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2017年04月19日

【かつて神だった獣たちへ】マンガ 感想&あらすじ 心を無くしたかつての戦友を葬る哀悼の旅を描いたダークファンタジー

別冊少年マガジン。2014年7月号より連載中。既刊5巻
著者:めいびい
他作品:黄昏乙女×アムネジア



あらすじ

国土を二分する内戦が長く続いた時代。劣勢に追い込まれた北部が現状打開のために戦場へ送り出したのは、禁忌の技術を用いて生み出された異形の兵士たち――その名も「擬神兵(ぎしんへい)」。

人の姿と引き換えに得た人智を超えた圧倒的な力を振るい、擬神兵部隊は戦乱の国を和平へと導いていく。人々から“神”とまで称えられ、戦争終結の立役者として英雄になった擬神兵たち。しかし、平和な時代に彼等の居場所はどこにもなく、神の力に心を蝕まれた擬神兵たちの中には各地で問題を起こす者まで現れ、いつしか“獣”と呼ばれる存在に・・・。

ある者によって解き放たれた擬神兵を殺すことを目的に、旅を続けている”獣狩り”のハンク。擬神兵だった父を殺された少女・シャールは、父が殺されるべきだったのかを自分の目で確かめるため、ハンクの旅について行くことを決意した。

かつての戦友をその手で葬るため、ハンクは約束と悲しみを胸に、異形の者を駆り続ける旅路を歩んでいく。

主要登場人物

・ハンク・ヘンリエット
主人公。擬神兵「ウェアウルフ」。かつて擬神兵部隊の隊長を務めていた男性。軍での階級「特技曹長」。「心無くした者は仲間の手で葬る」という部隊員たちとの約束を胸に、各地で問題を起している擬神兵たちを殺し続け、いつしか「獣狩り」と呼ばれるようになりました。数少ない人と獣を行き来できる擬神兵で、夜の間だけ真価を発揮できる稀有な特性の持ち主。夜になると普段の黒髪が白髪になります。擬神兵としての姿は人間より少し大きい狼男ですが、本来の姿は巨大な狼。力を使う度に獣になっていくこと、そして約束を果たせなくなることを恐れ、仲間のことを覚えたまま死にたいと思っています。シャールに欲しかった言葉を貰えたこと、彼女との約束によって、深い苦しみと迷いから立ち直りました。

・ナンシー・シャール・バンクロフト
もう1人の主人公。ハンクと一緒に旅をしているおさげ髪の少女。父親・ウィルはかつてハンクの部下だった擬神兵「ニーズヘッグ」。父の仇であるハンクを見つけて殺すつもりでしたが、父の死の意味を知るために彼の旅へ同行することを決意。父の形見である像撃ち銃とティーセットを常に携帯。父の、そして擬神兵たちの最後の望みと言葉を知りたいと思っています。擬神兵たちを想い、彼らは神でも獣でもなく人間だと思っている優しい子。旅を通じてハンクは擬神兵たちの想いを守るために彼らを葬っていることに気づきました。人でなくなることを恐れるハンクに対して、獣になってしまったときは自分が人として殺すことを約束し、ハンクの迷いを晴らしました。

・ライザ・ルネキャッスル
軍の情報局戦後処理部に所属し、ハンクのサポートをしている女性。軍での階級「少尉」。金髪でナイスバディな体型をしているお色気お姉さん。ハンクが必要とする様々な情報や物資の調達をして後方サポートをしてくれる人物。ハンクに気があるようで、シャールにも対抗意識を燃やしていましたが、「男は顔とステータスがあればそれでいい」と堂々宣言。

・エレイン
擬神兵を生み出した技術者の女性。戦争終結間近、平和な世界に自分たちの居場所はないと語り、擬神兵たちが心を失う前に命を奪うことが自分の責任であるとし、ハンクに銃を向けました。協力者だったはずのケインに撃たれ行方不明とされていましたが、ケインの元で体が保管されていることが判明。生死は不明。シャールと同じ青い瞳をしています。ハンクのことをを愛していました。

・ケイン・マッドハウス
かつてのハンクの友人であり、擬神兵部隊の副隊長だった男性。擬神兵「ヴァンパイア」。血と夜をつかさどる不死の存在であり、驚異的な再生力の持ち主。この世界に獣を解き放った張本人でもあります。常にある幼い少女を隣に連れています。元は名門貴族のお坊ちゃん。友人であったエレインの計画に協力するフリをし、彼女を銃で撃ちました。戦後の待遇に不満を感じていた軍人・南部貴族、貧困に喘いでいた市民を扇動し、彼が率いる擬神兵たちと共に自由国家「新パトリア」を建国。元の名は「ケイン・ウィザース」。

クロード・ウィザース
パトリア連邦中央政府が設立した擬神兵討伐部隊「クーデグラース」隊長。軍での階級は「少佐」。パトリア連邦大統領の息子で、新パトリアを建国した擬神兵・ケイン・マッドハウスの弟。生真面目で使命感と責任感が強く、部下思いの青年。ハンクも討伐対象でしたが、使命を果たすために彼と共闘する道を選びました。



