を抱え、特に父親と姉のたまきに対する扱いはあまりにも酷過ぎるので、読んでいて少し辛かったです。彼女の家族環境は部活とは違って快晴とはとても言えず、暗く分厚い雲に覆われている状況。この傷は今もなお尾を引いてたまきを苦しませていますが、今の彼女にはちょっと言動がきつい人達ですけど、支えてくれる仲間たちがいることは救いになっていると思います。ライバルとして登場した姉には是非目にもの見せて「ぎゃふん」と言わせてほしいです。まあ、1番悪いのは父親なんですけど。

空の魅力が詰め込まれたロマンを感じられる内容で、読んでるとワクワクが溢れてくる良作。グライダーが空を飛ぶ光景の美しさだけではなく、部活を通してたまきが出会う人達とのドラマも見所の1つで、王道な青春漫画として楽しむことができました。
今後たまきがどう成長していくのか、そして過去のトラウマを乗り越えて家族とどう向き合っていくのかなど、気になるポイントは多くあります。もちろん彼女の恋もね。
彼女たちを見てると、一生懸命物事に取り組むことはやっぱり素敵だなと思わせてもらえましたね。これからに大きな期待を持てる作品でしたので、2巻以降も追っていこうと思います。


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2016年09月28日

面白いけど続刊がなかなか出ない、連載が止まっている3作品の紹介

長い間漫画読んでると、待てど暮らせど続刊が出ない作品ていくつも出てきます。作者さんの体調や大人の事情など、様々な原因で仕方ない場合もあるんですが、やっぱり最後まで読めないのは辛すぎます。
もう出ないのかなと諦めかけてると、いきなり新刊発売されたり、連載再開されたりしてきたのを見てきたので、諦めるにも諦めきれない作品もちらほらと。
今回はその中でも個人的に特に今後の動向が気になっている3作品を紹介させていただきます。
連載再開したらちゃんと感想書こうと思ってます。

1.BLACK LAGOON(ブラック・ラグーン)


著者・広江礼威による、裏社会の組織で生きるクレイジーな人々を描いたガンアクション漫画。
架空の都市である夜の暗闇で生きる犯罪者たちの街・ロアナプラを舞台に、ロック、レヴィ、ダッチ、ベニー等ラグーン商会の面々が、運び屋として依頼される数々の荒事に飛び込んで派手にドンパチやらかす物語です。

世の中の正論や正義を鉛1発、ミサイル1発、ときには拳と蹴りで吹き飛ばすような作品です。登場人物はほぼ悪者ということからも、大人向け作品ですね。道徳や倫理が皆無どころか、中指立てて「ファッ〇」といった感じなので子供に薦められる漫画でないことは確か。

見所としては高い画力による迫力あるアクションシーン、個性豊かなキャラ、そしてオンパレードに飛び交う洒落のきいたくさいセリフですかね。
決して忘れることのできないキャラばかりで、ラグーン商会以外で言うと、特に印象深かったのはホテルモスクワのバラライカです。怖い女世界一の冠は彼女の頭上にあるでしょうね。バラライカを筆頭に、レヴィ、ロベルタ、ヨランダ、シェンホアなど出会ったら即効で白旗掲げたくなりそうな強くて怖い女キャラが多いのも特徴です。まあ、きっと白旗あげようが問答無用で引き金引いてくるでしょうけど。でも、傷があっても怖くても、すごい美人で魅力的。

裏で生きる人の視線で見た表の世界も伺えたりと、なにかと惹かれてしまう作品です。

10巻発売されてから既に2年4ヶ月経過してますが、発売されてから今現在までずっと休載中(たぶん)です。ただ、2009年の10月に9巻が発売されてから10巻発売されるまでに4年と6ヶ月もの期間が開いてるんですよね。なのでこのぐらいは覚悟した方がいいんでしょうけど、続ける意思はあるんでしょうかね?続けるなら一言でも意思表示してもらえるとありがたいんですけど。示してたらごめんなさい。

そもそも休載の理由がはっきりしませんね。病気なのかなと思ったんですけど、ツイッターは頻繁に更新されているので間違いなく元気ではあります。
単純に作者のやる気の問題なんでしょうか?

