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2016年11月30日

【ノラガミ】マンガ 感想&あらすじ 神と人が紡ぐ現代和風ファンタジー

月刊少年マガジン。2011年1月号より連載中。既刊17巻
作者:あだちとか
他作品:アライブ-最終進化的少年-



あらすじ・概要

「私は神です。」
八百万の神々の中でも末端に席を置き、社すら持たない無名の野良神・夜ト。念願の社を建てるため、迷子の猫探しから壊れた水道管の修理まで、どんなことでもたった5円のお賽銭で請け負い、信者を増やそうとするデリバリーゴッド(一応武神)。
そんなある日、受けた依頼をこなしている最中、注意を怠ったことにより女子中学生の壱岐ひよりを交通事故に遭わせてしまう。ひよりはかすり傷程度で済んだものの、事故以降頻繁に幽体離脱してしまうという困った事態に陥ってしまい、改善のためやっかいな神様である夜トと縁が結ばれることに・・・。
雪音と名づけた少年の霊を神の僕となる「神器」とした夜トは、神々の戦いにも巻き込まれていくことになる。

主要登場人物

・夜ト(やと)/夜卜(やぼく)
主人公。社を持たない無名の神。黒ジャージと首に巻いた手ぬぐいが特徴。ガサツで気まぐれな性格であるが、意外と義理堅く面倒見も良い。あらゆるものを斬る能力を持つ武神ではあるが、デリバリーゴッドとして5円のお賽銭で何でも請け負う武神らしからぬアルバイトをしています。「人間を間引け」という願いから生まれたため、本来は奪う側の神。生み出した人間の父親がいます。

・壱岐ひより
ヒロイン。医者の娘。開始時は中学生、後に高校へ進学。黒髪ロングをしたしっかり者の優しい少女。夜トを助けようとしたことでバスに轢かれてしまい、命は助かったものの、以降幽体離脱体質になってしまいます。夜トに小さな社を作ります。隠れ格闘技ファン。得意技はジャングルソバット。

・雪音
夜トの神器、名は「雪(ゆき)」、器は「雪(せつ)」。神器としての姿は、柄も鍔も無い白銀の刀で、柄を布で覆っています。人の姿は金髪の少年。霊として彷徨っていたところを夜トにより名を与えられます。生意気な性格であり、主人である夜トにも容赦なく辛らつな言葉を投げかけます。

・毘沙門天
最強の武神。七福神の1柱。長い金髪をたなびかせるスタイル抜群の美女。「歩く武器庫」と呼ばれるほど多くの神器を抱え、身に纏って武装しています。多くの神器を抱えることは苦痛を伴う行為だが、辛い表情は周囲には見せず、浮遊する霊を放っておけない優しさの持ち主。夜トとは因縁があり、強い憎しみを抱き執拗に狙ってくるが・・・。

・兆麻
毘沙門天の神器。名は「兆」。毘沙門天のことを「ヴィーナ」と呼ぶ最古参の神器。「祝の器」と呼ばれる進化した神器であり、形状は桜の耳飾り。皆をまとめ、力を最大限発揮させるナビ的存在。かつての毘沙門天の一族である「麻」唯一の生き残り。夜トには毘沙門天を救ってもらった大きな借りがあります。

・野良
白衣に天冠を着けている少女。全身に複数の神器としての名が刻まれており、神々からは名を呼ぶことも憚れるほど忌み嫌われています。冷酷で掴みどころのない性格。夜トの与えてくれた名を気に入っており、彼に神器として使ってもらうことを望んでいます。夜トの神器としての名は「緋(ひいろ)」、形状は白鞘の刀。




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感想

金も甲斐性も無い無名の野良神が、幽体離脱体質の少女と己の神器の少年と共に、様々な神と関わることで起こる厄介ごとに巻き込み巻き込まれながら、日本一の神になるため日々奮闘し成長していく物語。
神道における八百万の神々を題材とした、現代和風ファンタジー作品です。アニメ化もされ、2014年に第1期、2015年には第2期が放送されました。私は観てませんけど『舞台 ノラガミ-神と願い-』というタイトルで舞台化もされましたね。

魅力の1つは日本神話に登場するイザナミや七福神など、八百万の神々が存在する和風ファンタジーの世界観。
人の目には普通映ることのない死角にある高天原やそこに住まう神々・神器、さらに魑魅魍魎などが存在する『彼岸(ひがん)』、人間が息づく『此岸(しがん)』、そして半妖などの中途半端な存在が立つ彼岸と此岸の境界線にある『狭間(はざま)』、3つの領域に分かたれているという設定の現代日本を舞台とした世界。

