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2017年07月21日
漫画『タカコさん』1巻の感想とあらすじ
『タカコさん』1巻の感想。
タカコさん
著者:新久千映
掲載:WEBコミックぜにょん
1巻発売日:2016年1月20日
レストランで働く女性・タカコさんは、他の人よりちょっとだけ耳が良い。しかし、誰かに自慢するほど特別な能力というわけではなく、些細なことが人より少しだけ良く聞こえる程度。だから毎日は概ね普通。
職場や日常生活の中からは、ワイワイ・ガヤガヤ・ドタバタと、様々な話し声や物音がよく聞こえてくる。生きづらい世の中、友人からも苦手なものは遮断した方がいいと言われるけれど、聞こえてくる音に耳をすませるタカコさん。
嫌じゃない。迷惑でもない。生活の中から聞こえてくる誰かの息づかいは心地よく、それはタカコさんにとって、「ひとりじゃない」と伝えているかのような心休まる幸せな音。
心を落ち着かせてくれるのは、いつも誰かの息づかい――。
レストランで働く人より少しだけ耳がいい女性の、街中から聞こえてくる様々な音に耳を傾けるなかで、心落ち着く小さな幸せを見つける日常を描いた話。
ほのぼの日常系漫画。「WEBコミックぜにょん」にて2014年12月から連載されている作品。帯での謳い文句は「耳を澄ませば幸せが聞こえてくる。」。
作者は、ドラマ化・アニメ化もした人気漫画『ワカコ酒』を代表作に持つ漫画家・新久千映(しんきゅう ちえ)先生。
「幸せ」をいつ何から感じるのか、どう感じるのかというのは、もちろん人それぞれ異なるもので、家族や友人と一緒に過ごすことに何より幸せを感じる人もいれば、スポーツや習い事に興じることや、美味しい料理を食べてるときが幸せだと言う人もいます。その時の状態によっても変化はあるでしょうけど。
個人的に羨ましいと思うのは、たまにいる些いなことからも「幸せ」「楽しさ」「優しさ」など様々なことに気づける人。以前心身共に弱って余裕を無くしていた時期に、「気づく」をテーマにした本を図書館で借りたことがありまして、そのおかげで少しだけ視野を広げることが出来るようになりましたが、それをナチュラルにこなし、自分よりも広く見て、細かく色々なモノを拾える人には感心させられます。それほど多く会ったことがあるわけでもないんですけど、そういった人は良い感じに肩の力が抜けてる印象を持ちましたね。
さて、いつも通り私のどうでもいい話はこの辺にしておいて、今回は『タカコさん』というふんわりした優しい雰囲気ある漫画を紹介させていただきます。
この作品の主人公はレストラン&カフェでウェイトレスとして働く26歳の女性・タカコさん。ちょっとだけ耳が良いタカコさんは、話し声や物音が他の人よりもよく聞こえてきます。でも、彼女はそのたくさんの音を拾ってくる耳を疎ましく思うことはなく、むしろニコニコしながら聞こえてくる音に耳を傾け、そこから人の息づかいを感じて小さな幸せを見つけられる人。
これは、ちょっとだけ耳が良いタカコさんの、平凡だけど穏やかな日常をゆるやかに描いた物語。ほのぼの感が心地よい雰囲気系の漫画です。
読者を興奮させるような大きな波は一切起きませんが、普段素通りして見落としがちな、何気ない日常の中にある小さな幸せや優しさに気づかせてくれる作品。
少し小柄なタカコさんは、『ワカコ酒』のワカコのようなデフォルメキャラとして描かれていて、相変わらず他の登場人物たちとは明らかにキャラデザは異なりますけど違和感がないから不思議です。仮にワカコとタカコが姉妹だと言われても驚きはないと思います。
耳が良いと言っても、人に自慢するほど特別秀でた能力というわけではなく、あくまでちょっとだけ良く聞こえる程度。なので、この能力を使ってお金もうけしたり事件を解決するような展開はなく、小さな声のお客の呼びかけにもすぐ気づけるので仕事には役立っていますが、何かにに対して有効に活用するしないの話にはなりません。