まあ、でも!私は待ちますよ。踊らされようが待ちます。

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2.学園黙示録HIGHSCHOOL OF THE DEAD


原作:佐藤大輔、作画:佐藤ショウジが描く、ゾンビ系パニック漫画です。
突如人間が動く屍と化し、生ある者を襲いだしたことで人々は大パニック。襲われた者はヤツ等と同様動く屍となり、さらに人を襲い被害は拡大の一途を辿ります。小室孝、宮本麗、毒島冴子たちは他の生き残った仲間と共に生きるため協力し、襲い来るゾンビや悪意ある人間の魔の手を掻い潜り、時には戦いながらこの窮地に立ち向かう物語です。

設定は定番のゾンビものではありますが、剣術やガンアクション、頭脳戦、恋愛、ギャグ、お色気など見所は多くあります。

少々必要を感じないお色気シーンを披露するキャラやシーンはありましたが、全体的にクセがあるものの絵はきれいです。
登場人物も皆個性が立っていてそれぞれに魅力があります。美形キャラだけでなく太ったキャラも活躍するのは好感持てますね。

恐怖や窮地に陥ったときの人の心理・本性なんかも巧みに描いています。崩壊していく社会やそこにあったルールもなくっていくなかで、状況に流されていくだけの人、ゾンビ以上に怖く醜くなっていく人、逆にこの状況でも矜持を抱き飲まれることなくあらがう者など、あらゆる人間の姿を見ることができたのも面白いところだと思います。

最新7巻が2011年5月に発売されたきりなので、8巻出ないままもう5年4ヶ月になりますね。
こちらの理由はちゃんと判明されてます。原作の佐藤大輔さんが心臓疾患を患って入院していたことと、2011年3月11に起こった東日本大震災の惨状が、作品の光景と重なっていたことにショックを受けたことが原因ですね。その後2013年に1度掲載されたんですけど再び休載し、以降再開の目処は一向にたっていないようです。うん、誰も責められません。

作画の佐藤ショウジさんも今は「トリアージX」で忙しいでしょうから、原作の執筆が再開したとしても他の問題が出てきそうなので不安は残りますね。

このまま再開されずに終わってしまいそうな気はしなくもないですけど、大好きな作品なので再開を切に願います。

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3.ひらけ駒


著者・南Q太による、将棋をテーマにした日常漫画。
将棋に夢中になっていく小学生の宝と、そんな宝の成長を見守るミーハーな母親の、ほのぼのした日常を描いた物語。子供目線、大人目線で伝える将棋の楽しさ、そして親子愛があふれている作品です。

子供の視点だけでなく、親の視点でも見せてるところが面白いです。作者本人も自分の子供が将棋にハマッたことをきっかけに習いだしており、物事に熱中する子供を見守る親の心境をよく描けていると思います。
上記のことからもリアルなんですよね。親子の日常風景、将棋の練習、大会での子供たちの姿にリアリティがり、さらに実在する場所や棋士も数多く登場してるところからもリアルを感じることができます。

宝につられて将棋にだんだんハマっていく菊池母のミーハーぶりも面白いです。子と親で同じものを見てても、目線の高さが違うと見えてるものや見ているものに違いがあり、ちょっとすれ違ってしまうところの描き方も巧みなんですよね。

将棋を始めようとしてる人にもいい作品だと思います。将棋を習いたいけどなにをどうすればいいのかというのを、親と子が一緒になって取り組んでいるので、教えて欲しいことが多く詰まっています。

最新8巻が2013年1月に発売されたきりなので、もう3年8ヶ月の間続刊は出ていません。
今回紹介させてもらった作品の中でも1番待ち望んでいる漫画ではあるんですけど、同時に1番期待薄な作品でもありますね。