有名な神様をモチーフにしているキャラもこの作品の世界観を彩る大きな要因ですね。七福神に名を連ねている毘沙門や恵比寿、学問の神様として有名な菅原道真こと天神、貧乏神のエビス小福、雷神・剣の神とされるタケミカヅチなど、神様だけあって一癖も二癖もあるキャラが多く登場します。神の成す事はすべからず「是」となるとは言え、人のように悩み様々な事情を抱えている様子を見ていると、なんだか親近感も湧いてきますね。
そんな神の従者と言えば、キツネや牛などの動物たちを眷族とする神使を扱った作品を多く見ますが、この作品では神器と呼ばれる神に仮の名を与えてもらった死霊たちが僕となっています。見るからに主と下僕のような主従関係にあるものもいれば、相棒のように見えたり、夫婦のように見えたりと、その関係性を見るのも楽しいです。エビス小福と苦労人神器である大黒の長年連れ添った夫婦のような関係が一番好きですね。

序盤のストーリーは夜トと人間に取り憑いた妖との戦闘と、登場人物たちのドタバタ騒がしく繰り広げられるご町内神様コメディのような賑やかな騒動を描いています。
中盤からは上記の要素もありながらスケールは大きくなっていき、次第に神と神との戦いなど、神の領域で起こる事件や騒動が中心になっていきます。戦闘の迫力も巻を重ねるごとに増していくので飽きませんね。
神と妖、神同士の諍いなど、本来人の立ち入れない領域で起こることであるはずが、全ては人間が起因しているというのも面白いところですね。人の願いから生まれる神、人に忘れられることで消える神、神は人の願いを叶えるために動き、神の行いは善となる。このあたりの要素もしっかり生かされている構成になってます。特に恵比寿のエピソードでは強く表れていたんじゃないかと思います。人の為にと善の心で逸脱した行いをする恵比寿、それを許さんとする天、両者悪でも間違いでもなく、裏で悪さをしてたのも動機となったのも人間でした。

夜トとひよりの関係は今後どうなっていくのか気になりますね。ひよりからは少しずつ夜トに対する感情に変化が見られるような気はします。夜トに関しては、ストーカーまがいな迷惑行為をしたり、彼女がデートしたことに嫉妬の炎を燃やすなど、ひよりのことが大好きであることは確実。ですが、それは神が人に向ける慈しみの想いからくる愛しさなのか、異性として意識している恋愛感情なのかは判然としません。
ひよりの置かれている状況はある意味異常であることから、そもそもこの交流が今後も続いていくかどうかも怪しく、仮に関係が深まったとしても、別れる展開になってしまったらと思うと切なくもなります。ですが、恋愛描写を望んでいる私としては何か進展あってくれると嬉しいです。

最初の1、2巻時点では「まあ、面白い方かな」ぐらいの感想しかありませんでしたが、巻を重ねるごとにスケールは大きくなり、気になる要素も増え、いつの間にかのめり込んでいましたね。
また、絵が美しいのも良いところ。神々の姿や神の住まう世界を美しく丁寧に描いているため、その絵によって彩られたストーリーに引き込まれる魅力があります。
先の気になるストーリー展開、魅力ある個性溢れるキャラクター、迫力あるバトル、笑いあり、涙もあり、男性でも女性でも楽しめる作品になっていると思います。飽きることなく読めるので、よければ読んでみてください。



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2016年11月18日

【ドリフターズ】マンガ 感想&あらすじ 異世界に呼び出された歴史上の英傑たちによる夢の共演

ヤングキングアワーズ。2009年6月号より連載中。既刊5巻
作者:平野耕太
他作品:HELLSING



あらすじ・概要

1600年関ヶ原、烏頭坂。戦国武将島津家家臣・島津豊久、天下分け目の大戦にて、叔父・義弘を逃がすため島津の退き口を展開し、井伊直政に一矢報いるも単身での突撃により自身も瀕死の重傷を負う。戦場を彷徨う豊久だったが、生死の狭間で現れた謎の男により、突如異世界へと飛ばされてしまった。
見た事もない種族を目にした直後に気を失い、連れられた先で目を覚ました豊久の前に現れたのは、自身と同じように飛ばされてきたという織田前右将信長、さらに那須資隆与一と名乗る英傑たちだった。
成り行きでエルフの村を開放した豊久たちは、ある軍団に対抗するため、異世界での国盗りへと舵を取る。

主要登場人物

・島津豊久
主人公。漂流者の1人。戦国時代における戦闘民族・島津家の武将。30歳。関ヶ原、島津の退き口での死闘により瀕死の重傷を負ったところを転送。首級をあげることに強い執着を示し、ついたあだ名が「妖怪首おいてけ」。常人離れした身体能力を持ち、考えるより本能に従い行動に移す単純な性格。

・織田信長
戦国三英傑の1人。第六天魔王と自称した戦国武将・大名。49歳。本能寺の変にて、乱丸と共に脱出しようとした折に転送。無精髭を生やし、眼帯を付けた愉快なおじさん。卓越した智略・戦術眼を持つ冷徹非常な策略家。自らは裏に回り、豊久を王にするため行動しています。

・那須与一
源平時代の弓の名手。19歳。女性のような美しい容貌を持つ美少年。上に10人に兄がおり、兄弟の中で自分が一番ブサイクとのこと。主であった義経に対しては手段を選ばない卑劣さから快く思っていませんが、強制することをしない豊久には好感を持っているようです。麗しい見た目に反してかなりの戦闘狂。

