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2017年08月02日

【もののけ◇しぇありんぐ】マンガ 感想&あらすじ 人間の少女と妖怪娘(巨乳)たちのルームシェア生活を描いたほのぼの日常コメディ

ヤングマガジンサード。2015年Vol.2から連載中。既刊3巻
作者:クール教信者
他作品:小林さんちのメイドラゴン




あらすじ

頭は良いけど家が貧しいことから、特待生枠でしか高校へ進学する術がなかった目つきの悪い女子高生・鏡ヤタ(かがみ やた)。
生活費も自分で工面する必要があるため、格安物件を探していた彼女が見つけたのは、月々の家賃が2万円で済むルームシェアハウス。

しかし、資金面だけを見れば申し分のない好物件だったのだが、この6人部屋のシェアハウスには大きな問題がひとつあった。
それは、ここに住む女性たちはヤタ以外みんな妖怪だということ。しかも巨乳ばかり・・・。

その住人たちは、カッパのミズチ、鬼のモミ、妖狐のよーこ、ろくろ首のクロ、雪女のユキ。人間社会に馴染んで生きていくため、人ではない自分たちを受け入れてくれる人間を探していた5人の妖怪たち。

妖怪を目の当たりにして一度は家を出て行くも、彼女たちから悪い感じを受けなかったヤタは、ここでなら自分の目つき悪いコンプレックスも目立たないのではと思い至り、若干戸惑いながらも妖怪たちと暮らしていくことに。

かくして、孤独な人間の少女は、種族が異なる5人の女妖怪たちとの、賑やかでちょっと不思議な共同生活を始めるのだった。

登場人物

ネタバレも含まれているので注意

・鏡ヤタ(かがみ やた)
主人公。人間の女子高生。頭に大きなリボンをつけた目つきの悪い女の子。学校では目つきの悪さを隠すために伊達メガネを掛けて生活しています。真面目な優しい性格で、言葉は若干キツいけど意外と甘えん坊だったり。唯一のツッコミ担当。あと、絵がド下手。
勉強好きで頭も良いのに。家が貧乏なため通常の方法では高校への進学は出来なかったため、特待生枠を利用して入学し、生活費を抑えるために低家賃だったシェアハウスを選択しました。妖怪だらけのシェアハウスを選択した理由は家賃の安さだけではなく、ここでなら自分の目つき悪いコンプレックスが目立たないと思ったからですが、その変わり貧乳という新たなコンプレックスが生まれることになりました。

・鯨塚ミズチ(くじらづか みずち)
「河童」の女子大生。眼鏡を掛けたセミロングヘアの巨乳女性。エラと水かき、そして頭のてっぺんには生え変わる皿があり、その上からカツラを被って隠しています。カッパらしく尻子玉が好物。
知的クールビューティで面倒見も良く、シェアハウス内の家事や妖怪たちの世話をしてくれるお母さん的存在。普段は頭の皿から水分を補給しているため、たまに人間の前でも頭に水をかけてしまい困惑させてしまうこともあります。
種族をまとめる頭首の家系生まれだが、純血ではない混血だったために疎まれ、純血種として腹違いの妹・マミズが生まれたことで、妹を頭首にして純血種を残したい一族によって座敷牢での生活をしいられていました。シェアハウスでの暮らしは厄介払いしたい親族と利害が一致したから。

・モミ
「鬼」の無職女性。シェアハウス内の最年長で最も胸が大きい。頭部には生え変わる角が2本付いていて、本人の言い分では「砕くと爆発する」とのこと。マイペースで寡黙なだらしない性格なので、面倒見の良いミズチの世話になることが多い。普段のだらけた姿からは想像し難いが、何事にも動じることはなく、意外と聡くて達観しています(但し性に関しては奔放)。
裸族なので寝るときは大抵全裸。性癖はショタコンで趣味はショタ狩り。妖怪だとバレないように生え変わる角を自分で折ることもありますが、その箇所から血が噴出してしまいます。

・よーこ
「妖狐」の無職女性。関西弁と狐の耳と巨乳が特徴。男好きで家に連れ込んでは性的関係を持っているけど、バイセクシャルなので女もアリらしい。陽気で呑気な性格。
妖怪は妖怪としか子を生(な)せないオキテが無くなり、人と子を生し力を増やすという妖狐一族の意向でSNSなどを用いて婿探しをしていますが、本人は性的なことが好きなだけらしい。楽しいことが好きなため、調子に乗ってやり過ぎてしまうこともしばしば。妖狐の術で人の記憶を消せます。

・クロ
「ろくろ首」の女子高生。普段はポニーテールですが、学校では髪を下ろしています。もちろん巨乳。たまに首を最大まで伸ばしてストレッチをしているらしく、首の力だけでSクラスのベンツも持ち上がるとのこと。
人間観察と人をおどかすイタズラが趣味で、お笑い芸人になる夢を持ちます。ボケ担当だがシェアハウスにはツコッミ不在だったため、ピンでの活動を視野に入れようとしたところ、ヤタという念願のツッコミキャラ登場でコンビ結成を打診。説得の介あってコンビを組むも、全くウケなかったことでヤタが逃走。以降、ことあるごとにボケてはヤタからのツッコミ待ちをするようになりました。基本的にネタは首芸のため、一般公開は不可能。
ネタになりそうだからという理由で通いだした女子高では、他の生徒たちから「黒薔薇の君」と呼ばれて憧れの対象になっています。

・越後ユキ(えちご ゆき)
「雪女」の女子高生。ショートヘアの体がひんやり冷たい巨乳の女の子。内気で大人しいけど優しい性格。「しずり」という名の氷細工職人をしている妹思いの姉がいます。猫舌。
雪女の冷気を放つ性質が災いし、昔から人も妖怪も近寄って来なかったことで寂しい思いをしていましたが、ヤタが気にせず手を握ってくれたことで彼女に好意を抱くようになりました。かなり嫉妬深い。
通ってる学校に雪女の教師がいるようで、彼女の協力を得て人の中に溶け込めるように励んでいます。趣味は氷細工、好きな食べ物は宇治金時と冷やし中華、最近欲しい物は除湿機。

・ぬりかべ
「ぬりかべ」の女の子。着物を纏ったおかっぱ頭の少女に変化できます。
シェアハウスの建て直しの際に材料が不足し、元々人里を見てみたかったこともあって、管理人の依頼で壁になるバイトをしていました。ぬりかべがシェアハウスに残るべき派と里に帰った方がいい派で真っ二つに割れてしまい、自分のせいで諍いが起きたことを気にして里に帰ろうとしましたが、実は彼女の力で複数の穴を塞いでいたことが判明し、残ってもらうことになりました。


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感想・見所

昔は手塚先生を始め、同時期に複数連載する漫画家さんは結構いたようですが、近年はひとつに絞ってる漫画家さんがほとんどで、2作品同時連載されてる方ですら稀ですね。まあ、昔に比べると絵もストーリーも複雑化・高度化してるので当然の流れではあるのでしょうけど。
ですが、そんな現代であっても5作品以上の連載を抱える怪物みたいな漫画家さんも存在しています。私が思い浮かぶのは、『雪花の虎』『海月姫』の東村アキコ先生や、『G線上のあなたと私』『おやすみカラスまた来てね。』のいくえみ綾先生。不定期もありますし週間連載というわけではありませんが、それでもスゴイ。
そして、最近急激にその名前を見る機会が増えたような気がしている漫画家さんが、クール教信者先生。調べたら10作品以上も現在連載されているというのだから驚きです。しかもアニメ化されている作品も多いときてますから、いったい作者さんの脳内はどうなってるんでしょうかね。

