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2017年10月09日
漫画『ドラゴン、家を買う。』1巻の感想とあらすじ 貧弱ドラゴンと魔王が織り成すお住まい探しの珍道中
『ドラゴン、家を買う。』1巻の感想。
ドラゴン、家を買う。
原作：多貫カヲ ／作画：絢薔子
掲載：イブニング
1巻発売日：2017年7月10日
卵番を任されるも、うっかり居眠りをしてハンターに卵を奪われてしまった若いドラゴン・レティ。人間のハンターに脅えて奪還することも叶わず、逆鱗に触れたドラゴン族の父からは勘当され、巣からも追い出されてしまった。
勇敢に生きてゆけとは言われたものの、ステータスがドラゴンとは思えないほど悲惨なまでに低いレディ。このままではちょっといい装備になるだけと自らの運命を嘆くレディは、自分が生き抜くには安心で安全な家を手に入れることだと思いつき、安住の地を求めて旅立つことに。
ドワーフ、ハーピー、ゴブリンなど、家を求めて各地を巡り歩いていた最中、たまたま勇者とばったり遭遇してしまったレディは、そこへこれまた偶然通りかかった魔お・・・・・・エルフの建築士・ディアリアに助けられるのだった。
果たしてか弱きドラゴンの子・レティは、無事に夢のマイホームを手に入れ、安らかな生活を送ることができるのであろうか――。
偉大なドラゴン種でありながら心身共にひ弱な若いドラゴンが、安全・安心な夢のマイホームを求め、建築士で魔王なエルフと共に旅をする物語。
貧弱ドラゴンによる住まいお探しファンタジー。謳い文句は「ダンジョン？いいえ、マイホームです。」。月刊コミックガーデン2017年1月号（マッグガーデン）。2016年開催の「MAG Garden ギャグ・コメディ漫画大賞」にて準大賞と編集長賞を受賞。
原作は漫画原作者の多貫カヲ（たぬき かを）先生。作画は漫画家の絢薔子（あや しょうこ）先生。
ドラゴンと言えば、架空の生物として古今東西の伝承に多く登場し、ファンタジー作品でも無くては成らないほどお馴染みになっているカッコイイ強モンスター。
その描かれ方は多岐に渡り、ラスボス級の敵として主人公たちの前に立ち塞がることもあれば、頼れる味方として大活躍してくれることもあり、ときにはメイド姿のドラゴン娘として登場するなんてこともあります。
最近では空挺ドラゴンズという作品が登場していまして、一般的なドラゴン像からは掛け離れたフォルムをしていますが、なかなか面白い漫画です。
個人的にはＦＦシリーズのファンということもあるため、ドラゴンと言えば「バハームート」みたいなところがありますね。まあ、元々は大きな魚なんですけど。
本日紹介させていただく一冊は『ドラゴン、家を買う。』。おそらくタイトルと表紙から多くの方が察している通り、笑えるファンタジー作品になってます。
どんな内容かと言いますと、性格もステータスも貧弱過ぎる若いレッドドラゴンの子が、このままでは生き抜くことすらままならないことから、平穏無事に暮らせるダンジョンならぬマイホームを求め、あちらこちらへ駆けずり回るお話。
ほのぼのした雰囲気のギャグファンタジーですね。設定は一風変わってますけど、この発想はとても斬新で面白いと思います。
見事な作画力によって素晴らしいファンタジー世界を生み出していながら、繰り広げられているのはドラゴンによる家探しのドタバタ劇。ただ、主人公がドラゴンなのに保護欲をくすぐる危うさと可愛さがあるので、その見た目と内面の不釣合いによってギャップ萌えしてしまうかもしれません。
人間だけではなく、エルフやドワーフ、ゴブリンにハーピーなど、様々な種族が生きていて、勇者もいれば魔王も存在するファンタジー世界が舞台。
しかし、主人公はそんな定番の勇者や魔王ではなく、ドラゴンの子。なので、ファンタジーRPGの世界をモンスター視点で描いてるという点でも面白い作品です。
主人公は雄の若いレッドドラゴンであるレティ。最強と言っても過言ではないドラゴン族として生まれていながら、性格はいたって臆病で争い事を好まず、ステータスも結構立派な見た目にそぐわない残念過ぎる低さ。定番の雑魚モンスターであるゴブリンどころか、スライムと互角に渡り合えるかも疑問。あの重量で[ちから：３、ぼうぎょ：８]とか、もうバグとしか思えません。
度台一匹でこの世界を生き抜くことなんて不可能とも思えるレティくん。開始早々いきなりへたこいて父親からは勘当され、巣からも追い出されてしまいました。ほぼ詰みですね。
ジーザス状態のレティくんは、貧弱な自分が生き抜くには安住の地を見つけ出す以外に手はないと考え、安心で安全なマイホームを持つために動き出しました。