・オルミーヌ
導師結社「十月機関」の構成員。眼鏡をかけ金髪ツインテールにした巨乳の女性。安倍晴明の支持により豊久一行を監視していたが、あっさりバレてしまい拘束され、その後はこの世界の説明をしながら行動を共にしています。信長からは「オッパーヌ」「オッパイメガネ」などといじられ、まともに名前を呼んでもらえずにいます。

・安倍晴明
平安時代の陰陽師。導師結社「十月機関」の長。構成員からは「大師匠」と呼ばれています。見た目は20代男性にしか見えないが、実際の年齢は83歳のおじいさん。符術の達人。間違いは正さなければいけないという考えから、廃棄物をこの世界から滅ぼすために「十月機関」を結成。

・黒王
亜人種を従える廃棄物の王。素顔も正体も全てが謎に包まれた存在。かつては人を救おうとしたが、その人間に拒絶され、今では強い憎しみを抱き世界から滅ぼそうとしています。手を触れただけで傷を癒し、食糧を増やす特殊な能力を持つ。手のひらには杭で打たれたような穴が開いています。



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感想

様々な時代から異世界に飛ばされてきた<漂流者(ドリフターズ)>と呼ばれる歴代の英傑たちと、同じように呼び出された世界の全てを憎む英傑・<廃棄物(エンズ)>たちとの世界の存続をかけた戦いを描いた物語。
『HELLSING』で有名な著者・平野耕太さんによる、様々な歴史上の英傑・偉人が登場する異世界ファンタジーアクション漫画です。アニメ化にもなり、2016年10月より放送中です。

物語の舞台となるのは、人間種のみならず、エルフやドワーフ、オークやゴブリンなどの亜人種、はてはドラゴンまで存在する世界。
世界観を簡単に説明しますと、日本の武将や軍人、ローマの英雄、カルタゴの戦術家、西部劇に出てくるガンマンなど、歴史上の様々な英傑・偉人、有名人が一つの世界、同じ時代に終結し、関ヶ原での東軍・西軍のように<漂流者(ドリフターズ)>側と<廃棄物(エンズ)>側に別れ、世界の命運をかけて争っている世界。歴史上の有名人達によるフェスティバルと言っても良いかもしれません。

「紫」という謎の男に呼び出された者達が<漂流者(ドリフターズ)>。生死の狭間をさまよっていた者達が死の間際に飛ばされ、意識も能力も現実世界そのままの状態で残っています。生死不明とされている人物などで構成されてますね。
「EASY」という謎の少女に呼び出されているのが<廃棄物(エンズ)>。深い恨み憎しみを抱きながら非業の死をとげた者達によって構成されており、溢れ出る負の感情により正常な精神を喪失しています。炎や氷などを操る異能持ち。
これは明確に説明されているわけではないため、何か別の理由があるかもしれません。

何と言っても魅力は濃すぎる登場人物たち。そして、その人物たちによる夢の共演ですね。
織田信長や安部清明、ジャンヌ・ダルクにハンニバルなど、様々な作品で主役級を張るキャラが次から次へと登場してくる作品です。異世界に飛ばされたのが仮にその中の1人や2人だけでも物語は十分面白くなるところ、沢山集めて戦わせてしまおうというのだから胸踊ります。
勇猛な気質を持つ戦闘に特化した一族である島津の武将・豊久と、士道を貫く幕末の戦闘集団新撰組の副局長・土方との戦い。
日ノ本に変革をもたらし統一まであと一歩にまで迫った戦国のカリスマ・織田信長と、ロマノフ王朝を裏から操り滅亡に追い込んだ怪僧・ラスプーチンとの国乗っ取り合戦。
あと、戦闘機とドラゴンの戦いなど、現実では決してお目にかかれない者同士の立合いは必見。
人物像は作者さんの独自解釈が強めなのか、信長にしろハンニバルにしろ、彼らが登場する他作品とは違った性格をしているのも面白いところですね。

さらに面白いポイントが、当時はなかった、あるいはこの世界にはなかった武器や戦術を、過去の武人・軍人・戦術家や異世界の種族が知ったらどうなるのか?というところにもあると思います。
信長やハンニバルが機関銃や戦闘機を持っていたらどんな戦術を立てるのか、考えただけでも身震いします。ハンニバルの機関銃を見たときの「なにこれすごい。これくれ、ちょっとローマ滅ぼしてくる」には笑いましたね。
本来交わることのなかった者(物)が巡り合い、新たな展開が生まれようとしている様からは、次に何が起きるのかという興味が尽きません。