今回紹介させていただく作品も、そんなクール教信者先生の連載作品『もののけ◇しぇありんぐ』。人間(貧乳)と妖怪娘(巨乳)の共同生活を描いた作品になっていまして、作者さん忙しい身でありながら、編集さんの巧みな誘惑に負けて執筆を始めてしまったらしいです。

高校に通う目つきの悪い苦学生の少女と、彼女が住むシェアハウスで同居することになった個性と巨乳が溢れる妖怪たちとの、ちょっとエッチで仲良く楽しいエキセントリックな物語。
人間の女子高生と人外である妖怪娘たちとの交流を描いた日常コメディ。帯での謳い文句は「JKと妖怪娘のギュウギュウ共同生活」、「人間と妖怪の境界って?」など。
作者は上記にも書いた通り、アニメ化もされた『小林さんちのメイドラゴン』・『小森さんは断れない!』・『旦那が何を言っているかわからない件』などの作品で知られる漫画家・漫画原作者の「クール教信者」先生。

笑いあり、ちょいエロありの、JKと妖怪娘の奇天烈な共同生活

特待生枠で高校へ進学し、生活費もバイトで稼いでいる苦学生の女の子・ヤタ(人間)が本作の主人公。学校には寮が無かなったことで格安アパートを探していたところ、見つけた物件が家賃2万円で借りられる6人部屋のシェアハウスでした。ただ、問題がひとつ――ヤタを除いたそこで暮らしている5人の同居人たちは、タイトルの通りみんな「モノノケ」
これは、人間であるヤタが、人間社会に馴染もうとしている妖怪たちと、一つ屋根の下でのルームシェア生活をおくる中で、彼女たちとゆっくり絆を深めていく話。

日常系に分類されるほのぼのコメディですね。メインの登場人物たちは、「女の子が部屋着できゃっきゃうふふする話」というだけあって、みんな可愛い女の子。
絶壁の貧乳娘である人間のヤタに対し、同居人の「カッパ」、「鬼」、「妖狐」、「雪女」、「ろくろ首」の妖怪娘たちはみんな巨乳という無慈悲な格差社会が広がっています。

妖怪それぞれの特性を日常生活の中に絡めてるところは面白く、自分との違いに困惑しながらも、知ることで関係を深めていく様子は微笑ましくも思います。ただ、妖怪の特性はもう少し強めに押し出した方が面白くなりそうだなとは思っています。
ギャグは爆笑を狙った破壊力を重視した類のネタではなく、小ネタや下ネタを連投してクスリと笑わせるタイプ。下ネタけっこう多いのですが、男キャラや下衆なキャラがいないので下品にはなっていません。

巨乳と爆乳の比率が高く、メインには約2名ほどエロス全解放しているキャラがいるので、日常系にしてはお色成分が強めという、ありが・・・けしからん内容にもなっています。

ほのぼのした雰囲気の中に織り交ぜたシリアス描写がミソ

全体的にはゆるい空気で展開されている作品なのですが、たまに挟まれる作者先生らしいシリアス回によって、ストーリーとキャラクターに少し奥深さも与えていたかと。

同じ空間で生活するとなったら、種族の違いどころか、親しい友人や血の繋がった家族とでさえ問題が生じることは少なくありません。それが異なる存在である人間と妖怪なら問題山積みになること間違いなし。
ただ、理解できないと突き放したら亀裂を作るだけで終わってしまうでしょうが、元々妖怪たちは人間社会に馴染むことを目的とし、ヤタという人間をシェアハウスに招いた経緯がありますので、積極的に歩み寄る姿勢を見せます。人間のヤタも最初は困惑と孤独な様子もちょっと伺えましたが、彼女たちの良いところも悪いところも見ていく中で、理解し、受け入れ、歩み寄って手を握り、そうして良い関係を築いていく、その様子はとても良かったですね。

妖怪たち各々が抱える能力や家族関係での悩みや、人間に歩み寄ろうした結果生じた妖怪全体の変化や問題もあって、そこに非力な人間のヤタが飛び込んでいく展開も面白い。

正直言ってシリアスの出来は秀逸というほどではありませんし、それによって高尚な作品になっていたとも言いません。ただ、重苦しくし過ぎていないライトなシリアス描写は、バランス的にもこのゆるい日常系にはマッチしていると思われ、読み手には飽きさせない展開になっていたと思います。特に3巻。

「人間」×「妖怪」、異種間でのライトな百合コメディ

見所をもうひとつあげるなら百合成分ですね。シェアハウス内の妖怪娘たちは、誰しもが恋愛感情とまではいかなくても、みんなヤタのことを気に入っていることは間違いありません。

その中でも、特に雪女のユキは出会いの時点から既に高い好意をヤタに向けています。最初は友人に対するちょっと過剰な好意かとも思ったのですが、ヤタが他の子と親しくしてるときの嫉妬ぶりは明らかに友人の範囲を超えているのでニヤニヤさせられ、普段大人しいユキがヤタのことになると豹変してしまう姿は見ていて笑えます。

さらに、人間でクラスメイトの女の子からも怪しい雰囲気を感じられ、よーこやモミにとっても性的な意味でヤタは対象範囲に入っているようでして、女だけでもハーレムって成り立つものなんだなと、ちょっとだけ思いふけってしまいました。
さらにさらに、どうやらここに3巻でヤタが親交を深めた智慧姫という般若の女の子も加わるとのことで、ユキがどう出るかは気になるところ。

最後に

そんなこんなで、ゆる〜い雰囲気で展開される人間の少女と妖怪娘の交流を描いた漫画『もののけ◇しぇありんぐ』の紹介でした。
良い意味で全体的に軽い(胸は重そうですけど)。ギャグも、シリアスも、ストーリー構成も、適切な味加減でバランス良く作られていて、とても読みやすい作品でした。お色気要素が強めなので男性向けだと思います。
作者さんが好きなモノを好きなように描いてるのは良いのですが、仕事し過ぎて体壊すようなことはないよう、一読者として願っております。
ほのぼの日常系、可愛い女の子、妖怪娘、百合が好きな人なら楽しめると思いますのでよければ読んでみてください。自信を持っておすすめさせていただきます。

もののけ◇しぇありんぐ(1) (KCデラックス ヤングマガジン)

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posted by ハネ吉 at 19:37 | Comment(0) | TrackBack(0) | 日常

2017年06月21日

【ひらけ駒!】マンガ 感想&あらすじ 将棋が繋げる母と息子の日常を描いたハートフルストーリー

モーニング。2011年6号から連載(現在休載中)→2017年秋から再開予定。既刊8巻
作者:南Q太
他作品:グランメゾンむらさきばし



あらすじ

将棋に夢中な小学4年生の少年・菊池宝(きくち たから)。他の事には目もくれず、暇さえあれば将棋の関連本を読み耽り、詰将棋に熱中していたことで、宝の部屋もいつの間にやら将棋一色。

棋士のイベントに参加して、足蹴なく通っているサロンやスクールで腕を磨き、めきめきと実力を上げていく将棋漬けの宝は、大会にも出場して活躍。

そんな将棋にどハマりした息子を持つちょっとミーハーな菊池ママ。最初はただ温かく見守っているだけだった彼女も、いつしか息子にあてられて将棋に興味を持つようになり、次第にその楽しさと喜びを知っていく