以降はそのポンコツっぷりをいかんなく発揮しています。ドワーフに捕まり、ハンターに追われ、ハーピーのお姉さんに慰められ、今度はゴブリンに捕まってちょっと哀れまれ、ばったり勇者一行と遭遇してしまい・・・・。自分の中で抱いていたかっこいいドラゴン像がものの見事に崩れていきました。
そんな旅の最中に出会ったのがもう1人のメインキャラであるエルフのディアリア。彼から差し出された名刺には「一級建築士・宅地建物取引主任者・魔王」。レティくんは彼を不動産界の魔王と誤解するのですが、その圧倒的な力はまごうことなき「魔王」その人です。
そんな物腰の柔らかい魔王さんに案内されて、色々な物件（まんまダンジョン）を紹介されていきます。
はい、ではこんな感じで、ドラゴンが夢のマイホームを求めて魔王と一緒に旅をする漫画『ドラゴン、家を買う。』1巻の紹介でした。
笑えて癒されました。感情が豊かで表情もコロコロ変わるレティが可愛く、あのダメな子ぶりがほっとけない保護欲をそそるため、彼に平穏な生活を送れる家を与えて欲しいと願わずにはいられません。そしてそう思いながらも、襲い掛かる数々の困難に慌てふためくレティの様子が面白く、守りたい、応援したいという気持ちと共に、ちょっとだけ意地悪なこともしてみたいなんて気持ちも湧いてしまったり・・・。
絵に関して文句の付けようがないですね。ドラゴンを始めとしたモンスターや、重要なキーでもある「家（ダンジョン）」、背景も小道具も丁寧に描かれています。レティのドラゴンでありながらポンコツなところは絵でも巧く表現されていて、美麗なイラストなのにやってることはコメディなところがより笑える要素になっていると思います。
RPGやモンスターを狩るゲームのネタもちょくちょく挟まれているので、ゲーム好きならもっと楽しめるのではないかと。「アレだな」とピンポイントで作品が思い浮かぶやりとりもあって面白いです。
さてさて、レティは安住の地を、夢のマイホームを見つけることが出来るのでしょうか。でも、見つかってしまうということは、物語の終わりを意味するのかな？それはそれで寂しいですね。
とは言っても、物語はまだ始まったばかり。この先も多くの珍妙な物件が出てきそうなので、レティくんの可愛さとポンコツっぷりも堪能することができるでしょう。今後の活躍も期待しています。
【eBookJapan】 ドラゴン、家を買う。
↑無料で試し読みできます
ドラゴン、家を買う。
原作：多貫カヲ ／作画：絢薔子
掲載：イブニング
1巻発売日：2017年7月10日
あらすじ・概要
卵番を任されるも、うっかり居眠りをしてハンターに卵を奪われてしまった若いドラゴン・レティ。人間のハンターに脅えて奪還することも叶わず、逆鱗に触れたドラゴン族の父からは勘当され、巣からも追い出されてしまった。
勇敢に生きてゆけとは言われたものの、ステータスがドラゴンとは思えないほど悲惨なまでに低いレディ。このままではちょっといい装備になるだけと自らの運命を嘆くレディは、自分が生き抜くには安心で安全な家を手に入れることだと思いつき、安住の地を求めて旅立つことに。
ドワーフ、ハーピー、ゴブリンなど、家を求めて各地を巡り歩いていた最中、たまたま勇者とばったり遭遇してしまったレディは、そこへこれまた偶然通りかかった魔お・・・・・・エルフの建築士・ディアリアに助けられるのだった。
果たしてか弱きドラゴンの子・レティは、無事に夢のマイホームを手に入れ、安らかな生活を送ることができるのであろうか――。
偉大なドラゴン種でありながら心身共にひ弱な若いドラゴンが、安全・安心な夢のマイホームを求め、建築士で魔王なエルフと共に旅をする物語。
貧弱ドラゴンによる住まいお探しファンタジー。謳い文句は「ダンジョン？いいえ、マイホームです。」。月刊コミックガーデン2017年1月号（マッグガーデン）。2016年開催の「MAG Garden ギャグ・コメディ漫画大賞」にて準大賞と編集長賞を受賞。
原作は漫画原作者の多貫カヲ（たぬき かを）先生。作画は漫画家の絢薔子（あや しょうこ）先生。
感想
ドラゴンと言えば、架空の生物として古今東西の伝承に多く登場し、ファンタジー作品でも無くては成らないほどお馴染みになっているカッコイイ強モンスター。
その描かれ方は多岐に渡り、ラスボス級の敵として主人公たちの前に立ち塞がることもあれば、頼れる味方として大活躍してくれることもあり、ときにはメイド姿のドラゴン娘として登場するなんてこともあります。
最近では空挺ドラゴンズという作品が登場していまして、一般的なドラゴン像からは掛け離れたフォルムをしていますが、なかなか面白い漫画です。