この作品の最大の謎、「黒王」の正体は誰?というところにあり、私も非常に気になっています。
現時点でも変わらずフードを深々と被っているため素顔すら判然とせず、イエス・キリスト、神武天皇、天草四郎時貞説など、様々な予想が飛び交ってますね。
手の平にある杭で打たれたような穴、傷を癒し食料を増やす奇跡の技、無花果など、彼の発するセリフからもイエス・キリストを思わせる要素が多いんですよね。だからこそ、あまりにも思わせぶりな要素が多すぎることからして、私はキリストはミスリードだと思っています。
とは言っても、「なら誰?」と聞かれたら困ってしまうわけですけど。私は天草四郎時貞説を推してたんですが、近代戦術を知ってるあたり実はオルテ建国したヒトラーなんじゃないか?とも思っています。彼が死んだと言われてから国王が出てきた気もしますから。ただ、黒王は生前人々を救おうとした人物ということなので、それを考えるとヒトラーは難しいですよね。もう完全に迷走中です。

とにかく面白いです。キャラクター、ストーリー共に最高の出来に仕上がっている作品だと思います。ギャグとシリアスのバランスもよくとれているので、軽くなりすぎることも重くなりすぎることもなく読み易い。『HELLSING』でも見られた圧倒的な画力による迫力と深みのある絵は今作でも発揮されています。
難点をあげるとしたら、なかなか新刊出ないことですね。2009に開始したのに現時点で発行されたのはまだたったの5巻ですから。
各種クセの強い作風ではありますが、ハマる人はそのクセにこをとことんハマる面白さがありますので、よければ読んでみてください。強くおすすめさせていただきます。



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2016年11月09日

【ダンジョン飯】マンガ 感想&あらすじ 参考にならない再現不可能な魔物料理を描くファンタジーグルメ漫画

ハルタ。2014年2月から連載。既刊3巻
作者:九井諒子



あらすじ・概要

それはある小さな村から始まった。地鳴りによって崩れた墓地の底に空洞を見つけ、そこからかつて滅びた国の王を名乗る男が現れた。その男は国を滅亡に追いやった狂乱の魔術師を倒したものに全てを与えると言い残し、塵となって消えてしまった。この出来事から夢と野望を抱いた多くの冒険者たちがダンジョン攻略に乗り出す。
そんな中、最深部にまで到達したライオス率いるパーティ一行は、強大な敵・レッドドラゴンに挑むも、疲労と空腹も災いして壊滅状態に陥る。あわやのところでライオスの妹・ファリンが魔法を発動し、ダンジョンからなんとか脱出できたのだが、みんなを逃がしたファリンだけはドラゴンに食べられてしまった。一刻も早く救出して消化される前に蘇生魔法をかけるため、資金不足・装備不足のなか、自給自足でダンジョンを進むことを決める。そんな彼らが現地調達する食材は、他でもないダンジョンに蠢くモンスター・・・。

主要登場人物

・ライオス
主人公。トールマン(人間)の戦士。冒険者歴は3、4年と短いが、パーティのリーダーを務めています。仲間思いで柔軟な思考の持ち主。ドラゴンに食べられた妹・ファリンを一刻も早く助けるため、自給自足での挑戦を提案し決行。重度の魔物マニアでもあり、調べる内に食材としても興味を持つようになりました。

・マルシル
エルフの女魔法使い。金髪ロングヘアーの美しい女性。攻撃魔法から回復魔法まであらゆる魔法を習得しており、ファリンを助けるための蘇生魔法も可能。ライオスの魔物食には拒否の態度を示しているが、空腹には逆らえず毎回渋々食し、結果的に誰よりも美味しそうにしています。希少なツッコミ役。

・センシ
ドワーフの戦士。筋骨隆々の体格と見事な髭を蓄えています。センシはドワーフ語で「探求者」という意味。ダンジョンで10年以上自給自足の生活をしており、長年魔物の調理法を研究してきた魔物素材専門の料理人。希少な素材で作られた鍋を背負っています。ドラゴンを調理し食べたいという理由から同行。

・チルチャック
小柄な種族ハーフフットの鍵師。扉や宝箱の解錠、罠発見・解除を担う盗賊系の冒険者。子供のような容姿とは裏腹に年齢は29歳と大人であり、おそらくライオスよりも年上。パーティ内では最も落ち着きのある常識人。抜けるメンバーがいる中ライオス達に同行したのは、前払い報酬の契約に基づく責任感から。

・ファリン
ライオスの妹。回復・徐霊・補助魔法を得意とする僧侶。糸目が特徴の温和で優しい争いを嫌う女の子。マルシルとは魔法学校時代からの付き合いであり、彼女はファリンの魔法の素養の高さに気づいていました。冒頭でライオスを庇いドラゴンに丸呑みされてしまいます。




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感想

ドラゴンに丸呑みされた妹を一刻も早く胃袋から救って蘇生魔法をかけるため、資金不足により厳しくなった食料調達の解決手段として、現地調達(モンスター)することを決めた一行が、深部を目指しながら行く先々で倒したモンスターの素材を使って料理を食して行く物語。
ファンタジー&グルメという、個人的に好きな2つのジャンルの組み合わせに興味を引かれました。さらに、表紙の鎧で全身固めておきながら、手に持っているのはフライパンとフライ返しというシュールな絵面が気になり、ためしに1巻読んでみたら大当たり。現在、私の中ではかなり熱い作品の1つです。