休載理由は本作品でも取り上げていたLPSA(日本女子プロ将棋協会)に問題が生じたことが原因です。この作品が連載中にLPSAと日本将棋連盟との関係が深刻なまでに悪化してしまったことで、棋士の脱退なども続いて大変な状態だったようです。
それともう1つ。作者さんが実際に通っていた将棋教室の先生で、作中の登場人物のモデルにもなっている天野貴元先生が体調的に将棋を続けることができなくなってしまったことです。
残念ながら、2015年にがんでお亡くなりなってしまいました。

打ち切りは発表されてはいないものの、こういった事情からなかなか再開は厳しそうではありますが、またあのほのぼのした世界に浸りたいので期待は捨てずに待つことにします。

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posted by ハネ吉 at 18:05 | Comment(0) | TrackBack(0) | その他

2016年09月27日

漫画『おとむらいさん』1巻の感想とあらすじ

『おとむらいさん』1巻の感想。


おとむらいさん
著者:大谷 紀子
掲載:BE LOVE KC
1巻発売日:2016年2月12日

鳴かず飛ばずとはいえ、一応女優として生きてきた音村いずみ、28歳。まわってくる仕事はあまり日の目を見ることのない役ばかりで、老衰以外の死に方はほぼコンプリートしているくらい死体役を演じてきた。決して恵まれているとは言えない女優人生を歩んできた音村さんは、憧れを抱く監督の作品に出演できることを夢みて頑張っていたが、その監督が突然引退表明してしまったことで彼女の夢は砕け散ることに・・・。
完全にお通夜状態になってしまった音村さん。ただ、当面の生活費を稼ぐ必要もあるため、いつまでも塞ぎ込んでるわけにもいかず、知り合いに薦めてもらった仕事を引き受ける。
しかし、当初は結婚式の司会だと思って会場に向かった音村さんだったが、到着した仕事場は結婚とは関係のない場所。そこは、亡くなった方を弔い送り出す場所――葬儀場だった。

死体役ばかりこなしていた女優が夢を砕かれたことで気力を失い、そんな時に「声」を買われて薦められた葬儀の進行役を務めることになり、そこで作られたドラマではなく生きた「人間ドラマ」にふれていく物語。
表紙見てもらえれば分かるように、葬儀の仕事を題材にした作品です。「死」を扱っているのでしんみりした雰囲気もありますが、1巻の話は比較的和やかで温かさもあり、読み終えた後には穏やかな気持ちになれる内容でした。

主人公の音村いずみは数多の死体役を演じてきた28歳の一応女優。真面目な性格をしている感受性の強い女性です。仕事の依頼は少ないので女優として生きている実感は小さいようですね。スラっとしたスタイルと整った顔立ちを持つクールビューティーなので、こんな美人が2ヶ月もスケジュール真っ白なのはちょっと不思議。まあ、美人なだけでは厳しい世界ではあるとは思いますけど、なぜ売れないんでしょうね。幸の薄い役を得意としていることからして足りないのは華やかさかな?プロ意識は高いのでどんな仕事にも一切手は抜かない人です。

この音村さんは、いつか出演することを目標にしていた憧れの監督が引退してしまったため、その夢を断たれたことで糸が切れた人形のようになってしまいます。でも、生きていくためにはこのまま腐っているわけにもいかず、花屋に勤めていた知り合いのイケメンに仕事を紹介され、葬儀の進行役アルバイトを引き受けました。本人は会話の内容から結婚式の司会だと勘違いしてしまったようですけどね。音村さんは古風な雰囲気もあるので葬儀場での仕事は合っているように見えました。

音村さんの務めることになる葬儀屋は、あちこちに展開している規模の大きな会社ではなく、町の小さな葬儀屋さんです。
上司にあたるクールなイケメン葬儀プランナーの産神(うぶがみ)さんは、出会って早々演技の仕事を「偽物の人間ドラマ」と言い放つなど、あまり言葉を選ばず思ったままを口にしてしまう人のようです。ただ、仕事に対する姿勢は真摯です。出産の神様みたいな名前を持つ人が、亡くなった方を送り出す立場にいるというのも不思議な感じ。