タカコさんは耳だけではなく、普通の人より感覚もちょっとだけ違います。アパートの1階で1人暮らしをしている彼女は、隣の住人の話し声、上階のドタバタ歩く足音、トントンという包丁の刻み音など、普通なら煩わしいと感じる音もよく聞こえていますが、もっと静かな所へ引っ越したいとも音を遮断したいとも思っていません。
ストレス社会と言われるこの時代、ちょっとした物音にすら精神を乱されがち。でも、タカコさんにとってそれは人の息づかいであり、「ひとりじゃない」と教えてくれる幸せと安心を感じることができる音。周囲から聞こえる生活音を「うるさい」とはねのけるのではなく、そこに誰かがいるサインとして受け取り、耳をすませて心休まる癒しのひと時にしています。
なんとも素敵な生き方。そして素敵な女性。強くて逞しい女性というわけではないのだけど、いつもニコニコ頑張って生きていて、自然体で人を気遣うことも出来る人。タカコさんをそのまま真似することは難しくても、ちょっとだけ意識を変え、心にゆとりを持てたなら、もっと生きやすくなるかもしれませんね。
それにしても、タカコさんがベランダに出て耳をすませているとき、聞こえてくる生活音の中に「ぷしゅ〜・・・」という効果音が紛れていたのですが、もしかして・・・。
ちょっと耳が良い女性の心温まる日常を描いた『タカコさん』1巻の紹介、いかがだったでしょうか。心と体がなかなか休まらない日々を送っている人にこそもってこいの作品ではないかと。
耳の良さとはあまり関係ない話もそれなりにありますが、全体を通して心に温もりを感じさせてれる話ばかりですし、1人暮らしあるあるも描かれていたので共感出来るところもありました。
読んだあとに耳をすませてみたら、一時的にですけど、不思議と聞こえてくる生活音が心地良く感じられました。さすがに単純過ぎますね。
個人的にとても好みの内容だったので、是非ワカコ共々長く続いて欲しいです。
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タカコさん
著者:新久千映
掲載:WEBコミックぜにょん
1巻発売日:2016年1月20日
あらすじ・概要
レストランで働く女性・タカコさんは、他の人よりちょっとだけ耳が良い。しかし、誰かに自慢するほど特別な能力というわけではなく、些細なことが人より少しだけ良く聞こえる程度。だから毎日は概ね普通。
職場や日常生活の中からは、ワイワイ・ガヤガヤ・ドタバタと、様々な話し声や物音がよく聞こえてくる。生きづらい世の中、友人からも苦手なものは遮断した方がいいと言われるけれど、聞こえてくる音に耳をすませるタカコさん。
嫌じゃない。迷惑でもない。生活の中から聞こえてくる誰かの息づかいは心地よく、それはタカコさんにとって、「ひとりじゃない」と伝えているかのような心休まる幸せな音。
心を落ち着かせてくれるのは、いつも誰かの息づかい――。
レストランで働く人より少しだけ耳がいい女性の、街中から聞こえてくる様々な音に耳を傾けるなかで、心落ち着く小さな幸せを見つける日常を描いた話。
ほのぼの日常系漫画。「WEBコミックぜにょん」にて2014年12月から連載されている作品。帯での謳い文句は「耳を澄ませば幸せが聞こえてくる。」。
作者は、ドラマ化・アニメ化もした人気漫画『ワカコ酒』を代表作に持つ漫画家・新久千映(しんきゅう ちえ)先生。
感想
「幸せ」をいつ何から感じるのか、どう感じるのかというのは、もちろん人それぞれ異なるもので、家族や友人と一緒に過ごすことに何より幸せを感じる人もいれば、スポーツや習い事に興じることや、美味しい料理を食べてるときが幸せだと言う人もいます。その時の状態によっても変化はあるでしょうけど。