『ダンジョン飯』というタイトルの通り、ダンジョン内での料理・食事を描いた作品。ただ、町で調達した野菜やら肉やらの食材をダンジョン内で調理するものではなく、現実の世界には存在しないモンスター素材を使ったファンタジーグルメ漫画です。間違いなく完璧な再現は不可能な料理ですね。

しっかりした世界観を構築している作品。ドラクエというよりウィザードリィのようなダンジョン攻略系RPGのファンタジー世界に、リアリティある生活観を付け足して描かれています。
この世界にはトールマンと呼ばれる人間、ファンタジーではおなじみのエルフやドワーフ、小柄で幼く見えるハーフフット、他にもノームやコボルトなど多種族が共存しているようです。
属性魔法や回復・徐霊魔法、さらに普通なら禁忌とされそうな蘇生魔法も度々使用されている場面があり、禁止されてるわけでも神官・僧侶に限定されているわけでもなさそうです。
ダンジョン内には様々なモンスターが次々と湧き出てくるので危険ではあるんですが、入り口の周囲には露天などが軒を連ね、冒険者ではない人の出入りも多く、蘇生魔法もあることからあまり殺伐とした雰囲気はありませんね。

登場するモンスターはスライムやミミック、バジリスクにマンドラゴラ、そしてドラゴンといった王道な皆さんが集まっており、生きるためにこいつらを食ってやろうという漫画。
主に調理はダンジョンに篭って研究をしてきたドワーフのセンシが行うわけですが、慎重に見えて豪胆でもあり、食材として使えるか自分自身で試してきたようなので、こんなやり方でよく10年も生き延びられたものだと呆れながらもちょっと感心。食べられるか食べられないかを判別できるまでにはかなりの犠牲を伴うことだと思うんですけどね。『迷宮グルメガイド』という本も出版されていることから、センシ以外にも魔物を食材として研究している人達はいるみたいです。どこにでも世界を広げるバカというのはいるものです。

料理に関しては調理工程やネーミングからは一切食欲沸きませんでした。当然使われる素材はダンジョン内を徘徊している前述で上げたようなモンスターです。バジリスクみたいな鳥系や歩くキノコならまだ分からなくはないんですが、動く鎧や人喰い植物はさすがにどうなの?と思ってしまいますね。人から養分を得て育った植物を人が食べるというのは、生命は循環するものだと理解はしていても強い拒否感が沸いてきます。
ただ、ゲテモノ料理に分類されるんでしょうけど、出来上がり具合は特に変なところもなく、普通に美味しそうな料理に化けており、その絵だけなら食欲沸いてくる出来栄えでした。見せかけでごまかしてはいるものの、想像していた完成図とはかけ離れいたため、少し肩透かしをくらった気分。油断してると中からびっくり素材が出てくることはありますけど。

読者の思いを代弁してくれるマルシルに同情。サイコパスレベルの魔物マニア・ライオス、掴みどころのない戦士兼料理人・センシ、常にドライなチルチャックといったように、仲間はみんなクセが非常に強く、魔物料理に積極的かそうでなくても取り乱すことはない人達ばかり。
そこで、ツッコミ、嫌がる役、読者の思いを代弁する役割を一手に担うことになった人物がマルシルです。ほっとくと何でもかんでも食べてしまいそうなライオスのストッパー的役割もありますね。
「ヤダー」「いやー」と泣いて青ざめながら毎回拒否の態度を示し、一見駄々っ子のようにも見えますが、でもそれが普通の反応ですよね。見てるこちらも「うわぁ・・・」「いやいや」「気持ち悪い」と思うことばかりなので、彼女のような代弁者がいてくれるのは読み進めていくためにもありがたい。
彼女はだいたい最初に拒否するんですが、空腹には逆らえず、そして魔力・体力のためにも結局恐る恐る口にし、その美味しさに陥落という流れが出来上がってます。
次第に慣れてきているマルシルさんですが、慣れきってほしくはないという思いが私の中にあります。駄々をこねて拒否し、でも美味しいと顔を綻ばせる感情豊かなマルシルさんがかわいいんです。むしろ可哀想なところが可愛いとさえ思ってます。

これまでにない斬新なファンタジー漫画、グルメ漫画でした。主目的であるファリン救出に対する緊張感・危機感が薄く感じたことは難点ですかね。テーマがダンジョン内でのグルメなので仕方ないところはありますけど。
様々なモンスターを用いてのグルメの数々は興味深く、知られざるモンスター特性(あくまで独自設定)も知ることができ、キャラクターも個性ある人達ばかりです。
今後、どんな料理やその素材になるモンスターが出てくるのか、ファリンの運命はどうなるのか、結末をどこに持ってくるのかなど、これからが気になる作品でした。他にはない面白さある新しい漫画ですのでよければ読んでみてください。

ダンジョン飯 1巻 (ビームコミックス)

九井 諒子 KADOKAWA/エンターブレイン 2015-01-15
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2016年11月04日