視線も感じ方もちょっとだけ異なる母と息子だけど、2人揃っで将棋の世界にどんどんのめり込んでしまう菊池親子だった。

――将棋によって深まる親子関係。

登場人物

ネタバレも若干含むので注意

・菊池 宝(きくち たから)
主人公。小学4年生(開始時)。好物の漬物の中でも特にきゅうりの一本漬けが好き。
優しく素直な性格のゆったりした子で、見た目もかわいいことから、同世代の女子や年上女性から人気があります。飽きっぽいところもありますが、これと決めた事に対する集中力は非常に高い。あと、気が弱いところが難点。
将棋にハマってからは将棋漬けの毎日を送り、自分の部屋も関連する本やグッズでいっぱい。学校の宿題そっちのけで暇さえあれば棋譜並べや詰将棋に打ち込み、足蹴なく通っている道場やスクールで腕を磨き、めきめきと上達していく中で目標も高くなっています。
最も得意とする戦法は四間飛車で、相手によって居飛車と振り飛車を使い分けて指します。小学5年生でアマ3段に昇段し、周囲の人たちから研修会(奨励会の下部組織)を勧められるようになり、アマ4段への昇段を期に入会を決意。研修会でC1になったら奨励会試験を受けることも告げています。勝利を確信すると頬が紅潮し、耳も真っ赤になります。

・菊池ママ
もう1人の主人公。宝の母親。名前は不明。ショートカットの髪型、容姿端麗、スタイル抜群の女性。お酒類が好き。
当初は将棋に熱中する息子・宝を見守っているだけでしたが、影響を受けてためしに始めてみたところ、将棋にハマってしまいました。ミーハー気質なところもあるため、将棋番組や本に登場したり、イベントに呼ばれていた棋士に憧れを持つことが多い。中でも特に阿久津主税のファンですが、目移りすることもしばしば。クールに見えてかなりの親バカで尚且つ負けず嫌い。
自分が観戦すると宝が意識し過ぎるのではないかと思い、対局は極力見ないようにしているが、実際は自分が緊張し過ぎて見ていられないからという理由。通い始めたやさしい将棋教室の講師・水嶋比呂介(奨励会3段)から誘われ、女子アマ団体戦に参加して初勝利を飾ってから、一層将棋にのめり込むようになります。水嶋先生が三段リーグに専念してからは、壇レイコ女流棋士のもとで習い始めました。

・樋口 涼(ひぐち りょう)
宝と同じ水嶋先生の将棋教室に通う少年。小学5年生。アマ初段。
サッカーも好きだけどそれ以上に将棋が好き。宝と他水島教室の生徒何人かでチームを組んで将棋教室対抗戦に出場し、棋力違いの中学生にボロ負けしたことで奮起し、次の対局では見事勝利をもぎ取りました。昇段が掛かった対局で敗北するも、相手が勝ちをゆずってくれたことで一度は昇段しましたが、後ろめたさと悔しさで後に返上し、一から再出発しました。

・花田 みずき(はなだ みずき)
小学2年生。ツインテールの少女。
一手0.5秒で指す天才少女。兄のひろきは研修会で5段、小学生王将戦では優勝するほどの実力者ですが、自分の方がお兄ちゃんより強いと断言。アマ女流プロに勝利したことで新聞にも天才少女として紹介されるようになりました。

・水嶋 比呂介(みずしま ひろすけ)
奨励会三段。イケメン棋士。宝と菊池ママが通うやさしい将棋教室の講師。
小1で将棋を始め、学校以外の時間はほとんど将棋にあて、小5で奨励会に入会。菊池ママを含んだ教室の生徒5人で「水嶋チルドレン」を結成し、女子アマ団体戦に参加。若干意地が悪い面もあり。愛煙家。

・壇 レイ子(だん レイこ)
女流棋士二段。LPSA所属。もっとやさしい将棋教室の講師。
水嶋先生が三段リーグに集中するため教室をやめた代わりに、菊池ママが習うことになった講師。教えているのは初心者のみ。実力のある女流棋士であるうえ、容姿端麗でもあるため、男女問わず熱烈なファンがかなり多い。普段はおっとりゆるふわな女性ですが、対局になるとSモードのレイ子になります。力戦好きの攻め将棋。
菊池ママのことを「ステキ」と言って気に入っているようで、将棋サロンやランチ、自身が出るマイナビ女子オープンの応援などに度々誘っています。自分は女流棋士を目指していたわけではなく、女流棋士という仕事が自分を選んだなんてことをさらりと豪語。


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感想・見所

大好きな将棋に毎日熱中して打ち込んでいる小学生の少年と、そんな息子を見守るうちに自分ものめり込むようになった母親の母子家庭を中心に、親と子の絆を将棋で深める日常での心温まるやりとりを描いた物語。
「親子」と「将棋」をテーマにしたエッセイ風の日常系漫画。キャッチコピーは「読むと元気に、成る」、「親子で将棋が楽しい」。
作者は『グランメゾンむらさきばし』の女性漫画家・南Q太さん。作者の息子さんが将棋にハマり、その熱に影響を受けて自身も将棋に興味を持つようになって勉強したことで、将棋の漫画を描いてみたいと思うようになったそうです。

今回紹介させていただく『ひらけ駒!』は、最新8巻が発売されてから既に約4年半ほど続刊が発行されることはなく、打ち切りは発表されませんでしたがずっと連載休止になっていた作品。
理由についてのはっきりとした説明はなく、それなりに信憑性が高そうな噂がささやかれていました。本作中でも取り上げているLPSA(日本女子プロ将棋協会)と日本将棋連盟の関係が悪化したことで、運営すら危ぶまれる事態になってしまったこと。一応の和解をしたときは再開を期待しましたけどそうはなりませんでしたね。
あと作品制作の助力を得ていたと思われる、作中のキャラ・水嶋比呂介のモデルにもなっていた元・奨励会三段の故・天野貴元さんの影響も大きいかと。
そんなこんなで正直なところ再開はほとんど諦めていたところ、モーニングで2017年秋に連載再開の情報が発表されたとのこと。私は雑誌を読んでいないので最初はガセかと思ったわけですが、サイトを覗いてみると確かに「再開」の二文字が。予定だとしても嬉し過ぎる発表。ただ、掲載はモーニングではなく電子雑誌「BABY!」のようです。
これはあくまで個人的な勘ぐりでしかありませんが、もしかしたらこの再開は最近噂の中学生棋士・藤井聡太四段の活躍も影響してるのかもしれませんね。今やらない手はないでしょうから。

「将棋愛」と「母子愛」溢れるハートフルストーリー

将棋というのは白黒はっきり分かれる勝負の世界。それゆえ、そこを主戦場とするプロ棋士たちの勝利に対する執念と熱意は凄まじいものです。だからか、将棋を題材に扱った漫画の多くは、スポ根以上に火花散る熱いバトルと奮闘を描いた熱血物語だったり、棋士たちの様々な感情渦巻く濃密で厳かな人間ドラマであることが多いと思います。もちろんそれはそれで面白い。

しかし、この作品はそういった側面をあまり見せず、母子愛を温かな空気で感じさせてくれる母と子の関係をメインに描きながら、2人の間を繋ぐ将棋の世界の楽しさや奥深さをファン目線から覗くことができる、将棋愛にもあふれた作品。

将棋に馴染みのない人でも楽しめる将棋漫画では『3月のライオン』が人気だと思います。でも、それともだいぶ異なる内容で、家庭の温かみを教えてくれるという点では似ているところもありますが、鬱屈感や緊迫感はほぼ皆無。
将棋に熱中する小学生の少年・菊池宝と、そんな息子の姿を見守りながら一緒にのめり込んでいく母親・菊池ママ。この母子の日常を主に親目線からエッセイ風に描いた心温まる物語です。
この着眼点は斬新で面白いですね。他の将棋漫画では目にすることがない見せ方で将棋の世界を描いています。「将棋=難しい」と思ってる人にこそ読んで欲しいと詠っているように、将棋全然知らない人でも楽しめるように作られています。

