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2017年03月25日

漫画『BEASTARS』1巻の感想とあらすじ

『BEASTARS』1巻の感想。


BEASTARS
著者:BEASTARS
掲載:月刊少年マガジン
1巻発売日:2017年1月6日

肉食獣と草食獣が共存する世界。ある日、全寮制の高校チェリートン学園で、オスアルパカの生徒・テムが何者かに襲われ、翌日遺体になって発見される。警察の調べにより学園の肉食獣による犯行の可能性があるとされ、肉食獣と草食獣の間には不穏な空気が蔓延していた。
演劇部の美術を担当するハイイロオオカミのレゴシは、亡くなったテムと友人という関係にありながら、いつも以上に異様な言動と行動を見せたことにより、他の部員たちから疑いの目を向けられていた。皆が帰った放課後、メスアンゴラヒツジのテルスは腕時計の忘れ物をとりに稽古場へ戻ると、そこに待ち構えていたかのようにレゴシが現れる。テルスはレゴシが犯人だと思い、自分もテムと同じようにエサとして人生を終えると覚悟しかけたのだが・・・。

多種多様の肉食動物・草食動物が共存する世界で、本能と理性の間で激しく揺れ動くハイイロオオカミの高校生を中心に、学園に通う動物たちの日常を描いた物語。
擬人化した動物たちのヒューマン(?)ドラマ。学園、演劇部での青春群像劇。1話を試し読みしたときから気になっていた作品。

私がこれまでふれてきた動物や昆虫などの擬人化作品というのは、比較的コメディ寄り、又はハートフルな話になる傾向が多かったと思います。『逢魔ヶ刻動物園』や『ズートピア』などがその例で、誰でも気軽に楽しめる内容が良いところですね。
この『BEASTARS』はコメディやゆるい日常を踏まえながらも、結構真面目な人間ドラマを描いています。『ヤスミーン』のようなシビア過ぎる動物社会を描いているわけではなりませんが、理性で本能を抑える主人公を中心とした思春期の動物たちの青春を描くという、動物擬人化であってもあまり見ない斬新な内容になってます。

まず最も興味を惹かれたのは、私たちのような人間は一切存在せず、擬人化した多種多様な動物たちが人間らしく暮らしている独特な世界観。
肉食動物・草食動物という本来なら相容れない喰う喰われる間柄にある両者が、生活圏を分け隔てることなく共存している世界。この世界では肉食動物が草食動物を食べることは重罪としてタブー化されており、メインの舞台となる全寮制の高校チェリートン学園では、怪我をさせただけでも退学処分にされてしまうようです。
かといって肉食動物に肉食の本能が皆無ということではありません。肉食動物たちはその決められたルールのもとで自らの理性をもって本能を抑え込み、この矛盾した社会で一応は互いを認め合って平和に共存しています。

青春群像劇であっても、ただの少年少女たちが思春期特有の悩みや苦悩に葛藤する内容とは違い、上記で書いた自然の摂理に反した矛盾する社会の中で、主に主人公が本能に悩みながら青春を送る姿を描いているところが面白いですね。

主人公のレゴシはイヌ科最大種とされるハイイロオオカミのオス。作中でも大柄の部類に入り、鋭いツメ、尖った牙、大きな顎を持ち、そして異様な雰囲気を放つ主人公です。ちょっと変わった言動・行動によって周囲から誤解を招くこともありますが、実際のレゴシはとても繊細で内向的、静かに暮らすことを望んでいるちょっと不器用なオオカミです。戦闘力と性格が伴わないと言われています。
ただ、そんなレゴシの中にも肉食動物としての本能は確実にあり、自分の内にある悪魔に怯え、必死に戦って抗おうと苦悩することもあります。
犬などと違って本来は生粋の肉食動物ですから、そんな彼の姿によってよりこの社会の矛盾が浮き彫りになってきますね。静かに暮らしたいレゴシと内包する本能、これが今後どうせめぎ合い、向き合っていくのかは楽しみですね。

異世界ファンタジーの様相を帯びてはいても、見ようによっては現実とリンクするとてもリアリティある作品。現実にも今さら口にし辛い社会にある矛盾する点は多く、私たちもその矛盾を許容しながら生活している部分も少なからずあると思います。ただ、本作にあった冒頭の事件によって肉食動物と草食動物の間に壁が生まれたように、社会のためであっても体裁やルールによって無理に抑え込んだものは、何かの弾みで容易に亀裂が生じてしまう恐れも孕んでいますね。
動物であってもてとも人間くさいという特徴もリアルを感じさせる要因。優れたものへの嫉妬や羨望、種族間での軋轢、血統による立場での差別意識やエリート意識。レゴシが本能によって悩み葛藤する姿と同様に、その中での感情表現や心理描写がとても巧みに描かれているので、社会だけではなく個々のキャラへの興味も抱かせてくれました。

ファンタジーだけどリアリティを感じさせる独特な世界観と斬新な設定は見事。深みを帯びていくストーリー展開も読み応えあり、高校生たちの心の機微も巧みに表現されていました。
レゴシが苦悩する自身の本能とどのように向き合い周囲と付き合っていくのか、アルパカのテムを殺した犯人は誰なのかというミステリーも気になるところ。レゴシだけではなく、他の登場人物たちの発露する本能と抑え込む理性との間で否応なく揺れ動く心も目が離せませんね。
ヒューマンドラマが好きな人なら特に楽しめる内容だと思います。早く続きが読みたい。


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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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