【ハクメイとミコチ】マンガ 感想&あらすじ 背丈9cmの小人たちの日常生活を描いたほのぼの作品

Fellows!→ハルタ。2012年4月から連載。既刊4巻
作者:樫木祐人



あらすじ・概要

緑生い茂る森深くに暮らす2人の女の子・ハクメイとミコチ。
彼女たちは背丈がわずか9cmのとても小さな森の住人。動物や虫、他の小人たちと毎日を楽しく過ごし、一生懸命働きながら穏やかに暮らしていた。
鳥の羽根に掴まって大空を飛んだり、動物たちの背に乗って森の中を駆け回ったり、落ち葉やたまごの殻で住処を作ったりと、小さな彼女たちはいろいろな道具を活用し、森に住む様々な生き物たちと助け合って生きている。
今日も2人は仲良く遊び、働き、まったりしながら1日を過ごしていく。

主要登場人物

・ハクメイ
主人公。ミコチと一緒に暮らしている小人の女の子。赤毛のくせっ毛が特徴のボーイッシュな見た目と性格をしてます。食べることが大好きでかなりの大食い(特にミコチの料理が好き)。器用な手先を利用し修理屋の仕事をしており、大工仕事を手伝うこともあります。音痴でカナズチ。

・ミコチ
主人公。ハクメイと一緒に暮らしている小人の女の子。ストレートロングの黒髪が特徴のハクメイとは逆に女の子らしい見た目をしています。面倒見がよく、料理や裁縫などの女子スキルも高め。服の仕立てや雑貨屋に保存食や日用品を卸す仕事をしています。綺麗な歌声の持ち主。

・コンジュ
吟遊詩人。小人の女の子。見た目はウェーブがかった金髪のツインテール。低音の響く歌声を持ち、同じく人気の綺麗なソプラノ声を持つミコチにライバル心を燃やしていますが、共演したことをきっかけに仲良くなります。おしゃれで女子力
は高いが料理は苦手。寝るときは全裸。

・鰯谷親方
小人たちよりずっと大きいイタチの大工。頭に巻いたタオルと、くわえたタバコが特徴。修理現場でハクメイと出会い、以来彼女にとって大工の師匠のような存在。本人は鰯谷親方と呼んでほしいようだが、「イワシ」と呼ばれています。

・セン
沼に住んでいる小人の女の子。生命について研究している科学者。研究成果の産物である骨だけで生きている相棒の亀・ジョージの甲羅部分を家にして暮らしています。ハクメイたちとは釣りで知り合ったことで親しくなり、彼女たちの焼けた家を立派にリフォームしてくれました。

感想

背丈が9cmしかない小人の女の子・ハクメイとミコチと、彼女たち以外の小人や様々な動物・昆虫などの森の住民たちの、活き活きと遊び・働き・のんびりしている日常の姿を描いた物語。
主人公のハクメイとミコチを中心に紡がれる、ほのぼの日常系ファンタジー漫画です。個人的に大好物なジャンルの作品だったこと、それから表紙の色鮮やかさとキャラの愛らしさに惹かれて読み始めた作品です。まったりしたいとき、リラックスして癒されたいときに適した内容だと思います。

「素敵だぁ・・・。」と思わず呟きそうになる良い感じの世界観に魅了されました。小人が出てくるファンタジー作品とは言え、剣で斬り合ったり魔法が飛び交うような冒険ものではありません。もちろん魔王も不在です。
小人の2人は木の洞(うろ)に作った家で暮らし、森の住人たちは市場を開いて様々な物を売り買いし、イタチが大工をしていたり、バッタが郵便屋をやっていたりと、想像を掻き立てられる独特な世界観を築いています。
それに、独自の世界観ではあるのに、森を掻き分けながら進めば現実のどこかにひっそりと存在しているんじゃないかという不思議な感覚を持たせてもらえ、子供の頃の純粋な気持ちを思い起こさせてもらえました。
それに、小人視点で世界を写しているので、実際よりも壮大な世界観に感じられましたね。森に飲み込まれそうです。

この世界をより色鮮やかに染め上げてくれているのは、作者先生の高い画力によって描かれている背景です。生い茂る木々や植物などの自然背景をリアル寄りな絵で描いており、ミコチたちが暮らす森の雄大さ、木々の力強さや生命力まで感じ取ることができ、まるで芸術作品のような魅力があります。
植物だけでなく、少し古びた温かみのある建築物がこれまた良い。周囲の自然風景と相まって、家や屋台の外観の絵には味わいがあり、家の中に入れば家具や小物などの内装を丁寧に細かく書き込まれていて、この絵のためだけでも充分見る価値があると思います。

リアルな背景に対して三頭身にデフォルメされたキャラクターは愛らしく、昆虫や鳥たちのデザインも異なるのですが、その相反するかのようなギャップが魅力にもなってますね。
それぞれの見た目は、三頭身のぷにっと丸みを帯びた小人たち、擬人化され二足歩行する動物たち、背景と同じようにリアル寄りに描かれている昆虫や鳥たち。
一見アンバランスのように思われるかもしれないキャラデザと背景をしているんですが、うまいことファンタジーとリアルさが混じり合い、喧嘩することなくバランスよく互いの良さを引き立てていると思います。