等身大のリアリティで描かれる将棋と親子

この作品における将棋描写と、ここで繰り広げられている母子のやりとりが実にリアル。読んでいて違和感をあまり感じることはなく、強いてあげるなら宝が可愛過ぎること、菊池ママがお美し過ぎるところ。
純粋に将棋を楽しみながらも勝負事には真剣な宝と、息子の影響を受けて将棋をミーハー感覚で楽しみならもどんどんハマっていく菊池ママ。愛しくて大切な息子が好きなものなら自分も理解したいと思う親心が生んだきっかけ。でも、一緒に楽しんではいるけどその楽しみ方はビミョーに異なる母と息子の様子を、何気ない日常のやりとりから覗くことができます。宝の対局で勝ったとき、負けたとき、それぞれの様子と心境もリアルでしたね。
やけにリアルに感じられるのは、作者・南Q太さんが似たような経験をされているところが大きいかと。実際に息子の将棋熱に当てられて興味を持つようになり、勉強してるうちにこの題材で漫画を描いてみたいと思って作られた作品が『ひらけ駒!』ですから。

また、作中で登場する風景、建物、書籍やグッズ、そしてプロ棋士は、実在するモノや人が多く描かれているところもリアリティを感じる大きな要因。
書籍には『プロへの道』『将棋の必殺ワザ』『聖の青春』、さらに『3月のライオン』『月下の棋士』『しおんの王』などなど。各巻の表紙イラストも実在する場所を背景に使ってることが多いですね。

将棋を取り巻く様々な登場人物たち

描かれているのは何も菊池親子のことだけではありません。菊池親子の日常を主軸にしながら、この作品では将棋に関わる様々な登場人物や親子にもスポットを当てたエピソードを挟み、若干ですけどオムニバス作品にも似た作風を見せています。
それは天才少女の物語だったり、女流棋士の物語だったり、ある親子の物語だったり、中年になって本気でやりたいモノを見つけた男性の物語だったりします。
その全てがどこかで宝や菊池ママたちと繋がっていく様子を見るのも面白い。個人的には、女流棋士に勝利した天才少女・みずきと、「今から本気で何かをしてみるのもいいかもな」という言葉が心に響いた中年男性・田嶋さんの話が結構好きですね。
様々な人間模様、様々な家族関係を覗けるところもこの作品の面白いところ。

最後に

というわけで、親の目線から母と子の日常を描くと同時に、ファン目線から将棋の世界を描いた漫画『ひらけ駒!』の紹介でした。
将棋漫画は多く存在しますが、ある意味ではそのどれよりも将棋の「楽しい」と「嬉しい」を純粋に描いていた作品内容だったと思います。温かなストーリー、愛着が湧くキャラクター、心地よい雰囲気、とにかく素晴らしいの一言。
気になるのは今後の宝くんの先が読めない動向。プロを目指して棋士の道を歩み出すのか、はたまた厳しい現実と壁によって断念するのか。通常なら前者でしょうが、この作品の場合後者も十分ありえます。まあでも、どうなったとしても将棋が繋げる母と子の温かさに包まれた日常はブレることなく続いていくでしょうね。
将棋ファンも将棋を知らない人も心をほっこりさせながら楽しめる作品なので、よければ読んでみてください。自信を持って強くおすすめさせていただきます。

ひらけ駒!(1) (モーニング KC)

ひらけ駒!(1) (モーニング KC)

  • 作者:南 Q太
  • 出版社:講談社
  • 発売日: 2011-03-23


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2017年06月14日

【あやかしこ】マンガ 感想&あらすじ 人間と妖(あやかし)の交流を微笑ましく描いた日常系ハートフルストーリー

月刊コミックアライブ。2015年5月号から連載中。既刊3巻
作者:ヒジキ



あらすじ

妖たちが共同で住まう古い民家、通称「あやかし荘」。通常は人の目には見えず、古くから畏れの対象とされてきた妖という存在だが、此処にいる彼女たちには怖さのカケラもなかった。

あやかし荘の住人は、座敷わらしのきぃ、妖狐の玖雨狐(くうこ)、雪女の雪芽(ゆきめ)。そして、ここを管理している唯一の人間である宮塚真帆路(みやつか まほろ)は、妖たちとふれあうことができる不思議な力を持った16歳の女の子。
これまで管理していた祖母が亡くなったことで真帆路があやかし荘を引き取り、生活能力に欠ける妖たちのお世話をしながら学校へ通っていた。

ある日、真帆路たちは猫又になったばかりの新米あやかし・ネネと出会う。戸惑っていた彼女に自分たちと一緒に暮らすことを提案し、あやかし荘には新たな住人が、そして家族が増えることに―。

本来は相容れることのない人間とあやかし。でも、あやかしたちの喜ぶ姿を見られることが嬉しい真帆路。自由気ままなあやかしたちに振り回されることは日常茶飯事だけど、なんだかんだで毎日が賑やかで楽しい――そんな妖のいる日常がここに。

登場人物

ネタバレも若干含むので注意

・宮塚 真帆路(みやつか まほろ)
主人公。人間。黒髪ロングストレイートの女の子。16歳。「あやかし荘」の管理人。
あやかし荘を管理していた祖母が他界し、取り壊されそうになっていたところを彼女が引き取りました。管理人になったのは、生まれつき高い霊能力を持っていたことで幼い頃から妖を見て、触れて、会話することができた真帆路が、妖たちに居場所を作ろうとした祖母の優しさに共感したから。妖たちは家事能力が低いためあやかし荘の家事全般を一手に担っています。
カツカツの家計をやりくりしているためお金には細かい。ネコ大好きだけど猫アレルギー持ちなので普通のネコは触るとくしゃみと喘息が発生しますが、ネネだけは問題ないのでよく撫でてます。学校では人を寄せ付けないミステリアスクールビューティとして男女年齢問わず大人気。実際はただの人見知りで、本人は普通に過ごしたいと思っています。

・きぃ
妖・座敷童子(ざしきわらし)。あやかし荘の住人。容姿は幼い子供。
幼いのは見た目だけではなく、言動も振る舞いも無邪気な子供で甘えん坊。真帆路と一緒にいるときは傍目に見ると完全に母と子の関係。非常に食いしん坊でもあり、しょっちゅう真帆路におやつや食事をねだっていますが、パセリやニンジンなど野菜はちょっと苦手。きぃの機嫌が悪くなると座敷童子の特性によって地味な災いが頻発。エミからは最初「化け狸」と勘違いされて激怒しました。玖雨狐たちとは違い外から来たのではなく、あやかし荘と呼ばれる以前からこの家に住み着いていた妖。

・玖雨狐(くうこ)
妖・妖狐(ようこ)。あやかし荘の住人。キツネの耳とポニーテールが特徴。妖術が使える。
「肉食動物」「残像」など、様々な文字がプリントされた変なTシャツをいつも着ています。テレビ番組などで様々な情報を取り入れては、誰かを実験台にして遊んでいるあやかし荘のイタズラ好きなムードメーカー。キツネの耳と尻尾にはさして意味はなく、普段から出しているのはあると落ち着くからという理由。きぃと同じくかなり食い意地が張っている狐。とある稲荷神社に祀られているアキとクキの双子の稲荷姉妹からは、誤解(?)から「ニート狐」「クソ狐」と呼ばれ恐れられています。