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感想・見所

かつて英雄と讃えられていた異形の兵士たちが平和な世界で居場所を無くし、心を蝕まれたことによって中には人々に害なす獣に成り下がった者まで現れ、そんな異形の戦友たちを葬るために旅を続ける元隊長の男と、彼に粛正された父を持つ少女、そして悲しみを抱える異形の者たちを巡る物語。
愛と暴力の旅路を描いたダークファンタジー作品。著者は『黄昏乙女×アムネジア』、『結婚指輪物語』で有名な男性2人組の漫画家・めいびいさん。タイトル上げた作品はシリアスとコメディのバランス良い作品ですが、この作品はほぼシリアスの内容。

基本重苦しい雰囲気で描かれるダークファンタジー。コメディ要素は薄く、残酷・凄惨な描写が目立ち、悲劇的な展開と結末を迎える作品も多いですね。ハッピーエンドで終わる作品もなかにはありませんが、誰も彼もが救われて皆ハッピーな展開になることはほとんどなく、目を背けたくなるようなグロシーンも多様することから、結構好き嫌いも分かれるジャンルだと思います。
『ベルセルク』や『CLAYMORE』、『ユーベルブラット』あたりが有名ですね。最近では『銀狼ブラッドボーン』も個人的には好きな漫画。
今回紹介させていただく『かつて神だった獣たち』もダークファンタジーに分類される1つ。少し重いテーマとストーリー展開を見せ、残酷で切ないシーンも多く描かれますが、優しさと愛も強く感じられる内容で、結末が非常に気になる作品になってます。

かつては「神」、平和な世では「獣」、人生を翻弄された異形の者たちを巡る物語

北部と南部で国を二分した内戦が長く続いた時代、劣勢に追いやられた北部が禁忌の技術をもって生み出したのが、異形の兵士「擬神兵(ぎしんへい)」。怪物と化した擬神兵は、人の姿を捨てる代わりに得た神にも喩えられるほどの強大な力を振るい、内戦を和平へと導いていきました。
だが、戦時下では神と称えられていた擬神兵も、平和な世では“獣”として畏怖される存在に・・・。そして、「獣狩り」と呼ばれる男・ハンクは心を無くした彼らを葬り続け、彼の前にかつて殺した擬神兵の娘・シャールが現れました。
この作品は、暴力と哀悼の旅を続けるハンクの物語であり、父の仇である彼の旅に同行しながら擬神兵の心にふれていくシャールの物語であり、神の力に翻弄された擬神兵たちの物語でもあります。
コメディ色はほとんどなく、全体的に悲しみと切なさを多く含んだシリアス重視の内容で、グロテスクな描写も少なくはないです。1巻はシャールが仇であるはずのハンクの旅に同行する件など、若干あっさり感はありましたが、巻を重ねるごとにストーリーは大きくなり、盛り上がりと共に読み応えも増してると思います。

悲しみを抱く擬神兵を通して見る人間の弱さ

家族や国のために人の姿を捨ててまで戦い続けたにも関わらず、戦争が終われば守ってきた人々から獣扱いされる擬神兵。神の力が敵に向いているときは彼らを賛美し、手に負えなくなれば畏怖し粛正しようとするなど、人間の心の弱さと醜さが嫌ってほど伝わってきます。現実にも通じるものがあるような気もします。
擬神兵たちとて例外ではなく、たとえその身に神の力を宿したところで、心は人間のまま。精神は力に飲み込まれ、心の抑制は次第に外れていき、自らが叶えたい望みのままに行動するようになったことで、人々からさらに恐れられるようになります。ただ、その多くは本当にささいな願望。「居場所を失いたくない」「見たい景色がある」「歌を聴いて欲しい」「安心したい」。力の代わりに失ってしまったものを取り戻すため、制御を失いながらも望みに執着する彼らを見ていると、切なさと悲しみで胸がいっぱいになります。敵だとしても憎むことはできません。
そして、彼らは自分たちを葬るハンクに対して恨みを言うことはなく、あるのは哀しみと解放。

想いを守るために戦い続ける哀悼の旅

擬神兵部隊を率いていた隊長でありながら、戦友を殺し続けていく男・ハンク。ただ、裏切り者・ケインに対してはさすがに恨みもあるのでしょうが、それ以外の擬神兵たちに対して恨みや憎しみはなく、かつて仲間たちと交わした「心無くした者は仲間の手で葬る」という約束を果たすべく、シャールたちと出会うまで1人旅を続けていました。
ハンクは仲間たちが抱いていた大切な想いを、他でもない心を失ってしまった自分たちの手で壊してしまわないように、それを守るために悲しみならがも葬っていたんですね。
はっきり言って、やりきれない気持ちになる結末ばかりです。しかし、だからこそ寄り添ってくれる人の温かさ、愛情、優しさも強く伝わってくる内容だったと思います。

最後に

ということで、人の弱さ、愚かさ、愛情を描いたダークファンタジー作品でした。おすすめしといてなんですが、間違いなく万人受けするような作品ではないですね。好きになった人はとことんハマるタイプかと。
特に序盤のエピソードは短くても綺麗にまとめられ、テンポ良く進行しています。人によってはあっさりし過ぎと感じるかもしれませんが、ストーリーが進んでいくと話も大きくなり、丁寧な描写も増えて深みと厚みも出ていたと思います。画力に関しては申し分なく、キャラクター、背景、バトル描写、どれも見事でした。中でもシャールの可愛さは必見。
切なくも熱く、胸に刺さる内容で、結末が非常に気になる作品。切ない話やダークファンタジー系が好きな人なら楽しめると思いますので、よければ読んでみてください。おすすめさせていだきます。



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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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