葬儀は様々な形があり、訪れてきた人にマッチした葬式を産神さんが作り出します。昔ながらのお葬式も未来へ残していくべき大切なものだと思いますが、人それぞれに合わせた新しい形の個性的な葬式というのも良いですね。どちらにせよ、送り出す人にとっても、残された人にとっても最高の葬儀が作られています。
2巻以降ではキレイなだけじゃない部分も出てくるかもしれません。産神さんの言っていた通り、確かにここには人の数だけ本物の生きた「人生ドラマ」があるので、様々な感情も溢れていました。

綺麗な絵、テンポよく進む話、暗くなりそうなテーマの割には笑いもあるので読みやい作品かと。私はこの作品にあるような葬儀には今まで立ち会ったことがなかったので、フィクションではありますけど新しい葬儀の形を見ることができて面白かったです。
音村さんはこの仕事を通じて人として成長していくことになると思いますが、このまま葬儀に携わった仕事をしていくのか、女優として転機を迎えるのか、今後彼女がどのような道を選び、歩んでいくことになるのか気になりますね。死や生について考え始めた音村さんの変化、産神さんの過去など、ストーリーがどのように展開されていくのか楽しみです。


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2016年09月26日

【SoltyRei(ソルティレイ)】アニメ 感想・あらすじ 機械の少女と家族を失った男のSFアクション作品


SoltyRei
2005年10月6日に放送
監督:平池芳正
原作:Shuzilow.HA/GONZO
脚本:木村暢ほか
ソルティの声:斎藤桃子
ロイの声:中田譲治
ローズの声:浅野真澄

あらすじ・概要

多くの人々を死に追いやることになってしまった未曾有の大災害「ブラストフォール」。その事件から12年後、妻を病で早くに亡くし、幼い娘をブラストフォールに奪われたロイ・レヴァントは、娘が生きていることを信じて賞金稼ぎをしながら今もその行方を探し続けていた。ある日、捕らえた賞金首の仲間の襲撃を受け窮地に陥っていたロイだったが、空から落ちてきた1人の少女により偶然救われる。全身機械で作られていた少女は記憶を失っており、ロイはしぶしぶ彼女の身を養女として引き受け、ソルティと名付けられた彼女と一緒に暮らすことに。その暮らしにソルティを気に入った義賊のローズも加わり、賑やかになっていく生活の中でソルティは人間らしさを手に入れ、ロイは閉ざしていた心を開いていく。だが、次第にソルティの秘密が明らかになっていき、ソルティたちは大きな渦に巻き込まれていく。

主要登場人物

・ソルティ・レヴァント
空から降ってきた全身機械の少女。悪意のない純真無垢な子です。見た目は可愛らしい少女だけど、驚異的な身体能力の持ち主。記憶を失っており、身元を明かすものがなかったため、ロイに養女として引き取られます。

・ロイ・レヴァント
賞金稼ぎ。40歳。娘のリタはブラストフォールにより行方不明。リタを探すために警察を退職し、賞金稼ぎとして「マーベリック・ハンターズオフィス」に所属。リタの件で心を閉ざしていたが、ソルティと暮らす中で彼にも変化が・・・。

・ローズ・アンダーソン
盗賊グループに属している少女。17歳。わがままでプライドが高く、思ったことはそのまま口に出す勝気な子。ソルティを仲間にするため勝手に住み込む迷惑な子でもあります。ブラストフォール以前の記憶を失っています。

・ミランダ・マーベリック
ロイが契約している「マーベリック・ハンターズオフィス」の女所長。ブラストフォールで夫を失っており、現在は娘のカーシャと2人暮らしをしています。元々は凄腕のハンター。

・カーシャ・マーベリック
ミランダの1人娘。9歳。小さい頃からおっかないハンターが周りにいたため、度胸が据わっており、あまり物怖じしません。あと、おませさんです。