・雪芽(ゆきめ)
妖・雪女(ゆきおんな)。あやかし荘の住人。ショートカットにした青い髪が特徴。強い日差しが苦手。
ほんわかした冷暗所でないとぐっすり眠れないらしく、冷蔵庫の中で眠ることもあります。家事の手伝いをしようとするなど一見しっかり者のように見えますが、その実かなりのドジっ娘で結果として真帆路の仕事を増やすこともあるポンコツ。感情が昂ぶると周囲の水分を凍らせてしまう癖を持っています。冷たいものを摂取すればするだけ霊力が増加し、高まり過ぎると家中を凍らせてしまうため、カキ氷は1日1杯までと決められました。

・ネネ
妖・猫又(ねこまた)。あやかし荘の住人。髪はロングストレートの黒髪で、ネコの耳と尻尾が特徴。変化したばかりの新米あやかし。
ネネが猫又になったばかりで戸惑っていたところに出くわし、ひとりぼっちで困っていた彼女を真帆路があやかし荘に誘ったことで新しい住人になりました。ネコの習慣・特性はそのままなので、頭や顎の下を撫でられると「ゴロゴロ」と喉を鳴らします。真帆路が子猫やエミと仲良くしているとジェラシーを感じてしまうツンデレさんでもあります。ネコまんまはなんかしっくりくるらしい。

・高梨 エミ(たかなし えみ)
大阪から真帆路のクラスに転校して来た女の子で始めての友達。人間。母がドイツ人のハーフだけどドイツ語は話せません。長い金髪と碧眼、それと関西弁が特徴。
妖怪とお友達になりたいちょっと変わった明るいコミュ力の高い子。真帆路が妖たちと会話していた現場を目撃し、自分も友達になりたいと接近。霊感はあるけどハッキリとは見えず、彼女の目には靄がかかったように映っています。玖雨狐の助けもあって、真帆路が近くにいるときだけは普通にふれあうことが出来るようになりました。真帆路からはコミュ力の高さを尊敬されています。キモかわいいものが大好き。


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感想・見所

忙しい日が続くとなかなか疲れが抜切らないもので、体の疲労だけなら色々やりようはあるのですが、精神的な疲れは心の持ちようかもしれませんけど時間がとれないと結構きつい。
そんなときにはほのぼのした癒し系作品がもってこいですね。ゆったり優しい空気に包まれると体の力も抜くことができますし、同時に心もほぐしてもらえるため、私もちょっと空いた時間や就寝前にはよく助けてもらってます。
今回紹介させていただく作品も疲れた心に癒しをもたらしてくれる漫画『あやかしこ』。ふらっと書店に立ち寄った際、表紙のブックデザインと雰囲気が『のんのんびより』と似ていたことに引かれて手に取った作品。というより、店頭に並んでいたこの作品を見つけた時は、知らない内に『のんのんびより』の新刊でも出てたのかと勘違いしました。

妖たちが共同生活をしている一軒の古民家を舞台に、その家を引き取って管理している16歳の女の子(人間)と、気ままで賑やかな住人達(妖怪)との、ちょっと不思議で温かな妖がいる日常を描いた物語。
共同生活している人間と妖(あやかし)が織り成す癒しの日常系ハートフルストーリー。『のんのんびより』の作者・あっと先生もなごみ中とのことです。
作者は漫画家・ヒジキ先生。『干物妹!うまるちゃん』のスピンオフ作品『ひもうと!うまるちゃんSS』で作画担当されています。

のんびりまったりとした妖がいる日常

下町情緒が残る東京・浅草に建てられた一軒の風情ある古い屋敷――通称「あやかし荘」が主な舞台。管理人をしている主人公の少女・宮塚真帆路を除けば、ここで暮らす住人たちはみんな妖(あやかし)
以前の管理人である真帆路の祖母が、妖たちに居候としてではなく住人として暮らしてもらうため、表札を改めたのが「あやかし荘」です。そして、この場所を受け継いだ真帆路は、妖の存在をなんとなくでしか感じ取れなかった祖母とは違い、異常なほど高い霊能力でバッチリハッキリ見て、さわって、会話もできるので、彼女たちのお世話をしながら高校へ通い、大変だけど賑やかで楽しい日々を送っているという話。

これは、迷える妖たちのための共同住宅を舞台にした、人間と妖の交流を描いた作品です。

妖怪というファンタジーな設定ではありますが、怖さは欠片もなく、大事件が起こることもなく、終始ほのぼのまったりとした優しい日常が描かれています。急展開や突拍子もない余計な演出を挟むこともないので、身構えることなく安心して読むことができ、ただただ作品の優しい空気に身を預けておけばいい内容が延々続きます。「可愛い」、「まったり癒される」、それだけと言えばそれだけなんですが、それで十分とも言える作品です。
とってもカワイイ気ままな妖怪娘たち

魅力はもちろん癒される可愛いキャラクター。妖怪と言ってもオドロオドロシイ姿形をしているわけではなく、見た目は可愛い女の子。まあ、女の子という年齢ではないんでしょうけど。
真帆路が管理しているあやかし荘の住人は、天真爛漫な食いしん坊のちっこい座敷童子・きぃ、ケモミミ生やしたイタズラ好きの妖狐・玖雨狐、おっとりしたドジっ娘の雪女・雪芽、変化したばかりのツンデレな猫又・ネネ。
みんな文句の付けようがない可愛さで描かれ、どの娘にもしっかりスポットを当てた展開を見せ、あやかし荘でのそれぞれのポジションもほぼ確立されています。
妖怪としての特性をそれとなく発揮しながら、食べて、遊んで、寝て、毎日を気ままに暮らしています。・・・ニートとか言わないように。
あと、住人ではないのですが、浅草のとある稲荷神社に祀られている双子の稲荷姉妹も登場。妖怪ではなく一応神様に分類されますが、きぃと同じ2頭身キャラで言動・行動も子供っぽい可愛くて微笑ましい子達です。

学校ではクールビューティ、あやかし荘ではお母さん的な主人公・真帆路

そんな気ままな妖たちをお世話しながらあやかし荘を管理しているのが、主人公の宮塚真帆路。妖怪娘たちに負けず劣らず可愛くて魅力的な女の子です。
あやかし荘では食っちゃ寝ばかりで生活能力に欠ける妖たちに変わって、カツカツの家計をやりくりしながら家事全てをこなし、じゃれついてくるきぃの相手をするなど、その姿はさながら一家の“お母さん”的存在。
家族の笑顔を見られることが嬉しい優しくて明るい女の子なんですが、学校では全く別の顔を見せます。子供の頃は霊能力が原因で誤解を受けることが多かったようで、隙を作らないようにし、周囲の人とも距離を取っていたことで極度の人見知りに。しかし、高校ではいじめとか迫害を受けているなんてことはなく、人を寄せ付けない彼女の雰囲気によって、むしろミステリアスクールビューティとして男女問わず高い人気を誇っています。
ずっと人間の友達がいないことには若干の寂しさを感じていたわけですが、妖を通してエミという友達が出来たことで、いつも学校ではぼっちだった真帆路もクラスメイトと一緒にご飯を食べられるようになりました。その辺の真帆路の変化も見所のひとつでしょうね。
ただ、個人的にはあくまでメインはあやかし荘での人と妖怪の交流であって欲しいとは思ってますけど。

