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2016年12月02日

【私がモテてどうすんだ】マンガ 感想&あらすじ 美少女へと変貌した腐女子の逆ハーレム作品

別冊フレンド。2013年5月号より連載中。既刊10巻
作者:ぢゅん子



あらすじ・概要

BLをこよなく愛するポッチャリ系女子高生の芹沼花依(せりざわ かよ)。2次元3次元問わず男同士の絡みに妄想を膨らませ、「王子様の隣には王子様」とまで豪語する生粋の腐女子。
ある日、愛するアニメキャラクターが死んでしまったことに強いショックを受けた花依は、1週間ものあいだ学校を休み、その間一切の食べ物を口にしないまま、部屋に閉じこもって塞ぎ込んでいた。その結果、1週間ぶりに姿を見せた花依の体重は激減し、肥満だった体型もまるで別人のように痩せ細り、麗しいほどの美少女へと変貌。
久々に登校した学校でもあまりの美しさに周囲からの注目を一身に浴び、さらにBL妄想の対象だったイケメン男子4人から同時に好意を寄せられることになる。
しかし、このくしくも訪れた逆ハーレム状態は、腐女子の花依に数々の試練を与えることになるのだった。

主要登場人物

・芹沼 花依
主人公。高校2年生。保険委員、史学部所属。BLをこよなく愛する腐女子。元々は肥満な体系でしたが、愛するアニメキャラクターの死にショックを受け、1週間絶食したことで体重は激減し美少女へと変貌。5人に想いを寄せられているが、突然のモテ期到来に本人は困惑気味。

・五十嵐 祐輔
高校2年生。花依のクラスメイト。サッカー部所属。背が高く、女子からの人気も高い爽やか系イケメン。誠実そうに振舞ってはいますが、基本的に1番手が早い。七島とは中学時代のチームメート。美少女に変貌した花依に一目惚れ。

・七島 希
高校2年生。花依のクラスメイト。元サッカー部所属。少しチャラく見えるイケメン。口は悪いけど根は純粋。花依が引き込もる原因となったアニメキャラにそっくりな容姿をしています。美少女に変貌した花依に一目惚れ。

・六見 遊馬
高校3年生。花依も所属している史学部の部長。背が高く、穏やかで寛大、天然なところもあるけど怒らせると一番怖い人。変貌を遂げた花依を当たり前のように一目で見分けた唯一の人であり、変わらず接してくれる癒し。

・四ノ宮 隼人
高校1年生。花依と同じ保健委員。ノルウェー人とのクォーター。王子様というよりお姫様のようなツンデレのドジっ子イケメン。美少女に変貌した花依に一目惚れし、釣り合う立派な男になろうとしています。学業の成績は優秀。

・二科 志麻
高校1年生。同人作家「横縞」として活動。女性でありながら男性以上に凛々しく、同性のから人気も高い女子高生。花依とはコミケで出会い、横縞のファンということから意気投合し、腐女子仲間になります。花依のことを恋愛対象として見ているような言動・行動をとります。花依のファーストキスを奪った人。




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感想

いつも友人とBL談議に花を咲かせている肥満体型の腐女子が、体重を激減させ美少女になったことをきっかけに、何人ものイケメンに想いを寄せられ、自分の人生で全く想定していなかった逆ハーレム状態に困惑する話。
少女マンガの腐女子ラブコメです。アニメ化も果たし、2016年10月より放送されました。著者のぢゅん子先生は元々BL作品を手掛けていたことから、腐女子描写は妙に生々しいものがあり、若干引く・・・。

少女マンガの中でも異色と言っても差し支えない設定の作品だと思います。冴えない少女がある理由から美少女に変身するという展開はベタではあるのですが、主人公キャラの強烈過ぎる個性、秀逸なギャグとノリによって、他の少女マンガでは味わえない面白味がありますね。
あらすじでも書いた通り、主人公の芹沼花依は物語開始時は肥満体型の女子高生。2次元のBL作品を楽しむなんてことは当然として、3次元の男同士が仲良くしている姿を見てカップリング、絡んでなくても果てしなき妄想力でカップリング、スキあらばカップリングする生粋の腐女子です。