個人的にはＦＦシリーズのファンということもあるため、ドラゴンと言えば「バハームート」みたいなところがありますね。まあ、元々は大きな魚なんですけど。
本日紹介させていただく一冊は『ドラゴン、家を買う。』。おそらくタイトルと表紙から多くの方が察している通り、笑えるファンタジー作品になってます。
どんな内容かと言いますと、性格もステータスも貧弱過ぎる若いレッドドラゴンの子が、このままでは生き抜くことすらままならないことから、平穏無事に暮らせるダンジョンならぬマイホームを求め、あちらこちらへ駆けずり回るお話。
ほのぼのした雰囲気のギャグファンタジーですね。設定は一風変わってますけど、この発想はとても斬新で面白いと思います。
見事な作画力によって素晴らしいファンタジー世界を生み出していながら、繰り広げられているのはドラゴンによる家探しのドタバタ劇。ただ、主人公がドラゴンなのに保護欲をくすぐる危うさと可愛さがあるので、その見た目と内面の不釣合いによってギャップ萌えしてしまうかもしれません。
人間だけではなく、エルフやドワーフ、ゴブリンにハーピーなど、様々な種族が生きていて、勇者もいれば魔王も存在するファンタジー世界が舞台。
しかし、主人公はそんな定番の勇者や魔王ではなく、ドラゴンの子。なので、ファンタジーRPGの世界をモンスター視点で描いてるという点でも面白い作品です。
主人公は雄の若いレッドドラゴンであるレティ。最強と言っても過言ではないドラゴン族として生まれていながら、性格はいたって臆病で争い事を好まず、ステータスも結構立派な見た目にそぐわない残念過ぎる低さ。定番の雑魚モンスターであるゴブリンどころか、スライムと互角に渡り合えるかも疑問。あの重量で[ちから：３、ぼうぎょ：８]とか、もうバグとしか思えません。
度台一匹でこの世界を生き抜くことなんて不可能とも思えるレティくん。開始早々いきなりへたこいて父親からは勘当され、巣からも追い出されてしまいました。ほぼ詰みですね。
ジーザス状態のレティくんは、貧弱な自分が生き抜くには安住の地を見つけ出す以外に手はないと考え、安心で安全なマイホームを持つために動き出しました。
以降はそのポンコツっぷりをいかんなく発揮しています。ドワーフに捕まり、ハンターに追われ、ハーピーのお姉さんに慰められ、今度はゴブリンに捕まってちょっと哀れまれ、ばったり勇者一行と遭遇してしまい・・・・。自分の中で抱いていたかっこいいドラゴン像がものの見事に崩れていきました。
そんな旅の最中に出会ったのがもう1人のメインキャラであるエルフのディアリア。彼から差し出された名刺には「一級建築士・宅地建物取引主任者・魔王」。レティくんは彼を不動産界の魔王と誤解するのですが、その圧倒的な力はまごうことなき「魔王」その人です。
そんな物腰の柔らかい魔王さんに案内されて、色々な物件（まんまダンジョン）を紹介されていきます。
はい、ではこんな感じで、ドラゴンが夢のマイホームを求めて魔王と一緒に旅をする漫画『ドラゴン、家を買う。』1巻の紹介でした。
笑えて癒されました。感情が豊かで表情もコロコロ変わるレティが可愛く、あのダメな子ぶりがほっとけない保護欲をそそるため、彼に平穏な生活を送れる家を与えて欲しいと願わずにはいられません。そしてそう思いながらも、襲い掛かる数々の困難に慌てふためくレティの様子が面白く、守りたい、応援したいという気持ちと共に、ちょっとだけ意地悪なこともしてみたいなんて気持ちも湧いてしまったり・・・。
絵に関して文句の付けようがないですね。ドラゴンを始めとしたモンスターや、重要なキーでもある「家（ダンジョン）」、背景も小道具も丁寧に描かれています。レティのドラゴンでありながらポンコツなところは絵でも巧く表現されていて、美麗なイラストなのにやってることはコメディなところがより笑える要素になっていると思います。
RPGやモンスターを狩るゲームのネタもちょくちょく挟まれているので、ゲーム好きならもっと楽しめるのではないかと。「アレだな」とピンポイントで作品が思い浮かぶやりとりもあって面白いです。
さてさて、レティは安住の地を、夢のマイホームを見つけることが出来るのでしょうか。でも、見つかってしまうということは、物語の終わりを意味するのかな？それはそれで寂しいですね。
とは言っても、物語はまだ始まったばかり。この先も多くの珍妙な物件が出てきそうなので、レティくんの可愛さとポンコツっぷりも堪能することができるでしょう。今後の活躍も期待しています。
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