最後に

ということで、疲れた心をまったり癒してくれる作品『あやかしこ』の紹介でした。まったりし過ぎて物足りないと感じる人もいるかもしれませんが、余計なことを考えずに肩の力を抜いて気楽に読めるので、癒しをメインにした日常系としては良作だと思ってます。
とにかくキャラクターが可愛く、イラストも内容にマッチした優しいタッチで描かれ、作品全体から安心が伝わってくるところが良いですね。多少百合風味もあるので、その辺が好きな人にもいいかも。
癒し系日常系が好きな人、まったりしたい人なら特に楽しめると思いますので、よければ読んでみてください。自信をもっておすすめさせていただきます。



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2017年05月17日

【猫のお寺の知恩さん】マンガ 感想&あらすじ 親戚の年上お姉さんと男子高校生の絶妙な距離感で描かれる縁側ラブコメ

週刊ビッグコミックスピリッツ。2016年24号から連載中。既刊3巻
作者:オジロマコト
他作品:富士山さんは思春期



あらすじ

この春から県外にある田舎の高校へ進学する16歳の少年・須田源(すだ げん)は、昔お世話になっていた遠い親戚のお寺に下宿することになった。

そんな源を迎えてくれたのは、祖母と一緒にお寺を管理している19歳の女性・古寺澤知恩(こてらさわ ちおん)。源がまだ幼い頃に一緒に遊んでくれた親戚のお姉さん。

なんとなく記憶の中に残る知恩ねーちゃんとは違う落ち着いた雰囲気に若干戸惑いながらも、期待に胸を膨らませて新生活を始めようとしていた源。しかし、知恩からこのお寺はいわくつきだから夜トイレに行くときは気をつけるようにと恐ろしい注意を受けることに・・・。

その夜、ビビリながらトイレに行った帰りにミシミシと足音が聞こえて慌てふためくも、そこに現れたのは・・・・・・ニタニタ笑みを浮かべて驚かしに来た知恩だった。その姿に源は思い出す――知恩ねーちゃんは意地悪だったということに。

意地悪で、ダサくて、働き者で、あっけらかんとした3つ年上のお姉さんと、彼女が管理する猫がたくさんいるお寺で、源はソワソワしっぱなりしの新生活を始めるのだった。

主要登場人物

・須田 源(すだ げん)
主人公。高校1年生、16歳。県外の高校へ進学するため、遠い親戚である知恩がいるお寺に下宿。実家にいたくない理由があるらしく、とりあえず離れたい一心で田舎の高校を受験したようです。幼い頃に家庭の事情で少しの間お寺に預けられていたことがあり、そのとき知恩と仲良くなりました。知恩さんが意外とモテてる状況に気が気でない様子で、彼女から必要とされる存在になりたいと考えています。高校で出来た友人に誘われ、昼間も所属する剣道部へ入部。勉強は苦手で、特に数学は赤点をとってしまう有様。

・古寺澤 知恩(こてらさわ ちおん)
源が下宿するお寺を管理している「はとこ」のお姉さん。3つ年上の19歳。両親は寺を継がずに海外赴任中。肉感的な体型で、自然体な色気を感じさせる綺麗な女性。あっけらかんとした働き者で、ちょっと意地悪な一面もあります。特に源の前では自分を飾ることはせず、かなり無防備でもあるため、彼をドキドキソワソワさせることもしばしば。ジーパンにTシャツというちょっとダサい格好でいることが多い。中学当時はいつも全力で立ちこぎしながら自転車通学していたことから、ついたあだ名は「ケイリン先輩」。祖父が生前開いていた習字教室を復活させました。

・昼間 陽子(ひるまようこ)
お寺の近所に住む源と同級生の少女。高校1年生。剣道部所属。源と初めて出会ったときは、テン(犬)の散歩していた彼を犬ドロボーだと怪しんでいました。口が悪く、親にも小生意気な口調ですが、あまり酷いことは言えない子。知恩のことが大好きで、普段は誰にでもムスっとしているのに、知恩の前でだけは柔らかで華やかな表情になります。中間テストで満点を取るなど、学校での成績は良好。

・おばあちゃん
知恩の祖母。知恩と一緒にお寺の管理をしています。寺の跡継ぎなどの面倒事は自分の代で終わっても良いという考え。源に「婿に来るか?」と冗談交じりに尋ねてもいます。檀家さんは多くないため、法事は近在の住職さんに頼んでいるようです。お稽古をつけたり檀家さんとの付き合いで家を空けることが多い。知恩と源の関係を温かく見守っていますが、時折意味深な行動をすることもあります。

・流石 聡美(さすが さとみ)
源と昼間のクラスを受け持つ男性教師。女子生徒からの人気が高いイケメン。実家がお寺で、その寺は彼の兄が継いでいますが、聡美も仏門に入っています。戒名は「聡元(そうげん)」。東京の大学へ進学して就職も向こうで考えていましたが、地元とお寺が好きで帰郷。知恩と源が暮らすお寺を気に入った様子。



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感想・見所

ネコがたくさんいる小寺を舞台に、県外の高校へ進学して春から下宿することになった少年と、幼い頃一緒に遊んだ寺を管理する3つ年上の親戚のお姉さんによる、四季に彩られたのどかな田舎で織り成す縁側暮らし。
高校生と3つ年上のお姉さんが送る「縁側ラブコメ」。TV Bros.(東京ニュース通信社)による漫画賞「ブロスコミックアワード(2016)」にて大賞を受賞。
作者は、中学生の初々しい恋愛模様を描いた『富士山さんは思春期』を代表作に持つ「オジロマコト」さんです。最初は「猫のお寺」部分に興味を引かれて試し読みしたのですが、読み終わってみれば知恩さんの魅力に堕ちてコミック読んでましたね。

年の差カップルの恋愛模様を描いた作品と言えば、近年はどちらかと言うと少女漫画誌でよく見るテーマのような気がします。『きょうは会社休みます』や『東京タラレバ娘』なんかが有名なところですね。
もちろん少年誌・青年誌でも年上女性やオトナ女子へ憧れを持つ年下男子との、ドキドキソワソワ満載の作品は数多くあります。真っ先に思い浮かぶのは『めぞん一刻』。言わずと知れた名作ですね。それから最近では未亡人(28)×腹ペコ高校球児(16)の『八雲さんは餌づけがしたい。』や、恋愛とは違うのかもしれませんけど『少年と私』も印象深い作品。
上記でタイトル上げた作品ほど年が離れているわけではありませんが、今回紹介する『猫のお寺の知恩さん』も年上女性と年下男子のふれあいを描き、しかも幼馴染という関係にもあることから、絶妙な距離感を演出した作品内容になっています。
ゆったりした日常の中で描かれる縁側ほんのりラブコメ

高校進学を機に実家を離れて遠い親戚のお寺へ下宿することになった須田源。そのお寺を祖母と2人で管理し、源が幼い頃に少しのあいだ一緒に過ごした3つ年上のお姉さん・古寺澤知恩。物語はこの一つ屋根の下で一緒に暮らすことになった源(16)と知恩(19)さんの2人を中心に描かれていくことになります。
都会とは異なるゆったりと流れる時間のなかで2人の日常は動き出し、寺にいるたくさんのネコたちや犬のテンとたわむれ、買い物に畑作業、ときにはハチの大群が襲って来るなんて騒動も起こるけど、ひと段落着けば縁側でまったり過ごす日々。新たに始まる学校生活や復活させた習字教室、ここでの出会いによって人間関係は広がり、友情や繋がりを育みながら恋みたいなものもしたりして、都会のように物に恵まれてるわけではなくても結構楽しく過ごしています。
こんな感じで、クスっと笑えるおふざけを挟みながら、基本はハートフルな心地よい雰囲気でストーリーは展開されていきます。作者さんのこれまでの作品同様セリフはそれほど多くはなく、表情や風景、そして間を巧みに用い、絵と雰囲気で物を語る作風。