やはり小人たちの可愛さ、そしてほのぼのしたゆったりと流れる時間、これに癒されますね。
描かれているのは、ハクメイとミコチを中心とした森に生きる者たちの日々の暮らしぶり。はっきり言ってしまうとこれだけなんですけど、森という舞台、ファンタジー設定、視覚的に楽しめる描き込まれた絵によって、何気ないことでも非日常を感じさせる不思議な面白さがあります。読めば子供の頃の純粋に物事を楽しむ冒険心のような気持ちが湧き立ってくるかも。
それは、登場人物が皆、生き生きとした表情で楽しく暮らしている様子がはっきり見て取れるからだと思います。遊んでるとき、おでかけするときはもちろん、働いてる姿からも楽しさが強く伝わってきました。仕方なくとかやらされてる感がないんですよね。ミコチなら料理や裁縫、ハクメイは器用な手先を使った修理、詩が好きなコンジュは吟遊詩人、大工仕事が大好きなイワシ、自分の特技、好きなことを生かして誰かのために役立たせ、やりたいことを仕事にしています。決して適当にすることもなく、むしろ皆取り掛かってることに懲りすぎなほど熱心に向き合っていました。まあ、中にはそれって仕事なのか?と言いたくなようなものもありますけどね。

個人的な好みにどストライクにハマッているため、とてもお気に入りの作品。私は漫画を電子書籍として買うことも多いんですが、この作品は装丁が独特で手触りが良く、童話調のデザインも気に入ってるので紙媒体で買ってます。なんか本棚に置いておきたくなります。
もう1つ良かったと思えた点をあげると、説明過多になっていない、というよりほとんどなかったということでしょうかね。主に世界観に言えることなんですけど、ここがどんな世界なのか、どんな生き物がいるのかなど、あえて説明を省いていると思われ、そのことから森の先にはなにがあるのか、次は何がおこるのかといったように、想像力を掻き立てられ、読んでるとわくわくするんですよね。
そんな訳で『ハクメイとミコチ』とても面白い作品でした。ほのぼのとした癒し、わくわくする冒険心、美味しそうな料理に笑える掛け合い、ずっと見てても飽きさせない描き込まれた絵、様々な楽しみ方ができて多くの人におすすめできる作品です。よければ近場の書店にでも立ち寄った際には手にとってみてください。

ハクメイとミコチ 1巻 (ビームコミックス)

樫木祐人 エンターブレイン 2013-01-15
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【eBookJapan】 ハクメイとミコチ
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2016年10月12日

【CLAYMORE(クレイモア)】マンガ 感想&あらすじ 美しい戦士たちの凄惨な戦いを描いたダークファンタジー

月刊少年ジャンプ→ジャンプスクエア。2001年7月号から2014年11月号まで連載中。全27巻
著者:八木教広
他作品:エンジェル伝説



あらすじ・概要

人間を捕食する妖魔が蔓延る世界。妖魔は喰らった人間の姿に擬態し、隣人として、友人として、家族として、村や街に紛れ込み人を襲い殺して内臓を喰らう。人々はそんな妖魔の存在に常に怯えながら暮らしていた。だが、そんな妖魔を狩る者達がいる。背に大剣を背負い、銀色の瞳をした、女ばかりで構成された戦士達の組織「クレイモア」。妖魔を狩るため、体内に妖魔の血肉を取り込んだ半人半妖の戦士たちは、各地に散らばり依頼の下妖魔を狩り、「銀眼の魔女」と恐れられながらも人々を守っていた。
妖魔の被害が相次いでいたとある村に住む少年・ラキは、村長が依頼し訪れてきた1人の女戦士・クレアと出会う。

主要登場人物

・クレア
主人公。47名からなる戦士の中でNo.47という最下位に位置する戦士。妖魔の血肉を取り込んだ他のクレイモアとは違い、全戦士の中で唯一戦士の血肉を取り込んだ「特殊体」。身体能力は劣るものの、妖気感知能力は高い。無口で表面上は冷静だが、心の内では熱い感情が渦巻いています。

・テレサ
通称「微笑のテレサ」。歴代最強と謳われたかつてのNo.1。あらゆる能力に特化しており、中でも妖気感知能力は極めて高い。妖魔に連れ回されていた幼いクレアを助けたことをきっかけに、彼女に懐かれるようになり、テレサ自身もクレアと共に生きて生きたいと思うように。覚醒者になったプリシラによって命を落とします。

・ラキ
人間の少年。兄に化けていた妖魔から救われたことで、クレアと共に旅をすることになります。助けられたこと、元々の優しい性格から、クレイモアであるクレアを慕い、恋心を抱くようにもなっていきます。料理が得意。