個人的に羨ましいと思うのは、たまにいる些いなことからも「幸せ」「楽しさ」「優しさ」など様々なことに気づける人。以前心身共に弱って余裕を無くしていた時期に、「気づく」をテーマにした本を図書館で借りたことがありまして、そのおかげで少しだけ視野を広げることが出来るようになりましたが、それをナチュラルにこなし、自分よりも広く見て、細かく色々なモノを拾える人には感心させられます。それほど多く会ったことがあるわけでもないんですけど、そういった人は良い感じに肩の力が抜けてる印象を持ちましたね。
さて、いつも通り私のどうでもいい話はこの辺にしておいて、今回は『タカコさん』というふんわりした優しい雰囲気ある漫画を紹介させていただきます。
この作品の主人公はレストラン&カフェでウェイトレスとして働く26歳の女性・タカコさん。ちょっとだけ耳が良いタカコさんは、話し声や物音が他の人よりもよく聞こえてきます。でも、彼女はそのたくさんの音を拾ってくる耳を疎ましく思うことはなく、むしろニコニコしながら聞こえてくる音に耳を傾け、そこから人の息づかいを感じて小さな幸せを見つけられる人。
これは、ちょっとだけ耳が良いタカコさんの、平凡だけど穏やかな日常をゆるやかに描いた物語。ほのぼの感が心地よい雰囲気系の漫画です。
読者を興奮させるような大きな波は一切起きませんが、普段素通りして見落としがちな、何気ない日常の中にある小さな幸せや優しさに気づかせてくれる作品。
少し小柄なタカコさんは、『ワカコ酒』のワカコのようなデフォルメキャラとして描かれていて、相変わらず他の登場人物たちとは明らかにキャラデザは異なりますけど違和感がないから不思議です。仮にワカコとタカコが姉妹だと言われても驚きはないと思います。
耳が良いと言っても、人に自慢するほど特別秀でた能力というわけではなく、あくまでちょっとだけ良く聞こえる程度。なので、この能力を使ってお金もうけしたり事件を解決するような展開はなく、小さな声のお客の呼びかけにもすぐ気づけるので仕事には役立っていますが、何かにに対して有効に活用するしないの話にはなりません。
タカコさんは耳だけではなく、普通の人より感覚もちょっとだけ違います。アパートの1階で1人暮らしをしている彼女は、隣の住人の話し声、上階のドタバタ歩く足音、トントンという包丁の刻み音など、普通なら煩わしいと感じる音もよく聞こえていますが、もっと静かな所へ引っ越したいとも音を遮断したいとも思っていません。
ストレス社会と言われるこの時代、ちょっとした物音にすら精神を乱されがち。でも、タカコさんにとってそれは人の息づかいであり、「ひとりじゃない」と教えてくれる幸せと安心を感じることができる音。周囲から聞こえる生活音を「うるさい」とはねのけるのではなく、そこに誰かがいるサインとして受け取り、耳をすませて心休まる癒しのひと時にしています。
なんとも素敵な生き方。そして素敵な女性。強くて逞しい女性というわけではないのだけど、いつもニコニコ頑張って生きていて、自然体で人を気遣うことも出来る人。タカコさんをそのまま真似することは難しくても、ちょっとだけ意識を変え、心にゆとりを持てたなら、もっと生きやすくなるかもしれませんね。
それにしても、タカコさんがベランダに出て耳をすませているとき、聞こえてくる生活音の中に「ぷしゅ〜・・・」という効果音が紛れていたのですが、もしかして・・・。
ちょっと耳が良い女性の心温まる日常を描いた『タカコさん』1巻の紹介、いかがだったでしょうか。心と体がなかなか休まらない日々を送っている人にこそもってこいの作品ではないかと。
耳の良さとはあまり関係ない話もそれなりにありますが、全体を通して心に温もりを感じさせてれる話ばかりですし、1人暮らしあるあるも描かれていたので共感出来るところもありました。
読んだあとに耳をすませてみたら、一時的にですけど、不思議と聞こえてくる生活音が心地良く感じられました。さすがに単純過ぎますね。
個人的にとても好みの内容だったので、是非ワカコ共々長く続いて欲しいです。
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