自然体の中に色気を感じさせる魅力溢れる知恩さん

この作品の最たる魅力はなんといっても、ちょっと年上のお姉さん・古寺澤知恩というキャラクター。3歳しか変わらない19歳と言っても、この年代での3年という差はかなり大きく、源や彼の同級生たちと比べるとだいぶ大人の雰囲気。同年代でも子供っぽい男子に比べて女の子はずっと大人ですしね。しかも、知恩さんは祖母とお寺の管理をしながら1人で家事全般もこなしてますから。
美人ではあってもとっつきにくい感じはなく、笑顔が素敵なとても親しみやすい性格。服装はちょっとダサめのラフな格好でいることが多いのですが、肉感的な体型なうえにかなり無防備な人なので、飾らない自然体でいることがむしろ色気を増幅させてるような気さえします。彼女が思春期男子には強烈過ぎる爆弾であることは間違いないでしょう。
前作の「富士山さん」でもそうだったように、読者のフェティシズムに訴えかけてくるかのような質感のある描写は見事。前作で薄々感じてましたが、これでオジロマコトさんがお尻好きであることは疑いようがなくなりましたね。

友達?姉弟?それとも・・・?絶妙な距離感が生む源と知恩の関係

そんな魅力に溢れる知恩さんと思春期真っ只中にいる源との距離感が絶妙。ただの3つ年上の美人なお姉さんというわけではなく、源にとってはしばらく会えずにいたちょっといたずら好きな幼馴染のお姉さん。年の差だけでも微妙な距離感が生まれるものだと思いますが、そこに幼馴染、しかも2人は久しぶりの再会、さらに寺には後継者がいない問題などが重なり、一見単純そうに見えて中身は結構複雑。
2人がお互いに抱いている感情も微妙で、源が知恩さんに抱いているのは恋愛感情にも年上女性に抱く憧れ的なものにも見えます。それに比べ、私的にはむしろ源に向ける知恩さんの気持ちの変化の方が見て取れた気がして、一緒に過ごす中で意味深な発言や表情をすることが次第に増えてきました。源への気持ちはあるのかもしれませんが、彼を見守るお姉さんとして、そして保護者としての立場もあり、知恩さんはお寺の問題も抱えていることから、彼女の物憂げな表情の中には多くの感情が見え隠れしています。
2人だけではこのまま何の変化もなく一定の距離を保ったまま進んでいきそうですが、そこに様々な要素が加わることで、その微妙な距離感が少しずつ変化していきます。この甘酸っぱい絶妙な関係に悶絶しそうになりますね。

最後に

というわけで、年の差男女のドキドキ同居生活とゆったりした日常を描いた『猫のお寺の知恩さん』、いかがでしたでしょうか。
これからの展開は非常に気になります。恋愛は間違いなく絡んでくるでしょうが、その相手は・・・。もちろん源と知恩さん2人の関係が恋に発展してくれることを期待しますが、昼間さんや聡美先生もいますからね。どうなっていくのやら、目が離せませんね。
年上女性が好きな人なら特に気に入ってもらえるのではないかと。読者が19歳より上だとしてもその辺は全く問題はなく、自分が学生だった頃を思い出しながら読むこともでき、何より知恩さんの年上感が半端ないので、私も彼女より上の年代ですけど普通に「お姉さん」として見れました。
ドキドキする源と知恩さんの関係と日々の出来事をスローなテンポで丁寧に描いた作品、面白いのでよければ読んでみてください。自信を持って強くおすすめさせていただきます。



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2017年05月10日

【のんのんびより】マンガ 感想&あらすじ 田舎の町を舞台にのんのん気分で過ごす少女たちの姿を描いたゆるゆる日常コメディ

月刊コミックアライブ。2009年11月号から連載中。既刊10巻
作者:あっと
他作品:こあくまメレンゲ



あらすじ

「・・・もしかして・・・ウチ・・・田舎にすんでるのん?」

両親の都合で東京から引っ越してきた小学5年生の一条蛍が通うことになったのは、ひとつのクラスに小学生と中学生が混在し、自分を合わせて全校生徒がたったの5人しかいない「旭丘分校」。

そこは見渡す限り豊かな自然と田畑が広がり、道路には「牛横断注意」の標識が設置され、信号機の1つもなく、バスは5時間に1本しか来ないまごうことなき田舎。

蛍はこれまでの環境とは全く異なる田舎の様子にたびたび驚かされながらも、宮内れんげ、越谷夏海、越谷小鞠ら同じ学校へ通うちょっとおかしな少女たちとすぐに打ち解け、みんなで楽しくまったり日々を過ごしていく。


主要登場人物

・一条 蛍(いちじょう ほたる)
あだ名「ほたるん」。東京から「旭丘分校」に転校してきた小学5年生の少女。まだ小学5年生ながら身長164cmもある発育のよい子で、実際の年齢よりお姉さんとして、または大人扱いされることもしばしば。見た目だけではなく言動や普段の振る舞いも大人びていますが、両親の前では年相応に甘える子供っぽさを見せ、珍しく皆の前で大はしゃぎした際は周囲が彼女のことを小学生だと再認識することも。自分とは逆に見た目も性格も子供っぽくて可愛い小鞠が大好きで、小鞠をモデルにした「こまぐるみ」という人形を大量に作っています。犬のペット「ペチ」の散歩が日課。

・宮内 れんげ(みやうち れんげ)
あだ名「れんちょん」。学校では最年少の小学1年生。紫色の髪をツインテールにした好奇心旺盛な女の子。一人称は「ウチ」、語尾には「〜のん、〜なん、ん」。「にゃんぱす」といういつでもどこでも使える便利な挨拶を持ってます。独特な感性の持ち主で、周囲の人たちが理解に悩む発言や行動をすることも多い子。その一方で学校の成績は非常に優秀なうえ、天才的な一面を覗かせることもしばしば。家によく出没する狸に「具」と名付けるなど、ネーミングセンスも独特。目は半目で、口は常に三角の形。

・越谷 夏海(こしがや なつみ)
あだ名「なっつん」。中学1年生。小鞠と卓の妹。明るい性格のムードメーカーですが、イタズラ好きのトラブルメーカーでもあり、特に小鞠が標的にされることが多め。勉強嫌いで成績も悪く、イタズラばかりするため母親・雪子のカミナリが落ちることも日常茶飯事ですが、改善の兆しは皆無。幼少期はお兄ちゃん大好きな子でした。元々の素材が良いため着飾れば美少女に変身しますが、本人はその姿に強い拒否反応を示します。

・越谷 小鞠(こしがや こまり)
あだ名「こまちゃん」(名前ではなく、小さい=「こまい」から)。クラスの女の子の中では最年長の中学2年生。最年長ではあっても140cmにも満たない小柄な体型で、本人もかなり気にしてる様子。蛍とは逆に知らない人からは幼い子供扱いされることが多め。さらに、無理に背伸びして大人ぶろうとする一面もありますが、元々子供っぽい性格で浅はかなところもあるため、よく空回りしています。料理に関しては壊滅的な腕の持ち主で、下手なうえに独自のアレンジを加える迷惑な人。クマのぬいぐるみ「しょうきちさん」を大切にしています。

・宮内 一穂(みやうち かずほ)
あだ名「かず姉」「ねぇねぇ」。れんげの姉、24歳。旭丘分校の教師。ポニーテールと眠たげな糸目が特徴の女性。家でも学校でも基本寝ていることが多く、授業も問題集や何かしらの課題を提示することが多い。マイペースな性格でダメ人間な面が目立つため、生徒たちからすらよく呆れられています。当然頼られることも少ないのですが、ごくごく稀に大人らしい振る舞いを見せることもあります。