・ミリア
通称「幻影のミリア」。組織のNo.6。責任感が非常に強いリーダータイプ。クレアにとって良き姉のような存在。瞬間的な妖力の急上昇によって、高速移動を発揮し残像を生んで敵を惑わせながら戦います。

・プリシラ
クレアの復讐相手。テレサがNo1だった世代のNo.2。短期間でNo.2にまで昇り詰めた天才。逃亡したテレサに挑むも叩き伏せられ、激昂したことで妖力解放の限度を見誤り、半人半妖が妖魔化した存在である覚醒者と成り果ててしまいます。油断していたテレサを斬首し、他のクレイモアの切り伏せ北へ向かいました。



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感想

人を喰らう魔物「妖魔」と、妖魔を狩る女戦士「クレイモア」が存在する世界。命を救われ絆を深めたテレサを殺めた覚醒者・プリシラへの復讐のため、テレサの血肉を取り込むことでクレイモアとなったクレアの戦いの日々を描いた物語。クセのある美術的な絵と独特な世界観、多様なキャラによる凄惨で過酷なストーリーで描かれたダークファンタジー作品です。2007年にはアニメ化もされました。アニメと漫画のラストは完全に異なっていましたね。

話が進むにつれて広がっていく独特な世界観が素晴らしい。人を喰らい、喰らった者の姿に擬態できる妖魔が人々の暮らしを脅かしており、それに対抗するため生み出された存在が、妖魔の血肉を体に取り込んだ半人半妖の女戦士「クレイモア」です。全部で47名の正式な戦士で構成され、番号がそのまま強さの序列を示しています。
前述で書いた「覚醒者」というのは、妖力開放の限度を超えた戦士たちの妖魔化した姿です。戦闘力は戦士時代の実力・潜在能力を反映していて、力は普通の妖魔を超越しています。
世界の全貌を書いちゃうとネタバレすぎるので省きますけど、かなり練られた世界観でしたね。凄惨で混沌としたダークな雰囲気が魅力的です。厳しい世界だからこそ、強さや美しさがより映えて見えます。

ストーリーは結構辛い話、というよりエグい話かな、そういう傾向の話が多かったですね。村や街を妖魔から救っているにもかかわらず、人々から忌み嫌われているのは辛い。未知なるもの、自分たちとは違うもの、半分は自分たちを脅かしている存在であることからして、恐怖を抱くのは仕方ないところはあるんですけどね。
もう1つは前述にも書きました覚醒者が元戦士というわけなので、それを討伐するのはかつて共に戦った仲間や友人なんですよね。本人も知った上での討伐戦だったり、討伐した後にそれが苦難を共に乗り越えた友人だということを知ったりと、読んでて辛くなることも多く、彼女たちに救いがあることを強く願うばかりでした。
エグいと言ったら彼女たち戦士を作っている組織です。モルモットでも扱っているかのような感覚をしているので、彼女たちを人としては全く見てません。戦士たちに救いと温かな未来を願う一方、ありとあらゆる苦痛と絶望を奴等に与えて欲しいと望んでいました。

美しく強い戦士たちに見惚れてしまいますね。たぶん人気高いのは美しさだけでなく、強さも規格外だったテレサかな?幼いクレアとテレサの過去話は評価高いですし、この辺も起因していると思います。孤高だった存在が幼いクレアに触れ愛情を抱くようになっていく様は、この作品では稀なほっこりさせてもらえるエピソードなので私も大好きです。それ故にその後の展開は辛すぎました。まあ感動も待ってますけど。あと、最後まで彼女の強さの底は見えませんでしたね。彼女を育てた組織ですら把握できていなかったようですし。全てにおいて規格外。
私もテレサやクレア好きなんですけど、あえてそれ以外の人物で誰か1人をあげるとしたら、ガラテア姉さんですね。「神眼のガラテア」の通り名を持つ妖気感知能力に優れた人物です。美しさもさることながら、強くてかっこ良く、多くの物事が見えすぎるせいか、周りとはどこかかけ離れている存在でした。子供たちに慕われてる姿を見ると、良きお姉さん、良きお母さんにもなれそうです。魅力的な人たちばかりですけど、個人的には彼女が1番好きですね。

覚醒者の覚醒した姿も書き分けられていて、様々な特徴から戦士時代がどんなタイプの戦士だったかも伺えて楽しませてもらえました。そんな覚醒者との戦闘は緊迫感あって良かったですね。以前は手も足もでなかった存在に対し、成長し力をつけ、心を預けられる仲間と共闘し立ち向かう戦闘シーンは熱くさせられることもありました。

どこかの書店で適当に選んで買った1冊だったんですけど、予想以上に面白くハマってしまった作品でした。ストーリーは重厚ながらも分かりやすくテンポも良い。序所に明かされていく世界の在りよう、戦士たちの存在理由、迫力ある戦闘シーン、見応え十分でした。最終巻は特に感動でき何度読み返したか分かりませんね。
過酷な世界で凄惨な戦いを強いられながら生きるクレアたち女戦士たちの生き様を描いたダークファンタジー、よければ読んでみてください。



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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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