感想

家族を失ったことで心を閉ざしてしまった男が、とあるきっかけで出会った機械の少女や家に住み着いちゃった盗賊の少女と暮らしていく中で、少しずつ失った心と家族を取り戻していく物語。父と娘の親子愛・家族愛がテーマとなっており、さらに爽快なアクションを楽しめる作品でもあります。どうジャンル付けしていいのか少し悩みますけど、SFアクション?って感じでしょうか。可愛いリゼンブルという全身機械の少女と、最近では滅多にいないハードボイルド系の渋いおじさんの2人が主人公の作品です。

1話完結ものではないですね。日常回のほのぼした話やコメディア色が強めの話であっても、この作品の世界観になにかしら繋がっていたと思います。序盤では主にソルティとロイの交流を描いた比較的明るさのあるほのぼのした日常を描いています。ところどころにシリアスやコメディを挟んでいてバランス的にもよく出来ていたと思います。中盤で少しだけ中弛みを感じましたが、後半になって化けましたね。正直前半の雰囲気で最後まで行ってくれても私的には満足いく作品になっていたと思いますけど、後半の怒涛の展開は目が放せない面白さがありました。後半は説明するとネタバレすぎるので内容は伏せますが、物語は大きく動き出してそれまで潜んでいたキャラも表に出てきて、多くの伏線も巧みとは言えないまでもしっかり回収してました。そして、なんといってもラストの感動は忘れられませんね。あることをしようとするソルティの姿にも、必死なロイの姿にも泣かされました。

メインを張っている3人の個性的なキャラ性と、家族となっていく人間関係の描写も感動できて良かったです。
ロイは視聴者からツンデレ親父、ツンデレヒロインなんて言われてるようです。当初はソルティやローズを邪険に扱っていたんですけど、どう接していいのか困ったりして、無愛想に振舞っていても内心はおろおろしてるんでしょうね。近寄りがたい雰囲気を醸し出していたロイが、ソルティと接していくうちにだんだん人間らしさを取り戻していき、実の家族のような関係になっていく様はよく描かれていてほっこりさせられたりもしました。そして感動を与えてくれた終盤のデレっぷりもあって、きっとおっさんに萌えてしまった人も少なくないでしょう。
このおっさんのデレはソルティの健気さあってのものですね。ロイとの間に溝が出来てしまったこともあったんですけど、料理を作ったり落ち込むロイを元気付けようとしたり、終始健気で献身的に振舞っていた彼女を嫌いになんてなれるわけないです。純粋な笑顔にひたむきな想い、そりゃデレるわ。
ローズに関しては最初出てきたときは、ただのモブ、よくてソルティの友人ぐらいにはなる子かなと思っていたんですけど、予想に反してメインに食い込んできました。お転婆な彼女が家に転がり込んできたことで、ロイの周辺はさらに賑やかになっていきましたね。

「家族」という言葉を意識させられます。ロイにしろソルティにしろローズにしろ、さらに言えばミランダとカーシャもですけど、主に出てくるのは1度家族を失ってしまった人達や最初から何もなかった子たちです。それぞれふれ合って日常を過ごし事件を乗り越えていくうちに絆を深めて、あの温かかった家族を奪われてしまった人はそれを取り戻し、その温かさを知らなかった子は一緒にいる中でその感覚を芽生えさせ、家族を築いていく話でしたね。皆その家族を失う痛みを知ってる人達であり、同時にそこにある愛がどれだけ大切なものだったのかも痛感しているので、家族を守るための必死がよく伝わってきました。

最後まで観てよかったと思えた作品でした。中盤の一部で少し「う〜ん・・・」とさせられてしまいましたけど、それでも序盤・中盤を全体的に見れば良く出来てる方でした。そして終盤、特にラスト2話ぐらいかな、このおかげで私の中で本作は傑作になりましたね。それほど最終回は感動できて涙させられましたので。感動、笑い、爽快なアクション、見所が多く、家族愛を強く感じられる素晴らしい作品です。強くおすすめさせていただきます。

SoltyRei DVD-BOX (アンコールプレス版)
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posted by ハネ吉 at 18:04 | Comment(0) | TrackBack(0) | アニメ
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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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