・加賀山 楓(かがやま かえで)
あだ名「駄菓子屋」。20歳。一穂の後輩で彼女のことを「先輩」と呼びます。金髪(?)とヤンキー風の格好が特徴の女性。あだ名の通り本業として駄菓子屋を営んでいますが、それだけでは生活費を賄えないため、レンタル業もやっています。アネゴ肌の性格で、見た目と言動に反してとても面倒見の良い優しい人。れんげが赤ん坊だった頃によく面倒を見ていたことから、現在も妹のように想って気にかけていて、れんげもよく懐いています。

・越谷 卓(こしがや すぐる)
クラスでは唯一の男子生徒であり、学年は最年長の中学3年生。存在感が非常に薄く、無表情なうえに作中では全くしゃべることはありません。ただ、スペックは異様に高く、フィギュア作り、料理、ギターなど様々な特技を有しています。周囲からぞんざいに扱われがちですが、本人はさして気にはしてない様子。名前を使われることがなく、呼ばれるときも「兄ちゃん」や「にぃにぃ」。



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感想・見所

バスが5時間に1本しか来ないド田舎にある学校へ通う子供たちが、周囲の人たちとふれあいながら、豊かな自然の中でのびのび楽しく過ごす日々の様子を描いた漫画。
田舎で暮らす少女たちが送る、まったりゆるゆるな日常コメディ。「のんのんびより=穏穏日和」。作者の漫画家「あっと」さんは、2016年に放送されたアニメ『ハイスクール・フリート』でキャラクター原案を担当された方ですね。
2013年10月にアニメ1期が放送され、2015年7月から『のんのんびより りぴーと』というタイトルで2期が放送されています。また、コミック単行本第7巻・第10巻の特装版にはOVAが付属しています。

このせわしなく時間が流れ、多くの人が忙しさで身も心も疲弊させてる時代。こんな時代だからこそ、癒し系、日常系、脱力系、空気系など、ちょっとした時間の合間を使って気楽に読め、ゆるゆるな雰囲気にクスっとした笑いと同時に癒し効果まである作品は高い人気を得ていると思います。
代表的なところでは、私も大好きな『ARIA』や『よつばと』、それから『みなみけ』なんかがまさにそのジャンルに分類されますね。学校や家庭など現代を舞台にした作品をはじめ、近未来、異世界ファンタジー、果ては動物の世界を描いた作品など、さまざまな見せ方ができることからその種類も多岐に及びます。
今回紹介させていただく『のんのんびより』は、人が想像する理想的な田舎の風景と共に、ユニークでカワイイキャラクターたちのゆるい日常でのやりとりを見せ、読者に笑いと癒しを与えてくれる内容になってます。

疲れた心を癒してくれる理想的な田舎の風景

この作品の舞台は、全校生徒がたった5人しかいない小中一貫校があり、道路には信号がない代わりに「牛横断注意」の標識が設置され、バスにいたっては5時間おきにしか運転されていないド田舎の町。
利便性に関しては不便ばかりが目立つ土地ではありますが、その代わりにせわしない都会の喧騒とはまるで縁がなく、四方は緑の生い茂る山々が囲い、綺麗な小川が流れ、田園風景が広がるなど、そこにいるだけで心も身体も癒してもらえそうな豊かな自然が溢れる場所。野菜の無人販売所や駄菓子屋がまた良い味わいを醸し出していますね。
実際にあるどこかの町をモデルにしたわけではなく、作者・あっとさんの自宅や実家周辺の風景、たまたま見つけた写真などを参考に作中舞台が作られたため、いろいろな場所が混在することになり、そんなこんなで日本のどこかにある幻想の田舎町が出来上がっています。
この作品ほどではなくても私の実家もちょい田舎寄りだったことから、過度な期待をしてはいけないと分かってはいるんですけど、描かれている風景はまさに人が思い描く理想的な田舎町なので、どうしても見てると憧れてしまう心地よさがありますね。

個性豊かでユニークな魅力溢れるキャラクターたち

作品を彩る個性豊かな登場人物たちも当然魅力のひとつ。4人の少女たちをメインに据え、彼女たちの周囲にいる人たちを交えながら、漫画は1話完結方式で展開されていきます。
しっかり者で大人っぽい見た目だけど両親の前では甘えん坊になってしまう小学5年生、一条蛍。周囲の理解が及ばない独特の感性を持つ好奇心旺盛な小学1年生、宮内れんげ。明るいムードメーカーだけどトラブルも背負ってくるイタズラ好きの中学1年生、越谷夏海。大人の女性に憧れを持つ小さくて子供っぽい性格のちょっと不憫な中学2年生、越谷小鞠。
この性格も年齢も異なる4人の少女たちがメインキャラクター。この4人の中だと個人的にほたるんが1番好きですが、それでも注目せずにはいられない異彩を放ちまくりなキャラはれんちょんですね。幼い子供の無邪気さに加え、独特な感性も上乗せされていることで、言動も行動も予想の斜め上を行く面白すぎる子。ヘンテコな歌と踊り、宇宙を表現したあやとり、セミの幼虫を見て「どなたですのん・・?」には笑わせてもらえました。
他にも、常にぐうたらしてる一穂、優しいアネゴの楓、スポットを当てて欲しい卓、あとタヌキの「具」など、作中には魅力に溢れるキャラクターが多く登場します。全キャラ中だと一穂が1番好きな自分はどうなんだろ・・・。

懐かしさを感じる少女たちのゆるっと楽しい日常

大きな事件なんて何一つ起きることなく10巻を越えていきましたが、そこがいい、それでいいと思えるゆるい日常が心地よい。
各話で描かれているのは、学校の授業風景、休み時間のひととき、放課後や休日の出来事など、なにげない日常の中のひとコマ。仲良し4人娘たちがときに周囲の人たちを交えながら、遊んでふざけてちょっと冒険なんかもして、駄菓子屋に寄ってお菓子やアイスを食べ、都会ではなかなか体験できないようなことをしてゆるっと過ごしている様子が描かれています。
なかには、定規落としや肝試し、川での魚釣りに秘密基地など、自分の子供時代を思い起こさせてくれる要素もてんこ盛りなので、懐かしい気分にもなれますね。

最後に

田舎の町で暮らす少女たちの日常を描いた『のんのんびより』、いかがでしたでしょうか?可愛いキャラ同士の笑えるやりは面白く、たまに挟まれる感動話も良いアクセントになっていました。キャラ・ストーリー・演出、どこをとっても癒し効果抜群の作品。
また、背景の描き込みが素晴らしい。木々が生い茂る山や森、小川が流れる田畑、それに木造の校舎など、作者さんちょっとがんばりすぎじゃないかとさえ思ってしまうほど丁寧に描いていただけています。見開きページや大きなコマだけではなく、小さなコマでも手抜きがないところは頭が下がります。より一層田舎への憧れが溢れそうになりますね。
ちょっと笑えるほのぼのした日常系作品が好きな人なら気に入ってもらえる可能性は高いと思いますので、よければ読んでみてください。漫画もアニメも自信を持って強くおすすめさせていただきます。



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ハネ吉
とにかく漫画が大好きです。愛してるといっても過言ではありません。どんなジャンルにも手を出しますね。正直、文章力にはあまり自信はありませんが、なるべくうまく伝えられるようにがんばります。ちょっとだけでも読んでもらえたらうれしいです。 ちなみに、甘い物とネコも大好きです。
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