愛してるアニメキャラがお亡くなりになったことに大ショックを受け、食べ物も喉を通らず部屋に引きこもります。そして1週間ぶりに外へ出てきた花依を見た家族は驚愕、自分の姿を鏡で見た花依も動転、そして読者である私は絶句。美しいにもほどがある変貌を遂げました。
太っていた人が痩せたら美人に変身したなんてことは漫画のみならず現実でも起こりうることですが、花依に関しては容姿のみで言えば以前の面影は全くなく、「誰だよ!?」と漫画につっこみを入れそうになるほどの別人ぶり。

そして花依は様々なイケメンから想いを寄せられることになり、乙女ゲーのようなハーレム状態に突入。最初は4人のイケメン男子、そして凛々しい女子も1人加わり、その後にも・・・。
男性陣の反応はあからさま過ぎるため、何事もなかったかのように見抜いて態度も変わらない六見先輩意外最初は良い印象持てませんでしたけど、内面だけでなく外見もやっぱり重要ですし、なにより大事なのは気になり始めてからどうするかです。その後も外見しか見ない人達なら男でも女でも全く好感なんて持てず、延いては作品自体読む気にはならなかったと思いますけど、花依と接していくうちに、彼らは彼女の内面を見てそこに改めて惚れていく様子は確かに見て取れました。外見で気になり、内面に惚れるというのは悪くないと思います。

面白いのはここからですね。誰もが振り向く美少女になろうとも、イケメンが周りに集まってこようとも、花依の腐女子魂には一切の陰りも濁りもありませんでした。
言い寄ってくる男同士で妄想を膨らませるなど、モテてる状況にあっても思考に変化なく、彼女の胸を熱くさせるトキメキは脳内のカップリングにあります。ただ、妄想してるときの表情は残念でならない。
むしろモテるといういまだかつて想像したことも体験したこもない現状には喜ぶよりも困惑気味。

最初は良い印象もてなかったイケメン勢にも次第に好感持てるようになっていき、むしろ彼等の努力が空振りしすぎて同情さえしてしまいました。惚れた相手がやっかい過ぎましたね。
カミングアウトされたBL趣味に毎回付き合う4人には賞賛を送りたい気分です。アニメキャラの仏壇に皆で手を合わせ、受け攻め論議に巻き込まれ、声優のライブへ皆でお出かけ。好きな子が喜んでくれるために空振りしてもがんばる彼らは素晴らしいです。
一貫してブレない花依ではりますが、少女マンガらしい展開も次第に増えていきます。本気の想いを受けていくなかで、BL一色に染められていた花依の心にも変化が訪れ出します。この辺りのギャップも面白いところですね。普段はBLによって情緒を失う花依と、巻き込まれる彼らとの賑やかな光景を描きながら、少女マンガらしく真剣な想いにトキメク少年少女の恋愛描写も描くといったように、緩急あるストーリー展開が作られていました。

ストーリーに暗く重すぎるシリアス展開がないので読みやかったですね。普通にギャグマンガとしても楽しめるので、男性でも気軽に読めるんじゃないかと思います。キャラもそれぞれ個性がしっかり立ち、次から次へとキャラ増えていく作品ではないので、立ち位置がわかりやすいのも良いところです。
花依が今後自分の恋愛にどう向き合い、そして誰を選ぶことになるのかはとても気になるところ。果たして誰とくっつくことになるか。
比較的ペタでシンプルな設定でありながら、花依のキャラとこの作品特有のギャグやノリによって他にはあまりない新鮮さを演出しています。腐女子の生態を見る楽しさもあり、あまり人を選ばない作りにもなっているので、よければ読んでみてください。



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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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